迷いの森の一軒家、そこに彼女はいた
「よし、自信作だぜ」
彼女は霧雨魔理沙。普通の魔法使いである。
「これをこうして包んで……っと」
朝から彼女は珍しく何かを作っていた
それは誰の為の物だろう
「よし、準備完了だぜ。後は本人に渡すだけだな」
そういうと外出の準備を始めるが、ふいと手を止める
「……受け取ってくれるよな?」
少し不安げな顔と声になる魔理沙。普段見られる軽快な
表情と元気はどこへやら。
「……そうだ、花も持っていくか。喜んでくれるかな?」
そう言って頬を赤らめるとまた出発の準備を始めた。
やがて彼女は準備を終えると作ったものを入れた袋を
鞄にいれ、家を出る。そして箒に乗り自分のよく知る花の
大妖怪がいる花畑へと飛んでいった。
「今日も絶好の門番日和ねぇ~」
そういいながら紅い屋敷の廊下を歩くは
皆さんご存知、紅美鈴。
長い廊下を食堂に向かって歩いていた。
「あっ隊長発見~」
「んっ?どうしたの?」
そんな彼女に廊下の角から出てきた人物が声を掛ける。
門番隊の部下だった。
「メイド長から隊長に連絡です」
「咲夜さんから?どうしたんでしょう?」
咲夜から連絡、もとい命令があることは別段
珍しくない。だが時間が違った。今日は朝だった。
何か急な用事なのだろう。そう美鈴は思った。
「シフトの変更だそうです」
「へっ?そんなこと?」
門番隊のシフトが変更になったらしい。
珍しいこともあるものだと美鈴は思った。
だが昔はそうでもなかった。妹様の遊び相手を
していてよく怪我をして急に変更することなど
日常茶飯事だったのだから。
そんなことを思い出しながら彼女は変更内容を
聞く。恐らくは誰か熱を出して倒れたのだろうと。
「今日一日、隊長はお休みです」
「……はいっ?」
違った。それは突然の休暇であった。
しかも自分への。
「何で?」
「さぁ何ででしょう?」
質問をぶつけるも華麗に質問で返されてしまった。
どうやら知らないらしい。
さすがにおかしいと思う。今日の朝、突然のシフト
の変更。自分が今日一日休み。
だが上司(地位的に同じだが)からの連絡もとい
命令。さすがに聞かないわけにはいかず
「ふぅん。ならば今日は一日休ませて貰うわね。決してサボったりしないように」
「そりゃもちろんですよ。そしたら私達にナイフですから」
とりあえず今日は部下達に仕事を任せ自分は休むことにした。
美鈴は連絡してくれた部下の頭を撫でてやると食堂へと
向かった。休みになっても食べるべきものは食べるのだ。
美鈴を見送った部下は小さく
「今日は休みを満喫してくださいね」
と言った。計画通り、と呟いて……
食事を終え、部屋に戻った美鈴は疑問に思っていた。
ついでに美鈴の部屋は和風な作りである。入り口で靴を脱ぎ、床は畳。
そこに布団を敷き寝るのだ。そんな彼女は今、座布団の上に座り考えていた。
今日はみんながいつもより自分に優しい気がする。
そして館全体の雰囲気が違った。
食堂に入ると内勤メイドに食事を持ってくるから
席に座って待っていて欲しいと言われたのが始まりで
その内勤メイドが持ってきたのが朝の胃に優しい
卵粥だったり、いつもは内勤メイド達の
悩みを聞いてあげるのだがそれは無く、逆に
最近調子はどうですか?とか何かして欲しいことありますか?
などと聞かれた。別に調子が悪いこともないし、
して欲しいこともないと言ったら残念がっていた。
気が付いたら食事の片付けもしてもらって
そして食後のお茶を淹れて貰ったのだが
自分には珍しいリラックス効果のあるものだった。
本来門番という気が張る仕事をする彼女は朝から
こんなものは飲まない。リラックスしすぎて
注意力散漫になってしまうかもしれないからだ。
今日はたまたま一日休みになったのだが
内勤メイド達はそのことを知ってあのお茶を
淹れてくれたのだろうか。しかし何故内勤のメイドが
門番隊のシフトの変更を知っていたのか?
湧くのは疑問だけ、今日突然。それがヒントであり問題であった。
自分が何かしたかなどと考えているとノックが聞こえてきた。
恐らく門番隊の子だろうと気にしないから入っていーよ、
と言うと部屋の扉が開かれノックしたであろう人物が入ってきた。
その人物は今回の原因であろうメイド長、十六夜咲夜であった。
「こんな時間にどうしたんですか咲夜さん?」
自分の部屋に来た人物が誰かと気付くと彼女は立ち上がり
驚いた顔で咲夜の顔を見ていた
別段、咲夜が美鈴の部屋を訪ねることは珍しくない
だがそれは二人共仕事が終わった時間帯、もしくは
二人共休みの日だ。
今日、咲夜が休みとは聞いていないし、何よりも
館内の掃除などで忙しい時間である。
今日は珍しいことが多いなぁなどと思っていると
咲夜は入り口で靴を脱ぎ部屋に上がる。
美鈴の前に立つと彼女の口が開かれた。
「どうしたって……あなたの部屋を掃除しにきたのよ?」
「……はいっ?」
本日二度目の反応。
本当に珍しい日だなぁと彼女は思う。自分に休みをくれたメイド長が
今度は自分の部屋を掃除にしにきたのだ。
だが何故自分の部屋?門番の彼女も自分の部屋はしっかりと掃除している。
今もそれなりに片付いている。他人に掃除される意味があるのだろうか?
