夢子「私は・・・神綺様のために・・魔界を守る」
サラ「・・・でも・・幻想郷に行くときの神綺様・・すごく楽しそうでしたよね」
夢子「・・・認めん・・」
サラ「・・前よりも・・・笑われるようになられた・・」
夢子「・・・・」
サラ「いったい何が・・・?」
夢子「・・・仕事を始めるぞ・・」
サラ「はい・・」
夢子(・・認めん・・我々が・・どれだけの時間をかけても・・
神綺様を助ける事が・・出来なかったというのに・・)
夢子は魔界神である神綺が一番初めに作った最強の魔界人
それゆえに・・・神綺が作ったこの魔界を神綺のために
神綺が一番安らげるように・・・頑張ってきたのだ
いつの間にやら・・・魔界を守るのか・・・それとも
神綺様を守るのか・・・少し曖昧になってきたのかもしれない
(幻想郷に・・神綺様が安らげるものがあるのか?)
彼女は気がつかない
神綺が魔界神であり、魔界の母でもあり
そして・・・
その前に一人の女の子であるという事を・・・
その頃の香霖堂
「・・・ふう・・今日は一人も客が来なかったな」
香霖は一人お店の中で本を読んでいました
そしてお店の看板をしまおうとしたとき
「こんばんわ・・」
「やあ、いらっしゃい」
「はい!」
神綺がやってきた
いつものようにお店の奥に
入っていくその途中
「そういえば・・・香霖さん?」
「?どうしましたか」
「さきほどこんな新聞もらったんですけど・・」
「?文々。新聞・・・」
「誰でしょうね?・・・この女性」
見出しを見た香霖の動きが止まる
「・・・神綺さん・・・」
「はい?」
「・・少し用事が出来ました・・すみませんが・・・」
「はい!それなら晩御飯作っておきますね」
「・・・お願いします」
本当は今日は帰ってもらいたかったのだが
(あんなうれしそうな顔されたらそうはいえないな)
香霖がお店の外に出る
そこには
「あら、霖之助さん・・・こんな時間にどこへ?」
「霊夢か・・・」
「私もいるわよ?」
「八雲紫・・・」
八雲紫、博麗霊夢、
どちらも幻想郷で相手にしてはいけない
存在、だが二人の化け物に
対して香霖は一歩もひかない
「・・・お嬢さん二人してこんな時間にどちらへ?」
「あら、たいしたことないのよ?」
「そうね・・うわさの真相を確かめに来ただけだから」
そういうと二人が構えを取る
「・・・すまないがそれを確かめさせるわけにはいかないな」
香霖はその二人を相手にして
「・・引いてはくれないか?」
その質問に対して紫が答える
「あら?せっかくの暇つぶしなのになんで?」
「・・・紫・・まあいいけど」
そういってから
「それじゃあ・・まずは私から」
八雲紫が弾幕を張った
彼女からして見ればそれは軽く
弾を撃ってみた程度だろう
それでもその辺の妖怪なら避けるなんて事も
出来ずに逃げ出すだろう
ましてや半妖である香霖なんかでは逃げるなんて
ことも出来ない
「・・・もうお終い・・・?」
「・・・手加減していてこれですか!」
だが、香霖は立っていた
先ほどの位置から動かずに
(変ね?確かにあたるはずの場所に打ったのに?)
紫が怪しんでいると
霊夢が次に
「ちょっと紫!遊びすぎよ」
「あら?当てるつもりだったわよ」
「・・(紫が言っているのが本当なら香霖さん
まだなにか持っている公算が大きいわね)
えい!」
「ちょっと、霊夢!待ちなさい」
霊夢が攻撃を仕掛ける
(私のホーミングアミュレットなら加減も出来るし
避けれないはず)
相手を常に誘導する弾幕が香霖に直撃する
・・・はずだった
「霊夢も手加減してくれ・・・」
だが香霖は何事もなかったかのように立っていた
「・・・意外と曲者ね・・・」
「あら意外・・・霊夢と同じ感想ね」
それは異様な光景だった
幻想郷で最恐といわれている二人の
弾幕がたった一人の半妖にあたらないのだ
「戦いたくはないから二人とも帰ってくれ・・・」
香霖がメガネをはずす
「・・・次は攻撃する・・」
香霖が最後の警告をした
だがそれがいけなかった
(霊夢・・・)
(なに紫?)
