「おうアリス、これ置いてくぜ」
魔理沙がそう言ってアリスの家に置いていった物は
「…鉄くずよね…」
「しゃんはーい」
「ホウラーイ」
置き場に困る大きな鉄くずでした
「大体こんなの一体何になるのよ…」
金属は幻想郷に置いて貴重ではあるが
加工が難しく、加工できる人も限られていた
「…まあ、何かに使うかも知れないわね」
アリスはそう思って、その鉄くずを自分の家の倉庫に置いておく事にした
それからしばらく間、アリスはその鉄くずの事を忘れていた
そんなある日、アリスが香霖堂にて
人形に足りない部品を買いに来た時の事である
「こんにちは森近さん…何時ものやつ用意してある?」
「ああ、そろそろだと思っていたから準備してあるよ」
きちんとお金を払ってくれるアリスは
香霖堂に取ってのお得意様であった
お店の奥から香霖がアリスが頼んでいた人形の備品をまとめて持って来た
「…これで全部だね」
「ええ、確かに…はい、これでいいかしら?」
アリスが代金分のお金を香霖に手渡す
「はい、確かに…ふぅ…魔理沙や霊夢も君みたいにきちんとしてくれたらな」
「…無理ね、あの二人は諦めるか、お店やめた方がいいと思う」
しばらく、アリスが香霖の愚痴を聞きながらお店の中を見て回っていると
「…あれ?この鉄くず…」
なにやら見覚えがありそうな鉄くずを発見した
「ああ、それは紅魔館の小悪魔さんが売りに来た鉄くずだね…」
その鉄くずを見て、アリスが少し考える
(…もしかして、家にある鉄くずと同じ物?…だとしたら…)
しばらく考えた後
「…この鉄くずいくらかしら?」
アリスはその鉄くずを買うことにした
大量の人形を使って、その鉄くずを運ぶと
家にある鉄くずと一緒に並べる
「…やっぱり、同じ種類…」
アリスの前にあるのは、四つの大きな鉄くず
だが、よく見たら鉄でないもので出来ていた
「…これは、ひょっとしたら…意外な掘り出し物かもしれないわ」
その日から、アリスは約三日間の間家にある倉庫に篭った
そして、でた結論が…
「間違いないわ…これは大型の人形のパーツだわ」
人形というものに対して
アリスはスペシャリストである
人形となれば、自分の得意分野である
ならばする事は一つ…
「よし、組み立てましょう!」
そして、更に人形を組み立てるために倉庫に篭った
まずは人形のパーツを磨く
「…随分ボロボロになっているけど…まあ、人形達も居るから
錆を落とすのに、そんなにかからないわね」
「シャンハ~イ(雑巾構え)」
「ホウラ~イ(錆落し構え)」
人形のパーツ四つをキレイにするために
上海人形や蓬莱人形等も一生懸命に磨いた
次にそのパーツの損傷状況を確認する
「…アームの部分は比較的何とかなるけど…
ボディやヘッドの部分は…損傷が激しいわね…
レッグパーツは……ないみたいね
…う~ん…この人形の材料って見当たらないのよね」
しばらく考えた結果、規模を縮小させる事で
足り無い部分を補う事にした
(その代わり、大きさはかなり小さくなった)
それから、生きている部分の確認
「…ん~…兵器としての部分は壊れているみたいだけど
ヘッドの部分は生きているみたいね…
動力源は……仕方が無いから魔力石で補うしかないわね」
動力源が壊れているみたいなので、代わりに四つのパーツに
魔力を込める四つの石を入れて代用した
「……これで後は、魔力を込めるだけね…」
久しぶりの大仕事に額の汗を拭うアリス
上海、蓬莱、仏蘭西、倫敦、露西亜、西蔵、京都、オルレアン
全ての人形たちも、アリスの真似をして額を拭う
そして、人形達が見守る中、アリスがその人形に魔力を送る
元々の大きさからはかなり小さくなってしまったが
それでも、アリスにしてみれば大きいので
かなりの魔力を込める
そして、遂に……その大型人形…ゴーレムの目に光が宿った
「よし、動いた」
アリスの一言に人形達も喜ぶ
アリスがそのゴーレムを動かそうとしたら
「…此処ハ?…私ハ…」
「へっ?」
人形が自動で喋りだす
「……私ハ……誰ダ?…」
「ちょ、ちょっと?な、何で喋れるの?」
まさかの事態にアリスも驚く
上海や蓬莱とは違って、このゴーレムは
まだ動けるようになったばかりだ
「…貴女ガ…私ヲ治シタノカ?」
「えっ?…ええ、まあ、そうだけど…」
幸い攻撃の意志は無いようであった
「アリガトウ……」
無骨なそのゴーレムがそう伝えてきた
「…貴方は一体何者なの?…自分で意思を持っている人形なんて」
アリスが作ろうとしている理想そのものであった
「名前…思イ出セナイ……思イダシタイ…」
ゴーレムが呟いたその言葉でアリスが何故このゴーレムが
喋れたのか、理解した
「そう…貴方は付喪神なのね…」
この世に未練を残した物が長い間をかけて
その未練を何とかしようとして動き出す
それが付喪神の正体である
「でも、何で今まで動かなかったのかしら?」
付喪神になるほどの物なら、すでに動いているはずである
「…身体…バラバラニナッテイタ…」
「あ~…なるほど…」
その言葉にアリスが納得した
いかに付喪神になるほどの物であれど
身体がばらばらでは動きようがない
(でも、どうしよう?)
