幻想郷で人や妖怪が集まる所…
第一に挙げるとしたら博麗神社があげられる
だが、そことは別にもう一つ集まる所がある
「今日もいい天気ですね~」
紅魔館の門の前、そこも妖怪や妖精が集まる所になっていた
博麗神社が化け物みたいな妖怪が集まる所としたら
紅魔館の門の前は、1~2ボス達が平和に遊べる場所である
そのため、下手に神社に行くよりも安全に遊べるのである
そして、門の前に集まる理由は…
「美鈴、おはよう!御菓子頂戴」
「あっ?チルノちゃんおはようございます」
何より、面倒見が良い門番が居るからである
なお、意外な穴場なので、1~2ボス以外は
紅魔館の主達以外は知らないのである
「はい、チルノちゃん」
美鈴が遊びにやってきたチルノに対して
いつものように御菓子を手渡す
「わ~い!頂きます!」
チルノが美鈴から貰った御菓子を食べはじめた
「そういえば、数日間姿見なかったんですけど…」
美鈴の言葉を聞いて、チルノが話をし始めた
「(むぐむぐ…)えっとね…大妖精と一緒にレティの所に特訓に行ったの」
「特訓…ですか?」
聞きなれない言葉に美鈴が首を傾げると、チルノが頷いた
「美鈴から教えてもらったあれを、あたいがさらに最強にするための特訓!」
そして、チルノの夏休みの話が始まった
「レティから、避暑地に遊びに行かないかって手紙が来たから一緒に行く事にしたんだ」
「ひ、避暑地ですか?」
っていうか、レティさんは冬の妖怪だったんじゃ…という突っ込み美鈴は傍に置いておく
そんな美鈴に対して、チルノが御菓子を食べながら答える
「うん!え~と…リリーハウスって名前だったと思う」
「って、リリーハウスですか!」
思わず美鈴が突っ込みを入れる
だが、チルノはそんな美鈴を放っておいて話を続ける
「それでね、大妖精と一緒に行く事にしたんだ…」
「(大妖精さんも大変ですね)それで?」
美鈴が言葉を促すと、チルノが嬉しそうに夏の特訓(と言う名の遊び)を話してくれた
曰く、レティと大妖精と一緒に海で泳いだ
曰く、レティの胸が大きいのが悔しいから大妖精と一緒に(隙間)んだ
曰く、怒ったレティから逃げるために、砂浜を全力で走って逃げた
曰く、結局掴まって拳骨もらった…
それをほぼ毎日繰り返してから帰ってきた
用は、何の事の無い夏休みの話であった
(…結局遊びに行ったわけですか…)
美鈴がそう考えていると、チルノが御菓子を食べ終える
そして、美鈴の前で思い出したかのように手を叩くと
「そうだ!美鈴にも見せたげる、あたいの新必殺技!」
美鈴の前でチルノが腰を落とした構えを取った
「レティから教えてもらったんだ」
「そうですか…」
美鈴が微笑ましげにチルノを見る事にする
腰を落とした体勢から…
「マッハ突き!」
チルノが正拳突きを美鈴に見せてから、手を振って帰っていった
「……全身を使っての…音速正拳突き…」
物凄く拙い正拳突きであったが、美鈴の目を見張るには十分な物であった
チルノが帰ってから、しばらく門の前にいると…
「うぅぅ~」
「あれ?ルーミアちゃんじゃないですか…」
「こんにちわ…」
美鈴の前で頭を下げるルーミア…
だが、少し様子がおかしい…
「どうしたんですか?」
「うぅぅ…身体がだるい~」
美鈴が少し心配になって、ルーミアの体に触れると
ルーミアの体の調子の悪さがとてもよくわかった
「うわ~…首と肩が…」
「う~…頭が重い…」
全身がガチガチになっていたのだ
「とりあえず治療しますから、こっちきてください」
「…治せるの?」
心配そうに言うルーミアに対して美鈴が頷くと
とりあえず、自分の部屋のベッドに眠らせてから
「少し痛いですよ?」
そう言って、ルーミアの肩を押さえ始めた
「わー…はー…♪…うぅ~堪える~♪」
「一体何があったんですか?」
美鈴に体を押さえてもらい、気持ちよさそうに目を瞑るルーミアが、最近の話を始めた
「うぅ~…前に慧音に教えてもらった仕事~…」
「仕事?」
意外な言葉に、美鈴が驚くとルーミアが頷いた
「わぁ~はぁ~♪…うん、え~と…確か土木作業ってやつ…」
「えっ!土木作業!?」
美鈴が思わず聞き返した、その言葉にルーミアがこの数日間の話をしてくれた
曰く、里に遊びに行ったら、偶然前に一緒に仕事していた人に会い
給料出すから手伝ってくれと言われた
