QED。
それ即ち、Quod Erat Demonstrandum。
ラテン語において「かく示された」という言葉を示すものであるが─。
自身のカードにその名を冠する物を持つ悪魔の妹はいつも考える。
「……私、何証明してるんだろ?」、と。
正式なカード名としては QED「495年の波紋」である。
そこで考えたのは
「495年の波紋」を証明していたのか、説。 この答えは、すぐに偽であることが分かる。なぜか。
答:私がそう決めたから。QED。
「無茶すぎるでしょ!」「お姉さま。どうしたの?」
「勝手に証明終了させないの! 私にも少し証明させなさい!」
「運命操るだけのお姉さまなんて咲夜と霊夢で二股かけてりゃいいからあっちいって!」
「ふ…二股ですって……なんで…なんでそんなことを言うの!?」
「もういいからあっち行ってて! お姉さまは関係ないの!」
「た、確かに私は霊夢も咲夜も大好きだけど…二人とk(キュットシテドカーン!!!!」
姉は消し飛んだ。
でも、吸血鬼の生命力なら2時間位したら普通に起きてそうだから、安心安全。
「さて、お姉さまも居なくなったし…証明を再開しよっと。」
というわけで証明に戻る。
さて、二つ目の仮説となるのが、「ホントに何か図形の証明とかしてたんじゃ?」、説。
もちろん、これも偽である。なぜか。
答:私は図形の問題とか大っ嫌いだから。 QED。
「図形が大っ嫌いですって!?」「ぱ、パチュリー?」
「いつも私が家庭教師で教えてるときに嫌な顔するのはそういうことだったのね!」「…うん。」
「でも、もう大丈夫よ、私が体に図形の美しさを教え込んであg(キュットシテドカンドカンドカンドカン!!!!!」
家庭教師も消し飛んだ。
意外と生命力だけはあるので普通に図書館に居るかもしれない。
「さて…いい加減この証明に結論つけないと…」
三度証明に戻る。
おそらく、最後の仮定となるのが、「実は式の証明でした」、説。
式の証明といえば、主に八雲紫が大好きらしい。会ったことないから知らないけど。
…でも、私でもスペルカードの基礎構造を読み取るくらいは出来るわけで。
その根底にプログラムされているのを見切れば、QEDの意味が分かる!
そう意気込んで、高らかにスペルカードを宣言する。
QED「495年の波紋」
次の瞬間、波紋と共に弾幕が飛び出す。それらは反射して向きを変えて、部屋中を動き回る。
実は…この時、私は重大なことを忘れていた。
いつもこのスペルカードを使うのは紅魔館の広場とか、戦っても支障の無い場所だけだったことを。
今の場所…自分の部屋(地下牢っぽい、大体6畳くらい)
……えーと、どうしよう。
依然、部屋の中は弾幕だらけで。結構さっきからカリカリかすってる音が聞こえるわけで。
誰も相手が居ない以上、時間切れを待つしかないわけで。
……うん。ダメっぽい!
そう感じた私は、潔く、そして勢い良く弾幕の中心地へと飛び込んだ─。
>鎖シリーズ
じゃあ、こいフラでお願いします!!!