「ど、どうしてですか?」
「どうしてって、掃除したいから」
「いや、それを聞いてるんですよ」
掃除したいから。そんな理由で納得できる訳が無い。
門番である美鈴もれっきとした乙女である。自分の部屋を
知り合いといえども手を付けられたく無い。
場合によっては追い出そうとも思った。
「駄目?」
「嫌ですね」
「どうしても?」
「そうでもないですけど自分で出来ますし」
「絶対に?」
「いや、だから……」
「……駄目なの?」
「うっ……」
どうやらどうしても咲夜は自分の部屋を掃除したいらしい。
最後には瞳を潤ませて上目遣い。そんな頼まれ方をしたら
心優しい美鈴には断る方法がない。
「……はぁ、しょうがないですね。今回だけですよ?」
「ほ、ホント!?ありがとう美鈴!」
仕方が無く了承するとさっきまでの弱々しい彼女はどこへやら。
喜びと感謝を体で表すように美鈴へと抱きつく。
「ちょっと咲夜さん、仕事中ですよ」
「咲夜……」
「はい?」
「今日、美鈴はお仕事無いからいつものように咲夜って呼んでよ」
「いや、でも……」
「言わないと仕事しない」
「……まったく、いつお嬢様に似て我侭を言うようになったのかしら」
「ごめんなさい」
「ならば仕事に戻りなさい、咲夜」
「!……はいっ!」
あの完全で瀟洒なメイドはどこへやら。それこそ元気な子供のように
表情をころころ変わる。それに美鈴は苦笑いを浮かべる。
まるで昔に戻ったみたいだと。
咲夜は美鈴から離れると時を止めて持ってきたのであろう、
彼女の横にはバケツと雑巾、それと手には箒とちりとりを
持っていた。
「それじゃあ掃除するから出て行って」
「へっ?時を止めてやるんじゃないの?」
そして部屋の主に出て行け宣言。咲夜は大抵は時間を止めて
掃除をする。ただでさえ広いこの館全体を掃除するには
自分と他のメイド達だけでは一日では終わらない。
そのため咲夜は自分の担当箇所である結構な範囲を
時を止めて掃除をしているのだ。
「別にいいじゃない。今日はそういう気分なの。
ほら、早くして」
「えっ、ちょっといきなり、そんな……」
抵抗しようとしたがさっさと背中を押され、靴を履かされ
部屋を追い出されてしまった。ご丁寧に中から鍵を掛けて。
「……どうしたんだろう」
廊下に一人残され呆然となる美鈴。本当に今日は珍しいことずくしだ。
「やることも無いし部屋にも入れないし……そうだ」
そう言って彼女は館にいる人の気を調べ始める。
彼女は他にも仕事が無い者、シフトが休みの人がいるはずだと思いその人とのんびり
お茶でもしようかと思ったのだが……。
「……皆仕事中ってそんな馬鹿な」
毎日数人はいるはずの休日を部屋で過ごす人がいないのだ。
それだけでなく本当に皆で仕事している。門番隊も内勤メイドも
午前、午後とシフトが分かれているはずだが全員参加。
食堂での炊飯担当をしていると思われるメイドの数が多かったり
庭の掃除及び花の世話もいつもより数が多かったり。
館内を掃除している人数も中々のものだった。
これはおかしい。
「……今日って何かあったっけ?それとも私だけ仲間はずれ?」
自分の記憶を辿るが今日は何も無い日のはずだ。それに仲間はずれに
されるようなこともしていない。
「……解らなければ人に……あっ」
誰かすぐに仕事が空きそうな人にでも聞こうとしてまた気を探ると本来、自分や咲夜と同じように
働いているはずの人物が何故か自分と同じように孤立していた。
昔からよく知る特徴的な気。副メイド長だった。
「場所は食堂ね。行ってみますか」
そういうと彼女はさっさと部屋の前を後にした。
食事の時間にはメイド達が溢れ騒がしいはずの食堂。今は厨房の方から
皿を洗う音とメイド達の会話のみが聞こえるそこに目当ての人物がいた。
大きい食堂の厨房近くの席に腰を掛けて本を読んでいる彼女は副メイド長。
かれこれ美鈴とは千年以上の付き合い、先代の主から共に勤めていたのである。
「おや、ご機嫌よう美鈴さん。思ったよりも遅かったですね」
美鈴が声を掛ける前に彼女は気付き挨拶をする。
そして彼女も美鈴が今日一日休みであることを知っていたようだ。
それも遅かったと言うことは咲夜が美鈴の部屋を掃除することも知っていたのだ。
「何、知ってたの?ならば来てくれてもよかったのに」
「どうせ来ることは解ってましたし」
「そう。ところであなたの部屋にメイドが集まってたのを感じたけどどうしたの?
