ではでは、続いて参りましょう一回戦の第五試合!フランドール・スカーレット選手VS魂魄妖夢選手です!
実況はもちろん!幻想郷一のお茶目な天狗、射命丸文が引き続きお送りいたします!いたた・・・ちょっと!空き缶を投げたのは誰ですか!!
あ、今までの対戦の様子についてはこちらをご覧下さいね。大会ルールの説明もこちらでしているので要チェックです!
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1270841173&log=61
さて話を戻します。
妖夢選手も決して弱くはありませんが、一回戦にして絶望的にそびえ立つのはフランドール選手との圧倒的な実力差!勝機を見出す事はできるのか!
「さーて、消化試合消化試合。優勝して『カリスマ』ってのをもらうぞ~!」
「勝てるかは分かりませんが・・・幽々子様のわがままを治してもらうため、精一杯頑張ります」
さぁ試合開始・・・と共にフランドール選手が何も考えずに全身からド派手な妖気を大放出して全方面攻撃!これは凄まじい力だ!!
一方妖夢選手は白楼剣で結界を形成して何とか蒸発を防いでいますが、その結界もあまりの妖気の強さに今にも破れそうです!
「ようむ~がんばれ~・・・むしゃむしゃ」
・・・幽々子選手、お団子を食べながら大声での応援は控えて下さい。マナーに反しますので・・・。
「どうしよう・・・このまま防戦一方でもいずれ持ちこたえられなくなるし・・・一か八か、やるしかないか」
お、妖夢選手が動きを見せました。
相変わらず白楼剣で攻撃を防ぎ続けたまま楼観剣を抜いて・・・投げた!?妖夢選手、楼観剣をフランドール選手に向かって投げつけました!
・・・が、フランドール選手の放出する妖気に負けて届きそうにありませんね。
「行け・・・!!」
妖夢選手、更に半霊を突進させた!可哀想なのは半霊です!
ともあれ妖夢選手の半霊が楼観剣を後押し、フランドール選手に襲いかかる!
「ふぇ?わぁっ!?・・・あっぶないな~もぉ」
フランドール選手、すんでの所でこれを避けた!妖夢選手決死の反撃実らず!
「今だ!」
あぁっと妖夢選手、今度は攻撃が止んだ隙に持ち前の俊足で踏み込んで・・・斬り上げた!
これは妖夢選手伝家の宝刀、スペルカード、人鬼「未来永劫斬」!!ちなみに私はあの技が大っ嫌いです!
しかし妖夢選手が握っているのは短刀の白楼剣!これで十分な攻撃力を得る事ができるのか!?
とりあえず全段決まった!妖夢選手着地、フランドール選手はダウン!・・・さぁ、フランドール選手立ち上がるか!?
「い・・・・・・たいなあぁ!!」
フランドール選手すぐに立ち上がりました!妖夢選手渾身のスペルカード発動も戦局を覆す事はできなかったぁ!
むしろ逆にフランドール選手の逆鱗に触れてしまった模様、洋服以上に顔が真っ赤です!
さぁここからが怖いぞ、フランドール選手のターンです!
まずは怒りに任せて妖夢選手に滑空突撃!ものすごいスピードだ!
妖夢選手避けきれずに直撃・・・って、あれ?
「え」
フランドール選手、妖夢選手をすり抜けた!?勢いを止められずにそのまま場外へ突撃ぃー!!
「ってて・・・なんでよ~」
「フランドール・スカーレット、場外に着地したため敗北!誰に対してもわがままな態度はお説教です!」
ここで審判から裁きが下りました!フランドール選手、痛恨の場外負けです!!!
それにしてもどうして妖夢選手はフランドール選手の突撃をかわせたのでしょうか?
・・・ん?
今見てみるとリング上に妖夢選手がいません!
妖夢選手のいた場所にはただ半霊が浮いているばかり!!
「良かった、うまくいった・・・」
おおっ、妖夢選手が上から降りてきました!!これは一体!?
「未来永劫斬の後、着地したのは私の半霊です。私はずっと天井近くに滞空して待っていました」
つまりこれはもしやスペルカード、魂符「幽明の苦輪」!?
フランドール選手が突撃したのは身体のない半霊の方だったようです!
「おい~妖夢~試合終わったらツラ貸せよこの~」
こんな使い方もできるとは・・・私も気を付けよう・・・。
一回戦第五試合はまさかの逆転で魂魄妖夢選手の勝利です!
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続きましては一回戦第六試合、メディスン・メランコリー選手VS因幡てゐ選手!
え~手元の資料によると、てゐ選手は以前メディスン選手の毒に冒された事があるそうです。トラウマになっていなければ良いのですが・・・?
