「ちょ、そんな! いきなりすぎます!」
昨日までの疲れを癒そうとしていた門番は、
パチュリーにその行為を妨害された
「経験はあるでしょう?」
「そりゃ・・・ありますけど・・・相当前ですよ!?」
「咲夜が良くなるまでの間だからいいでしょ?」
「うぅ・・・」
もしこの話が成立すれば、私は一日中お嬢様のそばにいることになる
今の私がそのプレッシャーに耐えられるか?
それに、時を止められない私があの量の仕事をこなすのは無理だ
それ以前に、私がメイド長なんて・・・
***紅魔館 メイド長寝室***
今ではほとんど寝たっきりのメイド長の部屋のドアをノックする
「咲夜さん、お薬です」
「ありがとう、小悪魔」
相変わらず咲夜さんは顔色が優れない
今ではこうやって毎日薬を届けているが、
容態はむしろ悪くなる一方である
「今日はどうですか?」
「うーん、体はなんとも無いんだけど、気分が悪くて・・・」
いつも瀟洒だった咲夜さんが、今は弱々しい
パチュリー様が代理のメイド長候補がいるって言ってたけど・・・
誰なんだろう?
「それじゃあ、早く良くなってくださいね
お嬢様も心配してますし」
「ごめんなさいね、あなたにまで気を遣わせてしまって・・・」
「いつもお世話になってますから。いわゆる恩返しですよ」
「ふふ、そうね」
まだ笑う元気はあるようでほっとした
でもいつか、この笑顔が見られなくなると思うと心が痛んだ
***紅魔館 更衣室***
「きついです」
「我慢なさい」
少しカビ臭いロッカーから、さらにカビ臭いメイド服を取り出し、
やや無理やり身につけていた美鈴は、あまりいい気分ではなかった
「無理ですよぉ、いつの服だと思ってるんですか?」
「アンタそれ以上成長しないでしょうが」
「これだけ時間がたてばコンディション変わって当たり前です」
「つべこべ言わず着る!」
「う~・・・」
いやいや着替えながらも、美鈴はこのメイド服が懐かしかった
自分がかつてメイド長を勤めていたころの制服・・・
まだ着られる状態で保管されていたことが不思議だった
「んー、なかなか似合うんじゃない?」
「そりゃ自分の服ですから。動きにくいなぁ・・・」
「じゃ、後は頼んだわよー」
そう言うとパチュリーはそそくさと図書館へ戻ってしまった
むむ、がんばらなければ
***紅魔館 テラス***
「お嬢様、紅茶が入りました」
「あら、ご苦労様。また懐かしい格好ね」
「まさか今となってこの格好をすることになるとは思いませんでした」
レミリアは空の月を見上げながら紅茶をすする
「ん? この味は・・・」
早速何か言われそうな空気だ
「あなた、よく淹れられたわね」
「は?」
よく分からない言葉につい戸惑ってしまった
「当時のままの味よ。懐かしいわ」
「そ・・・そうですか」
とりあえず紅茶はどうにかなりそうだ
でも・・・なんでなまってないんだろう?
***秋の夜道***
やっぱり冬まで待つことなんてできない・・・
一刻も早くこの異変を解決したもらわないと・・・
月に照らされている夜道を息を切らして走ってゆくのはレティだった
レティはまだ初秋だというのにもかかわらず、紅魔館へと向かっていた
ここで邪魔が入ったら完全に不利・・・でも負けるわけには・・・!
「まだ冬までは長いのよ? 何をあせっているのかしら」
目の前に現れたのは穣子だった
「どいて頂戴。あなたにかまっている暇はないの」
「今は秋。まだあなたが来るべき季節ではないわ」
「そんなことは分かってるわ。でも大事な用事があるの」
この神様には何を言っても無駄なようだった
「冬はまだ先。それまで待てないというのなら追い返すまでッ!」
やっぱりこうなるのか・・・
穣子の周囲には何か巨大なオーラが現れている
擬音が聞こえてきそうだ・・・!
「レティ、テメェはここで裁くッ!」
「残念だけど、私も負けられるほど余裕は無いのよね」
相手の動きに注意しながら構えを取る
穣子は・・・なんだか不思議な立ち方をしている
腰を前に突き出すような、骨格を無視した立ち方だ
「いくぜオイ!!」
力強い掛け声にあわせて穣子の背後に瞬時に人影が現れた
あれは・・・!
間違いなくあの格好は静葉だった
だが体格が明らかに違う
アレは明らかにヤバイッ!!
「でも・・・!」
一瞬で相手の目の前に滑り込み、つかみ技をかける
しっかりと足と首をつかんだ手ごたえがあった
いける!
「大! 竜巻落とし!」
空中高く飛び上がり、そのまま相手の体を折るようにしてプレスする
「オラァッ!」
地面に着地した瞬間、静葉だったものが叫びと同時に右腕を構え、衝撃を無効化した
肝心の穣子は無傷で目の前に立っている
あれはまさか・・・
「ブロッキング!?」
「季節が季節でだいぶ弱ってるみたいね。もうあなたに勝ち目は無いわ」
そんな・・・!
激しい劣等感を感じながらバックステップで距離を置いた
「さて・・・一気に決着をつけるッ!」
穣子は右手を硬く握り締め、雄たけびを上げ始めた
一体何をするつもり・・・?
「オオオォォォォォォッ! シズハプラチナッ!!」
感じたことのある力が解放されたのを感じた
これは・・・十六夜咲夜の時を止める力・・・!
「ザ! ワール・・・」
「ファイエル!」
穣子が技を発動する直前に何者かに弾き飛ばされた
敵は左側の茂みの中へ飛ばされ、姿を消した
今度は誰?
「レティ、ここは任せるのだー!」
「ルーミア!?」
反対側の木々の中から聞こえたその声は確実にルーミアのものだった
「ルーミア! そいつは危険よ!」
「大丈夫だから、レティは早く紅魔館に行くのだ!」
悔しいが、ここは従うほか無い
それにルーミアもいくらか力を持っているようだ
少なくとも私よりは奴と張り合える
「ごめんなさい、ルーミア!」
レティは振り返らずに走った
飛ぶことができないのは苦痛だったが、それも気にしてはならない
ただひたすらに、紅魔館への道を走った
つづく・・・
話の続きを楽しみにしてます
でも、地の文が少々少なくてちょっと内容が判り辛いかな?
例
「オラァッ!」
「なに!?ブロッキング!?」
追加⇒だが、渾身の一撃は目の前の穣子の手により完全に防がれる
そして、レティの方を見つめて腰を落とし独特のポーズで指差した
こんな感じでもう少し地の文がほしいかな?
長文すいません、次も頑張って
ふおお、またもやアドバイスを・・・!
かつて先生にも言われました。
やっぱりその辺が勉強不足な様です・・・
応援してくださる方のためにも昇進したいと思います
感謝!