それに仕事は?」
「あなたと同じ理由ですよ。私も今日一日はおやすみですの」
「へっ?あなたも?」
いよいよおかしい。自分だけでなく副メイド長も今日一日お休みなのだ。
しかし何故今日なのか?彼女なら知っているだろうと聞こうとする美鈴だが
「私は何も知りませんよ。知っていたとしても話しません」
と先手を取られた。だが明らかに何かを知っているという言い方と表情を出している。
付き合いは長いのだからそれはすぐに解った。美鈴は副メイド長の隣の席に座りながら
会話を続ける。
「また人の心を読んだの?嫌な能力ねぇ」
「それは私の勝手ですわ」
「知ってるんでしょ?」
「知りませんわ」
「……まったく昔から変わらないわね」
「褒めないでください。照れますわ」
「そんなつもりは無かったんだけど」
「あら、それは残念」
ここで余談だが彼女、副メイド長の容姿などについて話しておく。
副メイド長は美鈴と共に先代から仕えている古参の妖怪メイドである。
副メイド長は美鈴とは正反対の藍色の長髪。顔も整っており
肌は白く眼は美しい金色。唇はうっすらとしたピンク色をしている。
服装は紅魔館で支給されているメイド服と違いショートではなくロングスカート。
これは先代に支給されたメイド服であり今も彼女は着ている。
体格は美鈴には劣るとも豊かな胸と細く美しいくびれを持っており
足も見れば誰もが納得する美脚である。メイドの中には一度でいいから
踏まれたいと言い出すものがいるほどだ。
普段は咲夜と並ぶ『メイドの鏡』であり、長く生きてきた経験からか
隙がないのに余裕ある物腰で、立つと自然と伸びている背筋に眼がいき
歩くと急がないが決して遅くない歩調でしゃなりしゃなりと歩く。
それはもうメイド達が生きた芸術と呼ぶほどである。
また部下の面倒見も良く、美鈴と並ぶ『頼りになるお母さん』ポジションである。
彼女の能力は本人曰く『超能力』だそうで、先ほど美鈴が
質問しようとして先に答えを言ったのは美鈴の心を
読んだからである。他にも透視やテレパシーなども使えるらしい。
それらは彼女の主であるレミリアからしても気持ちの悪い能力だそうだ。
だが彼女が言うには『ミステリアスな女性は人を引き付ける』そうで
特に能力でとやかく言われても気にしない。そのせいか性格も
余り掴めないといったところがあり、長い付き合いである美鈴でさえ
時には振り回されることがある。
「でもあなたもなんてねぇ。今日って本当に何も無いわよね?」
「お客様が招待される予定もありませんでした。まぁ
こういう日もいいでしょう」
「私は逆に落ち着かないわ」
「私は嬉しいですわ。館の皆が頑張って働いているのですから」
「ならどうして私達は働かせて貰えないのよ?何か知ってるんでしょう?」
「そうですね。一つあなたに言うことがあればですねぇ」
「何?」
「朴念仁」
「……それは何を思っての悪口かしら」
「そのままですわ。気が付かないことは罪ですわ」
「ごめんなさいね、分からず屋で」
そんな会話のやり取りが続く。ついでに厨房にいるメイドは
『二人の胸に挟まれたい』とか『お姉さまが二人ハァハァ』とか
『大人の百合の花園』とか『お二人の玩具になりたい』とか
言って鼻血を出しているが関係ない。
「あなた達ここで何してるの?」
「めーりんとルキューレだ!」
そのとき二人の会話を止めるようにして食堂に二つの影が現れた。
館の主であるレミリアとその妹のフランドールだった。
ついでにルキューレとは副メイド長の名前である。
「あっお嬢様に妹様」
「私達は突然の暇を貰ったのでここで談笑していたのですよ」
「あらそう。それは良かったじゃない」
「にしてもお嬢様、今日は早いですね。どうなされました?」
今はまだ昼前、吸血鬼が起きているには中途半端な時間だった。
たまに昼夜逆転するときもあるがそれは珍しいこと。
「気分よ、気分。別にいいじゃないの」
「お姉さまが皆とご飯食べたいって言ったから早く起きたのー」
「ってコラ!そんなこと言わないの!」
相変わらず素直じゃないレミリアと正直に話すフラン。
本当に今日は珍しいことだらけだなぁと美鈴は考えながら苦笑いしていた。
副メイド長はその光景を見ながらくすくす笑いながら主に質問をする。
「皆と食べるお食事は楽しいですからね。しかし何故ここに?」
「暇だからよ。フランと弾幕したくとも外は駄目だし、中だと汚すなって言われるし。
咲夜は美鈴の部屋で掃除しているのでしょ?なら暇なあなた達と話をしようとね」
「お嬢様達は知っていたのですか?」
「えぇ。館の主ですもの。というよりこれは私からのプレゼントよ」
