Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

孤独にグルメ「妹紅の焼き鳥屋とミスティアの居酒屋 」

2013/05/21 22:17:21
最終更新
サイズ
11.28KB
ページ数
1

分類タグ

「えーと、今日はここまで。次までにレポート完成させておくように」
授業の終了の鐘が鳴った。生徒達は皆帰る準備をし始めた。
――よし、これで今日の授業も終わり!
「気をつけて帰れよ。」
みんな準備をしながら返事をした。パルスィも職員室に戻り帰る準備をしていた。
「水橋さん、お疲れ様です。」
と、声をかけて来たのは慧音だった。
「あ、慧音さん、お疲れ様です。もし良ければこのあとどこかに食べに行きませんか?」
パルスィはこのあと一緒にお昼を食べないか誘った。しかし慧音はパルスィの誘いを断った。
「私にはこれがありますから、すみません。」
慧音はお弁当箱を取り出しながら言った。
――愛妻弁当か……妬ましい。
パルスィは準備を終えていた。
「あ、お先に失礼します。」
挨拶をしてから職員室を出た。パルスィは何かいいところはないか探していた。――そうだ、前に教えてもらったところにいってみるか!
パルスィは前、竜宮焼き屋で教えてもらった焼き鳥屋に向かうことにした。しかしいくら探しても見つからない。そこに新聞記者の射命丸文がやって来た。
「あ、すまないがこの辺りで焼き鳥屋を知らないか?」
パルスィは文に聞いた。文は快く答えてくれた。
「焼き鳥屋ならここをあと一キロほど進んだ所にありますよ。もしかしてこれから食べに行くんですか?」
「うん、その予定だがなんかあるのか?」
パルスィは少し疑問に感じたがあまり深くは聞かなかった。
「いえいえ、実は私もこれからそこに食べにいこうと思っていまして、良ければ一緒に行きましょうよ。」
「ああ、そうだな、まだあまりわかっていないし案内してもらえると助かるな。」
二人は竹林の奥の方に向かって歩き出した。
竹林の中はいくら進んでも同じような風景だった。迷うのも、仕方ないとパルスィは思った。
「射命丸さんは、よく食べに行かれるんですか?」
「ああ、そうですね~週に一回位ですかね。水橋さんは、初めてですか?」
文は質問に答えるとパルスィに質問し返した。パルスィは質問が帰ってくるとは思っていなかったので少し戸惑った。
「え、ん? ああ、私はまだ行ったことがなくて。なので今回が初めてなんです。」
パルスィは少し恥ずかしがりながら答えた。
「あそこはすごく美味しいですよ。その上、女将さんがまたカッコいいんですよ。」
――カッコいいか・・・・・・。勇儀とどっちがカッコいいのかしらね。
「へぇ~、カッコいい女将さんね~。」
話をしているうちに目的の店に着いた。目の前には焼き鳥屋「もこう」と書かれたのれんが掛けられていた。
「ここがその焼き鳥屋ですよ。」
パルスィは周りを見渡していた。
「あまり特徴のある場所じゃないわね。この焼き鳥屋周りの風景に溶け込んでいて分かりづらいわね。」
パルスィは思ったことを言った。
「まあ、そこがいいところだと思うんですよ。」
――いいところ? 分かりづらい所のどこがいいの?
「あまり目立たないと、ここを知っている人しか来ません。だからあまり混んでいる事がないんです。」
文はなぜこの焼き鳥屋があまり目立たないようにしてあるかを予想した。文は扉を開けた。
「いらっしゃい! あ、文か。」
中には銀色の長い髪の女性がいた。もう文はもう名前を覚えられるくらいの常連のようだ。
「ああ、妹紅、今日はこの近くで会った水橋さんを連れてきたよ。このかたは初めてだって。」
パルスィは中にはいり扉を閉め、その後軽く頭を下げた。