魔力は籠めてあるからこのゴーレムは動けるが
これからどうするか考えていなかった
そんな時、ゴーレムがアリスに問いかけてきた
「…スマナイ…此処ハ何処ナノカ…教エテクレナイカ?」
「…此処は幻想郷…」
アリスはゴーレムにこの幻想郷の事を教えた
「…というわけよ」
「……最後ニ……聞キタイ…」
「何かしら?」
声のトーンを落として、そのゴーレムが話す
「…此処ハ…平和ナノカ?」
その言葉に、アリスが少し考えてから頷いた
「ええ、たまに名誉決闘がある程度だけどね」
「…名誉決闘…?」
「ん~なんて言うのかしら…」
アリスが胸元から、スペルカードを取り出す
「…相手と一対一で弾幕を放ち、美しさとかを競う
まあ、相手を殺さないための闘い方ね」
その話を聞いて、ゴーレムが頷いた
「……相手ヲ…殺サナイ…ナルホド…此処ハ平和ダ」
ゴーレムがしばらく考え込んでから
アリスの方を向いて話しかける
「…所デ…マスターノ名前ハ?」
「そういえば、また言ってなかったわね
私の名前はアリス…アリス・マーガトロイト」
アリスの名前を聞いたゴーレムが満足げに頷く
「アリス…了解、身体ヲ治シテモラッタ御礼ヲシタイ」
「へえ…律儀なのね」
こうして、アリスの家の倉庫にゴーレムが住む事になった
「シャンハーイ♪」
「ホウラーイ♪」
「ちょっと、上海!蓬莱!ゴーレムの上で遊んじゃ駄目でしょ?」
「…別ニ構ワナイ…」
そのかなり大きめな身体は、他の人形達の格好の遊び場になった
しばらくして表に出ることになっても
「シャンハ~イ~」
「ホウラ~イ~」
「…二人に気に入られた見たいね…」
「…悪イ気ハシナイ」
ゴーレムの頭の上が上海人形と蓬莱人形の特等席になっていた
表に出ることになっても、流石にその巨体
人の里等には行けないので何処に行くかと考えた挙句
同じく自立して動く人形であるメディスン・メランコリーの元に
アリスはゴーレムを連れて行くことにした
「コンパロコンパロ~」
「こんにちは、メディスン」
「あ、アリスだ~」
アリスとメディスンは一度、人形を開放する者と
人形を使う者として一度激しい戦いをしたが
経験の差でアリスが勝った
その後、ボロボロになったメディスンを家に運び
壊れた所の修復と、破れた衣服の修理を敢行
メディスンが何でそんな事してくれるのか?と聞かれた際に
「…人形遣いが人形を大切にして何が悪いの?」
と答えた事により、和解が成立して
メディスンはアリスの家に遊びに来る用になった
時折、人形達もメディスンがいるこの鈴蘭畑にくる事もある
「こんにちは、アリス…後ろのだれ?」
アリスに挨拶をした後、メディスンが
ゴーレムを指差してそう話しかける
「……コンニチハ…」
ゴーレムが喋るとメディスンが驚く
アリスがメディスンにゴーレムの事を紹介する
「かくかくしかじか…というわけでメディスンに紹介に来たの」
「へぇ~…って事は私と同じ人形なんだ!」
「…マア、ソノ通リダナ」
「シャンハ~イ」
「ホウラ~イ」
ゴーレムが頷くと、その頭の上に乗っていた
上海人形と蓬莱人形も頷く
それを見て、メディスンが初めて二人がいた事に気がつく
「あっ!上海と蓬莱、そんな所に居たんだ!」
しばらくそのまま、メディスンがゴーレムの頭の上を見ていたが
「…ねえねえ…私も乗っても良い?」
「カマワナイ…」
しばらくの間、鈴蘭畑でゴーレムに乗った
人形達が遊びまわる姿が見られた
それから…アリスは比較的安全な所から
順に、ゴーレムに幻想郷を紹介して行った
紅魔館に近い湖の傍に向かうと
その場にいた、氷の妖精と悪食の宵闇
マヨヒガの黒猫、虫の王と夜雀が遊んでいた
そして、ゴーレムの上で人形が乗っているのを見た氷の妖精が一言
「あたいも乗りたい!」
その一言を聞いた周りの皆も
次々に乗りたいと言ってきて
結局、ゴーレムが皆を乗せて湖の上を飛ぶ事になった
結局その日はそれだけで、一日がすぎてしまった
「…大丈夫?結構動き回ったみたいだけど」
アリスがゴーレムに問いかけると
「…大丈夫…ソレニ楽シカッタ」
ゴーレムが満足そうに、そう答えた
「デモ……記憶…思イ出セナイ…」
「…そうね……」
ゴーレムが悲しそうに答えると
アリスもしばらく考えて
「…よし、貴方の名前を探すの私も手伝うわ」
そう宣言した、その言葉にゴーレムが驚く
「ダ、ダガ…コレハ私ノ問題…」
ゴーレムが心配そうにそういうと
「シャンハ~イ!」
「ホウラーイ!」
上海人形と、蓬莱人形がゴーレムの頭を小さな手で叩く
「…二人も協力してくれるみたいよ?」
「……アリガトウ…上海サン…蓬莱サン」
そして、今度はアリスに頭を下げる
「オ願イシマス…アリスサン」
「任せて…」
アリスが胸を張ってゴーレムに告げる
「友達だからね、手伝うのは当然の事…行くわよ、上海、蓬莱」
アリスが倉庫から出行くと同時に、上海人形と蓬莱人形の二人が
ゴーレムにて手を振って、アリスの後ろに着いて行った
その次の日、アリスは永遠亭に向かうと
ゴーレムの話を聞いてみた
「月で足が無いゴーレムって聞いた事ないかしら?」
「…流石にそこまで大きい機械は…ウドンゲは?何か知らない」
「……すいません……機械は…月での事を思い出しますから…」
