Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

紅く染まる躯、紅く刻まれる印

2008/09/03 23:33:34
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本当にたまたまだった。

私が人の住まう里に立ち寄ったのは本当にたまたまだ。


普段なら人間共の里になぞ行かない、奴らの営みなぞ知ったところでなんの得にもならないから。

ただ散歩の途中で人里を通りかかった時になにやら賑やかだったので何事かと行ってみただけなのだ…


里に入ると人間共が怪しげな儀式をしている最中だった…私は嫌な予感がして、里を出ようと踵を返す…だかその瞬間に私は人間共に取り押さえられた。


服を脱がされ、私はその身を紅く染められた。


顔にも紅を刻まれた。


人間共は私を捕まえたまま在る場所へ-粗末な塔が聳える所まで連れていった。


塔の上には人間がいた、恐らくあれが儀式の中心なのだろう。



塔の周りにも人間が群がっている、よく見れば年端もいかぬ子供の姿も見受けられる。


やがて塔の周りの人間共が輪を作りだした、私を捕まえていた人間共はそこに私を放り込む…


私は生け贄なのか?


このレミリア=スカーレットが!!


そんな事があってたまるか!私は夜の王!吸血鬼だぞ!


だが…私の意志とは無関係に体が-動き出す、何故だ?あらがえない…


もうダメだ…私は…私は…




人里の入り口に私、十六夜咲夜は立っていた。


今夜は主が散歩に出た為、時間に余裕が出来た。

こう言う時は主からも自由に行動して良しと言われていたので、まぁちょっとした息抜きにと人里に来てみたのだが…


「今日は盆踊りだったのね、どうりで騒がしい訳だわ。」


「うわ~お祭りなんて久々ですよ!何しよっかな~」


「美鈴、ハメは外さないでよ、わかってるわね?あとお酒もダメよ!」


「わかってますよ~あっ!あれ可愛い!!きゃ~!これもいいなぁ~」


「もう酔ってるのかしら…ハァ…」


たまには…と美鈴を誘ってみたが、ここまではしゃぐとは思わなかった。

自分より遙かに年上の乙女が狂喜しているのをため息混じりに眺めていると、広場の方から太鼓の音が響いてきた。


「あっちが踊りの会場ね、ちょっと見てくるわ。」


「お気遣いなく~」


既に美鈴の両手には綿菓子やらリンゴ飴やらが握られている、いつの間に買ったのやら…気を取り直して踊りの会場に向かうと、櫓の下では人々が輪になって踊っている。


「あの子かわい~」


「お人形さんみたい~」


「どこの子だろうね~里じゃ見かけないよね。」


里の少女達が指をさして話している、そんなに可愛らしい子がいるのか。

可愛らしさならうちの主に勝てる者などいないわよ、などと考えながら指をさす方向へ視線を移す…


「え?」



視線の先には薄青い髪の小さな女の子が紅色の浴衣を着て一生懸命踊っていた、見れば顔にも頬紅、口紅が施されている。


「お…お嬢様…?」


目をこすってもう一度見てみる。


お嬢様。


試しに時を止めて見る。

お嬢様。


何故ここにお嬢様が?


否!あれは断じてお嬢様ではない! あれは偽物!贋作!インスパイア!


だいたいあのお嬢様がこんな人里くんだりまで来る訳がない、ましてや浴衣着てガキんちょと盆踊りなど!
あの方は夜の王!
人間と馴合うなどあるはずが無いのよ!


「あ!さくやー!貴女もどう? やってみたら結構楽しいわよ~」


黙れ下郎! お嬢様になりすますとは言語道断!
この悪魔の狗が主に成り代わり成敗してくれる!


「うひゃあっ! ちょっと咲夜! なんでナイフを投げるのよ!?」


まだ言うかこの狼藉者がっ! 我がナイフの錆となるがいい!


「咲夜さ~ん、これ可愛いと思いませ…って…お嬢様!?」


「美鈴!丁度良かったわ!咲夜が…」


「騙されては駄目よ美鈴!あれは…」


「ちょっと! 咲夜さん!」


「あれは偽物よっ! このちんちくりんっ!この私が成敗してあげるわ!」



偽物の動きが止まった、どうやら観念したらしい。
額にナイフが刺さっても死なないとは…なかなか骨のある妖怪ね。



すると膨大な魔力が彼女から溢れ出した、なかなか手強そうね!! しかも魔力までお嬢様ソックリなんて…よくもそこまで…


あれ?


ひょっとして…


いや…まさか…ね?




「さ~く~やぁぁぁぁ!」


あ…あはははははは…



ほんもの…だ…


「お嬢様っ! これにはわけ」


「不夜城レッド!」





え?咲夜さんですか? さぁ…私の口からはなんとも…ええ、生きてますよ? 多分…はい、ところでこれ可愛いと思いませんか?
万葉です。


盆踊り行きたかったなぁ…という想いを込めて書いてみました。

色々と壊れてしまいました…

忌憚なきご意見をお待ちしております。
万葉
コメント



1.芳乃奈々樹削除
シリアスなのか?と思って読んでみたら……。

盆踊りしてるお嬢様、可愛いです。
最後までマイペースな美鈴もいいと思いますw
2.名前が無い程度の能力削除
>どうやら観念したらしい額にナイフが刺さっても死なないとは…
「どうやら観念したらしい。額にナイフが刺さっても死なないとは…」じゃないですか?
3.喚く狂人削除
おぜうさまかっわいいなあもう
4.万葉削除
コメント有り難うございます、レス返しをさせて頂きます。

>>芳乃奈々樹様

>シリアスなのか?と思って読んでみたら……

私は「○○と見せかけて実は○○」といった趣向が好きなもので、今回はこの様な形にさせて頂きました。

>盆踊りしてるお嬢様、可愛いです。

カリスマ溢れるお嬢様も魅力的ですが…可愛らしいお嬢様はもっと好きです。

>最後までマイペースな美鈴もいいですw

美鈴はマイペースなイメージがあるのでこの様な形になりました。



>>2様

ご指摘有り難うございます、問題の箇所を修正致しました。

今後ともご指摘、ご意見を宜しくお願い致します。


>>喚く狂人様

芳乃様のレス返しにも書きましたが、可愛いお嬢様は最強です、無敵です!!
5.謳魚削除
ふぬはっ!しまった!
魅魔チルのお話のが後の作品だったとは無念……!(なんというヴォケ)
そして咲夜さんの位置をパッチュさんに変えて「レッツめーパチュ!」とか思ったのは私だけで良い。
めーパチュとかこあめーとかこあレミとかジャスティス!
6.万葉削除
レス返しを致します。

>>謳魚様

いつもお読み頂き有り難うございます。
なんという世紀のカップル! 私からも祝福を……おや、上海人形さんがミニ八卦炉を持ってこちらを睨んで……