「また私の毒にやられに来たの?今度はもっと強い毒にかけてあげるわ」
「毒怖い・・・毒怖い・・・」
あちゃー、てゐ選手は完全に怯えきっています。実力を出せずに凶と出るか、慎重な試合運びで吉と出るか。
てゐ選手には気の毒ですが試合開始です!
お気付きいただけたでしょうか、毒だけに気の毒です。いたた・・・ちょっと!空き缶を投げたのは誰ですか!!
とかおバカな事を言っている間に、リング上は既に毒の霧で満たされています!
てゐ選手、あれは抵抗のつもりでしょうか、霧の薄い天井付近に顔を出そうとぴょんぴょん跳ねています。さすがにジャンプ力が高いですね。
あれ、審判さんは大丈夫でしょうか。審判さーん。
「話しかけないで下さい。吸わなければどうということはありません」
息を止めてるんですね。閻魔様の割に地味な対応です。
おや、てゐ選手のぴょんぴょんがだんだん低くなって来ております。
まぁ跳ねてるだけですから毒を吸って当たり前ですが。
あーあー、ついにうずくまってしまいました。
これでは戦闘続行不可能でしょう。
「因幡てゐ、戦闘不能とみなし・・・」
「スペルカード、兎符『因幡の素兎』!」
うわっ、てゐ選手いきなり立ち上がってのスペルカード発動!
突然の反撃に対応できず、メディスン選手直撃だーっ!
「きゃああぁぁぁ」
メディスン選手ダウン!あっという間の逆転劇です!!
「メディスン・メランコリー、戦闘不能とみなし敗北!毒の霧に私を巻き込むなんて言語道断です!みっちりお説教ですからね!」
審判さん、強がっていてもやっぱり毒は嫌だったんですね。
「ゲラゲラゲラ、あなたが鈴蘭の毒を使ってくるのは分かってるんだから、試合前に解毒剤くらい飲むに決まってるじゃない。ゲラゲラゲラ」
今度こそ試合終了です!
てゐ選手は嘘をついてメディスン選手の油断を誘っていた模様です。そんなこったろうと思いましたが。
会場でもほとんどの方が予想していたらしく、客席には「やっぱり」感が漂っております。
これは見抜けなかったメディスン選手の自業自得でもありますね。
一回戦第六試合はベタな嘘で因幡てゐ選手の勝利です!二回戦で魂魄妖夢選手と対戦することが決定、どんな嘘で乗り切るのか!
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一回戦第七試合はリリカ・プリズムリバー選手VSリリーホワイト選手の対戦です。
本大会中最弱の呼び声高いリリーホワイト選手に勝ち目はあるのでしょうか!
「そこら辺の雑魚妖精に毛が生えた程度の奴が相手なんてラッキー」
「大妖精、小悪魔、力を貸して・・・中ボス達の地位を向上させる力を!」
リリーホワイト選手、何だか重いものを背負っての出場のようです。
とりあえず試合開始です!
「さーて、さくっと終わらせるよ~。スペルカード、騒符『ソウルノイズフロー』!」
試合開始早々リリカ選手が余裕のスペルカード発動!このまま終わらせるつもりです!
リリカ選手の曲線的な弾幕にリリーホワイト選手、なす術もなくがんがん当たっています!
「な、なんて特殊な軌道の弾幕なの。こんなの私に避けきれる訳・・・いけない、ここで怖じけてはだめよ私!予選落ちした大妖精と小悪魔の為にも、優勝して私達中ボス同盟に立ち絵をもらうのよ!スペルカードも使えないし、私にできる事なんて、ただの弾幕を大量にばらまく事だけだけど、それでも私は弾幕を・・・あれ、意識が遠のいていく・・・」
えーっ、リリーホワイト選手、何やらぶつぶつとつぶやいている間にリリカ選手の弾幕を次々もらってダウンです!
「リリーホワイト、戦闘不能と見なし敗北!他人の迷惑を省みずただ弾幕を撒き散らして帰る態度はお説教です!」
自慢の弾幕を披露する前にここで試合終了です!これはつまらない!
うーん、やっぱり強弱入り交じった幻想郷で、いつも良い試合という訳にはいかないものなのですね。
よし、これを機にいかにもつまらなさそうな試合は、誠に勝手ながら私の休憩タイムとさせていただきます。しゃべり続けだと喉が乾いて・・・。
内容はともかく一回戦第七試合はリリカ・プリズムリバー選手の勝利です!
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お口直しの一回戦第八試合は紅美鈴選手VS鈴仙・優曇華院・イナバ選手!
両者それなりに名うての選手なので期待しましょう!