この後、鈴仙が嫌な記憶を思い出すといけないので聞くのを止めた
その次の日、アリスはゴーレムと上海人形に
家の警備を任せて紅魔館に向かった
「…というお話何かないかしら?」
「……こぁ…外の世界から来た、一番新しい棚から持ってきて」
「こぁ!」
アリスがパチュリーから本を借りて読むんでいると
「…なんで急にそのそのゴーレムを調べようとしてるの?」
パチュリーが本を読むみながらそう問いかけてきた
その問いかけに対して、アリスが少し悩んだが
パチュリーなら大丈夫だと思い、全てを話す事にした
「……かくかくしかじか…で、その付喪神の名前を探しているのよ…」
アリスからその話を聞いたパチュリーが
「そう…」
と答えてから、小さく呟いた
「……付喪神は、自分の求めている事がかなったら消えるのよ?」
分かっている事だった、付喪神は自分が欲している物を得たら
満足して消えていく、それは残した未練がなくなるからだ
「…それでも…そのゴーレムの名前を探すの?」
パチュリーが聞いてきた言葉に
「…ええ、それが治した者の…友の役目だから」
アリスははっきりとそう答えた
「…それじゃあ、しばらく本を借りていくわね?」
「今度は、そのゴーレムも連れてきなさい」
読みきれなかった本を借りて、今日は家に帰ることになった
家に無事にたどり着くと…
「…なにやっているの?魔理沙…」
「あ、アリス!?た、助けてくれ!」
家の前で、ゴーレムの腕に掴まれた魔理沙が一人居ました
「……不法侵入者…確保…」
「こんな事言ってくるんだぜ?アリス!何か言ってやってくれ!」
魔理沙がゴーレムに掴まれて暴れるが
その手はがっちりとつかまれて離れない
「え~い、離せ!アリスの家の本を借りようとしただけなんだ!」
「…何時まで?」
「もちろん死ぬまで…はっ!?」
魔理沙がハッとしたときには遅かった
「ゴーレム、不法侵入者で泥棒みたいだからあっちの方角に投げておいて」
「…了解!」
「ちょ?ま、まてアリス!?は、話せば、話せばわかっ」
アリスが魔理沙の家の方角を指差すと
ゴーレムが魔理沙を両手で掴むと
「方角確認…発射!」
(うわぁぁぁ……!?)
魔理沙を抱えた手が吹っ飛んでいった
「…そんな兵器あったの?」
「少シダケ…遠隔操作デキル」
ゴーレムの新しい技が分かった
「…次からは、普通に家に入ってもらってね?」
「…イイノカ?」
「何か変な事したら、容赦なく飛ばしてやって」
「ワカッタ」
しばらくしてから
「酷いぜアリス…」
「あら?生きてたの…」
服がボロボロになって涙目の魔理沙の姿がアリス邸で見られた
「あれは一体なんなんだ?アリス」
アリスが魔理沙を家の中に入れてから
破けた魔理沙の服を直していた時に
魔理沙が倉庫にいるゴーレムを指差してそう話しかけてきた
「なにって?ゴーレムよ…名前を探している」
アリスがそっけなく返すと、魔理沙が驚く
「名前を探しているって…あれアリスが作ったんじゃないのか?」
「組み立てたのは私だけど、作ってはいないわね」
「じゃあ、あいつは自分で動いているのか?」
魔理沙の言葉にアリスが頷いた
「ええ、起動した際に私の魔力を使ったけど
それ以降、私の魔力を送っていないわ」
「そ、それじゃあ…あいつは…自立して動くのか?」
魔理沙が言おうとしていたのはアリスの目標の事
アリスはそれよりも先に答える
「残念だけど違うわ、あいつは付喪神になっているから
動いているらしいの、だから名前を知ったら……」
そこまで話しかけると、魔理沙にもわかったらしい
「そうか…」
とだけ言うとそのまま黙り込んだ
「よし、これでいいわ」
「おお、流石アリスだぜ」
ボロボロになった服を完全に手直しして魔理沙に手渡す
「構わないけど、今度から借りていった物をきちんと返してよね?」
「ああ、死んだら返すぜ!」
魔理沙が何時ものようにそう伝えると
「今日はもう帰るぜ」
「もう帰るの?」
いつもなら、ご飯を食べる時間まで粘るのだが
「…ちょっとだけ調べたい事があってな」
「調べたい事?…本なら貸すけど」
アリスがそう伝えると、魔理沙が首を振る
「…いや、実はどっかであのゴーレムの姿見た事あるんだ」
「えっ!?」
驚くアリスを無視して魔理沙が話を続ける
「まあ、今さっき思い出した程度なんだけどな……
少し興味がわいたからあのゴーレムの名前を調べてみるぜ」
魔理沙がそこまで話すと、玄関から出て行った
それからしばらくの間、アリスとゴーレムは
名前を探すために調べまわった
紅い屋敷に行った時には
「止まりなさい!此処はレミリア・スカーレット様の領土の中である!」
門の前で敵襲と判断されて、門番隊との総力戦になりそうになったり
「……想像以上の大きさね…」
図書館長を少しとはいえ驚かせたり
「ねえねえ!?遊ぼう!?」
悪魔の妹との遊びに巻き込まれそうになったりした
永遠亭に向かった時には
「…ウドンゲ、このゴーレムわかるかしら?」
「し、知りませんよ!?こんな大きな兵器なんて!」
永琳と鈴仙がゴーレムを見て驚いたり
「突撃ウサ~!」
「ウサ~!」
てゐが面白半分でゴーレムに乗って
それに乗じて、他のウサギ達も我先にと乗っていき
「百人乗っても!」
「大丈夫!」
ゴーレムが、ウサギ百人乗っても