「へっ?今日一日のお休みがですか?」
美鈴は驚きの声を上げる。今回の休みは館の主からのプレゼントだったのだ。
それも突然のことだったのだ。だが相変わらず意図が解らない。
「解らないならばそれでいいじゃないですか」
「だから人の心を読まないの。まったく気分が悪いわ」
「まぁせいぜい休みを満喫しなさい。主からの有難いプレゼントなのだからね」
「あら、本音を言って差し上げましょうか?」
「本音ですか?」
「そんなもの無いわ。美鈴は気にしないで」
「左様ですか」
「……あなたってホント嫌な女ね」
「やめてください。照れますわ」
「褒めてない」
「あらそうですか。それは残念」
「相変わらずねぇ。そう思いませんか妹様……どうなさいました?」
そんなやり取りの中フランはただ一人美鈴を見ていた。
美鈴にどうしたと尋ねられフランは何かを考えた素振りを見せたあと
元気な笑顔を見せてこう言った。
「めーりんに肩叩きして上げるー!」
「ちょっとフラン!?」
レミリアが止める前にフランはふわりと飛び上がり、座っている美鈴の肩と自分
の肩が同じ位置の場所で止まったあとゆっくりと美鈴の後ろに回る。そして肩に手を置いた。
「してくださるのならばよろしくお願いしますね。でも余り強く叩かないでくださいよ?」
「うんっ!もちろんだよ!」
フランドールの突飛な行動にも驚かず美鈴は体を任せる。というよりももう慣れたことだ。
それこそフランの遊び相手を長い間しているのでこういうことも何度かあった。
美鈴の言葉を聞くとトントンとリズムよくフランは肩叩きを始めた
「……美鈴さんの肩叩きしたかったですか?」
「っ!そ、そんなわけないじゃない!私は紅魔館の主、レミリア・スカーレットよ!」
「昔から変わってませんね。それでは気付いてくれませんよ?」
「……ホントに嫌な女ね。あなたって」
「褒め言葉ですわ」
「う~……あなたの肩で我慢するわ。あなたにも恩はあるし」
「どういたしまして」
どうやらレミリアも美鈴の肩叩きをしたかったようだ。そのことを言われ顔を赤くするあたり
レミリアも美鈴が好きなようである。もちろん育ててくれたこともあるからだろう。
だがフランにそれを取られてしまったために仕方が無く副メイド長の肩で我慢するところは
姉らしい。またこのとき厨房にいたメイド数人が『幼女!妖女!』などと言って腕を振っていたが
誰も知らない。
「ところで昼食なんだけど……」
「もうそろそろ準備を始めるころでしょう。」
時計を見るともう十一時を過ぎていた。そろそろ準備を始める時間であろう。
厨房の方が慌しく動き始める。
「まぁ気長に待ちましょうか」
「楽しみですね。皆さんと食べるのが」
「それよりずっと肩叩きするのも暇だから何か話しなさいよ」
「久しぶりにめーりんのお話聞きたい!」
「そうですか。ならばお一つ……」
肩叩きをする吸血鬼の姉妹に聞かせるように話し始める美鈴。
それを静かに聞く副メイド長。その光景は食事の時間まで続いた。
昼食が終わると美鈴は自室に戻った。追い出されるときよりも
清潔感溢れる畳の上に横になると先ほどの食事風景を思い浮かべる。
このときも変だったのだ。通常は皆食べる時間がバラバラのはずだが
この時は館の主とその妹、図書館の魔女も含めて皆で一緒に食べたのだ。
それこそいただきますは一緒、ごちそうさまも一緒だったのだ。
恐らくは館の主の気まぐれであろう。だが何故か自分と副メイド長を中心
にメイド達が座り、自分達のそれぞれの膝の上には主とその妹が座り
食事していた。しかも食事中に『あ~ん』などといって食べさせてくれたりもした。
他にもメイドがおかわりを持ってきてくれたり水を持ってきてくれたり……
こういった感じで普段にも増して皆が優しく振る舞ってくるのだ。
ついでに昼食は美鈴の得意な中華料理だったりする。
朝に始まり今も続く珍しい出来事。本当に自分が何をしたんだろうと思い返してみるが
それらしいことはしていない。
コンコン
そんなことを考えているとき、ノックの音で現実に引き戻された。
横にしていた体を起こし姿勢を正して『どうぞ』と扉の前で待っている人物に
入室の許可を出す。扉が開かれるとそこには見慣れた格好をした人物がいた。
「……魔理沙さん?」
「へへっ。会いに来てやったぜ」
黒白の魔法使い。霧雨魔理沙だった。いつもは門の前で会っている二人だが今日は違って
美鈴の部屋だ。それともう一つ変わっていることがある。彼女の荷物だ。
「どうしたんですかその花?」
「プレゼントだぜ」
箒を左手に持ち右手の鞄と一緒に持っていたのは赤や白色に咲いているカーネーションの花束だった。