曰く、暇だったので一緒に仕事をする事にした
曰く、意外に楽しかったので、ほぼ毎日仕事に行った
曰く、今では仕事場の皆に『ルー』の愛称で呼ばれる用になった
そして、ルーミアのおかげで仕事が速く終わったので、大目の給料を貰って
また、仕事があるときに来てくれるように言われた…とのことであった
また、後から聞いたことであるが
『うちにはルーが居るから、フォークリフト要らないな!』
と言われて、作業場の連中から可愛がられていたらしい
「…う~…首筋の辺りが気持ち良い~♪…あ、そうだ…」
美鈴の治療が終わったルーミアが懐から何かを取り出し
「…え~と治療費…これで足りる?」
ポンと、美鈴に手渡した
「…あの…ルーミアちゃん?…これは…」
「ん?え~とね、給料袋…」
そこにあるのは、パンパンになった給料袋の姿
「どれだけ仕事したんですか!」
「わは…楽しかったし、御菓子貰えたから…一日中…」
この話を聞いて、美鈴はまず慧音に対して手紙を書いて
そして、お金の価値を使い方を教える事にした…
ルーミアが美鈴にお礼を言うと
『久しぶりに、お姉ちゃんに会いに行って来る♪」
と言って、どこかに遊びに行くのを見届けてから
「…私の給料よりも良い…」
美鈴は仕事変えようかと少しだけ考え始めた
チルノとルーミアが帰って、大体お昼が過ぎると…
「こんにちわ、美鈴さん」
「あ、リグルさんじゃないですか」
ここ数日姿を見せなかったリグルが門の前にひょっこりと姿を現した
「あの、実は美鈴さんに聞きたい事があって…」
「なんですか?」
少し畏まった様子で、リグルが美鈴にお願いをしてきた
「実は…身体の鍛え方教えて欲しいんです」
「身体の鍛え方ですか?」
美鈴の言葉に、リグルが頷いた
「は、はい…耐久力がもっと強くなりたいんです」
「耐久力ですか…」
「え~と…門番の方々の耐久力って、かなり凄いって聞いて…」
その言葉を聞いて美鈴が苦笑した
「あはは…それだけがとりえですけどね…」
美鈴はそう言ってから、何があったのかをリグルに問いかけてみた
「…え~と…皆には内緒にしてくださいね」
リグルはそう伝えると、美鈴に話を始めた
「最近、幽香と一緒に居る事が多いんだけど」
「幽香…って…風見幽香さんですか?」
意外な名前を聞いて、美鈴が驚く
幻想郷最強と呼ばれている、フラワーマスターの名前は
美鈴も聞いたことがあった
美鈴の言葉に、リグルが頷く
「はい…でも、最近幽香の突っ込みの威力が少し増えてきて…」
「つ、突っ込み?」
美鈴の顔が少し歪む
虫の王とは言っても、リグルは小妖…
一方、フラワーマスター事、風見幽香は大妖怪である
リグルが一撃を受けたら、それこそ大ダメージを受けそうなものだが
「あ、でも手加減はしてくれているみたいですから」
「そ、そうですか…」
それから、リグルの話が続けられた
曰く、一人ぼっちで寂しそうだから話しかけたのがきっかけである
曰く、邪魔になるかと2~3日会わなかったら、傘で頭を叩かれた
曰く、晴れの日に向日葵畑で昼寝していたら、膝枕してもらった
曰く、たまに襲われるので、嫌応が無しにグラウンド技術が上がったとか
「…最近、とっさの一撃の時に幽香が加減ができない時があるから…」
そう伝えるリグルに対して、美鈴が伝えてみた
「そこまでしなくても、しばらく離れてみたらどうですか?」
美鈴の言葉にリグルは首を横に振った
「そんなことしたら、幽香が泣くかも知れないから駄目かな?」
リグルの言葉に、美鈴は微笑を浮かべた
「…あはは、私と同じですね」
「えっ?」
「なんでもありませんよ…さて?門番隊の練習所で教えますから、こっちに来てください」
リグルに基本的な門番の鍛錬法を教え、他にも
身体の鍛え方を教えるとリグルは美鈴に頭を下げて帰って行った
そして、リグルの後姿を見ながら美鈴は呟いた
「…力が強い妖怪ほど、寂しがりやさんですからね」
屋敷の主の事を思い浮かべて、美鈴は再び門の前に立つ事にした
もうそろそろ、夕方になりかけて来た頃
「ちんち~ん♪」
「あれ?ミスチーじゃないですか」
美鈴の前にミスチーが姿を現した
「数日ぶりですね」
「あはは、最近ちょっと色々あったからね」
美鈴の言葉にミスチーが笑いながら答えると