大丈夫なくらい頑丈な事がわかっただけだった
アリスとゴーレムは騒ぎにならないように
いろんな所に、こっそりと移動した
そのおかげで、天狗達からは誰にも見つかる事はなかった
「……あれは危険ね…」
だが、それをこっそりと見つめる者もいた
そんなある日、アリスは家をゴーレムに任せて
気分転換に博麗神社に来ていた
「はぁ……」
神社の縁側で座り込んでため息をついていると
「…人の神社に来てため息つかないでよ」
ため息をついているアリスに霊夢が文句を言いながら
「はい、あんまりいいお茶じゃないけど」
お茶を入れて持ってきてくれた
「ありがたく頂く事にするわ」
霊夢に礼を言うと、アリスは熱いお茶を飲み
ほっと一息ついてから
「ねえ、霊夢…」
「なに?」
アリスは念のためにゴーレムの事を霊夢に聞いてみたが
「私が知ってるわけないでしょう?」
「…まあ、そうよね…」
知っているわけがなかった
「…これ以上は手詰まりね…」
アリスがこれからどうしようかと思っていた時
神社の縁側で唐突に爆音が響いてきた
だが、アリスと霊夢は全く驚かない
そして、霊夢が静かにお茶を飲み干して一言
「魔理沙ね…」
そう答えると、スペルカードを用意して
「霊夢!お茶く「夢想封印」おぶぁ!?」
魔理沙がやってくると同時に、問答無用で夢想封印を見舞った
そして倒れた魔理沙を掴み起こすと…
「…魔理沙…前に言ったわよね?今度賽銭箱壊したらどうなるか…」
霊夢がいい笑顔をして魔理沙を見つめた
「ま、まて!?わ、わざとじゃないんだ!」
「ふふふっ…さ~て…ちょっとこっちに来てもらおうかしら」
青ざめた顔の魔理沙の言葉を聞かずに霊夢が
神社の奥に魔理沙を引きずりこんで行こうとしていた
「あ、アリス!?た、助けてくれ!」
「…自業自得ね……諦めなさい」
何とか助かろうとして、アリスに助けを求めた魔理沙だが
アリスにはあっさりと断られ
そのまま、霊夢に引きずられて行くときに
「そ、そうだ!アリス!ゴーレムの名前を知って居そうな奴の
名前を教えるから!た、助けてくれ!」
魔理沙がそう告げてきたので
「…仕方ないわね」
アリスがため息をついて魔理沙を助ける事にした
「…霊夢…魔理沙こっちにくれない?」
「駄目…もう二度と賽銭箱壊さないようにしなきゃいけないから」
取り付く島もないと思われたが…
「はい!お賽銭」
「OK!さ、こんな奴でよかったら持っていって?」
お賽銭にて即座に解決した
「た、助かったぜアリス…」
「別にいいけど、今度からはもっとスピード落として着陸しなさい」
霊夢から開放された魔理沙がアリスに感謝の言葉を述べた
「…それで?魔理沙が掴んだ情報を教えなさい」
アリスの言葉に、魔理沙が頷く
「おお、忘れていたぜ!」
「…やっぱりもう一度霊夢に引き渡そうかしら?」
「わ、悪かったから、それだけはカンベンしてくれ」
魔理沙が謝りながらそう答えると
名前を知っていそうな人物を答えた
「確か、この前幻想郷に引っ越してきた神社の巫女で早苗っているだろ?
早苗なら、そのゴーレムの事を知ってるんじゃないかって…」
その言葉にアリスがはっと、気がついた
(そうだわ、外から来た人間ならゴーレムの名前を知っている可能性が高い)
「なるほど!感謝するわ魔理沙」
魔理沙に感謝の言葉を伝えると
アリスはすぐに、移動を開始した
大急ぎで妖怪の山の神社まで向かうと
「え~と……」
早速目的の人物を探し始める
しばらく探していると、神社の前を箒で掃除している
早苗の姿を発見した
「ごめんなさい、ちょっと今いいかしら?」
アリスが話しかけると早苗もこっちに気がつく
「あ、アリスさん、こんにちは」
アリスの姿を確認した早苗が頭を下げる
「今日はどうしたんですか?」
実はアリスと早苗はよく話をしていた
博麗神社での飲み会で、酔っ払いの面倒を見るのは
何時も常識人の仕事なのである
そして、早苗の隠れた趣味……
「あっ!?も、もしかして新しい人形ができたんですか!?」
可愛い人形がとても好きという事であった
初めて上海人形を見たときは、思わず抱きしめて頬擦りしてしまったほどだ
「ごめんなさい、今日はちょっと違うの…」
「そうですか…」
少しだけシュンとなる早苗に、アリスがゴーレムの話をすると
とたんに早苗の顔が険しくなり
「…ちょ、ちょっとまってください」
一旦、神社の中に入ると一冊の本を持って来た
「…もしかしたら、これの事かも知れません」
その本を開くと、そこには…
「こ、これ…」
そこには確かにゴーレムの姿があった
物語の一番最後に現れ、圧倒的な火力を誇り
最後の最後に他のゴーレムと相打ちとなる姿が
「……この…ゴーレムの名前は…」
アリスの呟きに早苗が静かに名前を呟いた
「……」
アリスは家に帰ってから、しばらく悩んでいた
ゴーレムに名前を伝えるかどうかの事を
「…本当なら…真っ先に伝えるべきよね」
それが正しい事である、そのためにいろんな所に足を運んだのだから
ゴーレムが名前を知ればそれに伴い記憶も全て取り戻す事になる
短い間だが、アリスにもゴーレムは争いが嫌いである事は分かっていた
「……ゴーレム…」
できれば、そのような記憶まで思い出してほしくない
アリスが考え込んでいると
(ズズズズッ!)