「文が誰かを連れてくるなんて珍しいな。」
妹紅は文と会話を楽しんでいた。パルスィは店のなかを見渡した。
――うーん、少し無駄に広いかな。もう少し狭かったら丁度よくて味のある店な感じが出るかな。
パルスィは店に来ると必ず店の中の広さなどを見て評価している。
「じゃあ、皮と豚とねぎまを五本ずつお願い。」
「あいよ!そちらのかたはどうする?」
パルスィはメニューを見てあまり悩まず決めた。
「えーと、じゃあ皮と豚と砂肝を三本ずつで。」
パルスィはあまり沢山は頼まなかった。妹紅は頼まれたものを炭火の上に並べ焼き始めた。
「そういえば初めてだったよな。どこでここのこと知ったんだい?」
妹紅はパルスィに色々と質問をし始めた。
――ん? どこだったっけ? ……そうだ、竜宮焼き屋で教えてもらったんだ。
「えーと、竜宮焼きの店で教えてもらいました。なんか美味しいって聞いたので食べて見たくて。」
「あ~、衣玖のどころか。」
話をしている間に焼きあがったようだった。妹紅は味付けをしっかりしてから皿において渡した。
「いただきます。」
パルスィと文は食べ始めた。
――うん、この焼き鳥は美味しい!永江さんがいっていた通りだ。この砂肝もコリコリしていていい。味付けも丁度いい。
「あの、砂肝をあと五本お願いできますか?」
パルスィは追加で注文するほど気に入っていた。妹紅はすぐに焼き始めた。
「どうだ? 美味いだろ。味付けはどこの店にも負けないよ!」
妹紅は味付けにはかなりの自信があるようだ。パルスィはまだ皿に残っている焼き鳥を食べていた。
「そうだ、ここの味付けの仕方って教えて頂けますか?」
パルスィは無理なのを覚悟で聞いてみた。
「うーん、さすがに味付けを教えるのは無理だ。だが焼き加減ならいいぞ。まず火は炭火の方がいい。これはガスなんかより美味しく焼けるからだ。次に焼く時間だ。大体焦げがつかないくらいでひっくり返した方がいい。そうすれば美味しく焼ける。」
――やっぱり無理だったか、でも焼き方とかを少し教えてもらえたし今度、勇儀と焼き鳥を焼くときにでもやってみるか。
「ほうほう、ありがとう。少し参考にさせていただくわ。」
追加で頼んでいた砂肝が焼きあがったようだ。砂肝はパルスィの方に渡された。――あつっ。
パルスィは焼きたてを口に運んだので口の中をやけどしそうになった。
「そんなに焦らなくても大丈夫だぞ。逃げるわけでもないし。」
――焦るんじゃなかった。あー恥ずかしい。
パルスィは少し冷ましながら食べた。
「ごちそうさまでした。」
パルスィはお代を払って店を後にした。その後パルスィは竹林の中で永遠亭を探していた。久しぶりに健康診断を受けに行こうとしているのだ。
「うーん、少し涼しいなぁ。あと五百メートル位だったはずだからもうすぐね。それにしてもなんか似たような景色ばっかりね~迷いそうだわ。」
パルスィは少し急いで先に進んでいた。少しすると遠くに建物が見えてきた。
――ああ、あそこね。やっと見えてきたわ。
パルスィは永遠亭の近くまで来た。
「あれ? 永遠亭になんか用かい?」
そう言ってきたのは永遠亭に住んでる因幡てゐだった。
「ん? 確かあなたは永遠亭の……。」
「そうだけど、どうしたの?」
てゐは部下の兎たちを連れ近づいてきた。パルスィは少し驚いたが、なんでもないように振る舞った。
「今日は健康診断を受けに来たんだ。永琳先生居るかい?」
「永琳なら今、出掛けているよ。でもあと少しで帰ってくるから中で待っていたら?」
てゐは永琳がいない事を伝えた後、どこかへ行ってしまった。
――そっか、いないのか。まあいいや、中で待っているか。
パルスィは永遠亭に向かってまた歩き出した。すぐに着き、戸を開けた。中には優曇華がいた。優曇華はすぐに気づきこちらに来た。
