Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

年越しクリスマス

2010/12/31 12:53:03
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※この作品は、私がこれまでに投稿した拙作の設定の一部を引き継いでいます。これ単品で読んでも問題はありませんが、「さとられいむ」前提という事を念頭に置いてください。それでもよろしければ、どうぞ↓













「あのー、さとりさん?」
「何ですか」
「怒ってる?」
「・・・怒ってませんよ。決して、霊夢とクリスマスを過ごせなかったから、拗ねてなんていません」
「だから、悪かったってば」
どこぞの野良妖怪どもが、『クリスマス撲滅同盟』なんて訳分からん集団結成して暴れて、魔理沙が出しゃばったりして、大変だったんだから




「何ですか、それ」
「私だって知らないわよ。でさ、考えたんだけど」
「何を?」
「クリスマスと年越しを、一度にやろうと思って。名付けて『年越しクリスマス』よ!」
「・・・・・はい?」
「何よその、リアルで痛い人見ちゃった、な目は」
「いえ。そういう突拍子もない痛い事を言うのは、魔理沙さんの専売特許かと」
「おいそりゃどういう意味だ」
「あら魔理沙。居たの」
「さっきから居ましたよ!?で、どういう事をするんだ?」
「そりゃあ、あんた。お酒飲んで面白おかしく騒いで、ついでにプレゼント渡したい奴は渡して、楽しく新年を迎えるのよ」
「要するに宴会だな」
「宴会ですね」
「うっさい。あ、会場は地霊殿ね」
「はあ。まあ、構いませんが」
「よし。人集めは私に任せとけ」
うし。パチュリーも誘ってみるか




「ああ、お願いね。主にパチュリーとかパチュリーとか。後、パチュリーとか」
「う、うるせー。私はもう行くぜ」
「はいはい。さて、私達も色々準備しなきゃね」
「そうですね」












「よう。パチュリー」
「何よ。また来たの?」
「すまん。クリスマス、一緒に過ごせなかった事、怒ってるか?」
「・・・・・別に。で、何の用?」
「やっぱり怒ってるじゃねーか。まあ、その埋め合わせと言っては難だが」




「という訳で、お前を誘いに来たんだが」
「ふーん。まあ、良いわよ。参加しても」
「本当か!?よっしゃ、一番最初に来た甲斐があったぜ!」
「えっ?一番?」
「おう、そうだぜ。一番最・・・あっ。いや、まあ、その。と、当然だろ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

シュンッ

「あらあら。お邪魔だったかしら?」
「げっ!?さ、咲夜っ」
「物だけでなく心まで盗む、手癖の悪い泥棒鼠の侵入をみすみす許すとは。家の門番は何をやっているのやら」
「むきゅ・・・」
「う、うるせー・・・門番なら、フランと雪遊びしてたぞ」
「はあ、全く」
「あ、そうだ。咲夜、ちょっと来い」
「あら。何かしら?」
「良いから」







「で、何よ?まさか、愛の告白?あらやだ、咲夜困っちゃう」
「断じて違う!!えーと。マフラーの編み方とか、知ってるか?」
「えっ?」
「だから。マフラーの編み方とか教えてくれって言ってるんだ」
「・・・ああ、なろほど。そういう事」
「に、にやにやしながら言うんじゃねー!で、どうなんだよ」
「ええ、良いわよ。恋する誰かさんの為に教えてあげる」
「うっ・・・まあ、頼むぜ」














コンコン

「あら?」
誰かしら?ノックするって事は少なくとも魔理沙ではないわね



「はいはい、どちら様・・・あら、霊夢じゃない。どうしたの」
「その。アリスにお願いがあって」
「ふーん、珍しいわね。じゃあ、中で話を聞きましょうか」
「う、うん」



「で、何?頼みって」
「えーと。人形の作り方、教えてほしいんだけど。簡単な物で良いから」
「これまた珍しい。なんでまた?」
「あー、実は」




「ふーん、なるほどね。まあ、良いわよ」
「本当!?ありがとう」
「素直じゃない誰かさんの為に、ね」
「う、うるさい。あ、後もう一つ」
「何?」
「巫女服グッジョブ」
「・・・・・ああ。どういたしまして」