「!?」
突然地面が揺れた
「シャ、シャンハーイ!」
そして、それと同時に上海人形が大急ぎで部屋に入ってきた
「ど、どうしたの!?上海?」
「シャン!ハイ!」
驚くアリスを無視して、上海人形がアリスを外に連れ出すと
「…ア…リス…?侵入者…強イ…」
倉庫の外に吹き飛ばされ、倒れているゴーレムの姿と
「あらあら?少し面倒ね…」
ゴーレムの前に対峙している大妖怪…
八雲紫がその場に立っていた
「何しに来たの?」
アリスが静かに紫に話しかける
だが、紫はアリスを見ずに答える
「貴方には用事はないけど…」
そう告げてから、片手をゴーレムの方に向けて
「幻想郷のためにこのゴーレムを消しに来たの」
「!?」
ゴーレムの後ろに大きな隙間を作り出す
倒れているゴーレムが、その隙間の中に落ちそうになる
だが、その隙間の中にゴーレムが落ちることはなかった
「…貴方には用事が無いって言ったはずよ?」
隙間を操っていた紫に対して、アリスが弾幕を放ったからだ
「用事ならあるわ…」
アリスがそう告げると同時に、アリスの回りに人形達が集まる
「ゴーレムは私達の友…それを守るって言う用事が!」
その言葉に、上海人形や蓬莱人形達も頷く
「なるほど…だったら」
その様子を見た紫が面白そうに笑いを浮かべる
そして、その体から大量の妖気を出す
「…少しお仕置きしなきゃいけないわね?」
その言葉に、アリスも不敵に笑う
「上海!蓬莱!目の前の隙間妖怪に帰ってもらうわよ?」
「シャンハイ!」
「ホウライ!」
こうして、アリスと紫は戦いを始める事になった
境符『二次元と三次元の境界』
まず始めに攻撃を開始したのは、紫のほうだった
アリスと紫がいる空間を這いずる弾幕が放たれる
「あのゴーレムは、この幻想郷に居ては行けない存在なのよ?」
紫の言葉をアリスが弾幕を交わしながら答える
「幻想郷のためってどうゆうことよ!それに何でゴーレムが居てはいけない存在なの!?」
紫の宣言したスペカをアリスがかわしきると
今度はアリスがスペルカードを取り出して宣言する
咒符「上海人形」
アリスの言葉に反応した上海人形が
高密度の呪いの塊を紫に向けて放出する
「あのゴーレムが普通のゴーレムなら私は別に何も言わない」
紫の方に向かってきた高密度の呪いを、隙間の中に取り込む
「でも、あれは幻想郷に勢力図を書き換えるほどの力を持つわ」
全ての呪いを取り込むと、アリスのスペルカードの力が消える
結界「客観結界」
アリスが先ほど見た物よりも、さらに数を増やした弾幕が
不規則に地面を駆け巡る
「ゴーレムがそのような事を望むと思っているの!?」
アリスがギリギリの所を見計らって
その弾幕を交わしていく
「何かがあってからでは遅いの…それならば初めから取ってしまったほうが早いわ!」
避けるアリスに向かって、紫がさらに宣言をする
外力「無限の超高速飛行体」
「くっ!?」
地面を這いずりまわる弾幕だけでなく
さらに、全く見えないほどの速さの物体が
アリスの目の前を飛んでいく
「貴方も見たはずよ?…ゴーレムの居た世界での彼の強さを」
「そ、それは…」
紫の言葉にアリスは言葉を詰まらせた、
最強とされていた敵でさえ、あのゴーレムと
やっとの事で相打ちに持っていけたのだから
言葉が詰まったアリスに対して、紫がさらに続ける
「あのゴーレムの装甲は私達の弾幕なんてほとんど効かない…
わかる?そんな奴が本気で暴れる事になったら」
幻想郷を守るという事で言えば紫が言う事は正しい
「ゴーレムはそんな事は絶対にしない!」
だが、アリスは少しの間とはいえゴーレムを見てきた
頭に人形を乗せて、肩や身体に子供や妖怪を乗せて
嬉しそうにしている者が、どうしてそのような事ができようか
アリスが叫ぶと同時に、二つのスペルカードの力が消える
「…そう、なら仕方ないわね…」
紫がそう呟くと、肩で息をついているアリスの方を向く
「仕方ないけど、貴方を気絶させてからそのゴーレムを消すことにするわ」
「!?」
アリスが周りの違和感に気がついた時にはすでに遅かった
「話をしている最中に、いろいろと準備させてもらったわ」
「…結界…」
すでに、アリスは紫が作った結界の中に居た
「……此処まで耐えた貴方に…」
アリスを中心にして、周り中から弾幕がばら撒かれて
「私の最大の弾幕で葬ってあげるわ」
それが止まっていく…その数はどんどん数を増やしていく
「…喜びなさい?この技を使った相手はほとんどいないの…」
紫がそう話しかけるとその技の名前を告げた
紫奥義「弾幕結界」
その宣言と共に、辺りにばら撒かれていた弾幕が
「……貴方の負けよ?七色の人形遣い」
一斉にアリスのいる所目掛けて飛んでいった
それで終わりのはずだった
この弾幕結界を越えたものはいない
博麗の巫女と言う一人の例外を除いて
アリスはその例外には含まれない
(くっ…此処まで見たいね…ごめんなさい…ゴーレム)
アリスが目を閉じて弾幕の嵐に飲まれた
身体に襲い掛かる痛みを覚悟していたアリスだが
(…痛く…ない?)
