Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

一緒に帰ろう

2009/05/15 18:34:33
最終更新
サイズ
1.97KB
ページ数
1

分類タグ

「慧音先生、さようなら!」


寺子屋での授業を終えた生徒が元気良く別れの挨拶を慧音に告げる。


「ああ、さようなら。気をつけて帰るんだぞ?」

「はーーーいっ!!」


彼女の言葉に生徒は大きな返事をし、大きく手を振りながら帰って行った。
子供の後ろ姿が見えなくなった事を確認して慧音は再び寺子屋の教室に戻る。


「さて、窓の戸締りをしないと・・・」

「よぉ、慧音先生」

「!」


突然の背後からの呼びかけに慧音は警戒しながら振り返る。
・・・が声の主の顔を見ると直ぐにそんな警戒を解いて微笑んだ。

「妹紅か、驚かせるな」

「驚かせるつもりは毛頭無かったが、驚かせたなら悪かったよ」

「いや、大丈夫。・・・で何の用だ?妹紅」


その問いに引き戸に凭れ掛かっていた妹紅は一瞬だけキョトンとし
ニッコリと屈託の無い笑みを慧音に向ける。

開きっ放しの窓からは夕方を告げるカラスの声が聞こえた。


「慧音が恋しくなった、それで会いにきたんだ」

「私が恋しくなった?それはまたどうして」

「分からない。迷いの竹林で沈んでいく夕日を見てたら急に恋しくなった」


引き戸から窓の傍に立っている慧音の傍に妹紅は歩み寄りながら
その瞳は紫がかったオレンジの空を映している。
屈託の無い笑みは少し切なげな笑みに何時の間にか変わっていた。


「・・・・・・戸締りの途中だったんだろ?邪魔して悪かったな、お詫びに戸締り手伝うよ。窓がちゃんと閉まってるかもう一回見てくる」

「いや、お詫びなんて・・・・・・行ってしまった」


行動が速いな、と苦笑いを浮かべつつ開きっぱなしの窓を閉めた。






「戸締りはちゃんと確認したから大丈夫だよな?慧音」

「ああ。・・・そうだ、妹紅」

「?」


寺子屋の戸に鍵をかけながら慧音は妹紅の方を向く。


「今日、私の家に泊まって行かないか?朝に夕飯の下拵えをしたんだが、どうにも作り過ぎてしまって一人では食べきれ無さそうなんだ」

「!・・・良いのか?」


炎の様な色を瞳を輝かせながら妹紅は慧音に再度問い掛けると
笑顔で頷かれたので嬉しそうに顔を綻ばせた。


「さて、帰ろう。妹紅」


そう言うと妹紅の手を握りながら慧音は帰路に歩を進める。
その行動に妹紅は目を見開いて少し驚いたが嬉しそうに照れくさそうに微笑んで
自分の手を握る慧音の手を強く握り返した。




―――・・・紫に染まりかけている夕空には一番星が輝いている。
二回目投稿の露草です。

以前頂いた皆さんのアドバイスを活かせきれてない気がします・・・
前よりはマシになっていれば良いのですが・・・。


今回は慧音と妹紅のCP要素無しの話です。
最後に手を繋いでいますが、アレは親と子供をイメージしました。

小さい子がお母さんと一緒に手を繋いで歩いているの見ると
少しだけ羨ましいような微笑ましいような気持ちになります。


此処まで呼んでくださり有難う御座いました!
露草
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
んもうっ!!!!
ほのぼのすぎる!!!!!

いいなぁこうゆうの。
2.名前が無い程度の能力削除
夕暮れは懐かしい匂いがするってけーねがいってた。

いいシチュエーションだと思いました。だからもう少し切なく出来そうでちょっと残念。応援してます。
3.露草削除
返事が遅くなりすいません!

>>1
見てくださって有難う御座います!!
ほのぼの過ぎるといわれ、嬉しい限りです。
また機会があれば見てやって下さい!

>>2
見てくださって有難う御座います!!
アドバイスと応援も嬉しくて励みになります。
また機会があれば見てやって下さい!
4.のりまき削除
ああぁ・・・いいねぇ、こうゆうのも