―――シャリ、シャリ
「……本当にここは、いつ来ても、人妖問わず集まる神社なのね」
―――シャリ、シャリ
「自分だってそうでしょうが。それがどうかしたの?」
―――シャリ、シャリ
「今だって、魔理沙にチルノ、早苗に文まで来ているし。宴会をやっている訳でもあるまいに」
―――シャリ、シャリ
「いつものことでしょ。何よ、今更」
―――シャリ、シャリ
「別に。ただ、霊夢が私以外の誰かと仲良くしてるのが、ちょっと腹立たしいというだけよ」
―――シャリ、シャリ
「そんなこと言ったら、あんただって、しょっちゅう萃香や幽々子と一緒に居るじゃないの。藍に至っては、常に身の回りに置いているわけだし」
―――シャリ、シャリ
「だって、あの子は私の式ですもの。式が身の回りを世話するのは、至って当然のことだと思わない?それに、幽々子や萃香は、私にとっては友達よ。勿論大事な親友ではあるけれど、それ以上ではないわ」
―――シャリ、シャリ
「どうだか。この前だって『白玉楼で美味しいお菓子を頂いたの』なんて、嬉しそうにしてたくせに」
―――シャリ、シャリ
「それを言ったら、私だって、霊夢が早苗と楽しくお料理なんてしていた所を見たわよ。それ以外にも、レミリアだとか色々……」
―――シャリ、シャリ
「で、何よ。あんたはそうやって、私の生活を束縛でもしようっていうわけ?」
―――シャリ、シャリ
「そんなことは一言も言ってませんわよ。ただ、霊夢には、私をもっと恋人として見てほしいなって思うだけ。誰にでも公平なのは大変結構なことだけど、少しは特別視もしてほしいのよ」
―――シャリ、シャリ
「ったく。そういうのが、私にとっては束縛だって言うのよ。大体あんたは、私よりよっぽど長く生きてるくせに……」
―――シャリ
「あれ?話してる間になくなっちゃった」
「あら、こっちもね。あと一口しか残ってないわ」
「じゃあ、最後の一口ずつね」
「ええ。中々美味しかったわねえ、チルノ印のアイスクリーム。このシャリシャリ感が何とも言えなくて」
「うん。最初にあんたから話を聞いたときは、どうなのそれ?って思ったけど、チルノの奴やるわね。見直しちゃった」
「ほら、霊夢。お口を開けなさいな。あーん」
「ん……こっちも。あーん」
―――シャリ
―――シャリ
『ごちそう様でした』
「……で、さっきの続き」
「だから、それは霊夢の誤解ですわ」
「ふうん。私にはとても、そんな風に思えないんだけど」
「そんなの、霊夢だって」
「紫の方が怪しい」
「霊夢の方が怪しい」
「……お二人とも、ケンカされてるんだかイチャつかれてるんだか、よく分かりませんね」
「言うな早苗……。考えるだけ虚しいぜ」
「何かが間違ってますよね」
「いや全部だろ」
「というか、確かお二人ともバニラ味を持っていかれた訳ですが」
「!?」
「最後の一口、何でお互いに食べさせ合っていたのか、私にはよく理解が……」
「……さ」
「さ?」
「さっさと結婚しやがれこのバカップルー!!!」
―――魔理沙の叫びは、全幻想郷中にこだましたそうな。
<了>
「……本当にここは、いつ来ても、人妖問わず集まる神社なのね」
―――シャリ、シャリ
「自分だってそうでしょうが。それがどうかしたの?」
―――シャリ、シャリ
「今だって、魔理沙にチルノ、早苗に文まで来ているし。宴会をやっている訳でもあるまいに」
―――シャリ、シャリ
「いつものことでしょ。何よ、今更」
―――シャリ、シャリ
「別に。ただ、霊夢が私以外の誰かと仲良くしてるのが、ちょっと腹立たしいというだけよ」
―――シャリ、シャリ
「そんなこと言ったら、あんただって、しょっちゅう萃香や幽々子と一緒に居るじゃないの。藍に至っては、常に身の回りに置いているわけだし」
―――シャリ、シャリ
「だって、あの子は私の式ですもの。式が身の回りを世話するのは、至って当然のことだと思わない?それに、幽々子や萃香は、私にとっては友達よ。勿論大事な親友ではあるけれど、それ以上ではないわ」
―――シャリ、シャリ
「どうだか。この前だって『白玉楼で美味しいお菓子を頂いたの』なんて、嬉しそうにしてたくせに」
―――シャリ、シャリ
「それを言ったら、私だって、霊夢が早苗と楽しくお料理なんてしていた所を見たわよ。それ以外にも、レミリアだとか色々……」
―――シャリ、シャリ
「で、何よ。あんたはそうやって、私の生活を束縛でもしようっていうわけ?」
―――シャリ、シャリ
「そんなことは一言も言ってませんわよ。ただ、霊夢には、私をもっと恋人として見てほしいなって思うだけ。誰にでも公平なのは大変結構なことだけど、少しは特別視もしてほしいのよ」
―――シャリ、シャリ
「ったく。そういうのが、私にとっては束縛だって言うのよ。大体あんたは、私よりよっぽど長く生きてるくせに……」
―――シャリ
「あれ?話してる間になくなっちゃった」
「あら、こっちもね。あと一口しか残ってないわ」
「じゃあ、最後の一口ずつね」
「ええ。中々美味しかったわねえ、チルノ印のアイスクリーム。このシャリシャリ感が何とも言えなくて」
「うん。最初にあんたから話を聞いたときは、どうなのそれ?って思ったけど、チルノの奴やるわね。見直しちゃった」
「ほら、霊夢。お口を開けなさいな。あーん」
「ん……こっちも。あーん」
―――シャリ
―――シャリ
『ごちそう様でした』
「……で、さっきの続き」
「だから、それは霊夢の誤解ですわ」
「ふうん。私にはとても、そんな風に思えないんだけど」
「そんなの、霊夢だって」
「紫の方が怪しい」
「霊夢の方が怪しい」
「……お二人とも、ケンカされてるんだかイチャつかれてるんだか、よく分かりませんね」
「言うな早苗……。考えるだけ虚しいぜ」
「何かが間違ってますよね」
「いや全部だろ」
「というか、確かお二人ともバニラ味を持っていかれた訳ですが」
「!?」
「最後の一口、何でお互いに食べさせ合っていたのか、私にはよく理解が……」
「……さ」
「さ?」
「さっさと結婚しやがれこのバカップルー!!!」
―――魔理沙の叫びは、全幻想郷中にこだましたそうな。
<了>
おかわりを要求する!