「……あら、寝てたのね…」
和室で目覚める阿求。
机にうつ伏せになる形で、寝てしまっていた様だ。
寝ぼけ眼で辺りを見回すと、書きかけの巻物がら部屋中に広がり、手元に置いてあった筈の湯のみには、桜の花びらが一枚入っていた。
「ねぇ、阿求、ここなんだけ…ど…?!」
廊下から聞こえる小鈴の声が、阿求のいる部屋に近づくとトーンが低くなる。
「…あ、小鈴…」
苦笑いしながら小鈴の顔を見る阿求。
「…あぁ、なるほど、阿求…居眠りしてたのね」
阿求の顔をジッと見つめる小鈴。
「…な、何で分かったのよ?」
「だって、おでこが、真っ赤になってるわよ?」
その小鈴の言葉に反応し、鏡を覗く阿求。
あぁ、確かに、おでこが真っ赤になっている。
「…あっ」
ついには、おでこだけでなく顔まで赤くなる阿求。
「…さてと、いつまでも散らかったままじゃ落ち着かないし、片付けるよ?」
散らかった巻物などを回収していく小鈴。
「そ、そうね、私も手伝う!」
いそいそと、自分の座っている場所付近を片付ける阿求。
それから数分後、部屋は元通りになり、二人は、庭に咲く桜の木を眺めながらお茶を飲む。
「…ねぇ、阿求?」
「どうしたの?」
和菓子に手を伸ばしつつ反応する阿求。
「私達、ずっと友達だよね?」
「どうしたのよ、いきなり?」
普段は聞かない年相応の少女の声。
「ううん、意味はないんだけどさ、ずっと友達でいようね」
そう言いながら阿求の手を握る小鈴。
「そうだね、これからも、ずぅっっと友達だよ」
と、小鈴の手を握り返しながら言う阿求。
そして、二人は辺りが暗くなるまで、ずっと手を握ったまま、桜の木を眺めていたのだった…
おしまい
和室で目覚める阿求。
机にうつ伏せになる形で、寝てしまっていた様だ。
寝ぼけ眼で辺りを見回すと、書きかけの巻物がら部屋中に広がり、手元に置いてあった筈の湯のみには、桜の花びらが一枚入っていた。
「ねぇ、阿求、ここなんだけ…ど…?!」
廊下から聞こえる小鈴の声が、阿求のいる部屋に近づくとトーンが低くなる。
「…あ、小鈴…」
苦笑いしながら小鈴の顔を見る阿求。
「…あぁ、なるほど、阿求…居眠りしてたのね」
阿求の顔をジッと見つめる小鈴。
「…な、何で分かったのよ?」
「だって、おでこが、真っ赤になってるわよ?」
その小鈴の言葉に反応し、鏡を覗く阿求。
あぁ、確かに、おでこが真っ赤になっている。
「…あっ」
ついには、おでこだけでなく顔まで赤くなる阿求。
「…さてと、いつまでも散らかったままじゃ落ち着かないし、片付けるよ?」
散らかった巻物などを回収していく小鈴。
「そ、そうね、私も手伝う!」
いそいそと、自分の座っている場所付近を片付ける阿求。
それから数分後、部屋は元通りになり、二人は、庭に咲く桜の木を眺めながらお茶を飲む。
「…ねぇ、阿求?」
「どうしたの?」
和菓子に手を伸ばしつつ反応する阿求。
「私達、ずっと友達だよね?」
「どうしたのよ、いきなり?」
普段は聞かない年相応の少女の声。
「ううん、意味はないんだけどさ、ずっと友達でいようね」
そう言いながら阿求の手を握る小鈴。
「そうだね、これからも、ずぅっっと友達だよ」
と、小鈴の手を握り返しながら言う阿求。
そして、二人は辺りが暗くなるまで、ずっと手を握ったまま、桜の木を眺めていたのだった…
おしまい