" />彼女がチャイナに倣ったら 作者: 亜虎
Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

彼女がチャイナに倣ったら

2008/08/08 22:31:31
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 それは、レミリアが『夕刻の朝食』を終え、紅茶のカップを持ち上げた時だった。
 ちなみに紅魔館でいう『朝食』の定義とは『起床してから初めて取る食事』となっているので、主観的に先の言葉は矛盾していない。
 門番隊長の美鈴が、ノックの後に入ってくる。そして告げた用件というのが、

「今の門番隊の制服を変えたい?」

 美鈴の用件を復唱し、意味を咀嚼する。
 現在、美鈴を筆頭とした門番隊の制服は、今彼女が身に着けている、ツーピースのチャイナ服を基としたものである。フリル等装飾のあるメイド服は、汚れやすい屋外での作業には向かない為だ。
 動きやすいよう、スカートにスリットが入っており、飾り紐以外に目立った装飾はない。しかし気温湿度天候と、環境の変化が多彩な為、業務に支障が出ない限りでは重ね着も許すと、内勤のメイド達と比べると規則は少し緩い。
 レミリアとしては、不満の声も無いので現行のままでいいとは思うのだが。

「はい、デザインを一新することで、門番隊の士気が上がるかと」
「それで白黒のネズミくらいは追い返せるくらいにはなるのかしら?」
「えっ!? えーと……それとこれとは別件かなぁ、と」
「はぁ、服を変えた程度で上がる士気なんてその程度のものよ」

 レミリアの脇で控えていた咲夜が、ため息混じりで呟く。
 まぁ確かに、衣装が変わった程度で能力が向上するなんてない。
 それが起こり得るのは、図書館の一画にある漫画コーナーの、更にごく一部の作中だけだ。
 ……いや、人里の半獣は満月になると容姿と一緒に服の色も変わっていたか。
 人間としては規格外のスペックを持つ霊夢や魔理沙も、少しずつ衣装が変化している。だからと言ってその度に強くなっているとは言い難い。
 それはまぁ、さておき。

「で、その変更案とやらは出来上がっているのかしら?」
「あ、はい。というより、紫さんが持ってきた写真なんですけど」
「あのスキマ妖怪が?」

 空になったティーカップに、咲夜が紅茶を注ぐ。『お代わり』の注文が無くともその動作に迷いは無い。

「門番隊の制服って、私の国……まぁ幻想郷の外の国なんですけど、そこの民族衣装じゃないですか。
 今回、スポーツの一大イベントとかがあるそうなので、それに乗じてそのデザインを変えるそうなんです」
「それで、こちらもそれにあわせる、と」

 美鈴が言わんとしていることは分かったが、レミリアは首を捻る。
 民族衣装をリメイク?
 語としては成り立つが、果たしてそれを通していいのか悩む。
 デザインを変えるというよりは、また新たなるブランドの立ち上げなのではないのか?

 それにしても、とレミリアは紅茶をすする。
 八雲紫。博麗と共に在る幻想郷の守り手。彼女が何を思って、美鈴に写真を渡したのか。
 予測しようとして、中断する。動機自体、大した理由は無いだろう。あれはそういう存在だ。
 今ここに美鈴がいるのは……恐らくは紫にそそのかされたか、あるいは珍しく美鈴自身から進言する気になったのか。
 門番隊の面々に言い包められたという可能性も否定はできないが。

「まぁ、とりあえずその写真を見せてみなさい。咲夜」

 美鈴から写真を受け取った咲夜は、それを見ないように裏返してレミリアに渡す。
 表に返した写真を見て、レミリアは顔をしかめた。

 それはチューブトップのワンピースだった。
 朱と金の色を基とし、色だけで言えばこの館のイメージには近い。が、

「駄目ね」

 きっかり十秒。レミリアが決断に下した時間だった。

「あぁ、やっぱりそうですか……門番隊の皆が、隊長可愛いからこれにしましょう、って言うんで」
「可愛いってねぇ……」

 まさかの三番だったか。しかし隊員に言い包められる隊長ってどうなのだろう。

「そもそも、これじゃ衣服としての役割を果たせていないわ。こんなに肌を露出させていては防寒の役割も果たさないし、肌が日に焼けるわよ」
「貴女の部下にもちゃんと説明なさい。なんなら、私から忠告してあげてもいいけど」
「いえいえ、咲夜さんに頼る訳にもいきませんし。自分でちゃんと説明します」