「名うて?こんな直線打撃バカなんてカモでしかないわ」
「好きな様に言いなさい!どんな小細工を使ったって、最終的に強いのは結局生の拳なのよ!」
「だからそれが打撃バカだって言ってるのよっ」
美鈴選手がバカかバカでないか、決着は試合でつけてもらいましょう!
「普通にバカって言うな、『打撃バカ』よ!」
まぁどっちでもいいですが試合開始です!
「打撃の力を甘く見るなぁーっ!」
美鈴選手、いきなり突進!・・・ですがむなしく宙を殴りました。
「あれ?」
「どこ殴ってるのよ、それは幻よ。私はこっち」
「そっちか、おりゃーっ」
「残念、それも幻なのよ」
「そぉい」
「こっちこっち」
「ていっ」
「鬼さんこちら」
「たぁーっ」
「そこには幻もないはずなんだけど・・・」
駄目です、美鈴選手完全に遊ばれています。本人だけは幻視にかけられている様ですが、私の目からは美鈴選手がシャドーボクシングをしているようにしか見えません。
めいりーん、うしろうしろーっ。
「ぜぇっ、ぜぇっ・・・ええいしゃらくさい!スペルカード、彩符『極彩颱風』!」
お、美鈴選手ついに拳を諦めてスペルカードでの全方位攻撃に切り替えました!
「きゃあっ・・・しまった!」
「見つけたぞ、お前が本物か!くらえ!スペルカード、華符『彩光蓮華掌』!」
「・・・で、そろそろ気が済んだ?そこ場外だけど」
「え?あれ?」
ださっ!美鈴選手、またしても幻めがけて突進、そのまま場外です!
「紅美鈴、場外に着地したため敗北!何でも拳で解決しようとする乱暴さはお説教です!」
「何でー?全方位攻撃したはずなのに~」
「幻視にかけられたあなたが全方位だと思っていても、外から見たらほんの範囲攻撃なのよ。後ろががら空きだったわ」
美鈴選手、幻に翻弄されて敗北、やっぱりバカだったようです。
「だから普通のバカじゃなくて打撃バカ~」
どっちも似たようなものです。
一回戦第八試合は鈴仙・優曇華院・イナバ選手の勝利、二回戦でリリカ・プリズムリバー選手との対戦が決定です!
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一回戦第九試合は霧雨魔理沙選手VS八雲紫選手!
魔理沙選手は一回戦で敗退するにはもったいない実力者ですが、相手は紛う方なき優勝候補、幻想郷の生みの母でもある八雲紫選手!
この圧倒的不利な状況を魔理沙選手はどう覆すつもりでしょうか!
「なー、ハンデくれよ。ハンデ」
「はぁ?何言ってるのよ」
なんとハンデをもらう交渉をしています!さすが魔理沙選手、発想がこすい!
「まともにやりあったって見てるお客さんもつまらないだろ」
「あっそ。まあ言うだけ言ってみなさいな。ハンデって何?」
「私が試合開幕でマスタースパークを撃つから、お前は微動だにせずにそこに立っといてくれ」
「それがハンデ?結界を張るだけよ?」
「お前の結界を私が破れるかどうかの戦いだ。それでいいだろ」
「別にそれでもいいけどね。あなたのレーザー如きで破れるほど私の結界は甘くないわよ?」
交渉が成立したようです。これが優劣に影響を与えるハンデとなるのでしょうか?
魔理沙選手がスペルカードの発動の準備を構えた状態で試合開始です!
「んじゃ行くぜ、動くなよ?・・・マスタースパーク!」
魔理沙選手、宣言通り開幕マスパぶっぱ!紫選手も約束通り一歩も動かず前方に結界を張りました!
「スペルカードはパワーだぜ」を自負する魔理沙選手のマスパは幻想郷随一の結界師が張る結界を破れるのか!
「あら、あなたのレーザーってこの程度の火力だったかしら?以前はもう少しマシだったと思うんだけど」
効いていません!魔理沙選手のマスパも紫選手の張る結界には歯が立ちませんでした!どうする魔理沙選手!
「スペルカード、彗星『ブレイジングスター』!」
あぁっ!?どういうことでしょう、マスパがまだ発射されているのに魔理沙選手は別のスペルカードを発動しました!
「見たか、これが新発明の改良版マスタースパークだぜ!魔力の塊をかかしとして置いておく事でマスタースパークをその場に残しながら自分は別行動を取れる、名付けてスペルカード、片想『未練がましいマスタースパーク』!なんてな」
魔理沙選手、ここに来て新たなスペルカードを披露です!マスパを残したまま威力たっぷりの突撃技を繰り出しました!
紫選手本人はマスパを防ぎ続けているため自らが張った結界から出ることができない!
これでこの本体突撃が結界を破ることができたら紫選手は直撃を免れません!