「あ、さとり様。お帰りなさい」
出ていく時は不機嫌だったのに。なんだろう、この変わり様は
「聞こえてるわよ、お燐・・・その、霊夢がね」





「という訳で、準備の方をお願い」
「はあ、それはまた随分突飛な。あい、了解しました」
「うにゅ。分かりましたー」
「あ、そうだ。サンタ繋がりで、久々にあれ着せてみよう」
「うにゅ?」
そんなこんなで、当日までの日々は過ぎて行った







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そして、『年越しクリスマス』(大みそか)当日


「おーい。来たわよー」
「あ、霊夢。いらっしゃい。もしかして、手伝いにきてくれたとか?」
「ええ、そうよ」
「ああ、助かるよ。後は料理の準備だけなんだけど、これが大変で」
「ところで、さとりは?」
「ああ、台所に居るよ。こっちこっち」





「にしても。随分飾り付けたわね」
「みんな張り切っちゃって。特にさとり様なんかは、ねえ」
「あー、そう」
「さ、ここだよ。さとり様、霊夢が来ましたよ」
「さとりー。手伝いに来たわよ・・・・・って、あら」
今回は、あの時の巫女服なのね




「あ、霊夢。いらっしゃい」
「やっぱり似合うわね」
「そ、そうですか?ありがとう」
「で、何で巫女服?」
「ええと、『サンタさんと同じ紅白だから』だそうです」
「ふーん。あのさ、お燐やこいしの言う事、あまり真に受けない方が良いわよ」
「何でですか?」
「・・・まあ、良いや。さて、準備の方、ぱぱっと済ませましょうか」
「はい」











「おー、集まってる集まってる。流石私の人望」
「調子に乗らない」
「うっせ。ところで、良いのか?レミリア達と別行動で」
「・・・若い二人でごゆっくり、って言われたわ」
「そ、そうか。あれ?そういや、お前ってお酒飲めるっけ?」
「あまり飲めないわ。それがどうかした?」
「ああ、いや。何でも無いぜ」
「何か変な事、考えてるでしょ」
「さ、さーて。何の事やら」
そういや、パチュリーの酔った所って見た事無いな。面白そうだ。ちょっと酔わせてみるか












「ふう。だいだいこんなもんかしらね」
「ありがとう、霊夢。助かりました」
「別に良いのよ、これぐらい。おっ、人も集まってきたわね」
「あ、本当ですね」
「よーし。行きますか」
「はい」












「霊夢、ちゃんと渡せるかしら?素直じゃないからなあ、あの娘」
「アリスお姉さま」
ん?この声は


「あら、早苗じゃない。こんばんは」
「こ、こんばんは」
「あの。その『お姉さま』っていうの、止めてほしいんだけど」
「ええっ!?何故ですか!?」
「何故って」
何というか、色々ムズムズするのよ。うん


「そういえば、いつもの二人は?」
「あ、えと。『クリスマスは忙しくて駄目だったけど、新年ぐらいは大切な人と迎えなよ』って諏訪子様が」
「ああ、そう。それじゃ、一緒に飲みましょうか」
「はいっ!!」







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「なんだ、パチュリー。もっと飲めよ」
「嫌よ。第一、あんたのペースが異常なのよ」
「おいおい。宴会は飲んでナンボだろ」
「・・・ちょっと。何で一升瓶なんか抱えてんのよ」
「ああ、いや。お前を酔わせてみようと思ってな」
「止めなさい」
「別に良いじゃねーか。減るもんじゃなし」

ガシッ

「!!?」
「なんか、面白い事やってるわね」
「お、霊夢。ナイスだ。そのまま抑えとけ」
「あーい」
「ちょ、まっ」













「はい、星ちゃん。あーん」
「ひ、聖。あまり人前でそういう」
「・・・むー」
「聖?」


ぐにいっ


「びゃ・く・れ・ん」
「ふうふぉへんにゃしゃい、ひゃくれん」
「そうそう。それじゃ、改めて、あーん」
「いえ、ですから。あまり人前でそういう」
「・・・・・グスッ」
「ごめんなさい!謹んで頂きます!」
「良かった。はい、あーん」
「あ、あーん」






