※糖分過多注意。
彼女はちょっとだけ意地っ張りで強情だ。
まあそんな所が好きなんだけどさ。
「おなかすいた」
「ちょっと待ってて、すぐ出来るから」
「おなか空いたー!」
「あーちょっと!!今作っている途中なんだから!!」
クッキーの良い匂いがしてくる。きっと生地でも作っているのだろう。
そんな彼女の背中に抱きつく。
だってほら、ずうっと私に背を向けているじゃない。
「こおら!霊夢、貴女はちょっとそこに座っていなさい」
「えー」
「ほら、早く食べたいんでしょ。だったら少し大人しくしていなさい」
ちょっとだけ私より背が高くって、けれどそんなに変わらなくって。
けれど体つきは私より相当よくって、時々それに腹が立って。
大人びた表情が悔しくって、思いっきり揺らしてやりたくなって。
いっつも空回りしてばかりで、更に腹が立ってきて。
「……」
「なによ、その顔」
「……えい」
「あだっ!!」
ほら今も腹が立ったから、思いっきり額にデコピンしてやった。
痛そうな顔して、涙目になってこっちを見てくる。
そうそう、いつものクールな表情じゃなくって、そういう顔が好きなのだ。
「~~~霊夢!!」
「私は悪くないわ、無視するアリスがわるい」
「あんたねえ!!」
怒った顔も、笑った顔も、全部全部私のものだ。
それが嬉しい。だからもっと見たい。そう思うのは我がままなのだろうか。
まあいいか。こうして構ってくれるわけだし。きっと彼女は呆れているだろうけれど。
「上海に糸で縛らせるわよ!」
「アリスったらそういうプレイが趣味だったの?」
「プレイとか言わないで!そういう意味じゃないわよ!」
「そういう意味ってどういう意味かしら」
「~~~!!!」
まるでタコみたいに彼女にへばりついている私。赤くなって振り払おうとしている彼女。
端からみれば馬鹿みたいな光景だろう。けれどここは彼女の家。彼女と私以外には誰も居ない。
だからまあ、好き勝手にしても問題ないのである。
「とにかく離れなさいよ!暑苦しい!」
「アリスのケチ。冷血人形遣い」
「そんなこと言われたってねえ、邪魔なものは邪魔なのよ!」
「えー」
けれど、あんまりにも邪険にされると私だって傷つく。もうちょっと構って欲しいんだって事、ちょっとぐらいわかってはくれないだろうか。
久しぶりにこの家に遊びに来たのだ。彼女と長く居たいと思うのは私だけなんだろうか。
きっかけは今日の午後のことだった。
ちょっとした異変が起こって、解決して、そうしたら神社に彼女が居て。
もう今日は何も起こらないでしょ、って、こっちを見ないで手だけ差し出してきた。
彼女らしいと思わず笑ってしまったら、なに笑っているのと上海人形が飛んできた。
あっさり退治してのけたら、またぶすっとした顔をした。
そうしてまた笑っていたら、ぐん、と手を引っ張られて、いつの間にかここにきていた。
「ああもう、クッキーが焼けないじゃない」
「それは困る。おなかすいた」
「だったらそこどいて」
「やだ」
「……霊夢」
困った顔をしている彼女。けれど私ばっかりが悪いわけじゃない。
久しぶりにこの家で過ごせるんだなって思ったら、とっとと台所に行っちゃうし。
道中おなかすいたおなかすいた言っていた私も私だけれど。
もっと大切なことがあるんじゃないの、って思うんだけどな。
けれど彼女はそんな私にお構いなしだった。クッキー作るからちょっと待っててって言われてリビングに上海と放置された。
笑った顔が可愛かったから思わず頷いてしまったけれど、正直もう限界だ。
彼女に触れたい。もっと声が聞きたい。そう思っちゃうのは私だけなんだろうかと、背中を見ていて不安になった。
けれどそんなこと悟られたくないのは、やっぱり私も意地っ張りってことなんだろう。
無理やりでも抱きついて、彼女に叱られてそれで終わり。いつものパターンにほんの少し心が寒くなる。
「クッキー焼いたら、構ってあげるから」
「……なにそれ、子ども扱い」
「だって本当に子供みたいなんだもの」
私の髪を優しく撫でる手。嬉しいけれど、少し悲しい。
これじゃあ駄々こねている子供みたいじゃないか。
彼女はふくれっつらの私を見て、ちょっとだけ笑っていたけれど、なにがそんなに可笑しいんだか。
