Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

表情

2010/12/10 19:24:47
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突然だが、私は表情がすぐに顔に出るとよく言われる。
自分自身は何時も無愛想で渋い表情を作っているつもりなのだが、何故かそうとは見られないのだ。確かに嬉しいときは意味もなく上質なお茶を淹れたり、楽しいときは湿気た煎餅を炙り直したりはする。しかしながらそれは表情と言うよりもむしろ仕草と言うべきだ。それでも周りが言うには私は考えていることがかなり顔に出ているらしい。あの魔理沙にすら言われるほどだ。曰く、

「お前はホント分かりやすくて助かるよ。アリスなんか全然表情が分からなくてさぁ、苦労するんだぜ?」

だそうで。そのときは一緒に居た紫にあなたはアリスに呆れ以外の表情をさせたことがないだけでしょうと言われてへこんでいたが。

アリス。
アリス・マーガトロイド。

思えば、彼女は何時も澄ました顔をして自身以外に興味はないと言いたそうな雰囲気を纏っている…ように見える。それ以上はなく、私自身あの子の無表情とか余所行きの笑顔以外全く見たことがない。…あと面倒そうな顔なら見たことあるかも。
初めて会ったときはともかく、春冬異変や宴会騒ぎ、永夜異変など弾幕ごっこを講じていたときでさえそれは変わらないもので。大概は私の勝ちだったけれども、負けたにも関わらず彼女は絶えず余裕のある表情を浮かべ、こっちなんか眼中に映ってないというような空気を纏わせていたのを覚えている。
まるで人形のように動じない彼女。あまりにも変化が無いからまさかそういう表情意外知らないのだろうか?なんて思ったりもしていた。
少なくともちょっと前までは。





それは昨日の夜、理由も無しに突発的に開かれた大宴会でのこと。
何時もの宴会と何ら変わらず呑んで食べて騒いでいた訳なのだが、その日に限って運悪く鬼二人の呑み比べに巻添いを食らい、結構な量を飲まされてしまったのだ。何とか針を数十発刺して脱出したのはいいが、足元が覚束ず、視界がぼやけてなんだがいい気分で…まぁなんというか悪酔いしたわけだ。そんな熱に浮かされまともな思考ができない状態のまま境内を歩き回っていると…突然視界に光るものを見つけた。
それそのものが光っていたわけではない。滑らかそうで傷一つ見当たらない金糸と柔らかそうで、汚れ一つない白い肌が月の明かりを帯びて、まるで光っているかのように見えたのだ。多分、酒が起こす錯覚だろうと頭のどこかで考えて、私は意味も無くその輝きを放つ彼女の隣に腰掛けた。

「アリスー呑んでるー?」
「ええ、楽しめる範囲でね。どうしたのあんた、何時もより酔ってるじゃない」
「そんなことないよぉ、…私は至って素面ー」
「…大方、萃香にでもつき合わされたんでしょうね」
「そんなことどうでもいいの!あんたも呑みなさい!」
「ええ。そうね」

私の振りに微塵も動じず、己のペースを守ったままちびちびと飲む彼女。まるでどうでもいいみたいな気だるそうな視線を向けてくる。その瞳には私なんか全く映っていないようで、何故か私はそれにむっとしてしまった。

「むぅ、アリスが冷たい」
「物理的にね」
「構ってよ!」
「全く、酔っ払いになるとあんたも他の連中と変わらないわ」

心底鬱陶しそうにため息を吐きながら、まるでどこぞの氷精や蛍などと同じように…つまり子供のように扱ってくる彼女を見ていると、無性に腹が立つ…いや、寂しさを覚えるのかもしれない。酒に酔った思考が暴走を起こしたのか、はたまた酔いが回って本心が露出したのかは知らないが、とにかく彼女の瞳に映りたくて、映して欲しくて、ぐいぐいと彼女に擦り寄っていく。

「アリス…あんた私のこと嫌いなの?」
「酒ってホント怖いって今のあんたを見てると分かるわね」
「はぐらかさないで私の質問に答えてよ!」

どうせ酔いが醒める頃には何も覚えていないだろうから、ガンガン突き進んで行く。すると彼女の表情も段々と変化して行く。…悪い方向に変化している気がしないでもないが、澄ました表情しか知らない私にとっては新鮮で気にならなかった。