(久しぶりにタッグ組んでみましょうか)
(いいわ、始めはめんどくさいと思ったけど
あの霖之助さんを倒したくなったし)
霊夢は自分の弾幕を避けられたことはあるが
香霖のように立ったままであたらなかったのは
少し頭にきた
(それじゃあ紫・・・援護お願い)
(わかったわ)
「くらいなさい!」
紫が先ほどとは桁外れに
多い弾幕を張り巡らす
(やれやれ・・・・)
香霖はそれを捌く
(・・・?霊夢が居ない・・・!)
しかしそれは目くらまし
真の目的は
「もらった!」
香霖の隣にいきなり霊夢が現れる
博麗霊夢の得意技
『幻想空想穴』である
(これなら霖之助さんでも・・)
だが霊夢に気がついた
香霖は初めて弾幕を動かずに
かわした技を披露した
「えっ?」
霊夢が声をあげる
確かに香霖に自分は攻撃を加えたはず
アレを初見で避けるのは無理だ
ならばなぜ
(なんで霖之助さんが・・・)
「よしよし・・・女の子が戦闘なんかしちゃいけないよ」
(私の頭撫でてるの?)
「霊夢・・・」
香霖が優しく頭をなでる
(あっ、なんか気持ちいいかも・・・)
霊夢の意識が落ちそうになる寸前
「霊夢!」
いきなり霊夢の隣の空間が裂ける
そして引っ張られる
そして気がついた瞬間には
「・・・紫?・・」
「霊夢!大丈夫?」
霊夢は紫の隣に居た
「・・・隙間妖怪か・・」
香霖が尊敬と恐怖をこめてつぶやく
「紫・・・ごめん・・しばらく戦えそうにない」
「・・・大丈夫・・弾幕が効かない理由がわかったから」
「・・(言えるわけないじゃない・・・一瞬、霖之助がかっこいい
って思ってしまったなんて・・ああ~まだ顔が赤いわ)」
そんなこと考えていることを八雲紫は気がつかない
そして紫が香霖の前に立つ
「・・・気がついたようだね・・」
「ええ・・貴方の手・・・それが弾幕を回避した正体ね」
香霖が手を見せる
「・・・護身術・・いや護神守と言われているらしい」
「・・身を守るのではなく本来なら神を守るために作られた
といわれる秘術・・・なんでそれが?」
「どうも私は特異体質らしい・・・こんなものいらないのだが
・・・今は少しだけ感謝している」
こんな言い方をしているが内心、香霖はあせっていた
(だがこの技・・・守るのには向いてるけど
戦えないんだよな・・それに霊夢と八雲紫
この二人が同時に本気にかかってこられたら
・・・くそ、せめて一人だけなら・・)
紫もあせっていた
(まさか、弾幕封じがあるなんて・・・
それに隙間に落とすなんて隙はないし
・・・接近戦?・・無理ね多分あちらの
方が上になるかしら・・せめて霊夢が
一緒に攻撃してくれれば)
しばらく硬直状態が続く
そしてその均衡を破るものがいた
「・・・紫・・」
「霊夢!」
「ありがと・・・もうやれるわ」
少し足取りは重いが
霊夢が戦いに復帰した
(くそ、ここまでか?)
香霖がそう思ったときだった
「霊夢!貴方の相手は私がするわ」
「誰!」
何者かが出てきて霊夢に対して弾幕を張ってきた
「生きてます?香霖さん」
「生きてる・・・助かる」
「気にしないで、霊夢の相手は私がするわ」
そういって霊夢に対して攻撃を加える
「・・アリス?なんで!」
「訳ありなのよ!ここじゃ場所が悪いから
あっちで勝負よ」
「(確かに・・もう一度頭なでられたら・・・
あ~いけない、思い出したら顔が赤くなる)
いいわ、邪魔するならアリスも一緒に
ぼこぼこにしてあげる!」
紫が何か言う前に霊夢はアリスと一緒に
森の奥に消えた
「・・・また硬直が続くのか」
「・・そうでもないわよ・・藍!橙!」
紫がそう呼ぶと彼女の後ろの隙間から
九尾の狐と二又の黒猫が現れる
「ちょっと紫様!今から寝ようとしてるのに何で呼ぶんですか!」
「む~なんですか紫様~」
・・パジャマ姿の・・
「・・・」
「・・・ごめんなさい、藍と橙、今から戦いだから着替えてきてくれる?」
自分の主からそういわれれば仕方がないと
一度隙間に戻って着替えてから
再び戦いが始まる
「・・・これで三対一よ!」
「・・・まあ、かまわないけど・・
でも小さい子はもう眠らせてあげたほうが」
香霖が言ったように
すでに橙は居眠りモードに入っている
「紫様・・」
「・・・藍、貴方だけでいいわ」
「それでは・・ほら橙・・」
「む~藍さまの尻尾で寝たい~」
「また後でな」
また隙間に戻ってから九尾の狐が姿をあらわした
「お待たせしました」
「遅いわよ藍」
「・・どうでもいいが・・今は戦うのだろう?」
そして遂に八雲と香霖の戦いが始まった
そしてアリスと霊夢の戦いは
「せいっ!」
「甘い!」
弾幕ではなく格闘で行われていた
(霊夢をお母さんに合わせるわけにはいかない!