「・・・時に、船長」
「・・・何」
「胃薬とか、持ってないかな。胃もたれしそうだ」
「穴の開いた柄杓ならありますよ」
「いらないよ。そんな物」
「正体不明の種はー?」
「止めなさい。姐さんに南無三されるから」
「ちぇー」
「・・・・・全く。命蓮寺総出で仲を取り持ったとはいえ、少しは自重して欲しい物だが」






「はい、あーん」
「あの、白蓮。流石に」
「・・・・・・はんこうき?」
「ああ!食べます!ありがたく頂きます!」
「良かった。はい、あーん♪」
「あ、あーん」
以下ループ







「というか、あれよね」
「ええ、あれね」
「うん、あれだよね」
「ああ、あれだね」
『さっさと結婚しろ、お前ら』












「何よ。二人とも全然飲んでないじゃない」
「あ、霊夢さん」
「あら、霊夢。あれはちゃんと渡せた?」
「まだよ」
「ああ、やっぱり」
「悪かったわね」
「ほらほら。さっさと渡してきなさい」
「ふんっ。余計なお世話よ」
「・・・・・・」





「あの、アリスさん」
「何?」
「霊夢さんと、何かあったんですか?」
「え?別になに「浮気ですか!?」
「いや、だから「酷いです!私泣きます!やけ酒です!」
「・・・・・はあ」
本当に、もう。人の話を聞かないんだから、この娘は













「さとり」
「あ、霊夢。もう良いんですか?」
「ええ。さとりが寂しがってると思ってね」
「・・・・・・」
「冗談よ、冗談。それじゃ、少し話しましょうか」
「はい」
「んー。今年も、色々あったわね」
「はい」
「まさか、あんたとこんな事になるなんて、思ってもみなかったわ」
「ええ。私もです」
「ああ、やっぱり?」
「はい」
「・・・・・あのさ」
「なんですか?」
「これ」
「え?」
「ん」
「あの、霊夢?」
「ん!」
私の心読めば、分かるでしょうが!さっさと受け取りなさい


「素直に言葉で言えば良いのに」
「うっさい」
「開けても良いですか?」
「どうぞ」

ガサガサ

「えっ?」
これって、霊夢の、人形?




「あー、その。さとりが一人でも寂しくない様に」
「・・・子供扱いしないで下さい」
「なっ!?私は別にそんなつもりじゃ」
「ふふっ、冗談ですよ。本当に、ありがとう。霊夢」
「・・・・・うん」







<<<>>>







「どうしてこうなった」
パチュリーを軽く酔わせるだけのつもりだったんだが






「えへへ。まりさー」
「だああ!ひっつくな!」
酔っ払うとこんな状態になるなんて聞いてねーぞ!っていうか、その、当たって


「あら。仲のよろしい事」
「あ、咲夜。こいつなんとかしろ!」
「無理よ。私はお嬢様の介抱をしなきゃいけないし」
「んん、さくやあ・・・」
「そ、それじゃ、美鈴や小悪魔は?」
「ああ、あの二人は」











「あのー、こあちゃん?」
「ういっく。なんれすかー」
「もうちょっと、離れてくれると嬉しいなー、なんて」
「ええっ!?もっとわらしの愚痴を聞いてくらはい!あの二人、自分らの世界に入りすぎなんれふよ!」
「いや、愚痴は聞くから、離れてほしいなー」
じゃないと、色々と、ねえ?
「・・・・・・・」

ゴゴゴゴゴ

「ぬふう」
ああ、妹様の殺気がビンビン伝わってくるううう。どうすっぺこの状況




「・・・・・メイ?」
「は、はいい!?」
「小悪魔の事、きゅっとしてどかーん、しちゃっていい?」
「そ、それは駄目です」
「メイは、私なんかより、小悪魔の方が良いんだ・・・・・?」
「いえ、そうではなくて」
「じゃあ、良いよね。きゅっとしても」
「ああ、駄目です!駄目ですう!」
ええい、こうなったら仕方無い