「どうなの?私のことどう思ってるの!」
「霊夢酔いが酷いわ。どきなさい、寝室まで連れて行ってあげるから」
「うあー!」
「………」

心底面倒そうであきれ返った表情を浮かべ、じとーっと睨んできたが多少酔っている為か迫力は感じなかった。しばらくして無言になる彼女。もしかして私が寝てしまうのを待っているのだろうか。だとしたら絶対に寝て溜まるか!何故自分がこんなに必死になっているのかなんて気にも留めず、自身の膝小僧に爪を立てひたすら眠気を掃き続けた。

「…」
「すぅ…」
「…」
「……はっ!ぐぬぬ」
「…ホント頑固よねあんた」
「およ?」

突然腕をグイっと引き寄せられてより密着する形になる。横目でちらと顔を見やれば酒とは少し違う赤みを帯びた表情が見えた。あんな恥ずかしいことを言っておいて今更だがこちらもつられて顔が赤くなってくる。…って、あれ?

「そんなに聞きたいなら教えてあげる。いいこと?一回しか言わないから心して聞きなさい」
「あ、あの」

なんだろう、ほとんど真っ白な顔しか見たことないのに、顔真っ赤。

「覚悟はいい?」
「えっとその」

あ、耳赤い。瞳が近くてちょっと潤んでて。カクテルでも飲んだ?吐息…甘い。

「あんたのこと」
「うそ…」

不意打ちもいいとこだろう。酒呑んでるんだから当たり前だとは思うけど、赤くなって、そんな表情…可愛い表情…初めて見せられたから…。

「…………分かった?」
「も…だめぇ」
「…え」

限界を超えた頭が急に後ろ向きにグラインド。さっきまで視界に入っていた彼女が抜け落ちて、続いて夜の星空がピントぼけしながら広がって。

「霊夢!?」
「きゅう」

最後に心配そうに覗き込んでくる彼女の顔。…皮肉にも…また初めて見るその顔が決定打となって私の意識は闇に落ちた。





「原点って何!?」
「うおびっくりした!」
「…夢?」

…ん?ここは何処だろう?未だ開ききらない瞼を擦りながら周りを見渡すと、そこには何時もと何ら変わらない神社が広がっているだけだった。小鳥のさえずりが耳に心地よく、朝の日差しが眼に痛い。ついでに二日酔いの頭も痛い。うぎぎと乙女らしからぬ呻きを上げながら卓袱台の水差しを引き寄せ水を一気に飲み干す。水分が体中に行き渡り漸く眼が覚めてきた。

「漸く起きた?」
「あれ?」

それと同時に疑問が湧いてきた。ここは寝室ではなく居間じゃないか。私は昨日確かに…あれ?寝室に行った記憶がない。この布団は自分でひいたのか。あ、この水差し誰が置いたのだろう。…ふと気になって体を見ると、着ているのは寝間着ではなく何時もの巫女服のままだったが所々が苦しくないぐらいに緩められていて。

「んんん?」
「こら無視するな」
「…あ、魔理沙」

声のする方に目を向けると其処には魔理沙が居た。何時からそこに居たのかは知らないが、勝手に湯飲みと煎餅が出されてるあたり結構前から居たのだろう。取り合えず、陰陽玉を投げつけてから話を聞くことにした。

「どういうことか分かる?」
「いってて…。加減してって。どういうことって…お前」
「あー?」
「アリスが酔いつぶれたお前を介抱してくれたんだよ」

アリスが?急いでアリスを検索ワードに脳内の記憶ライブラリーを検索する。…確か、昨日、宴会で…そうだ。萃香たちに絡まれたんだ。それで結構な量を呑まされて、平和的に抜け出してきて…そのまま境内をぶらぶらと歩いて…その後…。

「駄目、思い出せない」
「はっはー、流石の霊夢もあいつらには叶わなかったか!」
「煩い頭に響く」

いきなり大声を上げるものだから二日酔いの頭にびりびりと響いて痛い事この上ない。とにかく、針を3本ほど投げつけて再び検索を再開する。
その後確か…あっ!そうだ、アリスが居たから何とは無しに絡みに行ったんだ。そのまま会話になって…あれ?一体何を話した?…駄目だ思い出せない。ただ覚えてるのは、あの澄ました顔と…赤くなった……か、お…?。

「…何赤くなってんの」
「…なんでも」

相変わらず何を話していたかどんな状況だったかなんて思い出せなかったけど、脳裏にはアリスの赤くなった表情だけが鮮明に思い出せた。朝っぱらから血圧が異様に上昇してしまう。…なるほど確かに私は感情が表情に出やすいのだろうな、なんて思うのだった。