これはいわば聖戦!負けられない!たとえどんな
手を使っても)
アリスは気迫がこもった攻撃を繰り出していく
ところどころで気迫に満ちたキックが放たれる
(丁度いいわ・・・下手に霖之助さんの事を
思わないで済むし攻撃するほうが気がまぎれる
それにストレス解消になるし)
霊夢の攻撃も的確にアリスにあたっていた
(命中精度は私のほうが上みたいね)
事実アリスよりも霊夢のほうが
攻撃が入っていた
「シャンハーイ」
「ホウラーイ」
「わかりました!あの新聞は取りやめます!ですから
あの試合を取らせてください!」
実はこの場所、先ほどアリスが文を落とした
その場所だった
文が起きた時には霊夢対アリスの試合が始まっていた
(弾幕でなく格闘技によるバトル!しかも
誰も観客がいないところで!これはカメラに収めなくては
新聞記者の名がすたります!)
そのために文は自分がやっとのことで書いた
新聞を書き直すことを受け入れ
今はアリスと霊夢の格闘技戦をカメラで取っていた
試合はすごいものだった
アリスの裏拳が霊夢の身体を打つ
そして霊夢が容赦ないエルボーをアリスに叩き込む
「これで終わりよ!」
スペカ
危険『博麗ドライバー91』
両手を固められて受身が取れない状態で
頭から垂直にアリスが地面に叩き落される
それでもアリスは起き上がる
「ま、まだ・・まだ(お母さんを・・)」
すでに身体はボロボロだった
先ほど放った裏拳で手に違和感と痛みがある
(・・どうやら右手の尺骨までいったみたいね・・)
それでもアリスは立つ
戦いの終わりは近い
アリスが渾身の力を振り絞り
霊夢を抱え上げる
パワーボムの状態に持っていく
しかし霊夢はそれも見通していた
(このまま、高角度後方回転エビ固めで切り返せば
私の勝ちね)
・・・ちなみに分かりやすく言うと
フランケンシュタイナーだ
そして霊夢が切り替えす
・・・普通のアリスならここで負けていただろう
だが今のアリスは違った
(お母さんを・・守る!)
高角度後方回転エビ固めを敢行した霊夢を
アリスは・・・裏拳で砕けている手と
もう片方の手で強引にそれを止めた
霊夢が驚くまさかこの速度と体重がかかっている技を
ボロボロの身体で止めることは無理だったはずだからだ
(でも、これでアリスはたいした攻撃は出来ないはず)
そう思っていた
だがアリスは
(あ~すっぽ抜けた)
頭が垂直になっている状態で地面に落っことした
スペカ
驚符『垂直落下式パワーボム』
(ごっ!)・・・なんかとんでもない音が響いた
さすがの受身の達人の霊夢もこれで意識が落とされた
後にこの試合は伝説の一戦として
語り継がれる
そして射命丸文の書いた記事の中で始めて
ランキング一位やその他を総取りした作品になる
アリスは霊夢を倒した者として
後の世に語り継がれる
デンジャラスA(アリス)
として・・・
ここに霊夢とアリスの戦いは決着がついた
そして八雲紫と藍対香霖の戦いは佳境に入っていた
「はあ、はあ、はあ、」
「・・さすがに伝説の九尾の狐・・強い」
荒い息をついている藍に対して
香霖はただ立って攻撃をかわしているだけだった
「もう立っているのもつらいはずだ・・
頼むから引いてくれ」
「・・・まだ・・最後の攻撃が残っている!」
藍が己の身体を高速で回転させて香霖に
最後の特攻をかけてきた