「来年から、毎朝おはようのぎゅーをしにいきます!それで勘弁して下さい!」
「・・・ほんと?」
「はい!!」
「じゃあ、指きり」


『ゆーびきーりげーんまん。嘘付いたらきゅっとして、どかーんする。ゆーびきった』


「約束だよ、メイ」
「は、はい」
「うふふ」
「はははっ・・・」
「うへへ、めいりんさーん」
「あっ、ちょっ」
「・・・・・やっぱり、きゅっとしちゃおっかなー」
「ひぎい」











「という訳で、あの二人に付きっきりなのよ」
「大変だなあ、あいつも」
「あなたも。彼女の介抱をするのも恋人の役目でしょ?」
「うっ。確かに」
「ん・・・っ!?さ、咲夜!?あんた、主人になんて格好させてんのよ!」
「なにって、お姫様抱っこですが」
「そんなの、見りゃ分かるわよ!降ろしなさい!」
「じゃ、よろしくね」
「ちょ、咲夜。人の話を。うー!」
「・・・・・」
「まりさー」
「ああ、もう。だからひっつくな!」
はあ。ま、しゃーねえか。咲夜の言うとおりだしな















「うーん」
「大丈夫?早苗。もう、飲み過ぎよ」
「すみませんー。だって、だってえ」
「はあ、あのねえ」

ぺちっ

「あいたっ」
「貴女は、思い込みが激しすぎるわ」
「うう、ごめんなさい」
「・・・貴女みたいな可愛い娘が目の前に居るのに、他の奴らに目移りなんてする訳無いじゃない」

ひょいっ

「ア、アリスお姉さま!?」
「だから、それ止めてちょうだい・・・さて、あの二人は、と。あ、居た」





「さなえええ。なぜだあああ」
「ああ、もう。神奈子。飲み過ぎだよ」
「うるさい!これが飲まずにいられるか!」
「全く。世話が焼ける・・・・・おっ」





「お帰りかな?お姫様抱っことは情熱的だねえ」
「ええ」
「早苗の事、頼むよ。私は神奈子の面倒見なきゃいけないから」
「あら、良いの?じゃあ、どこぞの白黒みたいに、借りていっちゃおうかしら」
「良いよー。言いだしたのは私だし」
「そう。じゃあ、早苗。行きましょうか」
「えっ?えっ?」
「よろしくー」
「あ、あの。行くって何処へ?」
「勿論、私の家よ。新年は大切な人と迎えるんでしょ?」
「そ、そそ、そうでした。よ、よろしくお願いしましゅ」
「あら可愛い。持ち帰ったら食べちゃおうかしら」
「ほへっ!?」
「ふふっ。冗談よ」
「・・・・・・わ、私、アリスさんになら!」
「へっ?」
「えっ?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「ああ、えっと。い、行きましょうか」
「は、はい」















「・・・・・ん。あれ?」
私、確か、霊夢のプレゼントで舞い上がって少し飲み過ぎて。それから
「あら。目が覚めた?」
「れい、む?」
「ああ、ここはさとりの部屋よ。あんたが飲み過ぎて眠っちゃったから、お燐に教えてもらって、ここまで運んできたんだけど」
私の、部屋?それじゃあ・・・・・・え?





「いやー。私の人形を抱いて、安心しきった顔で眠るさとり、可愛かったわ」
「・・・・・・」
「さとり?」
「・・・・・・」
霊夢と、一緒のベッド・・・・・はうう




「あらら、また。あのねえ、いい加減慣れなさいよ」
「む、無理れす。あの。もう少し、離れて」
「嫌よ。狭いんだし、我慢しなさい」
「うう。分かりました」
「なら良いのよ」
「・・・霊夢」
「ん?」
「えっと。その」
「何よ?はっきり言いなさいよ」
「・・・・・・私の事、嫌いになったりしませんよね?」
「・・・・・はあ?」


ぐにいっ


「そんな事言うのはこの口かしら」
「いふあい。れいふ、いふあいれふ」
「たくっ。何でまた、いきなりそんな事言うのよ」
「いたた・・・だって、霊夢とクリスマスを一緒に過ごせなかったぐらいで拗ねてしまって。わがままじゃないかって」
「何よ。そんな事気にしてたの?」
「そ、そんな事って。私は」
「あのねえ、一々そんな細かい事気にしないの。もっとわがままも言って良いから」
「本当に?」
「ええ」
「私の事、嫌いにならない?」
「約束する」
「・・・・・じゃあ、一つわがままを、言っても良いですか?」
「良いわよ。どんと来なさい」
「ぎゅって、してください」
「へっ?」
「ぎゅって、して」
「あー、うん。分かった」

