Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

催眠術

2009/09/18 03:27:46
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催眠術、そんなことが本当に可能なのだろうか。可能なのだとしたらそれはいったいどれほどの脅威なるだろう。
魔術薬と合わせて表層意識を低下させてやれば可能なのかもしれない。しかしそれは魔術師のタブーだ。
なぜかは知らない。いつからあるのかも知らない。ペナルティがあるかどうかも知れない。
だが人の意識を操る魔法や蘇生魔法、転生魔法の類は魔法使いの間では厳禁だ。
人を殺すことや、破壊をすること。生命を生み出すことすら可能とする魔法。
なぜこんな規制があるのか。禁忌とされるには理由があるのだろう。試したことはない。怖いから。
だが、魔法を使わずに行うことは禁止されていない。そういう点で催眠術に興味もあったりするが。
まさかそんなに簡単にできるとは思っていないし、そんなことに労力を費やすくらいなら魔法の研究をする。
魔法使いなら当然そう考える。だがしかし、魔法使いではなく魔法を使う人間の中には特殊な考えを持った者がいる。
それがこいつ。私の家に突然をしいってきたと思えばいきなりこんなことを言い始めた。

「催眠術って知ってるか?」
「知らいでか。」
「じゃあ信じるか?催眠術が可能だと。人を思いのままに操れると。」
「魔法使いは実験もしないで断定することはしないわ。先入観や思い込みは冷静な分析の枷になる。まぁ実験なんてしてる暇はないけど。」
あっさりと興味のないことを告げると魔理沙は予想通りだ。という顔をした。
「ふむ、確かにかけるほうには時間がかかるかもしれない、だがかかる方ならどうだ?すぐ済む、時間はかからないぜ。」
「かかったらどうするのよ、何されるかわかったもんじゃないわ。」
「ふむ、だから信頼の置ける私がお前に催眠をかけてみてやろうというのだ。どうだ?」
「あんたは信用できないわよ、どうせ魔道具くれとかいうんでしょ?」
案の定魔理沙の視線は私から床に向けられた。図星をさしてやったらしい。
「そんなことはないぜ。誓って約束するぜ。私の眼を見てくれ。これが嘘をついている眼に見えるか?」
じーっと魔理沙の眼を見つめると嘘という一文字が書かれているような目だった。って魔理沙が何か呟いている。


「しまった!!!!やられた!!」
「ちっ!やっぱりかかんねぇか。あーぁ私にはむりか。」
「あんたねぇ。汚い真似してんじゃないわよ。ていうか案外頭いいことにびっくりよ。」
巧みな話術に洗脳式催眠術をかけられるところだった。いわゆる目を見つめると意識が乗っ取られるタイプ。
かからなかったからいいものの、完全にしてやられたのでかなり悔しかった。
「なぁ、次はアリスがかけてみてくれよ。もしかけれたら試しに命令してみてもいいぜ。」
正直興味はあるしやってみたいと思った。それはもしかかった時のことを考えたせいかもしれない。
こんなことは言いたくないが私は魔理沙が好きだ。どんなに違うと自分に言い聞かせても心は締め付けられる。
きっとこんなこと言ってしまったら嫌われるだろうけど…キスしたい。
どうせ碌に訓練もしてない私じゃ掛からないだろうし。もしかかったらやってやろうと覚悟をきめて魔理沙の提案にのる。
「いいわよ。やってみてあげる。じゃあ私の眼を見て。あなたは意識が遠くなっていく。もう私の言うことしか聞けない。私に従うと気持ちいい。幸せになれる。さあ、私に従いなさい。」
見つめる魔理沙の顔が可愛らしく思わず舌を噛みそうになったがなんとか言い切ると魔理沙の様子がおかしい。そんなバカな。
そんなに簡単にかかってたまるか。きっと演技だ。そう自分に歯止めをかけ虚ろな目の魔理沙に声をかける。
「もう魔理沙ったらかかった振りなんかしちゃって。」
魔理沙は答えない。本当にかかったというのだろうか。
さっき自分の中で決めたルールをどうしようかと思ったが、まずは真偽を確かめてみることにした。