避けれるはずがないスピードの中
香霖はその一撃を少しそらし
かわしながら
「とった!」
遂に攻撃を加えた
回転が急に止まる
香霖が攻撃したのは
「しっ・・尻尾はやめてくれ・・」
「これで、終わりだな」
九尾の尻尾を掴んでいた
いかに紫の命令で戦えといえど
己の命と同じぐらい大切なもの
を・・・そして
「これがなくなると燈が悲しむ!」
「とりあえず離すか」
八雲一家の大切な宝物なのだ
なくなったら藍だけでない
燈もそして・・・
「藍!もう戻っていいわ」
「はい」
藍が隙間に消える
「・・ずいぶん式に無茶させたな」
「時間は十分に稼げたわ・・・あれ以上やられると
藍の尻尾で眠ることが出来なくなっちゃうし」
紫も悲しむことになるだろう
そして、己の式に稼いでもらった時間は
「・・・いかに貴方でもこれは無理でしょ?」
「!結界」
このために費やされた
八雲紫の奥義
ありとあらゆる方向から襲い掛かる弾幕の嵐
たとえ避けても弾幕がさらに相手に襲い掛かる
地獄すら生ぬるい弾幕
「受けてみなさい・・・八雲紫秘奥義・・」
スペカ
秘奥義『弾幕結界』
地獄すら生ぬるい弾幕の嵐が香霖に襲い掛かる
(仕方がない・・覚悟を決めるか)
香霖は嵐の中を紫のもとまで駆け抜けた
無傷なんて考えていない
ただ・・・
(この戦いを終わらせる・・・)
そう思って
弾幕の豪雨が過ぎ去ったあと
八雲紫が立っていた
「・・・生き残るなんてね」
そしてその後ろに体中に怪我をした
「これで終わりだ・・・」
香霖が立っていた
そしてその両手は
「・・・あら、そんなとこ掴まなくても」
八雲紫を掴んでいた
「・・これから使う技は・・・」
掴んでいる所に力を込める
「!?」
紫の身体が止まる
「・・・霧雨家で禁忌とされた技だ」
かつて霧雨家に居たときに
見た書物に書いてあった
奥義・・・ゆえに
「・・・これ以上力をこめれば・・
多分恥ずかしい嬌声が響く
だろう・・・」
「~~~~~~っ~~」
紫は動けなかった
その技がいかに恐ろしいかを
紫の身体が感じていた
「・・・頼む引いてくれ」
「わっ・・わかったわ・・これ以上詮索しない」
そういったのを聞いてから
香霖はその手を離した
「・・・はあ、はあ、はあ・・・」
「くっ・・なんて技を・・」
「君の方こそ・・・僕のような弱いものに対して使う技
じゃないだろうに・・・」
「ええ・・・最後の技をといてくれたこと
・・・感謝するわ」
そういって八雲紫が隙間に消えていった
身体がボロボロの状態で香霖が
起き上がる
「・・・これで・・終わりか・・」
「・・・香霖・・」
だが何者かが香霖の後ろに立つ
「・・・そうか・・君がまだ残っていたな」
香霖が倒れそうな身体で後ろを振り向く
「魔理沙・・・」
「・・・戦うのか?」
香霖の構えが解ける
「・・まさか・・・」
そういって香霖が倒れる
「おっ、おい・・」
「・・もう立っていられないからね・」
そういって香霖が倒れる
「・・・やれやれだな・・」
魔理沙が香霖を担ぐ
「全く・・乙女にこんな事させるなんて・・」
「・・それに・・君に攻撃できるわけ・・ないだろ?」
「!・・・へへっ・・そうか・・・」
「すまん・・・少し・・意識が・・」
「かまわないぜ・・・」
魔理沙が香霖堂に向かう
(・・・これで香霖堂に居る女性の正体がわかるのか?)