私はただ貴女がすきなだけなのに。
「……しょうがないわね」
「え」
彼女が背を少しだけ屈めて、こちらに近付いてきた。
なんだろう、と私は思った。
さらさらとした金色の髪が額にかかったと思ったら、そのまま頬になにかが触れる感触がした。
彼女が離れる。
その顔は、ほんの少し赤い色を帯びていた。
「これでちょっとは我慢してよね」
「……」
何をされたのだか正直よくわからなかった。
いいや、時間が経つにつれて、ちょっとだけわかってきた。
「わかった?」
「うん」
「じゃ、続きやるから」
彼女がキスした私の頬に手を当てる。
思ったよりも熱かった。
きっと私も彼女に負けず劣らす、赤い顔をしているんだろうなと思った。
彼女は台所の奥の方へ足早に駆けていったけれど、時々ふらついてはガンと机の角に足をぶつけていた。
その度に私は可笑しくなって笑ってしまった。
そうして私もリビングに戻ろうと思って立ち上がって歩き出したら、机の角に足をぶつけた。
痛くなって涙目になった。後ろで彼女が噴出す声がした。
「ぷっ」
「なにが可笑しいのよ」
「慌てすぎ」
「どっちが」
彼女はちょっぴり意地っ張りで強情だ。
なかなかこっちを振り向いてくれない。
「そっちが」
「そっちでしょ」
「そっちよ」
「そっちじゃないの?」
けれどそんな所が好きだ。そっけなくって、一見クールで、だから振り向かせたくなる。
そうして振り向いたときに、私はどうしたって弱くなってしまう。
「ま、いいけどね」
「なにが」
「別にー、ただ可愛いなあって」
「……っ!」
「それだけよ。コレ作ったら、ちゃんと相手してあげるからね」
彼女はそれを知ってか知らないか、そんな私を見て、嬉しそうに笑うのだ。
まいったなあ、と思いつつ、私も照れくさくなって。
ほら今みたいに、つい頬が緩んでしまうのだった。
完
彼女はちょっとだけ意地っ張りで強情だ。
まあそんな所が好きなんだけどさ。
「おなかすいた」
「ちょっと待ってて、すぐ出来るから」
「おなか空いたー!」
「あーちょっと!!今作っている途中なんだから!!」
クッキーの良い匂いがしてくる。きっと生地でも作っているのだろう。
そんな彼女の背中に抱きつく。
だってほら、ずうっと私に背を向けているじゃない。
「こおら!霊夢、貴女はちょっとそこに座っていなさい」
「えー」
「ほら、早く食べたいんでしょ。だったら少し大人しくしていなさい」
ちょっとだけ私より背が高くって、けれどそんなに変わらなくって。
けれど体つきは私より相当よくって、時々それに腹が立って。
大人びた表情が悔しくって、思いっきり揺らしてやりたくなって。
いっつも空回りしてばかりで、更に腹が立ってきて。
「……」
「なによ、その顔」
「……えい」
「あだっ!!」
ほら今も腹が立ったから、思いっきり額にデコピンしてやった。
痛そうな顔して、涙目になってこっちを見てくる。
そうそう、いつものクールな表情じゃなくって、そういう顔が好きなのだ。
「~~~霊夢!!」
「私は悪くないわ、無視するアリスがわるい」
「あんたねえ!!」
怒った顔も、笑った顔も、全部全部私のものだ。
それが嬉しい。だからもっと見たい。そう思うのは我がままなのだろうか。
まあいいか。こうして構ってくれるわけだし。きっと彼女は呆れているだろうけれど。
「上海に糸で縛らせるわよ!」
「アリスったらそういうプレイが趣味だったの?」
「プレイとか言わないで!そういう意味じゃないわよ!」
「そういう意味ってどういう意味かしら」
「~~~!!!」
まるでタコみたいに彼女にへばりついている私。赤くなって振り払おうとしている彼女。
端からみれば馬鹿みたいな光景だろう。けれどここは彼女の家。彼女と私以外には誰も居ない。
だからまあ、好き勝手にしても問題ないのである。
「とにかく離れなさいよ!暑苦しい!」
「アリスのケチ。冷血人形遣い」
「そんなこと言われたってねえ、邪魔なものは邪魔なのよ!」
「えー」
けれど、あんまりにも邪険にされると私だって傷つく。もうちょっと構って欲しいんだって事、ちょっとぐらいわかってはくれないだろうか。
久しぶりにこの家に遊びに来たのだ。彼女と長く居たいと思うのは私だけなんだろうか。