ぎゅっ

「ほら。こんなんで良いの?物好きね」
「うん・・・えへへ。霊夢にぎゅってされるの、好き」
「そう」
「うん」
「・・・・・あんたみたいな可愛くて放っておけない娘を、嫌いになる訳ないでしょうが」
「ほんと?」
「ほんとほんと。まあ、そんなに不安ならこの際だから言っとくけど」
「ふえ?」
「少なくとも、今の私の周りに、さとりより可愛い奴なんていないわよ」
「・・・・・・ばか」









「あ、私も聞きたいんだけど」
「なに?」
「私と話してる時って、心を読む能力、あまり使わないわよね。なんで?」
「だって、霊夢って、話してる事と考えてる事が、ほとんど同じなんだもの」
「んー。そうかしら?」
「うん」
「ふーん。もっと、ガンガン使って良いのに。その方が私も楽だし」
「本当、変わってる・・・・・でも、駄目」
「なんでよ?」
「ひみつ」
「えー。教えなさいよ」
「やだ」



『霊夢の声が聞きたいから』なんて、恥ずかしくて言える訳ないじゃない
















「うーん・・・?」
えーと。確か、魔理沙にお酒を飲まされて・・・それから
「いたた」
うう。頭痛い


「お。目が覚めたか?」
「あれ?魔理沙?」
「今、私の家に向かってる所だ。そのまま休んどけ」
「うん。分かった」
・・・・・って。え?


「ちょっと。紅魔館じゃないの?」
「ああ、そうだが?」
「なんでよ?」
「・・・パチュリーは、私と年越し、したくないのか?」
「えっ?それは。その」
「どうなんだ?」
「・・・・・まあ、たまには良いかもね」
「ああ、そうかい・・・あ、そうだ。ほい」
「なによ、これ?」
「良いから開けてみろ」
「うん」

ガサガサ

「これって。マフラー?」
「ああ、そうだぜ。まあ、あまり上手く出来なかったんだが」
「そうね。まるで駄目ね」
「なっ!?」
「よれよれだし、所々ほつれてるし、長すぎるし」
「そ、そこまで言うか。傷つくぜ」
「でも」
「ん?」
「これはこれで、暖かいわね」
「・・・・・へへっ、そうか。良かった」
「魔理沙」
「ん?」

ぽふっ

「来年も、よろしく」
「お、おう。よろしく」









<<<>>>








「あ、おはよう。さとり」
「あ、えと。おはようございました」
「えっ」
「えっ」
「・・・まあ、いいや。さて、とりあえず」
「はい」
「宴会の片付け、しなきゃね」
「あ、そうでした」









「うわ、やっぱり。ほとんど片付いてないわね」
「あ、おはよー。霊夢にお姉ちゃん。今年もよろしく」
「ああ、よろしく」
「おはよう、こいし」
「あっ、そうそう。片付けは私達でやっとくよ」
「え、良いの?」
「そんな。悪いわ」
「大丈夫です。あたい達にお任せ下さい」
「うにゅうにゅ」
「ふたりは、初恋の地で初詣ででもしてくればー?」
「こ、こいしっ。何を言っているのっ」
「んじゃ、お言葉に甘えようかしら。さとり、行くわよ」
「あ。ま、待って下さい。はあ、分かりました。それじゃあ、お願いね」
『はーい』








<<<>>>








「うー。寒いわね」
「そうですね・・・」
「手、繋ぐ?」
「・・・はい」

ぎゅっ

「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・何か喋りなさいよ」
「・・・霊夢の方こそ」
「仕方ないわねえ。んー、やっぱり良いわよね。こういうのって」
「『大切な人と、一緒に新年を迎える事』ですか。確かに、そうですね」
「そうそう。その調子」
「・・・やっぱり、霊夢って変ですね」
「うっさい。お、そんな事言っている内に着いたわ。で?いくら入れてくれるの?」
「ああ、それはもちろん」