「アリスと何かあったのか?」
「煩い」
「えっいきなり夢想封印は駄目でしょ!?…ひゃー!!」





魔理沙を追い出した後…つーかなんであいついたんだろ。まあいい。とにかく魔理沙が帰った後、私は一人頭を抱えて卓袱台に突っ伏していた。頭にはぐるぐるとアリスの赤くなった表情と心配そうな表情。思い出して恥ずかしくなって、頭を振って忘れようとして、また出てきて卓袱台をバンバン叩いて。そんなループを何回も繰り返していた。
…何時も澄ました表情、かぁ。ツンとした、辛さというより涼しさのある表情。それしか知らなかったのに、あんな、耳まで赤くして瞳を…あんな顔されちゃあ………って!!!!

「ああああもおおお落ち着け私ぃぃ!!!!」

ガツンと一発卓袱台に頭を打ち付ける。酷く痛かったけど、痛みよりも恥ずかしさの方で焼け死んでしまいそうだった。
…このままでは埒が明かない。忘れてしまった会話のことも気になるし、それよりも何故あんな顔をしていたのかが気がかりだ。彼女がああなるほどの話をしていたのか?一体どうすればこの恥ずかしさは消えるんだ…。黙々と考えた。お昼ごはんを食べることも忘れてただひたすらに考えた。その間に何回恥ずかしくなって一人発狂したのかは覚えていない。そしてそんな悪戦苦闘の末閃いたのは…。

「そう!アリスの他の表情も知ってしまえばいいのよ!」

自分でも流石と思えるほどの名案だと思う。どれか一つしか知らないから気になって恥ずかしくなるんだ!朱に交われば何とやら、という訳ではないが皆知ってしまえば怖くはない!
そうと決まれば即行動。緩んだままの服を着替え…ていうかこの服を緩めたのもアリスってことか。……あーもう行く前から赤くなってどうする!私だけ恥ずかしいなんてフェアじゃない。平等にあんたも恥ずかしくなってもらわないといけないってものだ。覚悟なさいアリス!!
…半ば焼けになりながら石畳を蹴り上げた。





…で、結局どうすればいい?
私としたことがとんだ誤算だ。勇みながら駆け出してきたのはいいが、どうやってアリスの表情を引き出すかなんて全く考えてなかったじゃないか!!これじゃ色々なことを含めて私一人だけが恥ずかしいじゃない!!

「どうぞ」
「…どうも」

しかしそんな葛藤を心の中で繰り広げても意味はない。だって目の前にはもうあなたがいるのだから。…思えば彼女の家に入るのはこれが初めてな気がする。人形みたいな彼女のことだから部屋の中もドールハウスみたいに無機質なのかと思っていたけど、そんなことはなかった。棚には様々な人形たちがずらりと並んでいるが、それを差し引いてもこの空間は年頃の女の子のように可愛らしい。おそらく自作であろう小さなマスコットが棚に飾られてあったり、カーテンにも可愛げなフリルがあしらわれている。お菓子など作るからだろうか、心なしか甘い香りが漂っているような気もする。

「それにしても…珍しいわね。あなたが、家まで来るなんて」
「そ、そうかしら?」

どこかぎこちない会話を繰り広げる。気のせいかは分からないが彼女も少し恥ずかしそうに身をよじっている…ように見える。…これは不味いな。よし、とにかく話を切り出そう、まずはそれからだ。ここは魔理沙を見習って多少強引に行かせて貰う。

「ア、アリス!」
「何?」

うっ…。こう、何時も話するときも前向いてるか本読んでるか人形見てるかしてるのに。今に限って目を合わせて、その上軽く首傾げられただって!?とんだ破壊力じゃないか。…落ち着け私、いくらなんでも首を傾げられたくらいで取り乱してどうする?これからもっと様々な表情を見る予定なんだから。ほら、もしかしたらこんなの普通、いや、親しい間柄ならこのくらい普通じゃないか。あれだ、私たちもある意味では小さな頃からの知り合いなわけだしこれくらいは、ね?…よしっ落ち着いた。さぁどうするか。いきなり笑ってとか泣いてとか言ったってただの変人だ。しかし昨日の話題を出すにはまだ心の準備が足りないし…ここは。

「この紅茶おいしいのね」
「あら、そうかしら?」

無難にお茶の話からだ。次にくだらない世間話をして、ごく自然な流れで会話を弾ませつつ宴会の話題からのあの話へのコンボだ。これなら勝てる!…これはちゃんとした作戦であって決して臆したとかそんなものではない!断じてない!

