※注意※
妖夢の精神年齢と肉体年齢が一緒に下がってしまいました、つまりは幼夢です
ある昼下がり、私は縁側でラジオを聞きながらのんびりしていた
「んふふ~」
幼くなった半身と共に
「ひやひや~」
私の体が冷やっこいのか、先程からしがみついてきている
「(…言葉が出せたらお話しできるんだけどなぁ)」
「おねえちゃん」
「(お姉ちゃん?私?)」
満面の笑みを浮かべ私を姉と言った半身を眺め私は思った
「(…まぁ、このままでも良いかな)」
諦めて小さな両腕に抱かれていると、遠くから風鈴の音が聞こえてきた
「ん?」
その時半身は何かに弾かれたかのように私を引きずり、籐椅子で眠りこけている師匠の元へ歩み寄っていった
「おじいさま、おじいさま」
「なんじゃ妖夢、どした?」
師匠を揺すり起こした半身は大まじめな顔で
「おじいさま『わらいもち』ってなんですか?」
と聞いた
「笑い餅?」
「はい」
半身は私を抱えたまま大まじめでラジオを指さした
『わらび~もち~、ひんやり冷えた~、守矢庵のわらびもち~』
ラジオからは里の和菓子屋のコマーシャルが流れていた
「『わらいもち』って何ですか?」
師匠はきょとん顔で数秒黙った後、笑い出した
「くふふふ、笑い餅か、成る程な、かはははは」
「なにがおかしいんですか?」
師匠の笑い声にほっぺを膨らませる半身に涙目で謝る師匠
「いやぁスマンスマン、良いか妖夢?笑い餅じゃないぞ?わらびもちだ」
「わらびもち?」
「うむ、少し待ってろ」
そう言うと師匠は台所へと消え、縁側には私と半身が残された
台所へ立って数時間、師匠は縁側へ戻ってきた
「…妖夢、昼食後を楽しみにしておきなさい」
そう言うと師匠は籐椅子に座り込みまた眠り始めた
「…はい」
そう言って半身はまた元の位置へと戻っていった
「ひやひや~」
私を抱きかかえたまま、眠りについた
何時間経ったろう、私も眠っていたようだった
「(あれ?妖夢は?)」
半身が居なくなっている事に気づき辺りを漂う
「…おいしいです!おじいさま!」
居間から半身の声が聞こえる
「良かったわね、妖夢」
続いて幽々子様の声も聞こえる
食事中だろうか、開いている襖から見た物は得体の知れない半透明の塊を笑顔で口にする半身と幽々子様、そしてそれを見て微笑む師匠だった
「儂も苦労した甲斐があったのう」
私は半分ほど開いた襖からするりと今へ入り込んだ
半身が食べていたのはわらびもちだった
「おねえちゃんもたべる?」
私に気付き餅が刺された爪楊枝を目の前に突きつけられた
「半霊は物を食べれんよ、妖夢」
「…そうですか」
師匠の言葉を聞きしょんぼりした表情を浮かべた半身は爪楊枝に刺された餅を食べた
でも感覚は共有できるから味は分かるんだよね、ありがとう、妖夢
昼食後、師匠は食後の片づけをしながら半身に問うた
「…美味しかったか?妖夢」
「はい!おじいさま」
元気な声で返事をする半身に微笑みながら頷く師匠
「今から片づけするからお昼寝でもしてなさい」
師匠はそう言って半身の頭を優しく撫でた
それから数分後、私と半身は先程の位置に戻り寝ころんだ
「………」
半身はただ黙って大の字に寝ころんでいたがやがては私を抱き枕代わりにして
「おやすみ、おねえちゃん」
とだけ言って眠りについた
「(おやすみ、妖夢)」
心でそう呟いた私の口には、わらびもちの甘さがじんわり残っていた
幼夢可愛いよ幼夢!
半霊からの視点って新しい感じですね。
・・・幼夢かわいすぎるだろ!!
ほんわかした感じが良かったです。