恐るべしスペルカード、片想「未練がましいマスタースパーク」!!・・・ネーミングセンスはどうかと思いますが。
さぁ魔理沙選手は紫選手の結界を破ることができるのか!魔理沙選手、箒に乗って一直線に紫選手に向かっていきます!
「何かと思えば、あなたって次から次へとくだらない事を思いつくのね。そういう所は少し尊敬するわ。でも突進は良くないわね、突進は」
「うわっ!?」
あれ・・・?これはどうした事でしょうか、魔理沙選手が結界とぶつかる前に忽然とリング上から消えてしまいました!
一体どこへ消えたのか!?
「魔理沙なら今頃自分の家よ。魔法の森まで送っておいたわ。あぁ、私は何て親切なのかしら」
これは・・・魔理沙選手の突撃に合わせて紫選手がスキマを開いて、そのまま場外まで放り出した・・・と解釈したらいいのでしょうか。
「まあそんな所ね」
「霧雨魔理沙、場外に着地したと思われるため敗北!色々あるのにお説教できない所が未練ですが・・・」
魔理沙選手、策を弄するも紫選手には叶わず!
一回戦第九試合は八雲紫選手の勝利です!
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一回戦第十試合は八雲藍選手VSルナサ・プリズムリバー選手です!
実力では圧倒的に藍選手が上!しかしルナサ選手には演奏という武器があります!
相手を鬱にして戦意を喪失させれば勝機はあります!
「悪いけど、すぐに終わらせるわよ。紫様の睡眠時間をちょっとでも短くするために、負けるわけにはいかないの」
「飼い主にストレスでもあるのかい?そういう人は鬱になりやすいんだ」
さぁ試合開始です!
まずはルナサ選手、やはり演奏開始!藍選手を鬱にすることはできるのか!
「させないわ!」
「うわっ」
ルナサ選手の演奏に対し、藍選手は弾幕で対抗!ルナサ選手は辛くもこれを避けましたが、演奏は中断させられてしまいました!
体勢を立て直してルナサ選手、再び演奏開始!・・・と、だがまた弾幕を避けるため中断です。これでは埒があきません。
「これじゃキリがないな。仕方ない、少しくらいの弾幕は我慢して演奏を続けよう」
ルナサ選手、覚悟を決めて演奏を開始しました!気のせいかお腹の奥にグッとくる音色です!
「スペルカード、式神『仙狐思念』!」
これに対して藍選手、スペルカードを発動!ルナサ選手はそれでも動かない!
藍選手のスペルカードを根性で耐え抜くことができるのか!?
藍選手の弾幕がルナサ選手に・・・当たった!耐えるか!?
あーっ、ルナサ選手耐えきれずにダウンしてしまいました!
「これはダメだな。ここまでダメージが大きいとは思わなかった。妖気の強さが違いすぎる」
「ルナサ・プリズムリバー、戦闘不能と見なし敗北!自分の鬱に人も巻き込もうとする態度はお説教です!」
ルナサ選手、残念ながらあっさりと敗北!演奏させなければ怖くないという騒霊三姉妹共通の弱点まで公にしてしまいました!
何はともあれ、一回戦第十試合は八雲藍選手の勝利、二回戦では奇しくも主の八雲紫選手と対戦することになります!
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一回戦第十一試合はメルラン・プリズムリバー選手VSアリス・マーガトロイド選手の対戦です!
アリス選手といえば言わずと知れた全力を出さない魔法使い、相手の力量を見切って適度に力を抑える戦い方をスタンスとしています。
これはきっと良い試合を見せてくれることでしょう!
「あなた達って三姉妹まとめて一人前なんでしょ?かなり力を抑えていかないとね」
「そんな事言ってていいのかしら~。人形遣いの弱点はしっかりリサーチしてあるのよ」
おやおや、人形遣いの弱点とは何でしょうか、これはまた楽しみです。
しかし弱点を言うなら騒霊三姉妹の弱点は前の試合で既に明らかになっています。何せ演奏の隙を与えなければいいのです。
そこの所をメルラン選手はどう切り抜けるつもりでしょうか。
さて試合開始です!
開幕と同時にメルラン選手はトランペットの演奏を始めました!
一方アリス選手は三体の人形を取り出して早速弾幕射出を開始です!
「そんなふざけた演奏を続けながら、いつまで人形達の弾幕をかわし続けられるかしら」
メルラン選手、アリス選手の弾幕をぎりぎりで避けながら演奏を続けています!しかしその表情には余裕のかけらもありません!
これは弾幕をかわし続けるメルラン選手が見事なのか、はたまたメルラン選手の実力を見抜いてぎりぎり避けられる弾幕を放つアリス選手が見事なのか!