「ええ。私日本茶以外はあまり飲まないから、こういった甘さは新鮮でいいわね」
「あ、それなら日本茶もおいしいと思うわ?氷出しのお茶とか甘くてね」
「アリスって意外と甘党?紅茶にもミルク入れてるみたいだし」

よしよし、いい感じに会話が成立してきた。このままの流れで次に…いや、ここはもう少しこのお茶の話をして空気を和らげた方がいいか。

「そうだけど、いけない?」
「全然。あ、紅茶おかわりもらえるかしら」
「気に入ったの?」
「うん、これとってもおいしい。アリスってお茶淹れるの上手ね」

だけど、その判断が間違っていたと一瞬で思い知らされることになった。

「そうかな。でも悪い気はしないわ。…ありがと」

あ…。本当に薄くてすごく注意して見ないと分からない位の、けど今まで見てきた余所行きの笑顔なんかよりも何倍も、いや何千倍も魅力的な、明確な笑顔。…かわいい。
誰か褒めて欲しい。まともにそれを見て紅茶をこぼさなかった私を。
うっ、これ…すご、い。体中が沸騰して折角おいしかっ紅茶も胃の中から一気に蒸発したみたいで、全身の毛穴から汗が吹き出そう。もう手汗なんか凄いことになっている。心臓がバクバクして耳元を激しくノイズが駆け巡る。こんなの、ただの微笑一つでこれって…これじゃ満面満開の笑顔なんて見せられた日にゃあ…まず気を失うしかない。

「…霊夢?」
「あ、…えっと、何でも」

ぐぎゅっと擬音を上げる胸を何とか押さえつけながら、残った脳内回路をかき集めて必死に次の指令を飛ばす。何とか動揺を表に出さないように次の話題にシフトをするようにしなければ。…ええい何時まで脳内メモリにさっきの微笑を焼き付けているんだ私は!そんなおいしい表情さっさと心の中のメインメモリに格納してしまえ!…ふー、よし多分落ち着いた。脳内のレジストリを初期化させて次の話題に行こう。えっと、確か宴会だったかな。

「ね、ねぇアリス」
「どうしたの?」
「…宴会」
「え?」
「そ、そのっ昨日の宴会のことなんだけど」
「え…!」

ん?何かおかしなことを言ったのだろうか。確か宴会の話で良かったのでは?うん、ちゃんと宴会の話を切り出しているじゃないか、
昨日の宴会の話を。
……って、ええええええ!!!何をやっているんだ私は!宴会は宴会でもいきなりその話題に行ってしまうなんて!これじゃ他の話題振った意味が無いじゃないか!
内心頭を抱えてヘッドバンギングを繰り返しながらも何とかアリスに向き直る。すると其処には…。

「…」
「…あ、え?…うそ」

あの、赤面。今は酒なんて呑んでいない。だから顔が赤くなることなんてない。それは私も同じで、素面の正常な思考状態でまともにそんな顔を見るともう。う、まずっこれ、直視しちゃだめ。耳赤くて、瞳蒼くて水面みたいでキラキラしてて、俯き加減で困り顔で。脳裏に残っているそれと大差ない表情なのに。2度目だからまし…なんてことはない。や、2度目のほうがよっぽど破壊力があるような気がする。頭の中があのときの悪酔いみたいにぐるぐるとなって、気づいたらまくし立てるように言っていた。

「あ、あの宴会のとき私アリスに絡んだわよねあのとき何を話したのか全く覚えてなくてそれで今日あなたに聞こうと思って!」
「え、…あ」
「私変なこと言わなかった!?」
「あ、…覚えてないの?」

…あれ?一瞬表情が暗くなったような気がした。もしかしたら私はあの時とんでもないことを言ったか聞いたかしてしまったのだろうか。もしそうならそれはどんなことなのだろうか。重要なことなのなら聞いておかないといけないだろうし、ああでもとんでもないのなら聞くわけにもいかないし…うああもう一体何を話していたんだ私は!?まともな思考なんてとっくにオーバーフローしていて、機能不全のそれからは気の利いた言葉なんて出てこない。