そういって魔理沙が香霖堂の中に入る
「お帰りなさい!・・・?魔理沙ちゃん?」
「最弱のラスボス!?」
「弱くないもん・・・香霖さん!?」
「・・ああ、いまは驚いている場合じゃない
・・・香霖を横にしてくれ」
「はい!」
二人して香霖を横にしたまま治療を始める
幸い大怪我ではないため
永遠亭までいかなくても済んだ
香霖を横にしてから
魔理沙が神綺に対して話を始める
「・・・なんでお前がここにいるんだ?」
「話すと長くなりそうなんだけど・・・」
「かまわないぜ、話してくれ」
魔理沙がそういい終わると
(ぐ~)
魔理沙のお腹がなった
「あ~すまん・・そういえば飯食べるの忘れていた」
そんな魔理沙を見て神綺がクスリと笑う
「それじゃあ、晩御飯を食べながら話そうか」
この神様・・・本当に晩御飯を作っていたのだ
「おお!豪華だな」
「えっへん」
晩御飯は鍋でした
「「いただきます」」
そういって鍋を食べ始める
(ちなみに香霖さんは気絶しているため
あとで鍋の残り汁で雑炊を食べてもらうようです)
ご飯を食べながら
魔理沙が神綺にたずねる
「でもなんでお前がここにいるんだ?」
「それは・・・」
香霖の所に来た経緯を魔理沙に話す
それを聞いた魔理沙がなぜかイライラする
(なんで、私はこんなにイライラしてるんだ?)
「?どうしたの魔理沙ちゃん?」
「いや、なんでもないぜ・・」
「そういえば、何で香霖さんがこんな目に?」
その言葉を聞いた魔理沙が怒った
「お前がここにいるからだろう・・」
「・・・えっ・・」
(私は何を言っているんだ?)
だが、一度でた言葉は堰を切ったように
次から次に出て行く
「お前がここにいるから!霊夢と紫が
面白がって香霖堂に押しかけたんだ!」
(違う!私は・・・そんな)
「おまえがここにいるから!香霖が傷ついたんだ!」
言ってはいけない言葉を
魔理沙が神綺に突きつけた
「・・・ごめんなさい」
神綺が謝る
「でも・・・」
神綺が目に涙を溜めながら
「私は・・それでも・・・」
しっかりとした言葉で
「私はここに・・」
言い切った
「香霖さんの傍に居たい!」
魔理沙はその時自分が何でイライラしていたのか
初めて気がついた
いや、心の奥底で気がつかない振りをしていたのだろう
(なんだ・・・簡単なことだったんだ・・私がイライラしている
のは・・私も・・)
魔理沙はその言葉を心の中でつぶやく
(香霖のことが好きだったんだ・・)
「なあ・・一つだけ聞いてもいいか?」
「・・・なんでしょう・・」
魔理沙が神綺に向かって静かに話す
「お前は・・・香霖の事をどう思っているんだ?」
(私は・・香霖さんの事を?)
神綺は魔理沙に言われたことを心の中で反復していた
(楽しい・・でも夢子ちゃんやアリスちゃんと居るのとは
違う・・なんて言うか・・ほっとする・・・不思議な感覚
・・・そう・・つまり)
神綺が顔を上げる
「私は・・・香霖さんのことが・・・」
魔理沙の目を逸らすことなく見つめ返す
「好きです!」
神綺が言い切るのを見た魔理沙が
席を立つ
「・・・どこに?」
「・・帰るぜ・・今日は疲れた・・香霖を見ていてくれ」
魔理沙がお店の入り口に手をかけた
「あ~そうそう」
「?なに」
魔理沙が神綺のほうを向き一言
「私も香霖の事が好きだからな・・・
まだ勝負は始まったばかりだぜ」
そういい残し箒に乗って行ってしまった
後に残された神綺は
「・・・負けません」
ガッツポ-ズをとって
気づいた自分の気持ちを
心の中で反復していた
(私は・・香霖さんが好きなんだから)
だから・・・
(魔理沙ちゃんと・・・同じ所に立たなきゃ・・・)
「ふう・・・疲れたわ・・・あ~どうしようこの手
しばらく包帯巻かないと・・・いたたっ」
アリスは気絶した霊夢を神社まで運び終えると
帰り道を飛んでいた
「・・・香霖さん大丈夫かしら?」
そうやって飛んでいると目の前から
何者かが飛んでくるのが見えた
「魔理沙?」
「・・・よう、アリスか・・」
魔理沙が小さく答える
「怪我してるのか?」
「ええ・・ちょっと霊夢とね・・・
それより・・香霖堂に行かなきゃ・・」
「どうしたんだ?・・・ああそうか・・