それも美鈴へのプレゼントだという。今日は本当に色んな人に親切にされてるなぁと思い苦笑いを浮かべる。
「カーネーションを私にですか?とりあえずありがとうございます」
「いいってことよ。日頃の感謝だから受け取ってくれ。それともう一つ」
箒を壁に立て掛けると魔理沙は花束を美鈴に渡し持っている鞄から一つの袋を取り出した。
今日の朝、魔理沙が美鈴のために作っていたものが入っている袋だ。
魔理沙は美鈴の横に座ると帽子を自分の横に、机の上に袋を置いた。
「何ですかそれ?」
「まぁ開けてみてくれよ」
「はぁ、じゃあ開けますね」
受け取った花束を自分の横に置き、魔理沙の言われた通りに袋を開ける美鈴。
開けた袋の中には魔理沙の手作りであろう、クッキーが入っていた。
焼いてしばらく経っていたようだがそれでもおいしそうな匂いがした。
「これ、魔理沙さんが私のために?」
「そうだぜ。自信作なんだがお前の口に合うか……」
そういって不安げな顔になる魔理沙。こういうところは少女らしいなぁと美鈴は心の中で微笑みながら
一つ摘まんで口の中にいれる。魔理沙が作ったクッキーは少し焼き時間が長かったのだろうか、
少し苦かったがとても美味しく感じられた。
「私は余りこういうのは作ったことないから……や、やっぱ不味かったか?」
「そんなわけないですよ。魔理沙さんの心が籠っていてとても美味しいです」
「ほ、本当か?」
「えぇ。知ってますか?料理はですね作った人の食べて貰いたいって心が一番の調味料なんです。
このクッキーにはその魔理沙さんの心が籠っていてとても美味しいですよ」
「あうぅ……」
料理に関して余り褒められたことが無いのだろうか魔理沙は顔を真っ赤にしていた。
だがすぐに美鈴に抱きつき顔を隠してしまった。どうやら恥ずかしかったらしい。
「大丈夫ですか魔理沙さん?」
「……魔理沙…」
「はい?」
「今は魔理沙って呼んで欲しい気分だぜ」
「はぁ、そうですか……で、どうしました魔理沙?」
「……落ち着くまでこのままでいさせてくれ」
「料理で褒められ慣れてなかったんですね」
「やめてくれ、恥ずかしいぜ」
美鈴は魔理沙の要望に不思議がりながらも受け入れた。そして落ち着くまで撫でてやることにした。
最近、本当に少女らしくなってしまいましたねぇと思いながら。
「めーりん、クッキー作ったよー!一緒に食べよー!」
「フラン、もうちょっと静かに入りなさい。美鈴、邪魔するわね」
それから数十分が経ったとき、突如として部屋の扉が開かれた。
現れたのは吸血鬼姉妹。その後ろにはメイド長の咲夜もいた。
それに気付いた魔理沙はすぐに美鈴から離れいつも通りの元気な自分を作ってしまった。
どうやら美鈴に甘えてるところは見られたくないようだった。
「あっ魔理沙だー!久しぶり!」
「おうフラン。元気にしてたか?」
「……何でここにあなたがいるのよ」
「何でっているからいるんだぜ?」
「質問の答えになってないわ」
「別にいいじゃないか。美鈴に会うぐらい」
「……まったくしょうがないわね。ならば魔理沙も一緒でいいわ。美鈴、クッキーを作ったから
お茶にしましょ?」
「えぇ、解りました。しかしここでですか?お嬢様の部屋の方が広いですし」
「別に入りきるからいいじゃない。それに今日はここでお茶を飲みたい気分なの」
「早く食べよーよ。冷めちゃうよ」
「そうだな、早く食おうぜ」
「まったくどの口かしら。じゃあ上がらせて貰うわ」
「えぇ、遠慮無くどうぞ。」
そう言われ普通に美鈴の部屋に上がりこむ三人。咲夜には部屋の人数分のカップを乗せたトレイと
ポットを持っていた。突然の客の分もちゃんと時を止めて持ってくるところが咲夜らしい。
「それってお嬢様達の手作りですか?」
「えぇそうよ。咲夜に教えて貰いながら作ったんだけどお口に合うかしら?」
吸血鬼姉妹の手にはクッキーの入ったバスケットがあった。焼きたてのため美味しい匂いが
漂い、食欲を刺激する。
「大丈夫ですよ。心が籠っていれば何でもおいしいですから。さっきの魔理沙さんのように」
「お、おい寄せよ。恥ずかしいぜ」
「あら、この袋のやつが魔理沙の?」
「おいしそー。魔理沙食べてもいい?」
「あ、あぁいいぜ。」
魔理沙の確認を取るとそのクッキーに手を伸ばすレミリアとフランドール。
美鈴のために作ってきたのを美鈴以外が食べてしまうせいか少し残念そうだった。
その様子を見ていた咲夜が美鈴の横に置いてある花束に気付く。
「ねぇ美鈴、あなたの横に置いてある花束も魔理沙の?」
「えっ?そうですよ。綺麗なカーネーションでしょ。あっ咲夜、いい花瓶無いですか?
