Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

かわいいわんこの飼い方、その考察

2014/03/19 21:14:10
最終更新
サイズ
10.61KB
ページ数
1

分類タグ

『あなたも白狼天狗をペットにしてみよう! 白狼天狗の特徴とその飼い方特集!

 幻想郷の一角にある、ここ、妖怪の山には幻想郷でその存在を有名にしている愛玩動物である白狼天狗が住んでいる。
 彼女たちはいずれも見た目がかわいらしく、一度、人に慣れればどこまでも甘えてくるかわいらしい性格の持ち主であるため、何とかして彼女たちとお近づきになりたいと考えている天狗諸兄も多いことだろう。
 そこで、この記事では、彼女たち、白狼天狗の特徴と、仲良くなるためのポイントを紹介する。
 この記事を読んで、あなたもぜひ、かわいらしい白狼天狗のペットを手に入れてみて欲しい。

・椛属

 白狼天狗の基本犬種である、この椛属は、白狼天狗を飼うための基本を学ぶためには最適の犬種である。
 性格は真面目で一本気、融通の利かない頑固な性格。白狼天狗の中では警戒心の高い種族であり、最初のうちは馴れ馴れしく近づいたり、触ったりすることはやめておいた方がいいだろう。
 基本的に食いしん坊であり、彼女たちを飼いならすには餌付けが一番である。
 美味しいご飯を用意して、名前を呼んであげると、尻尾を振ってやってくる。そこできちんと、『おて』や『おすわり』を教えることで、徐々にあなたのことを『主人』と認識して従順になってくるはずだ。
 普段が真面目で堅物な分、ほめられることをとても喜び、その際に頭を優しくなでてやると、たちまち、デレてくるのもこの犬種の特徴である。
 おもちゃを使って遊んであげたり、尻尾の毛並みをブラッシングされるのをとても好むので、二人っきりの時はこれらを行なって、お互いの心を通じ合わせることが重要である。

・茜属

 白狼天狗の中では、かなり気難しい犬種である。なかなか他人に慣れることもなく、飼っていたら手をかまれた、などの事故が後を絶たない、飼育には難易度の高い犬種だ。椛属と比べると、飼いならすには相当な苦労が伴われるだろう。
 とにかく真面目で気難しく、しかも何事にもきちんと整除された調えられた思考を好むため、彼女たちよりも『阿呆』であると認識された途端、愛想をつかされてしまうはずだ。
 ここは、彼女たちの、その豊富な知識と深い思慮についていくためにも、必死の勉強をお勧めしたい。
 彼女たちとの会話を対等に、そしていずれは上位に進めることが出来るようになると、ようやく、彼女たちも心を開いてくれる。
 最初の頃は、いつでも怒っているかのような表情しか見せない彼女たちであるが、慣れてくれば、年相応のかわいらしい笑顔を見せてくれるはずである。
 彼女たちと仲良くなるためには、とにかく、彼女たちよりも『頭がよくなる』事が重要である。
 なお、この種族は総じてめがねっ娘であるため、『めがねっ娘萌え』の諸兄は、難しいが、彼女たちを飼いならすことにチャレンジしてみてはどうだろうか。

・竜胆属

 主に部門に尊ぶ白狼天狗の一族であり、その腕前は、彼女たちより上位の天狗である鴉天狗であろうとも油断は出来ない。
 その強さはまさに筆舌に尽くしがたく、自分よりも弱いものには決して従わないのが彼女たちである。
 茜属と同じく、彼女たちの主人となるには、彼女たちよりも『強く』なるしかない。
 だが、器械武術をやらせると、彼女たちの右に出るものは妖怪の山でも限られている。そのため、白狼天狗たちの中でも、飼いならすのは最難関である。
 とにかく自分の腕前を磨き、彼女たちに戦いを挑み、彼女たちに勝利するしか、彼女たちと仲良くなる方法はない。ある意味では、正攻法の攻略しか受け付けないのが彼女たちだ。
 しかし、その性格はとてもおおらかで優しく、朗らかである。笑顔がとてもかわいらしく、一度慣れると、その笑顔に毎日、癒されるという飼い主も数多い。
 飼いならすのに失敗しても、茜属のように邪険にされることはなく、以後もいい友達として付き合ってくれるはずである。
 ちなみに彼女たちは白狼天狗品評会における『闘犬』部門で常に上位を競っている。
 高い実力を有する竜胆属の白狼天狗と仲良くなれたら、この部門で、諸兄もトップブリーダーを目指してみてはいかがだろうか。