香霖なら無事だぜ・・」
「?何で知ってるの」
「魔界神も無事だ・・・」
「!魔理沙」
「安心しな・・誰にも言わないぜ」
そういうと魔理沙は少し言葉に詰まった
「?どうしたの」
「いや・・・」
魔理沙が香霖堂のほうを向き
「・・・負けそうな試合をしているだけだ」
「そう・・・」
アリスはある程度の予感がしていた
魔理沙と神綺があったらどうなるかを
(お母さんには幸せになってもらいたい・・・)
だが
(・・・でも魔理沙も大切)
アリスの葛藤もすごいものがあった
両方とも大切なひとだから・・
「・・・魔理沙・・」
だから
「私は・・・干渉しないわ」
「アリス?」
「・・・二人とも大事だから」
そういってアリスは
飛んでいった
「・・・アリス・・・」
(すまん・・でも・・戦うしかないんだ
・・・もう勝ち目がほとんどないにしても)
魔理沙も自分の家に向かって飛んでいった
「うっ・・ぬうっ・・ここは?」
香霖が目を覚ますとベッドの上だった
「香霖さん!・よかった目が覚めて・・」
「神綺・・さん?・・!魔理沙は!」
「魔理沙ちゃんは帰りましたよ」
そういうと神綺は香霖の前に
雑炊を温めて持ってきた
「雑炊か・・」
香霖がその時やっと自分が晩御飯を食べていない
ことに気がついた
「本当は鍋だったんですよ」
「それは惜しい事をしたな」
「魔理沙ちゃんと一緒に食べちゃいました」
そんなことをいいながら
しばらくまた談笑が続いた
そしてしばらく経ってから
神綺が香霖に話を聞いた
「・・香霖さん・・」
「なんだい?」
「・・誰と戦ったんですか?」
「・・・いや・・これは」
香霖どう話を逸らすか考えていた
だが神綺は続けて言った
「魔理沙ちゃんから・・ある程度聞いています」
「・・そうか・・」
しばらく沈黙がこの場を支配した
「・・・私が居るから・・香霖さんが傷ついた・・」
「!それは・・」
「私が居なければ!こんな事には!」
(パンッ!)
神綺は何をされたのか分からなかった
(えっ・・?)
頬が痛かった・・・
目の前には手を振り切った香霖がいた
「すまない・・だが今の言葉を聞いて一つだけ聞きたい」
香霖が怒った口調でしゃべる
「君は・・・僕に会った事を後悔しているのか?」
「そんな事はありません!」
香霖の言葉に涙目で答える
「・・・そんな事・・あるわけないじゃ・・ないですか」
神綺はもう限界だった
もし、香霖に会う事が無ければ
心が砕けていたかもしれない
「ううっ・・ひっく・・うえ~ん」
今の質問だって聞くのが辛かった
だが聞かなければならなかった
そうでないと
(魔理沙ちゃんと・・同じ場所に立てない)
そう思って聞いてたのだ
ここに居れなくなるかもしれないのを承知で
涙で前が見えない
(怖い・・・目の前を見るのが・・)
そう思いながら神綺が下を向いていると
後ろから抱きしめられた
神綺の身体が強張る
だがそのまま頭を撫でられると
その強張りも解けていった
「なら、問題はないだろう?・・・どれだけでも
ここに来ればいい・・僕は拒まない・・・いや
来てくれたほうが・・・うれしい」
優しく抱きしめながら香霖がそういった
神綺は泣き止まなかった・・・
今度は別の意味で涙を流す事になった
「すう・・すう・・」
「・・・ようやく、落ち着いたみたいだな」
しばらくの間、香霖の腕の中で泣いていた神綺だが
泣きつかれて、そしてホッとしたのだろう
そのまま、香霖の膝の上で眠ってしまっていた
「・・・どちら様かな?」
香霖が後ろの方に手を伸ばす
その手にはナイフが掴まれていた
「・・・やりますね・・」
ナイフが飛んできた方向に暗い闇が現れる
そしてその中からメイドが出て来た
「どうやってここに?」
「神綺様に渡した香水の中には、ルラムーン草で作った
メンバーと集合するための特殊な調合を施した液体が混ざっている
・・・時間以内に帰らなければ、自動的に私が神綺様を迎えに
これるようにな・・・大きな鼠にかかっていたらしいがな」
メイドがナイフを構える
「今日はもう休ませてもらえないか?」
「かまいません・・ですが神綺様を返してもらいます」
後ろから現れたのは
魔界の重鎮である夢子であった
