門番長になるためのマニュアル

『門番長マニュアル』

　それは、紅魔館の門番長になることを想定した
　マニュアル本であり、現紅魔館門番長である
　紅美鈴氏が手書きで描いた、いわば秘伝書である


　美鈴の部屋に来た魔理沙がその本を見つけたので　
「これ見せてくれ」
「別にいいですよ？」
　見ることになった









『前方から攻撃を受けた時』

　門番長の回答
「そうですね、相手が真正面から攻撃をしてきた場合
　できれば、回しうけで弾きます
　でも、弾幕ならまともに受けるしかないですね…
　あと、接近戦の一撃なら三戦（サンチン）の構えで
　相手の一撃を受けて耐え切る事も考えれます」

　例

「マスタースパークだぜ！」
「回し受け！」
　二発まで受け流しましたが右腕が吹っ飛びました…


「殺人ドール」
「回し受け！」
　時が止まってなかったら払えてました…


「めーりん！」
「まわし…（どふっ！）げふっ？」
　受けが通用しない！？
　三戦にてギリギリ耐え残る事ができました



『背後から攻撃を受けた時』

　門番長の回答
「背中の防御力は、真正面の７倍あるはずで
　そう簡単には、打ち砕けません…
　ですから、急所を守ると同時に攻撃に移れるように動きます」

　例

「…すやすや…」
「…眠ってしまいましたか…」
　背中からの妹様の一撃を耐えると同時に
　全身から気を発して相手の意識を刈り取ることに成功
　後は、ゆっくりと揺らしながらベッドに運ぶだけです　


「…ドラキュラクレイドル！」
「ごほっ！？」
　妹様ばかりお相手していたら、お嬢様が拗ねて突っ込んできました…
　当たった瞬間に前に飛んでいなかったら大変でした…
（なお、お嬢様もこの後、頭部に手を当てて
　気を発し続ける事で意識を刈り取る事に成功…
　最後まで攻撃の意志があったため、最後まで服を掴んだままでした）


『守りながらこちらから攻める時』

　門番長の回答
「守るだけが門番じゃありません…時には攻撃をする事も重要です
　その際には、相手の攻撃を避けて、時間を稼ぐ事が重要になってきます
　できれば、カウンターを狙う事も必要になってくるので
　攻守ともに優れた技を使いましょう」

　例　

「……咲夜さん？（怒り）」
「えっ？め、美鈴？…ちょ…あ～！？」
　微笑みながら真正面から真っ直ぐ進み
　逃げれないように優しく抱きしめます
　その後は？…勿論食べましたよ？

　
「あたいったら…」
「はいはい…（撫で撫で）」
　真正面から門を通ろうとしてきた妖精には
　御殿手（うどんでぃ）を使って
　捕まえてから頭を撫でていれば
　しばらくすれば、すやすやと眠りにつきます
　

『主とその妹が喧嘩した時（なだめて何とかなるとき）』
　
　門番長の回答
「あははっ…お二人とも仲良しなんですけど
　たまに喧嘩する時があるんですよ…
　その時に、屋敷が壊れると困りますから
　門番長はそれを止める権利があるんです」

　例

「レミリアお姉さま！私のケーキ返してよ～！」
「フランも！私の部屋の美鈴人形返しなさい！」
「う～！」
「う～！」
「お姉さまの馬鹿！」
「フランのわからずや！」
「スピア・ザ…（ぱしっ）はえっ？」
「レーヴァ…（ぱしっ）ふえっ？」
　
「紅魔有情慈愛拳！…お二人とも喧嘩したら駄目ですよ？」
「…はーい（ゴロゴロ）」
「…うん（ゴロゴロ）」
　右手でレーヴァティンをそらし
　左手でスピア・ザ・グングニルを捌き
　その後、二人とも抱きしめれば喧嘩は終わります
　その後は仲直りさせればＯＫです
（右手は焼け爛れて痛みますし、左手は一部吹っ飛びましたけどね…）


『主のその妹が喧嘩した時（怒らなきゃ駄目な時）』
　
　門番長の回答
「ごくごく稀に、屋敷が壊れるぐらいに大変な事があります
　その時は、残念ですが私も全力で怒る事にします」　

　例
「フランの馬鹿！」
「お姉さまのカリスマ無し！」
（ガシャ～ン！）
「あっ？門が壊れた」
「に、逃げるわよ！フラン！」

「…お嬢様…妹様（額に青筋）」
「「め、め～りん？」」

　はい、背中に『神人』と言う文字を出して
　お二人の頭に渾身の拳骨を入れます
　そして、お二人とものお尻を渾身の力をこめて叩きます
　その後、咲夜さんに引き渡して説教をしてもらいます



『命を賭けて主を御守する時』

　門番長の回答
「もう、そんなことする必要は無いと思いますが
　昔一度だけ、大変な事がありましたね…
　行き倒れ同然の私を、先代の紅魔館の主に救ってもらった
　時のことですけど…」

　一晩泊めてもらっていた時の事です
　その次の日の昼、都合でお屋敷から
　先代のスカーレットが居なくなった隙に
　吸血鬼狩りを得意とした人間達が
　大量に攻め込んできたせいで
　スカーレットの血筋が消えそうになった事があったんです
　一宿一飯の恩義を返すために
　その時に、妹様とお嬢様のお二人を鐘に隠して
　吸血鬼狩りの方々の攻撃を尽く耐え切った事がありました

「その後、夜になったので吸血鬼狩りの方々も
　諦めて帰っていったのですけど…
　私は血だらけになって倒れました
　…その後、気がついたら別のスカーレットの屋敷で
　目を覚ましまして…お嬢様に部下になってと言われましたね
　それ以来、私は門番長をしています」　
　
　よくわかりませんが、後になって
『紅魔立ち』とか呼ばれるようになったそうですけど
　まあ、今は誰も知らないですよね？　






　そして、本が閉じられた　
「…まあ、これだけできる人が居たら
　私も門番長の座を譲りたいのですけど…」
　門番長マニュアルを見せてもらった魔理沙が一言
「…こんなのできるのは、お前だけだぜ…」
　　
　どうやら、まだまだ門番長は変わる事が無いみたいです

　おまけ

　門番隊にもマニュアルがある
　その中に、応援歌と門番心得なるものが書いてある
　その二つをお見せしよう

　紅魔門番の生き様は！　
　色有！恋有！情け有！
　紅魔の門をひたすらに！
　守りて明日を魁る！
　嗚呼！紅魔館門番隊！
　屋敷の皆を魁よ！

　これが、紅魔館門番隊の応援歌である
　因みに、門番隊全員で組み体操をして美鈴を応援するのが
『紅魔館門番隊名物、真・背水の陣』である
　なお、これは弾幕では使われた事は無い

　門番心得とは

　紅魔館の先代のスカーレットが、自分の娘を救ってくれた際に
　血みどろになっても娘達を守ってくれた美鈴に対して送った歌である

『たった一夜の宿をうけ
　一夜で消えいくはずの名が

　旅の妖魔に助けられ
　たった一夜の恩返し…
　
　とうに力は尽き果てて
　一歩も倒れぬ紅魔立ち
　
　五体全身切り裂かれ
　されど倒れぬ紅魔立ち

　すでに気力は尽き果てて
　それでも倒れぬ紅魔立ち…』

　今でも、屋敷の古参の方なら
　この歌を知っている人がいると思われる