 失礼します、と美鈴は部屋から出て行った。
 随分あっさり引き下がったが、それは恐らく本人も乗り気でなかったのだろう。








 さて、部屋に残ったのはレミリアと咲夜、紅茶の香りと件の写真。
 その写真を手にしたまま、レミリアは窓辺に立つ。遠くに広がる湖には、大きく欠けた月が映っている。

「咲夜」
「はい」
「仮に、美鈴がこの写真の服を着たとしましょう」
「はい」
「……どう思う?」

 写真の中の女性に劣らず、否、天地の差をつけて美鈴のプロポーションは抜群である。
 豊かな胸の谷間がドーン!
 括れたウエストがギューン!
 艶のある生足がズギャーン!
 そりゃあもうえらい事になるだろう。

「すごく……エロスです……」
「そう、確かにエロスよ。美鈴のあのスタイルでこの衣装を着れば、少なくとも幻想郷でエロスで勝てるものはいないわ」

 そんなもので勝ってもあんまり浮ばれない気がするが。
 精々、嫉妬した白黒が、何時もより多めに恋符を撃ちまくる程度だろう。

「でもねっ!」グシャリ、写真が握りつぶされる。「そうじゃないのよ! 美鈴はそうじゃないの!」

 そのまま発火する写真。零れ落ちる煤は咲夜が何時の間にか設置していたバケツに吸い込まれていく。

「この服を着ても美鈴は輝くわ。でもその輝きは今の美鈴に到底及ばないの!」
「今の美鈴を輝かせるもの……お嬢様、それはチラリズムですか?」
「ザッツライト」

 ぐっ、と親指を立ててレミリアは振り返る。
 チラリズム。説明する必要は無いかも知れないが、そのままの意味でチラチラ見えることである。
 剥き出しにしてはいけない。モロに見せてはいけない。それは単なる痴女である。年齢詐称して股でも開いていればいい。
 現にスキマ妖怪の式のそれは、エロスではなくギャグ扱いではないか。

 どれだけ重要かが分かっていないのなら、例えを挙げよう。博麗の巫女と守矢の巫女。二人の衣装はとてもよく似ている。
 二人とも腋が見えるような服の構造である。ならば袖はいらないじゃないか、と思う人もいるだろう。
 だがそれでは意味が無いのだ。あの袖があるからあの二人は『腋巫女』なのだ。袖が無ければ精々『ノースリーブ巫女』である。
 『ノースリーブ巫女』である!(大切なことなので二回言いました。)
 エロスなんて微塵も無い。あるのは言いようの無い『それがどうした感』である。

 話を戻す。
 美鈴と言えば、その豊満なバストに目が行きがちである。
 が、そこで思考停止するような存在は、レミリア曰く『狗の餌』だそうだ。
 彼女の骨頂は、長年の門番仕事で鍛えられた太腿の脚線美。程よく豊かで張りのある、あの桃肉なのである。
 そしてあの桃肉を引き立てるのに、現在の門番隊の制服のスリットがとてもベストなのである。
 一度、宴会騒ぎの時にズボンをはいていたがあれは頂けなかった。完全に隠しても意味が無い。

 ここまで説明して理解できない人は八意○究室のエロスダムの項目でも見て欲しい。

「防寒具の代わりにニーソックスとパンストを支給した采配、見事でしたお嬢様」
「咲夜こそ、よく肌色のパンストなんて見つけたわね」

 美鈴の為だけに振り回される門番隊が不憫でならない。

「……しかし下品な服だったわね。同じ民族が作ったとは思えないわ」
「そうですね。案外、向こうの世界では無かったことにされるのではないでしょうか」
「かもしれないわね。この服がこちらに来るのも、そう遠くはないのかも」
「こっちに来たら……美鈴は、着ますかね?」