ところでメルラン選手の演奏にはどういう効果があるのでしょうか。手元の資料には「躁」とありますが・・・何だかよく分かりませんね。
「それは私から説明するよ」
のわっ!ルナサ選手、いつの間に隣に!
「メルランの演奏は『躁』を担当してる。『躁』っていうのは『鬱』の逆で、一言で言えばアッパー系。メルランの演奏を聞いた者は次第に気分が高揚してしまうんだ」
気分が高揚する?それは悪いことではないのでは?
「そうでもないよ。過度の躁揚は心身の自壊を招くからね」
なるほど、ルナサ選手ありがとうございました。ではさっさと客席に戻ってください。
さて試合の方ですが、メルラン選手はアリス選手の絶妙な弾幕に少しずつ体力を削られているのに対し、アリス選手へはダメージを与えられていない模様です。
演奏の効果は出ていないのでしょうか?
「効果が出てきたみたいよ。目の色が変わってきたわ~」
おや、アリス選手に何が起こったのでしょう?人形から放たれる弾幕が止みました。
「人形遣いは人形を操るのに集中するあまり、精神が無防備な状態になるらしいの。その間は私達の演奏の効果が出やすいのよ~」
なるほど、それが人形遣いの弱点ですか。アリス選手、躁病に陥ってしまったか!?
「・・・くすっ」
ん?アリス選手?
「くすくす・・・うふふ・・・あっはははははは」
うあ、アリス選手が壊れた!?これがメルラン選手の演奏の効果でしょうか!
「何か普通と違う気がするけど、演奏の効果であることは確かよ~」
「きゃはははははははははははははははは」
こ・・・れは、戦闘不能でしょうか?
「ちょっとwwwww戦闘不能ってwwwwwwウケるwwwあややちょーウケるwwwwwwアリスちゃん全然戦えるしwwwwwww」
え、アリス選手おかしいですよ?メルラン選手、これが「躁病」なんですか?
「う~ん、これはちょっと・・・」
「何それwwwwwメルちん無責任すぎwwwwwマジウケる」
ま・・・まぁアリス選手がまだ戦うと言っているんだから一応試合続行ですよね?
「戦う戦うwwwwwwむしろちょー気分いいwwwwwメルちんは準備いいのwwwwwww」
「え・・・ええ・・・」
とりあえず試合続行です!壊れたアリス選手はどんな戦いをするのでしょうか!?・・・甚だ不安です・・・。
「あーお腹痛いwwwんじゃいくよ?いっちゃうよ?はい時間切れ!アリスちゃん、いっきま~す」
こ、これは!?アリス選手、大量の人形を取り出しました!!その数は五十にも及ぼうかという程です!どこに隠していたのでしょう!
これは激しい弾幕になりそうです!メルラン選手これは危ないか!!
「アリスちゃんパ~ンチ」
「のごっ!?」
殴りました!人形を一切使わずに己の拳で殴りました!
「アリスちゃんキ~ック」
「ぐぇっ!?」
これは新ジャンル、見てるだけ人形!多分これなら私にもできる!
「アリスちゃんコブラツイスト~」
「いだ、いだだだだ、ギブ!ギブ!!ギブです、審判さん止めて!」
「え、ああ、メルラン・プリズムリバー、戦闘放棄により敗北!徒に人の精神をかき乱す態度はお説教です!」
「いぇ~い、アリスちゃんってばスゴくない?強い and かっこいい and 器用! in 可愛い!!!まりさ見てる~?」
メルラン選手、アリス選手の引き出してはいけない一面を引き出してしまった為に敗北です!
一回戦第十一試合はアリス・マーガトロイド選手の勝利です!!
******************************
ではルナサ選手、鬱の演奏をお願いします!アリス選手を元に戻して下さい、早く!!
「無理だよ」
え、何言ってるんですか、戻してあげてください!
「メルランの演奏がここまで効いたのはアリスが人形を操作中だったから。今のアリスは人形を操作しないから心が無防備にならない。私が演奏しても元には戻らないね」
そんなぁ。じゃあこの危険生物をどうすればいいんですかっ!
「危険生物ってwwwwwこんなに可愛いアリスちゃんに向かってwwwwwwあややウケるwwwwwww」
「うーん、寝てる時にでも私が演奏すれば戻せると思うけど。少なくとも今日の試合はこのままだね」
えええええええ!!!
そ、そうだ、古明地こいし!アリス選手を無意識にしてもらえば、ルナサ選手の鬱の演奏も効きますよね!?
「え?あぁ。試す価値はあるかもね」
それだ!!すぐに連れてきます!
それでは皆さん、私はちょっと出かけてきますので、試合は続けていて下さい!
