その日の私の体の様なもやもやは、朝の妻の一言からだった。
「…あなた、今日はバレンタインデーだそうですよ」
「ばれんたいんでー?それは一体何だ」
聞いてみると、それはどうやら意中の人に贈り物を以て愛の告白をするという行事らしい。
「幻想郷ではそんな習わしがあるのか…」
「いえ、何でも外来人の方が広めたそうですよ」
また新しい事を知れたのと何故そんな事を彼女が切り出したのか、考えつつ私は今日も職場に向かった。
「…ウンザーン」
「雲山、先程から何を悩んでおるのです?」
どうやら唸りが出てしまったようだ、まったく私の悪癖に我ながら悩んでしまう。
そんな私を気にしたのか、一輪は横から聞いてくる。
「あぁ成る程、半霊さんと上手く行ってないのね」
「ウンザンッ?」
何故そうなる、と言うか一輪、お主は私の言葉が分かるだろう。
「冗談よ」
「ウンザーン」
あと少しで伝家の宝刀空手チョップをお見舞いしそうになったが、堪えよう。
「成る程成る程、ばれんたいんでーだから半霊さんに何か贈り物をしたい、そうですね?」
「ウンザン!ウンザン!」
「そうねぇ、雲と幽霊でしょ?何か良い案無いかな」
と、ここで私が考え込んでいた時、同じ様な問題で彼女が悩んでいたとは思っていなかったのである。
「…………」
「どうしたのですか、半霊」
朝のあの一言は余計だったろうか、そんな事を延々と考えていたら、どうやらその姿を半身に見られたようで、思わず顔を赤くして首を振る。
「……(フルフル)」
「首を振っても分かりますよ、貴方には迷いが見えます」
何と言うことか、悩み事が半身にバレバレだったなんて。
バレているならしょうがない、と私は思いのたけを全て打ち明けてみた。
「…成る程、でもバレンタインって雲や幽霊に関係は無いんじゃないかなぁ」
「みょんッ!?」
何と言う事ですか、まぁ想像は出来ていたんですけど。
と落ち込む私に半身は何やらすまなそうに代案を出してくれた。
「じゃあ半霊、こういうのはどう?(ゴニョゴニョ)」
「…!(コクリ!)」
これなら、上手く行きそう。
彼女が妙案を思い付いた頃、私と一輪は未だに悩んでいた。
「…ウンザーン」
「良い案が思い浮かばないわね~」
気づけば、既に日は暮れかかり私の帰宅の時間が迫りつつあった。
「…まぁ、何と言うか、雲山や半霊さんは幽霊と雲だから別に気にしなくても良いんじゃないとか」
「ウンザーン」
まともな正論を口にされ落ち込む私は、その日心に一朶の雲の様なもやもやを抱えつつ、自宅へと戻る事にした。
どうやら雲と幽霊にはバレンタインデーなど関係なぞ無いらしいと言う事を知った私は、今朝の話題について妻に何と言おうか決めかねていた。
関係無いとバッサリ言ってしまえば彼女は傷つくだろう。
「…今戻ったぞー」
「お帰りなさい、あなた」
どう、切り出そうか。
そう考えながら目を開くと、眼前には体に紅いリボンを巻き付けた彼女が座っていた。
「あ、あの…これは?」
「今日、半身に教えてもらった方法です、何でも『バレンタインは私をプレゼント』だそうです」
「え、えーと…その…え?」
「ホワイトデーには三倍返しだそうですから、期待していいですよね?あ・な・た」
バレンタインとは、こんなにも怖きものかと、私は今日体験したのだった。
「…あなた、今日はバレンタインデーだそうですよ」
「ばれんたいんでー?それは一体何だ」
聞いてみると、それはどうやら意中の人に贈り物を以て愛の告白をするという行事らしい。
「幻想郷ではそんな習わしがあるのか…」
「いえ、何でも外来人の方が広めたそうですよ」
また新しい事を知れたのと何故そんな事を彼女が切り出したのか、考えつつ私は今日も職場に向かった。
「…ウンザーン」
「雲山、先程から何を悩んでおるのです?」
どうやら唸りが出てしまったようだ、まったく私の悪癖に我ながら悩んでしまう。
そんな私を気にしたのか、一輪は横から聞いてくる。
「あぁ成る程、半霊さんと上手く行ってないのね」
「ウンザンッ?」
何故そうなる、と言うか一輪、お主は私の言葉が分かるだろう。
「冗談よ」
「ウンザーン」
あと少しで伝家の宝刀空手チョップをお見舞いしそうになったが、堪えよう。
「成る程成る程、ばれんたいんでーだから半霊さんに何か贈り物をしたい、そうですね?」
「ウンザン!ウンザン!」
「そうねぇ、雲と幽霊でしょ?何か良い案無いかな」
と、ここで私が考え込んでいた時、同じ様な問題で彼女が悩んでいたとは思っていなかったのである。
「…………」
「どうしたのですか、半霊」
朝のあの一言は余計だったろうか、そんな事を延々と考えていたら、どうやらその姿を半身に見られたようで、思わず顔を赤くして首を振る。
「……(フルフル)」
「首を振っても分かりますよ、貴方には迷いが見えます」
何と言うことか、悩み事が半身にバレバレだったなんて。
バレているならしょうがない、と私は思いのたけを全て打ち明けてみた。
「…成る程、でもバレンタインって雲や幽霊に関係は無いんじゃないかなぁ」
「みょんッ!?」
何と言う事ですか、まぁ想像は出来ていたんですけど。
と落ち込む私に半身は何やらすまなそうに代案を出してくれた。
「じゃあ半霊、こういうのはどう?(ゴニョゴニョ)」
「…!(コクリ!)」
これなら、上手く行きそう。
彼女が妙案を思い付いた頃、私と一輪は未だに悩んでいた。
「…ウンザーン」
「良い案が思い浮かばないわね~」
気づけば、既に日は暮れかかり私の帰宅の時間が迫りつつあった。
「…まぁ、何と言うか、雲山や半霊さんは幽霊と雲だから別に気にしなくても良いんじゃないとか」
「ウンザーン」
まともな正論を口にされ落ち込む私は、その日心に一朶の雲の様なもやもやを抱えつつ、自宅へと戻る事にした。
どうやら雲と幽霊にはバレンタインデーなど関係なぞ無いらしいと言う事を知った私は、今朝の話題について妻に何と言おうか決めかねていた。
関係無いとバッサリ言ってしまえば彼女は傷つくだろう。
「…今戻ったぞー」
「お帰りなさい、あなた」
どう、切り出そうか。
そう考えながら目を開くと、眼前には体に紅いリボンを巻き付けた彼女が座っていた。
「あ、あの…これは?」
「今日、半身に教えてもらった方法です、何でも『バレンタインは私をプレゼント』だそうです」
「え、えーと…その…え?」
「ホワイトデーには三倍返しだそうですから、期待していいですよね?あ・な・た」
バレンタインとは、こんなにも怖きものかと、私は今日体験したのだった。
吹きますた。