きっかけは今日の午後のことだった。
ちょっとした異変が起こって、解決して、そうしたら神社に彼女が居て。
もう今日は何も起こらないでしょ、って、こっちを見ないで手だけ差し出してきた。
彼女らしいと思わず笑ってしまったら、なに笑っているのと上海人形が飛んできた。
あっさり退治してのけたら、またぶすっとした顔をした。
そうしてまた笑っていたら、ぐん、と手を引っ張られて、いつの間にかここにきていた。
「ああもう、クッキーが焼けないじゃない」
「それは困る。おなかすいた」
「だったらそこどいて」
「やだ」
「……霊夢」
困った顔をしている彼女。けれど私ばっかりが悪いわけじゃない。
久しぶりにこの家で過ごせるんだなって思ったら、とっとと台所に行っちゃうし。
道中おなかすいたおなかすいた言っていた私も私だけれど。
もっと大切なことがあるんじゃないの、って思うんだけどな。
けれど彼女はそんな私にお構いなしだった。クッキー作るからちょっと待っててって言われてリビングに上海と放置された。
笑った顔が可愛かったから思わず頷いてしまったけれど、正直もう限界だ。
彼女に触れたい。もっと声が聞きたい。そう思っちゃうのは私だけなんだろうかと、背中を見ていて不安になった。
けれどそんなこと悟られたくないのは、やっぱり私も意地っ張りってことなんだろう。
無理やりでも抱きついて、彼女に叱られてそれで終わり。いつものパターンにほんの少し心が寒くなる。
「クッキー焼いたら、構ってあげるから」
「……なにそれ、子ども扱い」
「だって本当に子供みたいなんだもの」
私の髪を優しく撫でる手。嬉しいけれど、少し悲しい。
これじゃあ駄々こねている子供みたいじゃないか。
彼女はふくれっつらの私を見て、ちょっとだけ笑っていたけれど、なにがそんなに可笑しいんだか。
私はただ貴女がすきなだけなのに。
「……しょうがないわね」
「え」
彼女が背を少しだけ屈めて、こちらに近付いてきた。
なんだろう、と私は思った。
さらさらとした金色の髪が額にかかったと思ったら、そのまま頬になにかが触れる感触がした。
彼女が離れる。
その顔は、ほんの少し赤い色を帯びていた。
「これでちょっとは我慢してよね」
「……」
何をされたのだか正直よくわからなかった。
いいや、時間が経つにつれて、ちょっとだけわかってきた。
「わかった?」
「うん」
「じゃ、続きやるから」
彼女がキスした私の頬に手を当てる。
思ったよりも熱かった。
きっと私も彼女に負けず劣らす、赤い顔をしているんだろうなと思った。
彼女は台所の奥の方へ足早に駆けていったけれど、時々ふらついてはガンと机の角に足をぶつけていた。
その度に私は可笑しくなって笑ってしまった。
そうして私もリビングに戻ろうと思って立ち上がって歩き出したら、机の角に足をぶつけた。
痛くなって涙目になった。後ろで彼女が噴出す声がした。
「ぷっ」
「なにが可笑しいのよ」
「慌てすぎ」
「どっちが」
彼女はちょっぴり意地っ張りで強情だ。
なかなかこっちを振り向いてくれない。
「そっちが」
「そっちでしょ」
「そっちよ」
「そっちじゃないの?」
けれどそんな所が好きだ。そっけなくって、一見クールで、だから振り向かせたくなる。
そうして振り向いたときに、私はどうしたって弱くなってしまう。
「ま、いいけどね」
「なにが」
「別にー、ただ可愛いなあって」
「……っ!」
「それだけよ。コレ作ったら、ちゃんと相手してあげるからね」
彼女はそれを知ってか知らないか、そんな私を見て、嬉しそうに笑うのだ。
まいったなあ、と思いつつ、私も照れくさくなって。
ほら今みたいに、つい頬が緩んでしまうのだった。
完
口の中が甘ったるいwwww
さて、レイアリのおかわりはあるかな?
それがしはもっともっと甘くてもよろしくてよ?
霊夢をデレさせるのはアリスしかいない。
心なしかアリスも素直に優しいような…
スイートスイートなお話に砂糖再生産。だばーっ
もっと広がれ霊アリの輪!!!
砂糖だばー。
最近甘ければどうでもよくなってきた…
あぁ、天に召されそうです……。
霊夢さんも可愛いですよ!(何を取って付けた様に
飲んでた紅茶に口からでた砂糖がはいって
甘いっ!
あなたに弟子入りしたいよ!