それまでCM!どうせ消化試合だからそれでいいでしょう!
では行ってきます!スペルカード、風符「天狗報即日限」!
「にとり電化の、にとりちゃーん
いつもにっこり微笑んで やってみますのにとりです
できませんと言う前に やってみますのにとりです
『なぁ、どこでもドア作ってくれよ』 『やってみまーす!』
『魔理沙に変なおもちゃ与えないでよ』 『やってみまーす!』
時には勇気がいるけれど やってみなくちゃ始まらない
やると決めたらどこまでも やってみますのにとりです
やってみます やってみます やってみます
やってみますのにとりです やってみますのにとりです
よ~りど~り に・と・り♪」
「アデリーペンギン原作のノンフィクション小説が、ついに映画化
主演・古明地さとりで送る、西行寺幽々子の人生
アリス・マーガトロイド、上白沢慧音、レミリア・スカーレット
彼女の悲しき運命に、全米が泣いた
『驚いた?これが私の本当の能力』
さくら地に降る 絶賛上映中
同時上映 蓬莱山輝夜の就職戦線異状なし」
「散歩 一日百万歩
あくび 一日六千回
三途 一日一往復
職は、何度もサボる
三途の船頭」
「こら小町!何を宣伝したいのか分からないCMなんて作ってる暇があったら働きなさい!!まったく・・・」
はい、ただいま戻って参りました!アリス選手はこいしさんとルナサ選手が控え室で治療中です。二回戦に間に合えばいいんですが・・・。
ええと、試合はというと・・・今手元に届いた資料を読みますね。
一回戦第十二試合レミリア・スカーレット選手VSリグル・ナイトバグ選手はレミリア選手の瞬殺勝利。
一回戦第十三試合ルーミア選手VS小野塚小町選手は、ルーミア選手が闇に身を包むも黒い塊の存在は丸見えで、なおかつルーミア選手は外が見えなくなったため、小町選手の攻撃をまともに受けて敗北。
・・・くだらない・・・見なくてよかった・・・。
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さてお待たせしました、これからはまた私、射命丸文が実況をお送りいたします!
可愛い私がいない間は大変寂しい想いをさせてしまい、申し訳ありません。いたた・・・ちょっと!空き缶を投げたのは誰ですか!!
とにかく一回戦第十四試合は上白沢慧音選手VS十六夜咲夜選手です!
満月がないこの会場では、実力だけで言えば咲夜選手が有利ですが、慧音選手にはその不利を覆すだけの知力があります!
「いくら頭が良くても、ナイフの雨を避けきれなければ勝てないわよ」
「そんな事よりそのナイフ、銀製なんだろ?」
「あなたらしくないわね。それがどうしたって言うのよ」
「別に。気にするな」
んー、いまいち意味が分かりません。ナイフが銀であることを利用して何かしようとしているのでしょうか?
慧音選手の意図がつかめませんが試合開始です!
「勘繰っても仕方ないわね。あなたがどんな作戦を考えているのか、このナイフに聞いてみるわ」
慧音選手の言葉に対して何の不安も抱いていないのか、咲夜選手いきなり惜しげもない弾幕です!
何本ものナイフが投網のように慧音選手へ襲いかかります!慧音選手、一体何を見せてくれるのか!
「行くぞ・・・!」
え・・・何もしません!慧音選手、ただナイフ弾幕を避けているだけです!しかもかなり必死だ!
「何のつもりよ」
咲夜選手の問いにも答えず、慧音選手はひたすらにナイフを避け続けています!
それでもナイフを投げ続ける咲夜選手。そして何一つ反撃せず、一言も発せず、避け続ける慧音選手。
・・・。
だあーっ!つまらん!何か!何か動きを見せてください!
「・・・」
お、咲夜選手がナイフ投げを止めました。ようやく動きが出るのでしょうか。
そしてナイフを手に、一足飛びに慧音選手目掛けて飛び込んだ!
咲夜選手の一閃に対して慧音選手、身を後ろへ反らせて紙一重でかわした!
間髪入れずに第二撃、三撃と容赦なくナイフを振り回す咲夜選手!
慧音選手はその猛攻を全てかわしきるも、反撃の機会を掴めずにいます!
しかも一歩また一歩と後退してついにリング端まで追い詰められてしまった!
このままなすすべなく敗れてしまうのか、それとも何か秘策を隠しているのか!
「これで終わりよ」
咲夜選手、とどめのナイフを突き出した!
それに対して慧音選手、背を向けて腰を落としました!
これによって咲夜選手の攻撃をかわして・・・っと、これは!?一本背負いの構えか!?
最後の最後で反撃に転じました!場外への一本背負いは起死回生の一手となるか!?