ミスチーが、手を叩いて美鈴に話しかけてきた
「あっ、そうだった!美鈴にお礼を言いに来たんだ」
「はい?」
突然、お礼といわれて、美鈴が困惑すると
ミスチーがさらに話を続けてきた
「ちんちん♪前に美鈴に教えてもらった拳法のおかげで、助かったよ」
「…えっ…」
絶句している美鈴に対して、ミスチーが話をしてきた
「ちんちん、教えてもらった日から自分なりに鍛えてきたんだ」
「え~と……どんな風に?」
美鈴がミスチーに問いかけると、ミスチーが少し考えてから伝え始める
「ん~と…木とか岩に対し手刀を繰り出して…」
「手、痛くなかったですか?」
美鈴の言葉に、ミスチーが苦笑いを浮かべる
「あははっ…でもおかげで何とか『水鳥拳』っぽい感じなってきたよ」
「えっ!?」
驚いている美鈴に対して、ミスチーがさらに話を続けた
「ちんちん…でも、そんなある日に、あいつが現れたんだ」
「あいつ?」
美鈴の言葉に、ミスチーが一言告げた
「…冥界の姫…」
そして、ミスチーが話を続ける
曰く、突然やってきて自分を食べに来た
曰く、命からがら逃げ出すと、屋台に手紙が置いてあった
曰く、明日また来るらしい
「…本当に…命の危険を感じたんだよ…」
「それはそれは…」
ミスチーにとっては、本気で洒落にならない
「でも、どうやって生き残ったんですか?」
美鈴の言葉に対して、ミスチーは笑顔で答えた
「美鈴が教えてくれた拳法のおかげで、あの西行寺幽々子を追い返す事に成功したんだ」
教えた美鈴本人があいた口がふさがらなかった
冗談で教えた拳法が、まさか本気で使われるとは…
「まず、幽々子さんが私を掴もうと、手を伸ばしてきたんだ…」
掴まれそうになったミスチーの身体が、無意識の内にそれを払った
「いきなり払われたことに驚いた幽々子さんが、もう片方の手を伸ばしてきたの…」
だが、幽々子が手を伸ばすよりも早く、ミスチーの手がその手を払いのける
「ちんちん…そして、最後に幽々子さんが『…頂きます』って言って口を開けて来て」
「あ、開けてきて?」
思わず美鈴が、ミスチーにそう呟くと、ミスチーが自慢げに答えた
「ちんちん♪口が開いた瞬間に、身体が勝手に…」
口が開いた瞬間に、ミスチーの肘が幽々子の顔に決まった
もし、普段のミスチーが肘を食らわせても、幽々子は倒れなかっただろう
だが、口が開いた瞬間…それはもっとも人体が脆い瞬間になる
「それでね、幽々子さんが怯んだ隙に…」
「ひ、怯んだ隙に…?」
脳を揺らされた、幽々子に対して、ミスチーは…
「ちんちん♪足を捕らえてひっくり返しちゃった」
美鈴の教わったコンビネーション…『七天八倒脚』の完成である
教えてた美鈴自身が一番驚いた
「ひっくり返した幽々子さん、そのまま気絶しちゃったから、
後から来た妖夢さんに手渡して何とか生き残れたんだよ…」
ミスチーはそこまで言うと、門の前に屋台を持って来て笑顔で告げた
「だから、今日は美鈴に八目鰻をおごりに来たんだ♪」
流石に、美鈴もこれには顔がほころんだ
丁度いい感じに、お腹も減っている
「それでは、言葉に甘える事にしましょうか!」
「ちんちん♪一名様ごあんな~い♪」
こうして、妖怪や妖精が集まる場所の門番は今日の仕事を終える事にした
「あっ、すいません、後数人追加お願いします」
「ちんちん、別料金になるよ?」
「はい、それで構いませんから…ちょっと行ってきますね?」
そして、今度は屋敷の家族との時間になる事になった
しばらくしてから、紅い屋敷の門の前に沢山の人が集まってきた
紅い屋敷の無礼講、今日は夜にも人が一杯
「めぇ~り~ん♪」
「だ、誰ですか!?妹様にお酒飲ませたの!」
「美鈴~♪」
「誰ですか!咲夜さんに焼酎飲ませた人!?」
「めいりん~♪」
「一体誰ですか!?お嬢様にカルアミルク飲ませた人!?」
明日も多分、門の前には人が一杯…
幼女にフォークリフト役を任せる監督てww
酔うかって?
何杯も飲んでると酔います。カシスミルクでお腹いっぱいになるけど。
ステキバカルテットをごちそうさまでした|д・)ノ
カルアとカシスと打ち間違えました
すみません(カシスオレンジも好きですが!
>美鈴は仕事変えようかと少しだけ考え始めた
なんて切ない・・・
花巻運輸の堤さんじゃないっすかwwwwwwwww
おもしろかったですよ~。