身体に衝撃は一切こなかった
全ての弾幕が消えて砂埃が渦巻いている中で
アリスが後ろを振り向いた先には
「……ア…リス…無…事…?」
アリスを守るために、暴雨のような弾幕の中に飛び込み
体の原型を留めていないほどに、ボロボロになったゴーレムの姿が
「ゴーレム!?」
アリスがその姿を見て唖然とする
「馬鹿!なんで出て来たの!?」
アリスが叫ぶと、ゴーレムが嬉しそうに答えた
「……良カッタ…アリス無事…」
「良い訳ないでしょ!…貴方の体が…」
弾幕結界からアリスを庇ったために
ゴーレムのボディはと片腕は使い物にならなくなっていた
「大丈夫……」
だが、ゴーレムはまだ動いていた
「…マダ、腕ト頭…少し…動イテクレル」
ゴーレムはそう答えると、砂嵐が消えて
「弾幕結界を……耐えた!?」
己の最大技を耐えられて驚愕している目の前の相手に
「御前ハ…アリス…ヲ攻撃シタ…許サナイ!」
ゴーレムが無傷な腕を紫に向かって飛ばす
高速のスピードで飛んでくる金属の塊
いかに紫と言えど、そんもの受ければひとたまりもない
「くっ!」
それだけの大きさの隙間を一瞬で作ることはできない
紫は急いで手を差し伸べると
結界「魅惑的な四重結界」
目の前から飛んでくる攻撃を、結界を張ることで受け止める
(ギィィン!)
金属が何かにぶつかったような嫌な音が結界から響く
紫の額から汗が流れる
結界とゴーレムの腕はほぼ拮抗していた
だが、結界の一枚がパキンとヒビをたてて割れた
(な、なんて力!?)
半端じゃない強度である紫の四重結界、それを力だけで一枚砕いたのだ
(パキン!)
幾分ゴーレムの腕の力は弱まったが、さらに二枚目の結界が破壊される
(くっ!残り二枚…)
紫が残り二枚残った結界に力を籠める
その顔には余裕なんてものは無かった
(ミシッ…ミシッ…)
結界に力を籠められたことで
ゴーレムの腕が負荷に耐えれずにヒビが入り始める
(パキン!)
だが、それと同時に紫の結界の三枚目が破壊された
(さ、三枚目まで!?)
紫の顔が青ざめた
最後に残った一枚が破られれば、化け物みたいな硬さの鉄の塊が
自分に向かって飛んでくるのである
隙間に入ろうにも、もし今力を少しでも抜けば
それだけで結界が破壊される事になる
故に、紫にできることは最後に残った結界に全力で力を籠める事だけだった
(キシッ!)
その最後の結界にもヒビが入り始める
(ちょ、嘘でしょ!?)
そして、遂に壊れるかと思われた時
(ミシミシミシ!)
ゴーレムの腕がかかった負荷に粉々に砕け散った
それと同時に、紫の四重結界も粉々に砕け散る
(た、助かった…)
紫は冷や汗をかいて、心の中で安堵した
本来ならば弾幕結界を出した時点で勝負はついていたのだ
後は、ゴーレムを隙間に落としてそれで決着が着いたはずだった
だが、今の状況はどうか…弾幕結界を耐え切られ、
挙句に隙間に落とすはずのゴーレムの攻撃で疲労困憊している
(…仕方ないわ、一旦引きましょう)
紫は一旦撤退する事を決めた
幸い、ゴーレムもあの様子では間もなく動かなくはずである
それにアリスとの距離も開いているので攻撃できるはずも無い
もし、アリスがマヨヒガに報復に来たとしても勝てる自信はある
そこまで考えてから、紫がアリスとゴーレムに宣言した
「目的は達したからこれで帰る事にするわ」
隙間に入ろうとしている紫を見て
アリスが何とか攻撃をする事は出来ないか考える
最早、魔力による攻撃はできない
だが、接近戦ではとてもじゃないが追いつかない
(せめて…ゴーレムのために一撃を…)
あと少しで、ゴーレムは動かなくなるだろう
その時、アリスに一つの考えが浮かんだ
「ゴーレム…もう片方の手…飛ばせる?」
「…飛バス…ダケナラ」
その言葉に、アリスが微笑む
「それで十分」
(酷い目にあったわ…)
紫がアリス達から目をそらして、隙間に入ろうとしたとき
「ゴーレム!いくわよ」
「…了解!」
ゴーレムが紫に向かってボロボロになっているもう片方の手を飛ばす
「そんな、ボロボロの腕で私に当てれると思っているの」
アリスを庇っていた腕のために飛ばすだけで精一杯である
そのために、先ほどの腕に比べるとスピードも威力も弱い
紫がその一撃を軽くかわしてから隙間に入ろうとした時
「すぅーーーっ!」
そのボロボロの腕からアリスが紫に向かって
飛び膝蹴りをかましてきた
「~~~っ~~!?」
額を思いっきり膝で蹴られて、痛みのあまり転がり込む紫
だが、膝蹴りを敢行したアリスの攻撃はまだ続く
倒れた紫の手を掴んで無理やり起すと
「きぃぃぃっ!」
起した紫の側頭部を狙って、渾身の延髄蹴りを決める
あまりの衝撃に紫の意識が一瞬飛びかける
何とか、姿勢を保とうとする紫の背後にアリスが回りこむと
紫を座らせて手と足を絡め
「まぁぁぁっ!」
アリスがストレッチプラムを完成させて
「ぃ~~~!?」
思いっきり腰をねじ切るように力を加える
その状態で、アリスが話しかける
「…ようやく…捕まえたわ…」
「ひっ!?」
静かに話しかけるアリスに、紫は言い知れぬ恐怖を感じた
「…これから使う技はね…」
アリスの身体に力が入っていく
「かつて…魔界神を三日間動けなくした技…」
ただの法螺話かもしれない…だが、その言葉には
恐ろしいまでの説得力があった
「…もう二度と使いたくなかったけど…」
アリスの目に光が宿る
「貴方に捧げるわ」
アリスが全力を持って紫の腰を捻りあげる
