Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

チルノの異変~起~

2009/04/20 19:07:43
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その日、チルノはいつものように湖に居た。
そして、これまたいつものように大妖精がやってきた。

「チルノちゃーん」

「あ、大ちゃん」

二人は親友とも言える仲で、よく遊んでいる。
というより、チルノが遊んでいるその様子を眺めているというのが本当だが。
しかし、今日は勝手が違った。

「今日は何をしているの?」

大妖精が尋ねる。
いつもならば「カエルを凍らせて遊んでるの」か「みんなと遊びに行こう」と言うのがパターンである。

しかし…














「ちょっとね、いままで凍らせていたカエル達に謝ってたの。ひどいことしてごめんねって」













「えっ!?」






チルノらしからぬ答え。
以前ならば、カエルを凍らせてから

「ほらほら、こんな格好で凍っちゃうの!おもしろいよねっ!!」

と、大妖精に見せて大笑いするものだが。
今日は何かがおかしかった。

もちろん、生き物であるカエルを凍らせたり解凍したりして玩ぶ行為は褒められるものじゃない。
むしろ、命を使った許されない行為だと言える。
純粋なチルノは罪悪感とは無縁ともいえる性格をしており、それゆえに多少のいたずらは大目に見られていた。
しかし、今のチルノは多少なりとも罪悪感に苛まれている。

「ちょ、ちょっと。どうしちゃったの?いつものチルノちゃんじゃないよぉ」

「大ちゃん。あたいね、いままでの自分がどれだけ馬鹿なことして来たか。やっとわかったの」

「え、えええええ……」

大妖精は、いまにも泣き出しそうな表情をしている。
無理もない。いままでのチルノでは考えられなかった言動である。
すでに大妖精は、ここにいる人物(?)は、チルノの格好をした他人(??)であると。
そう思わずにはいられなかった。
その思考に、チルノはとどめを刺す。

「これからは、もっと自分の行動に責任を持って、大事に生きて行くよ」

「えええええええええええーーーー!!!!!!!!!」

これが引き金となった。
混乱した大妖精は、チルノがチルノで無くなってしまったと。
いままでのような、明るく。どこまでも純粋なチルノは消え去ってしまったと思った。

「わあああん!!いつものチルノちゃんじゃないよーーーー!!!」

「だ、大ちゃん!?どうしちゃったの?え、ちょっとどこ行くのー!?」

パニックに陥った大妖精は、どことも知れない明後日の方向に飛び去ってしまった。
チルノからすれば、大妖精の行動が分からないが、大妖精からすれば、チルノの言動。そして思考が分からなかった。



事の発端は、2日ほど前。

チルノが湖上空で魔理沙に遭遇する時まで遡る。


―――回想

「あたいのきょかなくここをとおろうとするなんて、いいどきょうね」

「お前の許可なんて必要ないだろ。というか、漢字を使え、漢字を」

魔理沙にとっては、いつものコース。
紅魔館に行くには湖上空を突っ切るのが最短ルート。
いつもならば、最高速度で通過するのだが、今日に限って

「天気がいいぜ。こんな日はゆっくり飛ぶのもいいかもしれないぜ」

と、低速でまったりと空中日向ぼっこを楽しんでいた…ところへチルノが登場したというわけだ。
ぽかぽか陽気の空気が一変。チルノによって肌寒い気温へと急降下したのだった。
おかげで、魔理沙の機嫌も急降下。

「あたいの最胸っぷりを診せてやるわ!」

「漢字が間違ってるぜ。お前のつるぺたな胸を触診する趣味はないぜ」

「うるさい!いっくよー。アイシクr…」

これまたいつものスペルカード。
正面安置の存在する穴だらけの弾幕。
チルノにとっては得意技だが、魔理沙にとっては気温を下げるだけの不快極まりない弾幕である。

「邪魔だぜ。それに私は今は虫の居所が悪いんだ!!」

日頃のストレスでも発散するかのように、全力でマスタースパークを放つ魔理沙。
それも、チルノに接近してからの砲撃である。
零距離とまではいかないが、超近距離であることに変わりはない。

「~~~~~~~~~~~っ!!」

言葉になっていない叫びを上げながら落下していくチルノ。
背中の氷で出来た羽根は、砕け散っていた。

ひるるるるる~~~~~~~~

「じゃあな。もうちょっと学習したら相手をしてやるぜ」

そう言って、魔理沙は紅魔館へと直行する。
その下、地面に落下していくチルノの頭の着地予定地には、ぶつけると非常によろしくない尖った岩があった。
さらに、間の悪いことに、チルノは無意識に受け身をとろうと頭をもたげた。
しかし、落下速度には敵わず、その体勢のまま地面に叩きつけられた。

ズドゥム!!

妖精は死ぬことはない。
そう、たとえ急所の後頭部にこれでもか!と尖った大きな岩が直撃したとしても。


―――回想終了







そのときの後遺症(?)が発症しているのだ。

もちろん、当のチルノに自覚症状はない。
もともと緩んでいた頭のネジが衝撃で締まったのか、それとも新しいスイッチが入ってしまったのか。
どちらにせよ、バカだの⑨だの言われ続けてきたチルノは、すでに存在していなかった。
「大ちゃん居なくなっちゃったし、しょうがない。みすちーの所にでも行こう」

私を覚えていてくださっている方には、おひさしぶりです。
知らない。初めて見たっていう方には、はじめまして。
何度か作品を投稿していましたが、ある時からぷっつりとネタが降臨しなくなってしまって。
今回はリハビリついでに書いてみた次第です。

続きっぽく書きましたが、続きものです。
短編を書く力が無いのか、文面にまとまりを付けるのが苦手なのかはわかりませんが。

4話完結あたりを目指しています。興味を持った方は少々お待ちになってください。
もちろん、いつものように指摘・酷評・意見等々、どんなことでも受け取ります。
ティファーリア
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
これはいけない。後遺症は深刻みたいですね。
じゃあ魔理沙の代わりに僕が触診しますね。
2.名前が無い程度の能力削除
続き待ってます!
しかし症状は思いのほか芳しくないようですな。ここはわたくしにチルノを預けていただいて(自主規制)
3.名前が無い程度の能力削除
大ちゃんの反応は正しいなwww
4.ティファーリア削除
コメント返しをしましょうかね。少ないけど。

1>大ちゃんの嫁を奪ってはいけませんよ。あぁ、医療行為なら無問題か。
2>だから、チルノは大ちゃんの嫁だと何度も…あぁ、教育ですね。それは慧音に任せてあげてください。
3>でしょ。たぶんこういう反応するんじゃないかなと。

読んで下さった方、コメントしてくださった方。ありがとうございます。
5.名前が無い程度の能力削除
チルノは大ちゃんの嫁だと?ゆるせる!
6.ティファーリア削除
5>そうです。嫁なんですから盗らないであげてくださいね。