「魔理沙、お茶を汲んできてくれる?」
「…はい。わかりました。」

「魔理沙。今まで盗んだもの返してくれる?」
「…はい。わかりました。」

「魔理沙、あなたの魔道具貰ってもいい?」
「…はい、かまいません。」

どうやら本当にかかってしまっているらしい。魔理沙が自分の物を渡すわけがない。
八卦炉を握りながら私は思った。やってしまおうか。いやそれは些か早計かもしれない。
「ねぇ、一緒にお風呂に入りましょうか。」
「はい、わかりました。」
半信半疑で脱衣所に向かうと魔理沙は何の恥じらいもなく身につけていた衣服を脱ぎ始めた。
これは信じるしかない。催眠術にかかっていると。そうなるともう私の心に歯止めはきかなかった。
抑圧されていた劣情が行き場を見つけ一気に流れ込む。
「体を洗ってもらえるかしら。体を洗ってあげる。抱き合って入りましょう。」
お風呂から上がるころにはもう何度魔理沙に触れたか分からない。
そしてとうとう私は禁断の果実に口をつけてしまった。
「魔理沙…キスして。」
意を決して放った私の言葉は即座に空気中を伝わり傀儡となった魔理沙の鼓膜を揺さぶった。
そして魔理沙から放たれた言葉によってアリスの鼓膜は予想外の振動を脳に伝えた。



「…お断りします。」



沈黙が流れる。あまりのことに言葉を失ってしまう。そういえば催眠術は本当に嫌な事は命令できないと聞いたことがある。
死ね、殺せなどの命令は拒否される事が多いらしい。魔理沙が本心から拒否をしているのだろう。
普通の時に言わなくてよかった。催眠術にかかっている魔理沙じゃなかったら私はもう二度と魔理沙と会うことはできなかっただろう。
「いま起こったことは…全て忘れなさい。」
せめて今までどおりの関係でもいいので魔理沙と一緒にいたい。それにはさっきの記憶はあまりにも邪魔。
私は私の犯した愚行を無かった事にするために涙のたまった目を拭い魔理沙にそう告げた。



「お・こ・と・わ・り・だぜ!」


私を指差し華麗にポーズを決め、そう言い放った魔理沙の瞳には光が戻っていた。
催眠が解けた?否、催眠解除はしていない。しかし口調からして現在催眠状態にかかっていないことは明白だ。
ということは導き出される結論は一つしかない。