「え、ええ?あの、アリスっ」
「……でも、うん。そう、ね…。あれだけ酔っていたんだもん。覚えていないのも無理ないか」
「え、アリス?」

あ、今度はこれ…呆れとも諦めともつかない不思議な顔。…諦観?一体何を思ったのか。まだ見たことのなかった表情、どちらかと言うと綺麗と言える表情。だけど、少し寂しさを覚えるそれは何故か見ていられなかった。

「ねぇ、霊夢」
「へ?」

一転、今度は何かを企んでいるような表情。…どうしよう、こんな顔も出来たなんてかわいい以外ないじゃないか。もう恥ずかしさに気が飛びそうだったが、まだアリスを見ていたいから何とか気を確かに持とうと踏ん張る。でもあなたはそんなことには目もくれず、これから悪戯でもしようかという雰囲気で口を開く。それだけでもまた鼓動が激しくなるのを感じた。
何が来るのかと身構える。だけど、彼女は何もせず、ただ心底楽しそうに何処か聞き覚えのある言葉をぶつけてきた。

「霊夢、あなた私のこと嫌い?」
「…はい?」

…え?なんだろうか。何処かで聞きた事のあるようなフレーズだが…ダメだ、おぼろげで思い出せない。しかしどうしていきなりそんなことを聞いてくるんだろうか。私のこと嫌い?ってそんなの、まるで遠まわしに告白されてるみたいじゃないか…って?告白?

「…ははっ。まさかね…って、え」
「霊夢?」
「えええええええええええ!?」

いやこれ普通に告白じゃないの!?私のこと嫌い?ってそんなの遠まわしに私のこと好きかって聞かれているようなものじゃないの!そんなの決まってる!私がアリスのことを嫌いな訳がないじゃないの!
…でも嫌いじゃないならどうなんだろうか?好き…になるのか?少なくとも彼女のことは魅力的に感じてはいるが、果たしてそれは好きと同じなのだろうか。それは少し違うのではないのか。しかし、だとしたら私は何故彼女の表情をもっと知りたいと思うようになったのだろうか。いや、それは彼女の恥ずかしがる表情しか知らないのが恥ずかしかったからであって…でもそれって彼女に興味がなければ思わないことだし…。興味があるってことはつまり普通以上の関心を持つ訳であって…。

「えっとその、何と言うか…」
「はぐらかさないで私の質問に答えてよ。どうなの?私のことどう思ってるの?」

つまり、私は…、アリスを。

「えっと、ごめんなさい」
「…」
「…頭がぐちゃぐちゃではっきりしたことは分からない」
「うん。そうでしょうね。そんな顔してた」

やっぱり私は分かりやすい奴なのだろうか。ああ、でも、ほんの少しだけど落ち着いてきてやっと分かったことがある。少なくとも、確信を持って言えること。

「でもアリス」
「うん?」
「私あんたのこと、嫌いじゃないわ」
「…そう」


ちなみに私が覚えてるのはここまでだ。
何故なら。
頬に見事な紅色チークを纏わせて、
真っ白な白い歯を見せながら、
ぱぁっと華が咲くかのように顔を綻ばせて、

「うん。ありがと、霊夢」

あんな表情をするから。

もしかしたら彼女への答えはもう持っているのかもしれないな、と思ったのはほんの一瞬の出来事だった。
あ、どんな会話してたか思い出したかも…でも、駄目…きゅう。



いかがでしたでしょうか。
私の脳内のレイアリ分が枯渇したので搾り出してみました。
とりあえずすまん魔理沙!

地の文が二転三転してるけど気にしない(気にしろ
こんなものですが楽しんでいただけたのであれば光栄です。
なるるが
http://sevenprismaticcolors.blog58.fc2.com/
コメント



1.奇声を発する(ry in レイアリLOVE!削除
ひゃっほーーう!!!!レイアリ分補給完了!!!
マジでありがとう御座います
2.名前が無い程度の能力削除
俺も…駄目…きゅう
3.名前が無い程度の能力削除
霊夢おちつけw
4.なるるが削除
コメがえし

>>奇声を発する(ry in レイアリLOVE!さま
うっひょーーい!!!!こんなものでも補給に繋がったのなら嬉しい限りです!

>>2さま
あなたの脳裏にも見えるはずです…!アリスの恥ずかしがる顔が!…え?見えない?ですよねー。

>>3さま
霊夢は原作ゲームで何時もどっしりと構えている分慌てるとかわいいと思うんです。ギャップ?
5.名前が無い程度の能力削除
うおおおおおい!
これは良いレイアリだ!
続いてくれるのか?
6.名前が無い程度の能力削除
GJ