「魔理沙~あたいとあそぼ~」
「だ~めっ!魔理沙は私と遊ぶの~」
「いたた…そんなに引っ張ったら腕が伸びちゃうぜ。それに遊ぶなら二人ともだぜ!それっ!」
「ふわぁ~」「きゃ~」
ここは紅魔館の前庭、フランドールとチルノは魔理沙の取り合いっこをしている。両腕を引っ張ってあっちへフラフラ、こっちへフラフラ。魔理沙は苦笑混じりの笑顔で二人を持ち上げて回り始める。フランとチルノは魔理沙の腕にしがみついて楽しそうな悲鳴を上げている。
そんなのほほんとした光景を窓から見ている二つの瞳、紅魔館を統べる夜の王。レミリア・スカーレットである。
「やれやれ、これじゃあ悪魔の館じゃなくて子供の館ね…」
レミリアは溜息を吐きながら窓を離れ、部屋の中央に設えられた豪奢なテーブルへと進むと、よく使い込まれた椅子に腰掛けた。
「溜息の大きさの割には笑顔じゃない、意外と今の状態を幸せだと感じているんじゃないかしら
?」
「言うわね、でもそれを言うなら貴女もじゃない?パチェ」
「そうね…そうかも知れないわ。実際幸せよ、私は」
「…」
「あらレミィ、あっさり認めたものだから驚いたのかしら?」
「私そんなに変な顔してた?」
「咲夜が作った [フォンダンワサビ]を食べた時位ね」「やめてよ…思い出したくもない…」
ひらひらと手を振り、苦い顔で応えるレミリア、パチュリーはクスクスと笑いながら、小悪魔に紅茶のお代わりを要求した。
「こぁこぁ~お待たせしました~」
「有り難う、小悪魔。それにしても咲夜まで駆り出すとは…お子様パワー恐るべしね」
「見てる分には楽しいけどね…」
パチュリーの言うとおり、現在咲夜は前庭でフランやチルノ、橙にルーミアと遊んでいる。ちなみに最初に遊んでいたのは美鈴だけだったのだが、途中から熾烈な美鈴争奪戦が勃発する兆しをレミリアが感知した為、急遽魔理沙と咲夜が投入された。当の美鈴は強烈なお子様パワーに中てられて疲労困憊。木陰で休んでおり、橙と共に遊びに来た藍に介抱されている。
「さて!そろそろオヤツの時間だぜ。咲夜が作ってくれるからみんなで館まで競争だ!」
「あたいがいちばーん!」
「あ~っ!チルノちゃんずるーい!」
「ルーミア、そっちは外だよ」
「わは~」
我先にと玄関へ駆けていくお子様達を見送ると、咲夜と魔理沙はその場にへたり込んでしまった。
「ハアハア…流石に疲れたわ…」
「ゼエゼエ…私も疲れた…オヤツにして正解だったぜ…」
「それは…貴女が…食べたいだけでしょ…?」
「バレたか…」
「まあいいわ…さあ、やりましょうか」
「私も手伝うのか…」
「当たり前でしょ、言い出しっぺの法則よ」
「発案者を恨むぜ…さて、やるか」
「「せーのっ」」
「「小悪魔!後は任せた!」」
「こあっ?わたしですか?!」
「あれは当分無理ね…レミィ」
「そうね…パチェ」
「やっぱりわたしなんですか?…ほえぇ…」
「やる前から涙目になってどうするのよ?あの三人を見たでしょう?小悪魔、選択肢は一つよ」
「それ選択肢になってないじゃないですか~」
「こぁ…お願いよ…」
「パチュリー様がそこまで言うのなら…レミ様!一つ貸しですからねっ!」
「分かってるわよ!ほら行って!人数多いから沢山要るわよ!」
「行ってきます!」
小悪魔が厨房へ向かった後、レミリアとパチュリーはおもむろに席を立った。二人共忍び足でドアへと向かう。詰まるところお子様軍団から逃走しようというのだ、先程の三人の状況を鑑みれば賢明な選択と言えるだろう。
「あー!レミだ!」
「パチュリーもいる~」
二人が出ようとしていたドアが突然開かれ、やって来たのはお子様軍団。
「遅かったか!」
「ああ…万事窮す…」
「とつげきー!」
「「「わ~い!」」」
壁際まで後ずさったレミリアとパチュリーにお子様達が殺到した、もみくちゃにされながら叫び合う二人…
「れみゃんっ!パ…パチェ!これでも楽しいって言えるのーっ!」
「むきゅんっ!少なくとも貴女は幸せそうよーレミィー!」
お子様の可愛い拷問に耐える二人の顔は、何故か幸せそうに綻んでいたという…
やはり、お子様軍団の化け物以上のパワーには
魔理沙やレミリア、咲夜とパチュリーには手に余るかww
では余った藍様と美鈴は私が貰って行きますね
それとフォンダンワサビてw
フォンダンが山葵なのか、山葵にフォンダンをかけて喰わされたのかww
年少組がこのメンバーならりぐるんとみすちーを筆頭にしたちょいとおませなお姉さん組も居るのでしょう。
>「れみゅん」
斬新過ぎる。萌えました。
「なんて火力とパワーだ!」ってくらいはしゃぎますからねぇ…あと持久力もほぼ底なし。
しかしそんなお子様軍団を御するお母さん四天王、恐るべし!