慧音選手、咲夜選手が突き出した右腕をがっちり掴ん・・・で・・・?
「何?」
おぉっとー!しかし咲夜選手は既に一歩後ろに引いている!時間を操る咲夜選手ならではの身のこなしです!
「そんな事だろうと思ったわよ。スペルカード、奇術『エターナルミーク』!」
「うわっ!」
至近距離からのナイフ弾幕に、慧音選手思わず身を引いて自ら場外へ離脱!これは勝負ありました!
「上白沢慧音、場外に着地したため敗北!考えばかりを先行させる態度はお説教です!」
それにしても咲夜選手、最後は慧音選手の一本背負いをよくかわしましたね。
「途中で作戦が読めたのよ。実力差を覆して勝利するには相手を場外へ追いやるのが一番簡単で現実的。それはフランドール様と妖夢の試合で証明されてるわ。最初に銀の話をしたのは恐らく、私にナイフの値段を意識させるため。弾幕戦では試合が長引いてナイフがもったいないと思わせて、早く接近戦に持ち込みたかったのでしょう」
「おおよそその通りだ。お前を甘く見ていたな。もう少し作戦を練るべきだったよ」
「あなたの作戦は良くできてるけど、奇抜性がなくて読みやすいのよ。性格が出てるわね」
「ふん、言ってくれるな」
なるほど!そうやって見ると結構いい試合だったんですね。
一回戦第十四試合は作戦の読みあいを制して十六夜咲夜選手の勝利です!二回戦で小野塚小町選手との試合が決定しました!
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うーん、一回戦の残り二試合はどう見ても消化試合ですが・・・アリス選手のごたごたのため少しCMを挟みすぎましたので、一応実況することにします。
一回戦第十五試合は博麗霊夢選手VSミスティア・ローレライ選手です!
「ちょっとくらい試合を長引かせてみた方がお客さん想いなのかしらね」
「と~しのは~じめのためし~とて~」
ミスティア選手、のんきに歌っていますが勝算でもあるのでしょうか?
「こいつはいつもこうよ」
そんな事を言っている間に試合開始です!
「スペルカード、鷹符『イルスタードダイブ』!」
ミスティア選手の開幕スペルカード!「鷹符」にしてはゆったり弾幕です!
「はぁ?今更そんなの当たる訳ないじゃない」
霊夢選手、ゆらゆらと弾幕をかわしています!まぁ当然といえば当然の結果!
・・・あれ、停電ですか!?突然会場が真っ暗になりました!!
「あ、ごめんごめん。さっきのスペルカードで会場の照明壊しちゃった。全部」
「ちょっとあんた、何て事してくれんのよ!」
これは誤爆か作戦か?ミスティア選手、開幕スペルカードで会場の照明を破壊しました!
何とも迷惑ですが、会場のセットを破壊したら反則というルールもありませんので試合は続行です!
弁償は試合後にしてもらうとして、ともあれ窓のない室内で照明がなくなり、会場に残る光は客席にいるリグル選手の光のみ!
これが本当の蛍の光窓の雪!
蛍の光でうっすらと試合は見えますが、鳥目の人には大ピンチか!!
「だから私は鳥目じゃないってば!」
誰も霊夢選手の事だとは言っていません!
「スペルカード、夜盲『夜雀の歌』!」
うあっ、ミスティア選手が次の行動に出ました!
これは人の視力を奪って鳥目にする効果です!元々暗くなった会場でこれは暗闇決定打!
かく言う私も試合がさっぱり見えなくなってしまいました!
「スペルカード、鳥符『ミステリアスソング』!」
「ちょ、ちょっと待って」
そんな完全暗闇の状態でミスティア選手三枚目のスペルカード!これで決める気か!!
しかし百戦錬磨の霊夢選手、このまま黙っている訳が
「ぴちゅん」
え。
ええええええ!その音は霊夢選手まさか!!
「博麗霊夢、戦闘不能とみなし敗北!己の欠点を認めようとしない態度はお説教です!」
何やってんですか!!
霊夢選手、鳥目を徹底的に攻められてまさかの一回戦敗退!
「だから私は鳥目じゃないと何度も・・・」
こんな負け方をしてまだ言いますか!!
「うるさい!あんただって見えてなかったんでしょうが!!」
鳥目さんの言い訳は放っておきましょう!
一回戦第十五試合は雑魚妖怪のミスティア選手が主人公を敗る大金星です!!
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一回戦最終試合はレティ・ホワイトロック選手VSパチュリー・ノーレッジ選手!
一回戦の最後を飾る試合としては何だかパッとしませんが、これも組み合わせの妙でしょう。
「『冬の忘れ物』・・・ねぇ。室内で戦えるの?」
「まぁそれなりにねー」
何と緊張感のないやり取りでしょう。しかし実際、レティ選手がどんな戦いを見せるのかちょっぴり楽しみだったりします。
ほんわか空気の中、一回戦最終試合開始です!
