幻想郷の上空を、二人の人間が箒に乗って飛んでいく。今の時刻は深夜0時。辺りは静まり返り、聞こえるのは風が木々を揺らす音のみだ。
魔理沙は、涼しい風を割りながら箒の前側に乗っていた。
「いやぁ、夜の散歩は最高だな、霊夢!」
言いながら、軽く顔を後ろに向け、口元に笑みを浮かべる。
霊夢は、不機嫌そうな声で答えた。
「何よ、夜遅くに人を叩き起こしにきたと思ったら、散歩に誘いに来ただけ?」
「そうさ、たまにはいいだろ?こんなのも。」
魔理沙は、後ろに乗っている人の表情を想像し、楽しそうに苦笑した。
幻想郷の夜は暗い。見渡す限りの景色が、とっぷりと黒に浸かっている。だから、強い光だけでなく、弱々しく、しかし暖かみをもった光もまた、はっきりと見える。
下を見れば、そこには人里があった。人里の家々から出る大人しい光には、ろうそくの光を思わせる揺らぎと落ち着きがある。
空を見上げれば、そこには月がその存在を誇らしげに示していて、他の星は、それを優しく包んでいるように見えた。
そんな景色が周りを流れていくのを、二人は眺める。
「でも・・」
霊夢が小さく言葉をこぼす声が聞こえた。
「きれいね、すごく。」
「ははは、そうだろ?さすが魔理沙さんのアイデアは最高だな。」
「まったく、すぐ調子に乗るんだから。」
霊夢がくすりと笑う。二人の口から自然と笑い声が出る。
それから、いろんな他愛のない話をしながら、時間を過ごした。
宴会で酔って大暴れした話。闇鍋に死ぬほど唐辛子を入れた話。神社の階段を転げ落ちて妖精に爆笑された話・・・。
・・・もうすぐ着いちゃうのね。
霊夢は、この時間がもっと長く続いてほしいと思った。このまま、ずっと、二人でいたいと・・。
「・・・魔理沙、少し寒いわね。」
「ん、そうか?じゃあ、少し高度を下げて・・」
言い終わる前に、霊夢は魔理沙を後ろから強く抱きしめた。
「・・寒いわ。」
霊夢がつぶやく。
「・・そうだな・・」
魔理沙は帽子を被りなおす。
「・・寒いぜ。」
どうも照れくさくなって、わざとらしく身をふるわせてみた。
魔理沙は速度を落とす。後ろに感じる、この小さな温かみが、夜空に散ってしまわぬように。
この時間が、少しでも長く続くようにと・・・。
魔理沙は、涼しい風を割りながら箒の前側に乗っていた。
「いやぁ、夜の散歩は最高だな、霊夢!」
言いながら、軽く顔を後ろに向け、口元に笑みを浮かべる。
霊夢は、不機嫌そうな声で答えた。
「何よ、夜遅くに人を叩き起こしにきたと思ったら、散歩に誘いに来ただけ?」
「そうさ、たまにはいいだろ?こんなのも。」
魔理沙は、後ろに乗っている人の表情を想像し、楽しそうに苦笑した。
幻想郷の夜は暗い。見渡す限りの景色が、とっぷりと黒に浸かっている。だから、強い光だけでなく、弱々しく、しかし暖かみをもった光もまた、はっきりと見える。
下を見れば、そこには人里があった。人里の家々から出る大人しい光には、ろうそくの光を思わせる揺らぎと落ち着きがある。
空を見上げれば、そこには月がその存在を誇らしげに示していて、他の星は、それを優しく包んでいるように見えた。
そんな景色が周りを流れていくのを、二人は眺める。
「でも・・」
霊夢が小さく言葉をこぼす声が聞こえた。
「きれいね、すごく。」
「ははは、そうだろ?さすが魔理沙さんのアイデアは最高だな。」
「まったく、すぐ調子に乗るんだから。」
霊夢がくすりと笑う。二人の口から自然と笑い声が出る。
それから、いろんな他愛のない話をしながら、時間を過ごした。
宴会で酔って大暴れした話。闇鍋に死ぬほど唐辛子を入れた話。神社の階段を転げ落ちて妖精に爆笑された話・・・。
・・・もうすぐ着いちゃうのね。
霊夢は、この時間がもっと長く続いてほしいと思った。このまま、ずっと、二人でいたいと・・。
「・・・魔理沙、少し寒いわね。」
「ん、そうか?じゃあ、少し高度を下げて・・」
言い終わる前に、霊夢は魔理沙を後ろから強く抱きしめた。
「・・寒いわ。」
霊夢がつぶやく。
「・・そうだな・・」
魔理沙は帽子を被りなおす。
「・・寒いぜ。」
どうも照れくさくなって、わざとらしく身をふるわせてみた。
魔理沙は速度を落とす。後ろに感じる、この小さな温かみが、夜空に散ってしまわぬように。
この時間が、少しでも長く続くようにと・・・。
作中の他愛のない話の詳細をぜひかいてほしいです。
ありがとうございます。なるほど、やはり短すぎましたね。次回書くとしたら、もう少し長くしたいです。
励みになりましたXD
名前が無い程度の能力さん>
なるほど、他愛のない話の詳細ですか。分かりました。色々考えてみます。
コメントありがとうございました!
やさしい時の流れを節々に感じました。
次回作も期待したいと思います。
ただ、少し短くて物足りない気もする。
おぉ、ありがとうございます。筆が遅いので、次回作はいつになるか分かりませんが、がんばろうと思います。
こめんと感謝です!:D
やはり短いですね。次回はもっと長くできるよう、精進したいと思います!かつ、雰囲気は変えないで、大切にしたいと思います
ありがとうございました
他の方と同じく、この雰囲気が凄く好きです。
次回作も待ってます!
ありがとうございます。絵の依頼があったので、次回作は遅くなりそうですが、みなさんのコメントを励みに頑張りたいと思います!
名前が無い程度の能力さん>
ありがとうございます。コメントの短さが面白くて、思わずにやけました