―――――――最初からかかっていなかった。

魔理沙は勝ち誇ったように笑みを浮かべている。
「どっちが卑怯なんだ?騙して催眠をかけようとした私と、催眠術のかかった相手のファーストキスを奪うのと。」
「ま、また…だましたわね。」
もう魔理沙といられない。そう思うと涙がこぼれてくる。止まらない。けどもういいや。どうせもう会えないだろうから。
「風呂入ろうって言った時はビックリしたぜ。アリスの体、柔らかかったぜ。まぁキスをねだった時はさすがに驚いたぜ。もうちょっと雰囲気とかを大事にするやつだと思ってたぜ。」
確かに自分でも卑怯だったと思う、でも仕方がないじゃないか。まともにやったって無理なんだから。
「それじゃあまぁ私も素面状態に戻ったことだし、ロマンチックなキスといきますか。」
いまいち言ってることが分からない。キス?え?催眠術はかかっていない。魔理沙の目はキラキラと輝いている。
それは夜空に輝く無数の星をそこに閉じ込めたようで……。
「おい、なんか気の利いた一言でも言えよ。なぁったら。もう、キスしたいんじゃなかったのかよ。」
「魔理沙…いいの?」
「仕方なくしてやるんじゃないぜ。私もしたいと思ったからキスしようって言ってるんだぜ。」
目をこちらに真っ直ぐ向けて真剣な顔をそっと近づけてきて私の耳元で呟く。
「あまり…焦らしてくれるなよ。」
目の前には目を瞑った魔理沙の顔が数十センチの所にある。これを逃すともう次は無いかも知れない。意を決して目を瞑って首を傾ける。
「アリス…やっぱその前にちょっといいか?」
こんな時に…肩透かしを食らってしまった。
「な、何よ。愛してるとでもいえばいいの?」
「いやまぁいいよ、後で言う。行くぜ?」
軽く湿った柔らかい肉が唇に触れ唇以外の感覚が奪われる。不意に閉じた唇をこじ開けられさらに湿ったものを差し込まれる。
一瞬何が起こったのか分からず思わず頭を引こうとすると体が動かない。後頭部を魔理沙の右手に押さえつけられている。
口の中を蹂躙する触手が何なのかを理解するには混乱した私の頭では暫くかかった。
それが何かを理解した時にはもう魔理沙の口は私から離れていた。口と口が糸を引いて凄く官能的で。パシャパシャと鳴り響く音もどこか遠くに聞こえた。
「はぁはぁ、あんた…舌入れたわね?」
「入れ返してくれないなんてつれないぜ。」
甘美な時間はこれで終わり。魔理沙の気まぐれか、キスもできた。女の子同士だしここから先は無理。種族だって違うしね。
「でもまぁこれで終わり。すっきりしたわ。みんな忘れて後腐れなく今までどおり行きましょ。」
「あ、それなんだけど…そうもいかないようなんだよなぁ。さっきも言いかけたんだけど…」
魔理沙が気まずそうな顔をしながら続ける。これ以上何が起きても驚かないだろうけど。
「さっきから文がいたんだぜ。」
「ちょ!何で言わないのよ。あのパパラッチに知られたら!!」
「言おうとはしたんだぜ?でもお前が言わせてくれなかったから。」
今はもう文はいない。おそらく家で造反でもしているのだろう。私の飛行速度で間に合うはずもない。もはや止める術はない。
「どーするのよー。どんな記事書かれるかわかったもんじゃないわよ。友達…じゃあ済まないわよねぇ。」
「友達…じゃあすまねぇだろうな。舌まで入れちゃったし。」
「あんたは知っててやったんでしょうが!!何か考えがあってやったんでしょ?」
見られていると知っててやったんださすがに何か考えがあるのだろう。
「いんや。入れたかったから入れた。それだけだ。ごめんな?私は欲望に忠実な人間なんだ。」
妙に説得力のある台詞とともに親指を立てて突き出してくる。
「もう、後先考えないんだから。」
「まぁ過ぎたことをぐちぐち言うなよ。とりあえずベッド行こうぜ。」
「もう…都合いいんだから。」
ってあれ?自然な流れでとんでもないことになってない?聞き違いかなぁ。
「ねぇ魔理沙、今からどうするって言った?」
「おいおいよせよ、私の口から言わせる気か?一緒に風呂入ってキスして、その次に恋人同士がやることって言ったら一つっきゃないだろ?」
これは貞操の危機?やばくない?まだ心の準備が…
「ってか恋人同士って!?」
「ほかに手が思いつかないだろ?キスの写真ばら撒かれて友達です。なんて言えるわけないし。いわゆるやっちゃった婚ってやつだな。」
「何よそのいやな結婚は…って結婚してない!!」
「やっちゃった婚はいやか?しかたないできちゃった婚にするとするぜ。」
「できないわよ?私たちじゃできないわよ?」
「残念。生命を作り出すことはタブーじゃないぜ。もちろん肉体の一次的改造もな。」
肉体の何処の部分をどう改造する気なのだろうか。そういえばこの件には一切関係が無いけど魔理沙はキノコが好きだったな。
そう、まったく関係ないけど松茸とか好物だったんじゃないだろうか。まぁいいや、どうにでもなれ。
「成行きに身を任せるなんて…魔法使い失格だわ、私。」
「きにすんな、遅かれ早かれこうなってたんだ。」
「どういう意味よ。」
「私は…狙ったものは盗んででも奪い取るのさ。」
そういった魔理沙の顔がどんな表情だったかは分からない。言葉の意味に気付いた時私はとても彼女の方を向くことなんてできないほど顔が赤くなっていたからだ。
次の日、朝森で文のばらまいた朝刊をドキドキしながら拾い上げるとそこには女の子同士でキスをする写真が並んでいた。私たちだけではない、吸血鬼とメイド、不死人と不死人。
まだまだ、他にも何組も写真が貼られていた。タイトルは異変勃発!?百合の花が舞う幻想郷。
幻想郷ではまともな方が珍しいのかもしれない。新聞を破り自分の所だけポケットに入れ歩き出す。行き先は魔理沙の家だ。
パタンとアリスが出て行き扉が閉まった。
「シャンハーイ。」
「ホラーイ。」
「おや、こんなところにも百合の花が咲いていますね。あやややや。」
パシャリ。
初SSです。いかがだったでしょうか。
少しでも皆様が楽しめていただければ幸いです マリアリはジャスティス
yukimura
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
とても面白かったです。私も、マリアリが大好きなので楽しく読ませて頂きました。
2.名前が無い程度の能力削除
>ベッドへ行こうぜ
魔理沙かっけー、そして待て
二人が好き合うまでの馴れ初めとか見てみたいかも
3.名前が無い程度の能力削除
上海×蓬莱!?
つか文侵入しすぎwww

ちょっと魔理沙の「ぜ」が多すぎるかなぁ……
4.名前が無い程度の能力削除
ギリギリセーフだな!
5.名前が無い程度の能力削除
松茸なー
6.23削除
この魔理沙は俺好みのいい魔理沙
7.奇声を発する程度の能力削除
凄い好みでした!