スッ

「え?五円?もっと入れなさいよ」
「縁起が良いんだから、良いじゃないですか」
「ケチ。ま、いいや」


ちゃりん、からんからん、ぱんぱん


『・・・・・・・』
「うん。ま、こんなもんかしら。で、さとりは何お願いしたの?」
「『霊夢と、出来るだけ長く一緒にいられます様に』です」
「・・・あっそ。欲が無いわねえ」
「そういう霊夢はどうなんですか?」
「私?そりゃもちろんお賽せ「『さとりと、今年も一緒にいられます様に』ですか」
「・・・・・・」
「あ、もっと使って良いって言ったのは霊夢ですよ?そうですか。そんなに好きなんですね私の事」
「うん。大好き」
「・・・・・・・」
「あらあら。さとりって、ほんと純よねえ。弄りがいがあるわ」
「・・・・・プレゼント渡すの、やめようかしら」
「えっ?ごめんごめん、謝るから」
「もう。ほんと、現金なんだから・・・はい、これ。昨日、渡しそびれてしまって」
「開けていい?」

ガサガサっ

「ええ、ってもう開けてる・・・」
「あら、マフラーじゃない。良く出来てるわね」
「はい、苦労しました。名前入りですよ」
「えっ?」
「えっ?」
「いや、まあ。さとりが作った奴なら貰っとくけどさあ・・・ん?」
「どうかしましたか?」
「あのさ、物凄く言いにくいんだけど」
「はい」
博れいのれいって、「霊」じゃなくて、「麗」なのよね





「ええっ!?そうなんですか!?」
「ふーん。さとりって、ドジっ子な所もあるのね」
「なっ!?か、返して下さいっ」
「うーん。どうしよっかなー」
「かーえーし-てー」


ぴょん、ぴょん


「あら。ぴょんぴょん跳ねるさとりも可愛いわね」
「くっ、身長差が憎い。じゃなくて、返して!」
「やーよ。せっかくのさとりからのプレゼントなのに」
「うう。いぢわる・・・」
「・・・・・ああ。そういや、お礼がまだだったわね」
「えっ?れ、霊夢?」
「良いから。目、瞑りなさい。お礼、あげるから」
「ふええええっ!?し、ししし、新年早々、何考えてるんれふか!?」
「ほら、いくわよ。黙って」
「ひゃ、ひゃい」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・ぷっ」
「・・・・・?」
「あははははっ」
「!?れ、霊夢!またそういう事を!」
「ごめんごめん。悪かったわ」
「もうっ」
「何よ?して欲しかったの?」
「・・・・・・」
「おーい」
「・・・・・お返しです」
「へっ?」


がばっ


「えっ!?ちょっ!?」
ええっ!?さとりの方から押し倒してきた!?





「・・・・・・こうでもしないと、私の方から届きませんから」
「あ、あの。さと「わがままを言っても良いって言ったのは、霊夢ですよ」
「うっ。まあ、そうだけど」
「しますから。目、瞑って」
「う、うん」


ちゅっ


「・・・・・・・何よ。顔真っ赤じゃない」
「・・・・・・・霊夢の方こそ」
「何よ」
「なんですか」
「・・・マフラー、ありがとう。大切にするわ」
「・・・はい」
「今年もよろしく。さとり」
「今年もよろしく。霊夢」
ベタに年越しSSです。色々な物を詰め込み過ぎたせいで、かなりグダグダで、相変わらず突っ込み所も多く、自分の言葉のパターンの少なさに呆れるばかりですが、少しでもお楽しみいただけたら幸いです。
どうやら、自分には甘い話しか書けない様です。どういう事なの
最期に、前作等へのコメント、そして、こんな妄想の塊の俺得でしかない駄文を、ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
では皆さん、良いお年を
特攻
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
色々幸せになりました!
2.削除
詰め込まれてるなぁ、詰め込まれたw
まぁ、甘かったから気にならないや。
3.こーろぎ削除
今年、最初のさとられいむ!
あいかわらず甘いなぁ…、でも、大好きだぜこういう話