部屋に飾りたいんですけど」
「ちょっと待ってね」
そういうと花束を手に取り一瞬で姿を消す咲夜。だが次の瞬間には花の入った花瓶を持って現れた。
花瓶は紅魔館では珍しい美鈴の部屋に合う和風なものだった。恐らく香霖堂で買ったものだろう。
それを窓際に置くとカップにお茶を淹れる作業を始める。
このときすでに吸血鬼姉妹と魔理沙はクッキーを食べ始めていた。どうやら我慢出来なかったらしい。
それを美鈴は苦笑いを浮かべながらも優しく見守っていた。
その後5人でやんわりと談笑をした。内容は様々だったが幸せな時間だったということは間違いない。
時刻はすでに五時を回っていた。ここで吸血鬼は美鈴に提案を持ちかけた。
「ねぇ美鈴」
「何ですかお嬢様?」
「今日久しぶりに一緒に寝ない?」
「はい?」
美鈴に対するお嬢様の我侭だった。別にレミリアが生まれて数年間は世話役をしていた美鈴は実の親子のように
レミリアと添い寝をしていた。それを久しぶりにして欲しいというだけ、だが問題があった。
「私もめーりんと一緒に寝たい!」
「あら、ならば私もご一緒によろしいですか?」
人数だ。この場にいたフランと咲夜も美鈴と添い寝をしたことがある。レミリアの提案を聞いて自分もと
声を上げた。だがレミリアとフランならまだいいが昔と違って成長した咲夜もとなると布団一つでは足りない。
「いや、あの……」
「布団なら私が持ってくるからそれでいいでしょ?」
「いや、それもあるんですが……」
「魔理沙もよかったら泊まっていきなさい。パジャマぐらいならメイドのやつがあるだろうから」
「いいのか?ならば喜んで泊まっていくぜ」
「すいません。話を進めないで貰えませんか?」
気が付けば客人であるはずの魔理沙まで誘うお嬢様。今日も我が道絶好調だ。
誘われた魔理沙はとても嬉しそうだった。
「何?別に昔やって貰った添い寝を久しぶりにして貰うだけよ。人数は多いけど」
「はぁ、拒否権は無しですか」
「そうだ、パチェも呼びましょう。皆で寝るのもたまにはいいことだと思うわ」
「ではお食事の時間にそうお伝えします」
「いや、もう大浴場はもう使えるわよね?」
「はい、ちょうどいい湯加減だと思います」
「お嬢様、まさか……」
「そのまさかよ。皆で入りましょう?従者を労れて距離を縮められていいことだと思うわ」
まだ続くお嬢様の我侭。それを聞く美鈴はやれやれといった苦笑いを浮かべている。
それこそ世話係の時は何度も付き合わされたことなのだが今になって、それも自分と寝たいだの
お風呂に入りたいだのと言うのだ。今日の休みといい意図がまったく理解出来ない。
「めーりんの背中流したい!」
「皆で背中の流しあいか、それもいいな」
そんなことは知らない二人は嬉しそうだ。咲夜はそれを微笑ましく見ている。
レミリアは『決まりね』とうなずくと咲夜に自分とフラン、そして魔理沙のための着替えを用意するように
命令する。咲夜は一瞬で姿を消しレミリアはそれを確認すると美鈴の方へと向く。
ついでにフランと魔理沙は待ちきれないとばかり部屋を出て行ってしまった。
「美鈴も早く準備して一緒に行きましょ。パチェも誘って皆でお風呂に入って、夕食もお昼のように
皆で楽しく食べて、そして皆で仲良く寝ましょう。これは私の命令よ。あなたに拒否権なんて無いわ」
「……今日は本当におかしな日ですね。私何かしました?」
「日頃の感謝よ。それをちょっと違うかもしれないけど態度と行動で示してるだけ。解った?」
「はぁ、ならば有難く受け取ります。ところでルキューレを呼びましょうか?彼女も
お嬢様から休みを貰いましたし」
「彼女は他のメイド達に引っ張りだこよ。日頃の感謝を返すとメイド達が張り切っていたわね。今も部屋で世話されてると
思うわ。恐らくお風呂も他のメイドと入るでしょうね」
「日頃の感謝ですか……よく相談にのったりしてましたからそれですかね。ならば私は何でしょうか?」
「気にする必要は無いわよ。それこそ今更だけど世話をしてくれたことへの感謝ってとこかしら」
「そうですか……ならばなおさら有難く受け取りましょう」
「そうしてくれるとこちらも嬉しいわ」
「お姉さまとめーりん早くしよー!咲夜が待ってるよ!」
「早くしないと置いていっちまうぜ」
二人の会話が終わったタイミングで魔理沙とフランが早くお風呂に行こうと急かす。レミリアは先に部屋を出て
美鈴はタオルなど風呂に行く準備を始めた。このとき美鈴は気付かなかったがレミリアは小さく
『本当に有難う、美鈴』と呟いて部屋を出て行った。
楽しい時間とはあっという間に過ぎてしまうものだ。
大浴場にパチュリーもいれた6人で入り、背中を流し合った。パチュリーがのぼせたり魔理沙がレミリアに
誤ってお湯をかけ流したりして大変だったが皆で入れたことに皆が満足していた。
夕食も昼と同じようにして美鈴と副メイド長のルキューレを中心にして座り皆で食べた。
吸血鬼の姉妹は今回は二人の隣の席に座って食べていた。またレミリアが美鈴の横に座っているのを
見ていた魔理沙と咲夜はそれを羨ましそうに見ていたことは誰も知らない。
夕食はカレーだったのだが実はルキューレの得意料理だったりした。
食べ終わった後、片付けをメイド達にまかせ、美鈴とレミリア達添い寝をする5人は美鈴の部屋へ。
まだ寝るには早いためしばらくは談笑もとい美鈴の語る昔話を聞くことになった。言い出したのは魔理沙だ。
魔理沙曰く『眠くなる話を』ということだった。美鈴の話す昔話をレミリアとフランは聞いたことがあるもの
だったが静かに聞き、パチュリーは知識として興味深く聞いていた。咲夜と魔理沙は自分の聞いたことの無い話に
胸を躍らせていた。
美鈴が話を終えたとき、精神年齢がもっとも幼いフランが一つ欠伸をする。時計を見ると9時過ぎだった。
「眠くなって頂けましたか。ならばお布団を敷きますが?」