「・・もう少しだけ休ませてあげたらどうだ?」
「!だまれ」
夢子が怒鳴る
「・・・魔界は神綺様が作った・・・
魔界こそが神綺の一番安らげる所なのだ!」
そう思っていた・・・
「なのに・・・」
だが
「なんで・・・神綺様は」
いつの間にか魔界が一番では無くなっていた
「・・・こんなにも幸せそうなのだ?」
夢子は自分がこれほど情けないと思ったのは
初めてだった・・・
「一つ言えるのは・・・」
香霖が話す
「君達のような者が居たからこそ・・・神綺さんは
心が壊れずに済んでいるということかな」
その言葉を聞いたとき
夢子は目の前に居る男が
恐ろしいと思った
そして
(この人なら・・・神綺様を任せれるかもしれない)
そう思ってしまった
「・・・さあ、連れて行くのなら起こさないように」
夢子が後ろを向く
「・・・連れて行かなければならないのは事実だが」
そのまま帰っていく
「そんな幸せそうに眠っている神綺様を連れて行くのは
私には無理だ・・・朝にもう一度迎えに来よう」
そして消えていった
「彼女も難儀だな・・・」
夢子が帰るのを見届けた後
香霖は神綺をベッドの上に運ぶ事にした
今日は一日長い日であった
だが、明日からはさらに大変なことになるだろう
だから
「あ~、そういえば・・・」
今日はこれでおしまいだ・・な
「・・体中・・ボロボロだったっけ・・」
バタン
香霖はコタツの傍で倒れた
追記だが
前と同じように神綺がハダエプになりそうな事を予知した
アリスが香霖堂に特攻
何とかそれを阻止する事に成功した
魔界に帰った神綺は夢子からこっぴどく
怒られた、そのかわり香霖堂に遊びに行くことだけは
許してもらえたようだ
「聞いているのですか!神綺様!」
「はいっ!ごめんなさい!」
おしまい
この二人には幸せになってほしい…
ちょっと気になったので誤字の指摘を
文々丸新聞→文々。新聞
>「俺も香霖の事が好きだからな…まだ勝負は始まったばかりだぜ」
“俺”ではなく“私”かと
あと文章の中に『・・・』と『・・』が入り混じっているので、一つに統一した方が宜しいかと
無理矢理運んだ感が拭えない内容に感じました
「ちょっと紫様!今から寝ようとしてるのに何呼ぶんですか!」
寝ようとしてたのに何で呼ぶんですか、または何するんですか ではないでしょうか?
あと、文の区切り方や改行の仕方が悪く、少し読みづらいです。
後半、お疲れ様でした。
少しパンチ力が足りないかな?とも思いましたが全体を通して楽しめました。
オチが良かった。
くれないみすずさん何やってんスカwww
肩揉みが霧雨家で禁忌になっているとは・・・
◆警告―誤字連絡◆
1. 誤『燈』→正『橙』
怪しげな新技を創ってまで挿入する価値はあったのでしょうか?
霖之助を強引に活躍させずとも、神綺さまメインの話は貴重なので
これからもまったり萌え方向で頑張ってほしいと思います。
蒼符「絢爛舞踏~ゴージャスタンゴ~」」
・・・アリスのスペカに「蒼符」があるってだけでこんなん幻視した空気の読めない&頭のねじの外れた自分はちょっと首吊ってきます。
>ら抜き
多数見受けられましたが、文章を書く者としてはあまり使わない方が宜しいかと。
>疑問符と感嘆符
「!結界」など、普通は文頭に来ないこれらの符号が文頭に来てしまっているケースが多々あります。
「!・・・へへっ・・そうか・・・」のように途中に点々を挟んだりした上での場合は文頭でも構わないと思いますが、「!それは・・」「?何で知ってるの」などは違和感がきわめて強く、見るに耐えないです。
>これ以上散策しない
詮索かと。
神綺さまがかわいい…
次は新婚編、楽しみにしていますよ…
やはり、無理に戦闘は入れずにマッタリと香霖×神綺を書いていこう
と思います。
文の改行と区切りは今度から何とかします・・・
この作品を呼んでくれた皆様に感謝と謝罪
今度はまた萌えそうな話書く予定です・・・ヨロシク
けど半妖なんだし出来たとしても可笑しくはないのかな?
他にも、誤字や会話の流れが読みにくい所がありましたが、物語自体は十分すぎる程に楽しませていただきました。
これらの感想を一言で言うならば、
アリスSUGEEEEEEE