「~~~~~~!!!(涙)」
あまりの激痛に声すら出せない
そして、最後に思いっきり腰を捻りあげると
「魔女の一突き!」
アリスの言葉と共に紫の腰から
ゴキン!と言う恐ろしい音が聞こえてきた
渾身のストレッチプラムを受けて
ぎっくり腰になり声すらあげることができない紫を
ついさっきまで開いていた隙間から心配になって出てきた
式に任せると
「終わったわ…」
アリスは、もう顔だけになっているゴーレムの前にやってきた
「…アリス…オツカレ様…」
もう話すことも辛いはずなのに、ゴーレムがアリスに話しかける
「シャンハーイ…」
「ホウラーイ…」
もう動かなくなるのを分かっているのだろう
上海人形と蓬莱人形…その他の人形達も
ゴーレムの周りに集まっていた
「…良カッタ…今度ハ…守レタ…」
ゴーレムの言葉に、アリスが違和感を感じた
「ゴーレム…貴方、今度…って言ったわね」
その言葉に、ゴーレムが静かに答えた
「…アリスをかばった時…記憶…思い出した」
「…そう…」
そして、ゴーレムの口から思い出した記憶が語られる
「自分ハ…特別ナ『能力』ヲ持ッテイル者ノ為ニ作ラレタ…」
このゴーレムが作られた理由…それは、このゴーレムを作った国が
煮え湯を飲まされてきたゴーレムを倒すために作られたのだ
最初にして最後の戦いでそのゴーレムと戦い
そして、相打ちとなって戦いは終わりを迎えた
「…ダケド…国……守レナカッタ…」
ゴーレムがそこまで話すと力が急速に衰えはじめる
「ゴーレム!?」
「シャンハイ!」
「ホ、ホウライ!」
アリスと人形達がゴーレムに近づく
「…デモ、名前ダケ…思イ出セナカッタ…」
ゴーレムが名前を思い出せないのは当然だ
ゴーレム自身が自分の名前を聞くことはなかったのだから
「ゴーレム…」
消えていくはずのゴーレムに対して
アリスができる最後の仕事は
「貴方の名前は……」
付喪神となったゴーレムに名前を教える事だった…
「アア…ソウカ……私ノ…名前…」
アリスから名前を聞いたゴーレムは心底嬉しそうに
自分の名前を呟いた
「…コレデ…安心シテ…アイツノ所ニ行ケル」
「…良かったわね…」
アリスは自分が泣きそうなのをこらえて
ゴーレムの最後を看取ろうとする
「…アリス…最後ニ…頼ミタイ事ガ…」
「何かしら?」
ゴーレムが最後の願い事を話すと
「…御願イ……ソレト…アリガトウ」
それっきり二度と動く事は無くなった
それから何日間か、アリスは自分の家から出ることはなかった
そして、一週間たった頃
「お~い!居るんだろ?アリス」
流石に心配になった魔理沙がアリスの家に来ると
「…久しぶりね…魔理沙」
玄関で出迎えてくれたのは、少し疲れているアリスの姿
だがその顔は暗いものではなかった
「なんだ、何時ものように暗い顔だと思っていたぜ」
もっと酷い状態かと思っていた魔理沙は
今のアリスの状態を見て安心した
「あら?何でかしら」
「いや…あのゴーレムの事は知っているしな」
ゴーレムが動かなくなった日
魔理沙が一日遅れてゴーレムの名前を教えに来たのだ
アリスは魔理沙にゴーレムが居なくなった事を伝えた
流石の魔理沙も居づらかったために、その日は
「あんまり落ち込むなよ?」
とだけ伝えると、魔理沙は家に帰ったのだ
「…そうだ、魔理沙…久しぶりに勝負しない?」
「はっ?」
魔理沙から勝負を仕掛ける事は良くあるが
アリスからしかける事はほとんど無い
「ちょっと、試したい事があるの」
アリスがそう話しかけると、玄関から表に出た
「お、おい…ちっ、しょうがないな」
アリスが元気そうなのが分かったのと
久しぶりに、アリスと戦うので魔理沙は表に出た
表にでて空に飛ぶと、魔理沙とアリスの弾幕バトルが始まった
「弾幕はパワーだぜ!」と言っている魔理沙が
大量の星の形の弾幕をばら撒けば
「弾幕はブレーンよ!」と言っているアリスが
的確に人形を使った弾幕をばら撒く
そして、お互いの切り札が出される
「いくぜ!マスター…」
魔理沙が八卦炉を構える
「いくわよ…」
それと同時にアリスがみた事の無いスペルカードを取り出す
「スパーク!」
それよりも少し先に、魔理沙の渾身の一撃が放たれる
その魔力の奔流に巻き込まれる直前に
そのスペルカードの名前を宣言する
「やべ、やりすぎたか?」
魔理沙が直撃したアリスをみた時
「げっ!?」
その場に居たのは…
「流石にマスタースパークは危険ね」
「シャンハーイ」
「ホウラーイ」
半透明なゴーレムの中に入っているアリスと
その両腕に入っているシャンハイ人形とホウライ人形の姿であった
「う、嘘だろ?」
驚きを隠せない魔理沙
「いくわよ魔理沙…新たなスペルカード」
ゴーレムが最後にアリスに頼んだ事…それは
「…私ヲ…アリスノ…スペルカードニ…」
と言うものであった
その願いを叶える為にアリスは一週間家に篭っていたのだ
(…行くわよ……)
アリスが魔理沙に向かって宣言した
「新型符『軍の名前を冠する事を許されし人形』!」
お終い
脇役さんだから初めはプロメテスかと思ってたけど、そっちでしたか!
ザクかマジンガーZかと思ってたけどまさかジオングとは
それにしても早苗さんよく知っていたなぁ。
あ、そうか! 身近にガンキャノンがいるから道理で(エクスパンデッド・オンバシラ)
ジオングとは……
唯でさえ巨大だった鉄塊状態のジオングをアリスはどうやって運んだんでしょう?