・桔梗属

 一言で言うとツンデレである。
 好感度が低いと、話しかけてもまるで相手にしてくれないのが彼女たち、桔梗属である。下手な会話をするとすぐに機嫌を損ねてしまう気分屋の一面も持っているため、白狼天狗を数多く飼いならしてきたトップブリーダー達でも、仲良くなるまでにはかなりの根気と苦労を必要とする犬種である。
 あまり見た目に気を遣わない白狼天狗たちの中で、彼女たちはひときわおしゃれな犬種のため、髪型や尻尾の形は当然として、衣服や小物、爪の先からその香りまで、あらゆるところに気を配ってやる必要がある。
 大半の白狼天狗愛好家たちが、彼女たちを飼いならすことを断念するのは、これらの難易度の高さによる。
 しかし、ツンデレであると共に寂しがりな一面も持つ彼女たちは、一度、仲良くなった主人には献身的に尽くしてくれる、よきペットとなってくれるはずである。
 彼女たちがデレるまでにはかなりの困難が立ちはだかる。何をおいても彼女たちのことを最優先に考え、優しく、愛を持って接してあげることで、徐々に彼女たちも心を開いてくれるはずだ。そして、一度デレれば、後の成功は約束されたと言っていいだろう。
 彼女たちの魅力は、ずばり、家事である。中でも料理に長けた白狼天狗であるため、彼女たちが料理を作ってくれたら、それは仲良くなるチャンスだ。あなたの好みを完璧に見抜いて作ってくれる料理がまずいはずがあるだろうか、いいや、答えは否である。
 ありきたりな『美味しいよ』ではなく、思いのたけを、彼女たちにぶつけてみよう。

・楓属

 天真爛漫、明朗快活な白狼天狗の犬種が、彼女たち、楓属だ。
 とにかく遊ぶことが大好きで、仕事熱心な白狼天狗たちの中では『異種』と言われているほどである。
 あなたも、仕事をサボって、遊んでいる白狼天狗を見たことがないだろうか? それが、彼女たち、楓属の白狼天狗たちだ。
 人懐っこく、誰に対しても笑顔で接してくる警戒心のない種族であるため、仲良くなるのは簡単である。最初に紹介した椛属と同じく、白狼天狗ブリーダーを目指すなら、まずは最初にチャレンジしてみる犬種でもある。
 成人しても比較的幼い見た目であるもの達が多く、その元気さやあけすけな性格に、きっと癒されることだろう。
 しかし、注意して欲しいのが、彼女たちの持つ無限の体力である。
 毎日、どうやって楽しく遊ぶかを考えているのが楓属の白狼天狗たちであるため、とにかくひたすら、主人に対して『遊んで』とせがんでくる。その体力は尽きることを知らず、朝から夜までぶっ通しで、妖怪の山の上空を駆け回るはめになったという者達もいる。
 そして、滅多なことでは主人に愛想をつかさない彼女たちであるが、『遊んでくれない人』には興味を示さなくなってしまう。
 そうなると、あっさり、彼女たちは諸兄の元を去ってしまうことだろう。茜属や竜胆属の白狼天狗たちは、主人が『ダメ』であっても愛嬌などがあれば、それを何とかサポートしようとしてくれる献身的な面もあるが、楓属にはそれがないのだ。
 そのため、彼女たちの相手をするには、何よりも体力が求められる。また、彼女たちを楽しませる智慧と知識、技も必要だ。
 それらを習得するのが主人の役目であり、彼女たちに対する礼儀となる。
 これを忘れないのが、彼女たちと仲良くなる鉄則である。

・木の葉属

 白狼天狗ブリーダー達が夢見てやまない、『最上級』の白狼天狗、それが、彼女たち、木の葉属の白狼天狗たちである。
 彼女たちは白狼天狗の中でも最上位に位置する白狼天狗であり、その見た目の美しさ、性格のよさ、武芸の腕前、学問に対する知識など、どれをとってもトップクラス。かの大天狗たちですら一目置くほどの猛者であり、彼らの秘書として雇われていることも多い。
 だが、彼女たちは、決して他者を見下したりせず、自分と同等、あるいは目上の者として扱うよう心がけている。
 その人あたりのよさから、簡単に仲良くなれるのではないか? そう思うのは、まさに浅はかの典型である。
 彼女たちは、その笑顔の裏で、よく、人を見ているのだ。品定めしていると言ってもいいだろう。
 その評価は冷徹であり、絶対である。一度、下された決断は、決して覆らない。彼女たちに、一度、『失格』の烙印を押されれば、どう頑張ってもその評価は覆らないのである。
 故に、彼女たちと仲良くなるには、彼女たちと対等以上の存在を示す必要がある。茜属や竜胆属すらも上回る実力者である彼女たちと肩を並べるには、並大抵の努力ではすまないだろう。
 しかし、その困難を乗り越え、彼女たちに認めてもらうことが出来れば、白狼天狗ブリーダー達の中でも、名実共にトップブリーダーの仲間入りを果たすことが出来るのは間違いない。
 笑顔と余裕を忘れず、何よりも、彼女たちに尊敬されるほどの知識と腕前、人格、器の大きさを持っていると自負できるあなた、木の葉属への挑戦をしてみてはいかがだろうか。
 ちなみに木の葉属は、スレンダー体型の多い白狼天狗の中でも異質な、豊満な体型の持ち主ばかり。そのお姉さん気質と相まって、疲れたあなたを、側から優しく癒してくれることだろう。