「さすがに一時間ずっと聞いていると眠くなるぜ」
「でもおもしろかったわよ」
「そうですか。有難うございます」
「じゃあ美鈴、お布団持って来るわね」
「えぇ頼みます」
そういいながら布団を敷き始める美鈴。気が付けば布団一式を持ってきてそれを敷く咲夜。
その様子を眠たげに見ているレミリアとフラン。ただ待つ魔理沙とパチュリー。
「さすがに布団二つじゃ狭いですかね?」
「別にいいじゃない。寝れればいいのよ」
「密着されて辛いのは私なんですがね」
そういい苦笑いを浮かべる美鈴。だが嬉しそうだった。
その間に魔理沙とフランは布団の上に横になっていた。早く寝たいらしい。
美鈴は敷かれた二つの布団の真ん中に横になる。
だがこのとき何かに気付いた魔理沙。
「なぁ、私達じゃ奇数じゃないか?」
「確かにそうね。美鈴が真ん中で、左右どちらかが3人になるわ」
「それなら誰か私の上で寝ますか?」
「へっ?」
「魔理沙でいいんじゃない?お嬢様と妹様は美鈴の腕枕がよろしいのですよね?」
「私と咲夜じゃ大きいからね。魔理沙のほうがいいでしょう」
「うん!じゃあ魔理沙が美鈴の上だね!」
「え、ちょっと……」
戸惑う魔理沙。正直恥ずかしいと思っているのだ。好きな美鈴と寝れることも嬉しいがその上。
さすがに顔を赤らめる。
「恥ずかしいの?別に気にしないでいいわよ、遠慮せず美鈴の胸を枕にしなさい」
「私ももうちょっと若ければ出来たのに。魔理沙が羨ましいわ」
「魔理沙さんが上ですか。あっ寝返りをうたないでくださいね。横に寝ている人の上に落ちたら
大変ですから」
「あ、ああ解った。じゃ、じゃあ遠慮なく寝かせてもらうぜ」
そう言うと魔理沙は美鈴の上へと移動し、美鈴の胸に頭を乗せる。美鈴はそれを確認すると
両腕を左右へと広げる。右腕にフランとパチュリーが、左腕にレミリアと明かりを消してきた
咲夜がそれぞれ頭を乗せる。
「それでは皆さんおやすみなさい」
その言葉に5人は『おやすみなさい』と返す。そして静かに眼を閉じた。
だが魔理沙が最後に小さく『お母さん』と言ったのは誰にも聞こえなかった。
そのはずだが自分が言ったことに魔理沙は暗い部屋で顔を真っ赤にした。
誰かに聞かれたんじゃないかと恥ずかしさで寝れるか心配になっていたが
美鈴の胸の心地よさに気が付けば暗闇へと意識を手放していた。
―おまけ―
色取り取りの花が咲くなかに一人の女性が日傘を片手に立っていた。
「……母の日ねぇ」
そういって黒白の魔法使いが飛んでった方向を見ているのは風見幽香。花の大妖怪である。
突然やってきた魔理沙に何の用だと訊ねたら『母の日だからカーネーションをくれ』と
頼まれたのだ。話を聞くと吸血鬼の住む館の門番に世話になった……というより一方的な思いが
あって何かプレゼントしようと思いクッキーを作ったようだがそれだけだと寂しいから
カーネーションを送ろうというものだった。
話し終えたとき魔理沙は顔を真っ赤にして魔女帽子で顔を隠してしまった。
それが可愛くてちょっと多めに花を作り花束にして渡してやったら彼女はとても嬉しそうにして
礼を言ってさっさと飛んでいってしまった。
幽香は苦笑いを浮かべると後ろに振り返る。その眼が見据える先にはいくつかの影。
その影は徐々に近づいてきてやがて彼女に声をかける。
「幽香さ~ん」
「幽香~」
ミスティアとリグルだ。その後ろにはルーミア、チルノ、大妖精そして橙が続く。
「どうしたのあなたたち?」
花の異変の時にたまたま出会ったのがきっかけで彼らは幽香がいるこの花畑に遊びに来るようになった。
余り人と付き合いが無い彼女は最初は冷たい態度をしていたが時間が経つにつれて彼らに触れて本来の優しさを
見せるようになり、今もこうして彼らが会いに来るのだ。
「人里で和菓子を買ったから幽香もと思ってね」
「あら有難う。お金はどうしたのよ?」
「私の屋台で稼いだお金だよ」
「そーなのだー」
そういい無い胸を張るミスティアと何故か得意そうなルーミア。それを幽香は微笑んで見守っている。
「幽香さん、これプレゼント!」
「あたしも!」
そう言って幽香に花の冠と氷で作った花を渡す橙とチルノ。
「ありがとうね二人共。嬉しいわ」
幽香は二人を撫でてやる。二人は嬉しそうに『やったー』と喜んでいる。
それを見て微笑みを浮かべながら大妖精は幽香に近づき何かを渡す。
「あの、幽香さん。私からはこれを」
「あらこれカーネーションじゃないの。どうしたの?」
大妖精から渡されたのは綺麗な赤いカーネーションの花。
今日は母の日なのだが自分が貰うことになる理由が解らなかった。
「いや、今日は母の日だと慧音さんから聞きまして……」
「私達には母親と呼べる人がいないけど、それに近い人がいるなって思ってね」
「それが私?」
呆気に取られる幽香。親のいない彼女達が私を親と……。
幽香は顔をうつむけると次の瞬間、花を舞い上がらせた。
「ど、どうしたの幽香!」
「どこか悪いのかー?」
「……決めたわ」
「へっ?」
「今日はあなた達に好きなだけ付き合ってあげるわ。感謝しなさい!」
照れ隠しだった。何故か彼らが自分を母親に近い人と言ってくれたことが嬉しくてそれを隠そうと
花を舞い上がらせて強がった。
「あはは、なら有難く付き合って貰うよ」
「じゃあ買ってきた和菓子を皆で食べようよ」
「そうしましょうか幽香さん」
「えぇ皆で食べましょう。その方が楽しいでしょうからね」
花の大妖怪、風見幽香はこの日、幻想郷中に色取り取りのカーネーションの花を降らせた。
母親みたいだと言われた嬉しさで。
<終わり>
副メイド長のキャラクターはうまいですね。他のキャラクター達と違い、
プライベートで対等というキャラとして、これからの話にも登場してほしいですね。
それでは次の作品を今から楽しみにしております。
それと9948様の作品中の美鈴の設定が気になりますね。いったい何歳くらい何ですか?