あの巨体を射命丸にも知られず,見つからずに他の場所に移動できたのは謎が残りますね。
1機で幻想郷を脅かすとは、ジオン公国恐るべしw
しかしジオングは全高17m以上、本体重量だけでも150トン以上あったような…
/ / ヽ ::: \
| (●), 、(●)、 | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, | < まーたはじまった
| ,;‐=‐ヽ .:::::| \_______
\ `ニニ´ .:::/
/`ー‐--‐‐―´´\
足が作られたと言う事はジオングじゃなくパーフェクトジオングになりますね
しかしアリスはこんなでかいものをどうやって加工したんだろう……
ジオングだというのは途中でわかりましたが、最初「ゼントリックス」に出てくるゼウスのようにも思えました。
あとアリス超強い、どうしてお母さんにその技を使ったんだろう? 返事が「こぁ」の小悪魔もかわいかったです。
新符は名前が長いなw
脇役さんが何故アリスとジオングの話を書こうと思い至ったのか興味が尽きないのは俺だけ?
以下誤字と思われるもの
>アリスがそっけなく返すと、魔理沙が驚きく
アリスがそっけなく返すと、魔理沙が驚く
>魔理沙を引きずりこんで行いこうとしていた
魔理沙を引きずりこんで行こうとしていた
>.ゴーレムに名前を教える事だっ
ゴーレムに名前を教える事だった
>痛み覚えた紫が霊夢に懇願する
痛みを覚えた紫が霊夢に懇願する
あれ?脇役さんこんなに誤字が多いなんて珍しいような?
さて、この話の中の謎を色々答えさせてもらおうかと思います
1ジオングの大きさについて
これは、私の計算ミスです…(もっと小さいと思っていた)
あえて言うなら、幻想郷に来る時にかなり縮小されて(大体この時点で8mほど)
それで、バラバラになった四つのパーツもそれなりに小さくなっていて
ある程度なら運べるぐらいの大きさになっていたと思われる(という事にしてください)
それと、魔理沙は何回かに分けて運んだという事もここで追加します
アリスは、大量の人形を使って運びました
さらに、アリスが魔法で少し小型化した時の大きさで大体5~6メートル(全長)位に…
重さについては…ま、魔法とか…そんな感じで…(汗)
このぐらいの大きさなら、森の中を低空で飛ぶ位なら、隠れて移動する事も何とかできます(大汗)
2重力下では満足に動けないはず…
これは、アリスの魔法石…いわば魔力によって浮いていたという事にしてください…
じゃないと、お話が進まない(涙)
3 幻想郷のボスクラスを過小評価しすぎ、アリス強い
けして、紫を弱くしているわけじゃないんです、ただ、少し過信し過ぎていただけなんです
本来なら、幻想郷で紫に勝てるものはほとんどいません
それと、アリスが使った技は幻想郷に来て
一度も使った事が無かったので紫も知らなかったため
対抗手段を考える間が無かったから、今回はこうなっただけです
(それと、頭部に強烈な一撃を何度も受けて、冷静に判断する事が出来なかったため)
初めから本気なら、ゴーレムとアリスを同時に倒してしまったでしょう
4魔界神に技を使った理由
以下、昔のお話
あるとき、小さいアリスが、お母さんにじゃれついて居ました
ロリス「お母さん強~い」
神綺「エヘン!」
魔界の神は伊達じゃありません、神綺は自分の娘に褒められて喜んでいました
ロリス「よーし!私もお母さんに負けないように、頑張る!」
アリスは、心の中でそう思うと、母に負けないように己の体を鍛えました
アリスの蹴りの強さは、このときに磨かれた物です
だけど、自分の母親には当時子供だったアリスではウェイトが違います
いかに強いキックでも、軽すぎたんです
そこで、アリスが考えたのが関節技でした
そしてあるとき…
ロリス「お母さん!勝負」
神綺「よ~し!アリスちゃん、かかって来なさい!(あぁ~アリスちゃん可愛いよ~!)」
久しぶりに、アリスが母親に稽古をつけてもらう事になったときに
ロリス「(…よ~し!今だ!)え~い!」
アリスがグリモワール(川田×三沢戦)を見て覚えた技をかけました
神綺「あたたっ…(はっ!こ、この技…アリスちゃんの体が密着する!?)」
ロリス「うぅぅ…どうだ~…お母さんギブアップする!?」
アリスが小さい身体で精一杯関節技をかける
神綺「(ああ~!アリスちゃんの体が~!)ま、まだ倒れないわよ!」
魔界神がアリスが可愛いので、体の限界までその技を耐えたのが原因で
ロリス「ぐぅぅぅっ…え~い!」
(ゴキン!)
神綺「~~~!?」
ロリス「お母さん!?」
こうして、魔界神は三日間ベッドの上で寝たきりを余儀なくされた
そして、アリスはこの技の本気封印した…もう二度と大切な人を傷つけないために
以上が、魔界神に技をかけた真実です
5ジオングとアリスを書こうと思った切欠
(風の谷のナウシカ見てて)
脇役「…そういえば、ゴーレムも人形だから、アリス動かせるよな…」
そして、アリスに合わせて面白そうなゴーレムを考える
脇役「…どうしたもんかな…おっ?いかん、逆襲のシャア始まる…」
逆襲のシャアを途中まで見て
脇役「…あ、ガンダムもゴーレムだ…」
そして、始めはそのままガンダムとアリスにしようと思ったが…
脇役「…ガンダムだと、つまらん…ザク?…ギャン…サザビー…ジオング…ん?」
そして、この話の原型が頭に浮かぶ
そして、色々あって書かせてもらいました
それでは、この作品を見てくれた方々に改めて感謝
そりゃ「100人乗っても大丈夫」だわwwww
よく考えたらAC腕飛ばせないよねwww