陰から緑色の瞳で覗くアリスと鈴仙を幻視したがきっと気のせいだ、うん。
藍様と美鈴に安らぎを与えてください・゚・(ノД`;)・゚・
ゆったり雰囲気の中で斬新な挑戦を続ける貴公は、すごい。
(しかもこの投稿頻度)
今回も紅魔館は暖かいですねぇ。四天王参上で体温計はトロピカル。
読者の心、ハートウォーミング!
※一度コメントを投稿しましたが、重大なミスを発見致しましたので修正致しました。最初のレス返しコメントと内容が異なりますがご容赦下さい。
>>脇役様
お読み頂き有り難うございます。ちょっと不甲斐ないお姉さん達を見かねてお母さん達が来ちゃいました(笑)やはり若さと体力だけではカバー出来ない部分があるかと…お子様にはテクニックです!なぁんちゃって… だから連れてかないでー!!
>>欠片の屑様お読み頂き有り難うございます。実はお嬢様、美鈴さんの手解きで母親修行中です。「100%国産のワサビ入りフォンダンだったわ…ニンニクの方がまだマシよ!」との事です。流石に山葵にフォンダンかけただけではバレます…
>>3様
お読み頂き有り難うございます。このお母さん達は神出鬼没、時々人里にも出向いてお母さん一年生を指導しているそうです。>「斬新過ぎる。萌えました。」使い所は限られてきますがどんどん使ってやって下さいませ!>>名前を表示しない程度の能力様
お読み頂き有り難うございます。自分にもあんな時代があったのかと思うと、その時分にお世話になった方には頭が上がりません…お母さん四天王の上を行く、お子様連合軍をたった一人で大人しくさせる人物を私は知っています!そう!彼女の名は(賽銭箱
「私に幼化の魔法が使えれば…本気だそうかしら?」「私の瞳が光ってヤバい!幼く見せよと輝き叫びたい!」
>>5様
お読み頂き有り難うございます。トラウマになる程とは…でも可愛いから許してあげて下さい! 大丈夫です!藍さんと美鈴さんはお休みを頂いて温泉へ行きました。リフレッシュして帰ってくる事でしょう!…あれ…小悪魔がいない…
>>地球人撲滅組合様
お読み頂き有り難うございます。お褒め頂き光栄です!まだまだ至らない部分だらけですが、これからも見守ってやって下さいませ。万葉ペース!最初に見た時[万葉ペースト]に見えたのは内緒です
そっか、冬はもう少し先か・・・
五人揃えば「五福星」だねww
>>時空や空間を翔る程度の能力様
お読み頂き有り難うございます。実はレティさんが一番目が緑色になっていそうですね。ところで春告精が混じって(岩
>「五福星」普通五人揃うと戦隊モノに目がいきがちですが…こちらを持ってきた貴方のセンスに脱帽です。
美「ふふー、れみちゃーん(むぎゅっ)」
レ「れみゅっ!?……ぷはっ……メイったら酔ってるわね、まったく(満更でも無い)」
藍「ふふふふふふふ、ふふふのふ。(さわさわ)」
レ「れみゅみゅん!?ちょっ、なんでアンタが此処に居んのよ!」
藍「レミリア嬢の居る処、常に八雲の藍が在りっ!(ばばーん)」
レ「…………そゆこと、他の奴の前でまで言ってないでしょうね…………?」
藍「心配御無用、レミリア嬢「れみぃ」む?」
レ「二人の時は『れみぃ』って、呼んでって、言ったじゃない」
藍「……すまぬ、呼ぶと愛しさが止まらなくてつい躊(ためら)うんだ……」
レ「(れみゅみゅーん!)……も、もう!そんな事言われると…………こっちも嬉しくて照れちゃうわっ」
藍「照れたれみぃも可愛いよ…んっ…」
レ「……んぅっ…らん……」
美「すぴー……れみちゃんと藍しゃんはバカップル~……くぴー……」
藍レミだって良いじゃないですか。
お嬢様なんですもの(関係ねぇ)
お嬢様は素直な乙女。
異論は随時募集中です。
言わずもがな
>>コメント3
ですです。
また……長いです……orz
ぺこり。
止めに来た八雲さん家の藍しゃまがレミお嬢様様にだだ惚れしてしまい紫様に懇願したとか何とか。
そんな感じです(どんな感じだ)
そして傍若無人にコメントしてしまい誠に申し訳ありません。