「今日はどうしましたか?」
「ちょっと健康診断を受けに来たんだが。」
「それじゃあ準備しますので少しその辺りで待っていてくださいね。」
優曇華はそういい中の方に入っていった。
――暖かい。外とはかなり違う……って室内だから当たり前か。
そう考えているとき、入り口の戸が開いた。永琳が急いで戻ってきたのである。
「あ、ごめんなさい。すぐに準備するわね。」
と言い永琳も中に入っていった。
――そんなに待たなかったなぁ。
「水橋さーん、水橋パルスィさーん。」
5分もしないうちに呼ばれた。パルスィは優曇華に案内され中のほうに入った。
「えーと、今日は健康診断を受けに来たんだっけ?」
「まあ、もう長い間健康診断を受けてないんで今日は近くに来たついでに。」
永琳は優曇華に準備するように伝えた。
「じゃあ今から準備するから少しだけ待っていてね。」
と言い永琳は奥にいった。すぐに来て始めた。最初は心臓の鼓動をききはじめた。
「大きく深呼吸してくれるかい? うん、じゃあ次に背中見せてちょうだいね。もう一度深呼吸してくれるかしら? よし、問題ないね。」
大体2分位で終わり次に身体測定に移った。
「まずは身長を測りますね。」――たぶん変わりはないと思うな。
パルスィは優曇華に言われた所に乗った。
「えーと一五八センチです。前とは変わりはないですね。次は体重です。あちらにあるので、あそこまで移動お願いします。」
と優曇華は言った。パルスィは言われた所にいき、体重計に乗った。
「服の重さを引きますね。四八キロですね。体重も変わりなしですね。残りは……たぶんないと思うので師匠の所に行ってください。」
パルスィは言われた通りに永琳の所に向かった。
――まあ、変わりなくてよかった。もう少し体重減らそうかしら? でも止めておこう。
「水橋さーん、こちらですよ!」
パルスィは違うほうに向かっていた。永琳に呼び止められてから急いで永琳の方に行った。
「水橋さん、これで終わりですね。まあ、見たところ異常は無いですので大丈夫です。体重は今のままキープしておけば大丈夫ですね。今回は健康診断だけだったのでお薬もありません。お大事にしてくださいね。」
パルスィはそう言われ、永遠亭を後にした。出る前に時間を確認したらもう既に17時を回っていた。
――もう、こんな時間か家に帰る前にどこかで食べていくか。
パルスィは晩の事を考えていた。帰りは迷うことなく竹林を抜けて行った。
――それにしても寒い。早くどこか暖まれる場所で晩飯を食べたいな。
パルスィはそんなことを考えながら歩いていた。
「そうだ! あの居酒屋に行こう!」
パルスィはつい声に出して言ってしまった。周りには誰もいなかったからよかったとパルスィは思い前、教えてもらった場所を探しはじめた。四、五キロ進むとその居酒屋が見えてきた。
――あそこだな。あー早く入りたい。
パルスィは急いで向かった。店の前に着いて戸を開けようとした。しかし戸は開かなかった。
――ん? なぜ開かないんだ? まだ準備中かな?
パルスィは店の戸の少し横にある看板をみた。そこには準備中、十八時開店の文字が書いてあった。パルスィは時計を見ると時間がまだ十七時五十分を指していた。
――まだ十分くらいあるのか……。少しそこら辺でも歩いているか。
パルスィはそう決めて少し散歩することにした。その後パルスィは大体二十分位して戻ってきた。そのときにはもう店は開いていた。中に客が既にいるようだ。パルスィは戸を開け、中に入った。
「いらっしゃい。あら、初めて来る方かしら?」
中には和服を着た女性がいた。
「こんばんは、初めてですね。」
パルスィは戸を閉めてカウンターの席についた。
「いらっしゃい、何にする?」
