雪が降り始めた師走、山の哨戒天狗である犬走椛は白狼天狗警邏隊の本部へ招集されていた。
「…本当に帯刀のままで入室しても良いんですか?」
「大丈夫、何度言ったら分かるんだ、隊長自らが許可して下さったんだ、早く行きなさい」
「感謝します」
椛は番兵に敬礼をすると本部の門を潜り中へと入った。
さほど大きくもない扉の前、そこに警邏隊の隊長がいる。
椛は二度三度深呼吸をし扉をノックしながら入室の許可を求めた。
「…失礼します」
「入りなさい」
落ち着いた声に促され椛は扉を開け帽子を取ると目の前の天狗に敬礼した。
「犬走只今到着しました」
「無帽に敬礼は要らないと言ったよね、椛君」
「も、申し訳ありません」
「まぁ良い、兎に角座りなさい、何か飲むか?緑茶か?ココアか?」
「いえ、それよりも話というのを」
楽しそうにポットを持ち上げた天狗に対して椛は真剣な顔つきで問い、天狗も溜息を吐くとデスクから烏天狗が映っている数枚の写真を取り出した。
「…彼女が誰か、君には分かるはずだ、椛」
「えぇ、射命丸文さんですね」
「そう、君と深い友人である彼女だ」
「または腐れ縁とも言います」
写真を眺めながら椛の答えに頷いた天狗は更に言葉を繋げた。
「…先程、諜報隊から連絡が入った、今日の夜だそうだ」
「では、遂に…」
「そう、勘の良い君は気付いただろう」
天狗の答えに椛は腹の奥が飛び上がった。
「その役目…誰ぞに任せる心づもりですか」
「分からないかね、無論君だよ」
その時、椛の心臓は激しく鼓動し、こめかみに汗を浮かび上がらせた。
「これを使いなさい、小さいけれども、範囲は十分にあるはずだ」
天狗は黒光りするそれを椛に渡した。
渡されたそれを眺めながら椛は目を見張った。
「…GXR、外の世界の新式じゃないですか、どこでこんな物を」
「出所は聞かないでくれ、君に出来るのは『YES』か『NO』かの答えだけだ」
「答えは『YES』です、何と言ったって今日は…」
椛はそれを握りしめ一頻り溜めた後言い放った。
「…文様の湯浴みの日ですもんね!」
「その通り!」
「…本当に帯刀のままで入室しても良いんですか?」
「大丈夫、何度言ったら分かるんだ、隊長自らが許可して下さったんだ、早く行きなさい」
「感謝します」
椛は番兵に敬礼をすると本部の門を潜り中へと入った。
さほど大きくもない扉の前、そこに警邏隊の隊長がいる。
椛は二度三度深呼吸をし扉をノックしながら入室の許可を求めた。
「…失礼します」
「入りなさい」
落ち着いた声に促され椛は扉を開け帽子を取ると目の前の天狗に敬礼した。
「犬走只今到着しました」
「無帽に敬礼は要らないと言ったよね、椛君」
「も、申し訳ありません」
「まぁ良い、兎に角座りなさい、何か飲むか?緑茶か?ココアか?」
「いえ、それよりも話というのを」
楽しそうにポットを持ち上げた天狗に対して椛は真剣な顔つきで問い、天狗も溜息を吐くとデスクから烏天狗が映っている数枚の写真を取り出した。
「…彼女が誰か、君には分かるはずだ、椛」
「えぇ、射命丸文さんですね」
「そう、君と深い友人である彼女だ」
「または腐れ縁とも言います」
写真を眺めながら椛の答えに頷いた天狗は更に言葉を繋げた。
「…先程、諜報隊から連絡が入った、今日の夜だそうだ」
「では、遂に…」
「そう、勘の良い君は気付いただろう」
天狗の答えに椛は腹の奥が飛び上がった。
「その役目…誰ぞに任せる心づもりですか」
「分からないかね、無論君だよ」
その時、椛の心臓は激しく鼓動し、こめかみに汗を浮かび上がらせた。
「これを使いなさい、小さいけれども、範囲は十分にあるはずだ」
天狗は黒光りするそれを椛に渡した。
渡されたそれを眺めながら椛は目を見張った。
「…GXR、外の世界の新式じゃないですか、どこでこんな物を」
「出所は聞かないでくれ、君に出来るのは『YES』か『NO』かの答えだけだ」
「答えは『YES』です、何と言ったって今日は…」
椛はそれを握りしめ一頻り溜めた後言い放った。
「…文様の湯浴みの日ですもんね!」
「その通り!」
>1様
椛「おかしいですね、私たちは認可されて居るんですよ、その上院から」
>奇声を発する程度の能力様
こいつ等が駄目なんじゃないんですよ、駄目の境界線がたまたま彼女たちの位置にいたんです。
>唯様
もう?これまでずっと駄目だったじゃないですかwwwww
>虎姫様
駄目じゃないですよ?これが白狼天狗の常識じゃないですか、多分