 さっきの様子を見る限り、自ら進んで着るような事は無いだろう。
 が、問題は彼女の周りで比較的ノリノリだった門番隊の面々である。無理矢理ひん剥かれて着替えさせられる美鈴が目に浮ぶ。
 もしくは、民族衣装が持つ何らかの外力により、強制的に美鈴があれを纏うやもしれない。
 それだけは絶対に避けねばならない。
 この問題を解決するには、方法はいくらでもある。
 が、今現在一番手っ取り早い方法は……

「博麗神社へ行くわよ咲夜」
「この時間からですか?」
「霊夢に頼んで博麗大結界に穴を開けさせるわ。そして」

 ――あんな下劣な服を作ろうとしている存在を抹消する。
 デザイナーからしてみれば迷惑この上ない。

「……お供いたします、お嬢様」
「当然。あと、フランとパチェにも呼びかけておきなさい。総力を以って潰すのよ」
「仰せのままに」

 一礼をした後、咲夜の姿が消える。
 レミリアは、もう一度湖に目を落とす。何時の間にやってきたのか、氷精が水面の上を飛び跳ねている。
 飛び跳ねる度に、そこに映る月の像が波紋で歪んだ。
 残念なことに、今日の月は丸くも無ければ紅くもない。
 向こう側はどうなのだろうか、ひょっとして、紅く丸い月がそこにあるのではないか。
 が、今宵はもう月なんて関係が無い。
 満月であろうが新月であろうが、紅い光を燈そうが蒼い光を点けようが、

「楽しい夜に、なりそうね」

 スカーレットデビルは、口元に強い笑みを湛えるのだった。



 ――たかだか、自分の一部下に関する着衣の将来についてで。
レミリア「我々ハコレヲ完成品トハ認メナイ!」
咲夜「認メナイ!」
パチュリー「認メナイ!」
フラン「みとめな~い♪」←理解してない


ここには初めて投稿します。亜虎といいます。
で、作品。
三つくらい下で脇役様が五輪を織り交ぜた『美鈴愛』語っていたので、
便乗して語らせていただくことに。
つか本当は五輪開会式前に投稿したかったんすけどね

書いててお嬢様の能力で運命操ればいいんじゃねとか思ったけど、その辺は内緒な、お兄さんとの約束だ。

あと、作者は決して中国(国家としての)が嫌いでないことを弁明させてください。
それでは、目を通していただき、感謝。
亜虎
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コメント



0.簡易評価なし
1.無評価名前が無い程度の能力 削除
多分、
桃肉→腿肉だと思う

美鈴の愛され方は異常w
2.無評価脇役 削除
そうだ!美鈴の真骨頂は足!
胸だけにとらわれるうちはまだまだ未熟
……私からにして今だ二合目といった所だ
(だから美鈴のおっぱいに釣られる)
3.無評価名前が無い程度の能力 削除
あー、あの酷いデザインのチャイナドレスですね。
あれは本当に頂けないですよね・・・。orz

だが、美鈴ならそんなドレスでも着こなせると信じてる。Σd(^ω^ )
4.無評価名前が無い程度の能力 削除
あのデザインを考えた愚か者は万死に値するだろう常識的に考えて…。
と言う訳で美鈴さん早速元祖であり至宝であるこのチャイナ服に着替えるんだ!!
5.無評価名前が無い程度の能力 削除
だがここはあえて桃肉を推そう。(チラリズム的に
6.無評価名前が無い程度の能力 削除
...そう簡単に事は進みますかな?
軍事力の底力、そして、数多の超人達...何よりスンゲェ人口
それに加えて、キョンシーを狩る者達...一筋縄では行きますまい
戦え、闘将!ラーメンマン!!...って、丈太郎がいなきゃ無か、時間止められちゃorz
7.無評価名前が無い程度の能力 削除
桃肉なんていい響きじゃないか、誤字とは思えないぞ

めーりんの良さはあの艶やかな髪にこそあると主張する!
8.無評価名前が無い程度の能力 削除
 スリットがあるからこそニーソは映えるのです!
太腿との境界線があるからこそ我々は、こう……ねぇ?


