「うどんげ聞いて大発見をしたの!!」
昼下がり、三日もの間研究室に籠って何かをしていた永琳が突然部屋にきて言った。
いつも冷静な彼女らしくなく、大分興奮している様だった。
「どうしたんですか師匠?」
「だから凄い事発見したのよ!!」
「そ、そんなにですか?」
「ええ!」
問いかけに、息を弾ませて凄い事を発見したという永琳にうどんげは圧倒される。
永琳はこの三日間、ずっと研究室に籠って何かをしていた訳だが、何をしていたのかは知らない。
だが、永琳がこれほど興奮しているのだから相当な発見をした事だろう。
ソレを発見する事にどれ程苦労したのかは目の下にあるクマが物語っている。
「ちなみにどんな?」
一体どんな発見なのかうどんげも興味があった。
そんな自分の弟子の言葉に永琳は得意げに語りだした。
「誰かと誰かが戦う時って『VS』って表記するでしょ?」
「え?ええ、そうですね……」
てっきり科学的な事が聞けると思っていたうどんげは拍子抜けした。
誰かと誰かが争う時の表記が何だというのか?
「でもね『×』って表記する時もあるのよ!」
「……それがどうしたんですか?」
「気付かない?」
「?」
全く解らない。
「つまり輝夜VS妹紅は輝夜×妹紅でもいいのよ!!」
その言葉言った彼女の顔は今まで見た事ないくらい輝いていた。
「……………」
「そうだ、妹紅×輝夜でもいいわ!輝夜攻めもいいけど妹紅攻めもありね!!」
ガッツポーズする永琳を見てうどんげは思う。
天才とアレは紙一重だというが……
一応今の言葉がギャグなのか本気なのか確認しておく事にした。
「……それが大発見なんですか?」
うどんげの言葉に永琳は叫んだ。
「何を言ってるのよ!そうに決まってるじゃない!!ただの殺し合いが実はチョメチョメになったのよ!?
これが大発見じゃないなんて事はないわ!!もう私なんてその光景を想像しただけで、もう!!」
「(駄目だこの天才早く何とかしないと……)」
興奮したままの永琳にはとりあえず寝てもらった。