「楽しみにしてる人もいるみたいだし、早速行くわよー」
おや、雪ですね。寒気を操るレティ選手、室内に雪を降らせました!ミニスカートには正直うざったい技です!
「何これ、雪の弾幕?確かに上から降ってくるのは避けにくくはあるけど・・・スペルカード、火符『アキバサマー』!」
レティ選手の雪弾幕に対してパチュリー選手、全身から炎を射出!次々と雪が解けていきます!
「これだけで済むのよね。さて、雪は全部解けたわよ。次は何を見せてくれるの・・・って、あちち!!」
え?パチュリー選手、どうかしましたか?
「分かんないけど・・・皮膚が熱いんだか痛いんだかとにかく何か苦痛!」
「ふふふー、あなたが雪を解かす事くらい予測済みよー。だからさっきの雪には仕掛けがあったの」
ほう。レティ選手、なかなかやるじゃないですか。で、その仕掛けとは?
「酸性雪って知ってる?酸性雨の雪バージョンなんだけど。その酸性をめちゃくちゃ強くしてみました。どんどんいくわよー」
レティ選手、酸性雪を追加!パチュリー選手に防ぐ術はないのか!
「無い訳ないでしょ。そこまで説明されたらさすがに対処法の一つや二つあるわよ普通に。スペルカード、水符『プリンセスウンディネ』!」
パチュリー選手、今度は逆に大量の水を召還!酸性雪を溶かしていきます!
そしてその大量の酸性水の矛先は当然レティ選手!!
「うきゃ~」
「レティ・ホワイトロック、戦闘不能とみなし敗北!幻想郷の住人でありながら誰からも興味を持たれない存在感の薄さはお説教です!」
審判さん、それ言っちゃだめ!!
一回戦最終試合はパチュリー・ノーレッジ選手の勝利!二回戦でミスティア・ローレライ選手と対戦です!雑魚相手ばかりでうらやましい!
さあ、以上で一回戦は終了です。
一回戦でありながら多くの実力者が姿を消しました。
萃香選手、妹紅選手、幽香選手、フランドール選手、魔理沙選手、霊夢選手・・・。
彼女たちの意志を引き継ぎ、優勝の栄冠を手にするのは誰なのか!
二回戦も見逃せません!
それではまた次回お会いしましょう!!
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続く
殿下の宝刀→伝家の宝刀。
霊夢がまさかの一回戦敗退!! みすちー凄いよ。
三姉妹は残りがリリカのみか、確かに精神を操るには仲間の援護が不可欠ですね、三人揃って一人前は言い過ぎだと思うがw
あと、慧音にはもう少し頑張って欲しかったなぁ、満月ならEX中ボスの実力を発揮できたのに……勝負は時の運ですね。
二回戦が楽しみ!
アリスも気になるけど、チルノ……可哀想にw
弾幕勝負に弱いからとか、腕力や妖力がたいした事ないからといって、それだけで単純に実力の評価はできないですよね。
弱小妖怪だと思ってたら、メッチャ強かった!! みたいな事もあるだろうねぇ。
なんか次あたりロリスになって出てきそうな予感。
自信満々だったのにwww
こういう戦いだと相性とかもあって、予想もつかない結果になって面白いです。
霊夢戦なんか実際にありそうで笑かしてもらいました。
あと、リリーーーー!!もうちょっと意地を見せろーーーー!!!!
けーね戦はてっきりひたすら銀のナイフを投げさせて、後ろではもこたんがナイフを一生懸命拾ってて二人の結婚資金にするもんだと思ってたwww
私もアリスがロリスになって欲しいですね。ロリスは可愛いから萌え殺し的な
応援してたのにぃ。
家に連れて行って手当てしてあげるからルナサ貰ってくね
誤字報告ありがとうございます
意外と続きを待ってくれている方がいたんですね。ありがとうございます。
今、二回戦の第四試合を書いてます。
本当に非に出てないキャラ・・・というか、特殊能力のないキャラは書くの大変です。輝夜とかその筆頭で・・・。
二回戦で「え、輝夜ってこんな戦い方するの?」ってなると思うので、今のうちに謝っておきます。どうしても永琳とはガチで戦ってもらいたかったので仕方なく・・・。
ロリス把握。元ネタ知らないから自信ないけど。
敢えてぐぐらず、「ロリス」という言葉から自分流に解釈して書くことにします。
期待させてしまうとあれなので、一つだけ次回予告しておきます。
チ ル ノ は 蒸 発 し ま す
悪しからず。