 最後ラーメンズwww
9.無評価名前が無い程度の能力 削除
桃肉って書いたらふともものことじゃなくてケツのことになりやしないかとwww
10.無評価名前が無い程度の能力 削除
逆に考えるんだ!
めーりんが昔のチャイナドレスを着ているから昔のチャイナドレスが幻想入りしたんだと、そう考えるんだ
11.無評価名前が無い程度の能力 削除
ダメだこの主従……早くなんとかしないと……
12.無評価壊れた笑いができる程度の能力 削除
この主壊れている!
あとエロスはギリシャ神話の神でキューピットの神ですよw
13.無評価亜虎 削除
レス返しなんぞ。

>1.
下でも語られていますが、ある種意図的な誤字です。
美鈴は愛されていますが、どこぞで「愛されてる美鈴はもう飽きた」的なレスを見たので、次はいじめられる美鈴が書ければいいなと思ってます。

>脇役様
あなたで二合目ということは、
私なんぞ登山靴選んでる段階ですよ?

>3.
本当何着ても似合いそうですよね。スタイルいい人っていうのは実にチート。
昨日の開会式で、件の衣装が出なかったあたり、政府もなかったことにしたのではないかと予測。

>4.
あのデザイン考えた人は、もれなくえーき様のラストジャッジメントをプレゼント。
作中美鈴が着てるのはツーピースのものですが、あれもチャイナ服の一種らしいです。でもワンピのほうがいいよね?

>5.
桃肉に倍プッシュだ。

>6.
まぁ、戦争は戦術よりも戦力よりも、純粋な物量が勝敗を決めるそうですが。
最終鬼畜妹が×4してもちょーっと厳しいかなぁと。緋○様とドゥー○様の支援を要請する。
……何で国取りの話になっているんだろう、服のデザインに関する話なのに。

>7.
着眼点が上に行くほど『紳士度』が上がります。下に行くほど『変態と言う名の紳士度』が上がっていきます。
ちなみに両方0がウエストになるのですが、愛さえあればいいみたいですよ(?)。

>8.
>最後ラーメンズwww
 何 故 判 っ た し 。
スリットにニーソで見える三角地帯がいいんですよねぇ。

>9.
桃のように白く柔らかい、の意です。(勿論でっち上げ)
でもきっと美鈴は安産型。

>10.
原作中の外の世界では新デザインのチャイナが普及しているという訳ですね、分かりたくありません。

>11.
真面目な主従は他の方の作品でどうぞ。

>12.
最近、『お嬢様』と『れみりゃ』以外の『壊れたお嬢様』というが確立してきたみたいですね。嬉しい限りです。
>エロスはギリシャ神話の神
いいえ木星と火星の間の小惑星です。
14.無評価名前が無い程度の能力 削除
>脇巫女云々
なるほど、萃香は脇丸出しなのに脇キャラとして浸透しない理由はそれか
15.無評価名前が無い程度の能力 削除
うん、スリットがジャスティスなのは間違いないです。
>総力を持って潰すのよ」
以て、では?
16.無評価亜虎 削除
修正しました。そしてレス返し

>14.
もし萃香に袖があったなら、称号は「つるぺったん」じゃなくて「腋鬼」だったかもしれませんね。実に興味深い

>15.
誤字指摘ありがとうございます。
スリットは三角形で、高さ>>底辺が望ましいですね。ただ一直線にスリットよりも。
17.無評価名前が無い程度の能力 削除
>脇巫女について
なら椛はどうなると言うんだ。彼女も脇のチラリズムをもってるじゃないか!
さらにへそチラまであるんだぜ!(場合によっては)
18.無評価名前が無い程度の能力 削除
まさかエロスダム理論を持ってくるとはwww
19.無評価名前が無い程度の能力 削除
>椛                         じゃあ腋天狗か?www
20.無評価名前が無い程度の能力 削除
あとがきのフランちゃんに萌えた