紅魔館組みのほうも堪能しました
藍「橙・・・なぜだぁぁぁ!!」
↑多分こうなってるw
美鈴シリーズが一段落したらゆうかりんとちびっこ組のお話も書いて欲しいです
そしてこの作品も作者様のキャラの愛が十分に伝わってきてほのぼのできました.
とても良かったです.
ただし,悪く言えば冗長の感もあるので,途中で美鈴が母の日に気付くなどの変
化を加えるなどすると物語としてより完成度が高くなるのかなとも思いました.
例えば,作者様の一作目のように場面の変化とキャラの心情の変化を重ね合わせ
ることで,魔理沙の心情の推移を丁寧に書いていくといったテクニックを使うと
読み手もぐっと物語に引き込まれると思います.
次回作もお待ちしてます.妹様の心情を描写するのは難しいと思いますが頑張っ
て下さい!
欲を言いますと「副メイド長」や「風見幽香」のお話も読んでみたいです。
「実は強くて超善人。しかも皆から愛されている」
「名前ネタで弄られ、館の内外問わず虐められる。又は雑魚扱い」
後者は私的に論外ですが、前者の場合も、こうも続けば胃もたれします。
最近は虐めネタを見かけませんし。
やや冗長な感もあり、一瞬、美鈴が如何に愛されているかを延々と語っただけの話かと思ったほどです。
嫌なら読むなと言われればそれまでですが。
味の濃い高級料理は三日で飽きる。さりげない美味しさのご飯やパンは毎日食べても飽きない。
私は美鈴が愛されたり強かったりする話は大好きですが、私には些か味が濃すぎるようです。
あくまで私の主観ですので、無視していただいても結構です。
今から楽しみに待っています
>功様
あぅあぅあぅとても良かったですか?ありがとうございます。次回作も楽しみにしててください
……と言ってもコメント返信している時点で新作を投稿してありますが。
美鈴の年齢は不詳ということで(ぉ
>2.名前が無い程度の能力 ■2008/05/11 11:01:43 様
>4.名前が無い程度の能力 ■2008/05/11 16:51:57 様
堪能して頂けましたか。ありがとうございます。
>3. 名前が無い程度の能力 ■2008/05/11 12:42:38 様
安心して下さい藍様。母の日の夕ご飯は橙の手作り稲荷寿司ですよ。
とフォローしておきます。レティは春夏秋眠中だし別にいい(テーブルターニング
>5. 名前が無い程度の能力 ■2008/05/11 17:03:11 様
幽香とちびっこ組のお話ですか。今はまだ考えてませんがネタが出来れば書きたいですね。
それまではお待ちください。
>げんせい様
ほのぼのして貰えましたか。ありがとうございます。冗長ですか……これは僕の技術不足ですすんません。
実は美鈴に途中で母の日に気付かせようかなと思ったんですがもうちょっと鈍感でいいかなと
あえて気付かせなかったんですが逆効果でしたか。むぅ精進します。アドバイスありがとうございました。
>時空や空間を翔る程度の能力様
感想ありがとうございます。副メイド長と幽香のお話ですか、書きたいですねぇ。ネタがあれば……。
無いなら容量の無い頭から捻り出すしかありませんね。捻り出すまでお待ち下さい。
>K-999 様
僕はカレーなら一週間飽きずに食えます(聞いてない
確かに美鈴ネタって両極端ですね。で僕は典型的な前者。別に後者で書こうと思えば書けますが……。
やはりメリハリってものですかね。山もあれば谷もある。そんな感じで書ければいいのでしょうか?
しかし味が濃い薄いは個人で感じ方が違いますから……でも皆さんに楽しく読んで頂くために
愛は込めて書いていきますよ。とにかく貴重な意見ありがとうございました。
>名無し妖怪様
コメント返信している時点で同作品集に『妹様と門番』というタイトルで投稿してあります。
楽しみに待っていただいてありがとうございました。
最後にこの作品をお読み頂いた皆さんにありがとうございました。