女将さんはおしぼりを出しながら聞いた。パルスィはもらったおしぼりで手を拭きお品書きを見はじめた。
「あ、烏龍茶ってありますか? あればお願いします。」
パルスィは喉が渇いていたので先に飲み物を頼んだ。
――何にしようかな? 焼き鳥からいこうか……いや昼が焼き鳥だったし他のにしよう。
「はい、烏龍茶ね。他の決まった?」
女将はグラスにいっぱいに入った烏龍茶を持ってきた。
「おお、なんかいっぱい入ってますね。まだ注文は決まってないですね。」
パルスィは烏龍茶を受け取りテーブルにおいてまた、お品書きをみた。
――うーん……唐揚げね~。よし、唐揚げと餃子にしようか。
「あの、すみません、唐揚げと餃子をいただけますか?あ、あとたまごサラダいただけますか?」
パルスィは注文を終えたあと、烏龍茶ど喉を潤した。
――ちゃんと冷やされていて美味しい。烏龍茶は、冷やされているほうがなまら美味い。女将さんはわかっているなぁ~。そんなことを考えているうちに注文したものができていた。
「はい、唐揚げと餃子ね! たまごサラダは少し待ってね。」
パルスィはまず、唐揚げから食べはじめた。
――なんか、一つ一つが大きいな。まあ小さいよりはいいか。
「しっかりと衣がついているし味付けもよく美味しい。」
パルスィは餃子も一つ食べてみた。
――中から肉汁が出てきて少し熱いけど美味い。
「どうですか? 美味しいでしょ! たぶん他の店には負けないと思うよ!」
女将さんは自分のつくったものにどんな反応をするかすごい楽しみにしている。「うーん、この餃子、中から肉汁が沢山出てきていて、皮がパリパリしていて美味しいです! でも一つだけ、餃子の羽をもっとつけれたらいいと私は思います。」
パルスィは思った事をそのまま言った。女将さんはパルスィの言ったよくすればいいところをメモ帳のようなものに書き留めた。
「わかったわ、うまく出来るかわからないけど挑戦してみるわ。ありがとうね。」
「いやいや、こんなあまり料理をしない人が言う意見だからあまり気にしなくていいよ。」
パルスィは少し照れながら言葉を返した。やっとたまごサラダが出来上がったようだ。すぐにパルスィのもとにはこばれてきた。パルスィはすぐに一口食べてみた。
――冷たい! 時間がかっていたのは冷やすためだったのかな? まあ、美味しいから大丈夫だな。
パルスィはすぐに全部食べてしまった。
「うん、どれも美味しくてよかったわ。女将さん、いくらになる?」
パルスィがお代を払って帰ろうとしたときに、誰かが入ってきた?
――あれは、確か天狗の……姫海棠はたてだったかな?
パルスィは軽く頭を下げた。はたても、こちらに気づき頭を下げかえした。そのままパルスィは店を出た。すでに外は真っ暗だった。
――妖怪に喰われないように気を付けなければな。
パルスィは家の方向に歩きはじめた。
長くなりましたがこれで妹紅の焼き鳥屋とミスティアの居酒屋は終了です
はたてとミスティアが共食いなのではないかという方もいるかもしれないのですが、仕方ないですね。











一応各話へのリンク

1話パルスィと竜宮焼き
2話妹紅の焼き鳥屋とミスティアの居酒屋
3話勇儀と二人での焼肉
4話命蓮寺のクッキーと村紗水蜜のカレーうどん
5話美鈴の絶品炒飯
6話クリスマスのプレゼント配り
7話年末の牛丼
7.5話年越し前の麻婆豆腐と餃子
8話人間の里の生姜焼き定食とパルスィのピリ辛カレーライス
9話卒業式の後……

・作品集93
・作品集93
・作品集94
・作品集94
・作品集94
・作品集94
・作品集94
・作品集94
・作品集94
・作品集95
宇佐美 悠香
[email protected]
コメント



0. コメントなし