 今回の特集は以上となる。
 まだまだ白狼天狗には種類があり、彼女たちにはそれぞれの特徴があるのは言うまでもない。
 それら一つ一つを紹介し、白狼天狗と仲良くなりたい諸兄に情報を届けたいが、この紙面では限界である。それについては謝罪しよう。
 以後、今回のような白狼天狗特集を何度か続けて行くつもりである。
 そちらに、今回は紹介し切れなかった犬種の紹介、また、仲良くなるためのコツを記載していくつもりだ。
 是非とも、そちらにも目を向けていただければ幸せである』


「……なるほど」
「よく分析してるわね。
 こりゃ、確かに、『鴉天狗新聞コンテスト』で、ぶっちぎり一位だけだっただけはあるわね」
「私もこの方と話をしたことがあるのですけど、いやはや、まだまだ上には上がいるということを思い知らされましたよ」
「幻想郷で一番の新聞を作るには、難関がたくさんあるわよね」
「けど、白狼天狗ブリーダーって楽しそうですよね。私もチャレンジしてみようかなー」
「なぁぁぁぁぁぁぁぁにが、『白狼天狗ブリーダー』ですかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「何よ。椛。いきなり大きい声出して」
 片手に、今年の『鴉天狗新聞コンテスト』にて、ぶっちぎり一位の売れ行きと知名度と紙面の質を獲得した新聞を眺めていた射命丸文と、その友人、姫海棠はたてがきょとんとした顔を向ける。
 その相手は、犬走椛。これに書かれていた『白狼天狗椛属所属』の犬種である。
「何ですかこれ!? 椛属って何ですか、椛属、って!
 私の犬種……じゃない、一族は『犬走』です! 何で私の名前が一族の名前みたいになってんですかこれ!?」
「いや」
「だって」
「椛さん、ここに書かれている特長まんまじゃないですか」
「どこがですかっ!?」
 抗議に二人、顔を見合わせる。
 そして、
「おて」
「わんっ」
「おまわり」
「わんわんっ」
「はい、どうぞ。ほねっこですよ~」
「わんわんわんっ」
 文が差し出すほねっこに、ぱくっ、と食いついたところで、『はっ!?』と我に返る椛。
 その姿は、彼女がどう否定しようとも、新聞に書かれている通り、まんま『わんこ』であった。
「そういえば、これを書いたの、木の葉属の人も飼いならしてるのかしら?」
「みたいですよ。
 家にお邪魔した時に、『どうぞ』ってお茶を出されました」
「うわ、マジで。すごい」
「ですよねー。
 木の葉属の方々って、お姉さんっていうより『お姉さま』なんですよ。何かもうこっちの方が圧倒されて畏まってしまうというか」
「それと対等に、でしょう? わたしには無理だわ」
「椛さんならどうとでもなるんですけど」
「いやどうとでもなるって!」
「よしよし、えらいえらい」
「頭なでないでください!」
 しかし、ぱたぱた尻尾が左右に動いているのは隠せない。
 口ではどうこう言っていても体は正直だ。意味に多少の語弊はあるが。
「あとやっぱり、木の葉属の方々は、相手の見た目も値踏みしているようですよ。
 記事を書いた方、ものすごい美人でしたもん。おっぱいもどーん」
「見た目も才能よね」
「でっすよねー」
「まぁ、だけど、次はわたしが一位を取るんだけどね」
「違います。私です」
「何言ってんのさ。選考の欄外じゃない」
「はたてさんだって」
「次は違うわ」
「私だって」
 ごごごごごごごご、と背中にライバルに対する炎を燃やして、次なる『鴉天狗新聞コンテスト』入賞を目指す二人。
 その二人の姿は、まさに記者の鑑。ジャーナリストとしての模範となると言っていいだろう。
「……っていうか、あなた達は人を何だと……」
 最後の抗議をしてくる椛に、二人はさらっと返す。
『ペット』
 と。
筆者は雄の白狼天狗に興味はありません。
haruka
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
雄なんていなかった
2.名前が無い程度の能力削除
野郎もいいもんだぜ?
3.名前が無い程度の能力削除
白狼天狗(仮)で、検索検索!
4.絶望を司る程度の能力削除
楓型も良いけど体力がなぁ……
5.名前が無い程度の能力削除
harukaさん邪仙説
6.名前が無い程度の能力削除
部門に尊ぶ

「椛属」の時点でオチてました。
7.奇声を発する程度の能力削除
面白かった
8.名前が無い程度の能力削除
椛がメインヒロインということですね