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幻想郷嫁自慢【レミ霊サナ編】

2011/03/12 19:35:40
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『はいテレビの前の皆さん、どうもおはようございます! 本日の【幻想郷なんでもチャンネル】は第一回幻想郷嫁自慢を生中継で御送りしていきます。司会、進行役を務めるのは私、射命丸文です。(……ほら椛も自分のこと紹介して)』
『あ、えっと、その文様の助手を務める犬走椛です!』
『では紹介も終えたところで、第一回幻想郷嫁自慢、まずはあの方の嫁自慢に向かおうと思います!』


「なんだこれ?」

私、河城にとりはキュウリを食べながら思ったことを素直に口から出した。そして思った。なんだこのふざけた番組は、と。
基本幻想郷にはテレビはあるが、いつも放送しているニュースなどの番組があるわけではなく、誰でも放送できるチャンネルが1つ存在しているだけである。それが【幻想郷なんでもチャンネル】である。
だが、誰でも放送できると言っても、利用しているのは今のところ天狗だけである。
その番組も、自分の取材したこと等をたらたら言ったりするだけの番組とは言えないようなのばかりである。
なので、いつもなら躊躇なく電源を落としているが、私は電源を落としたり放送の内容を無視出来ないでいた。

【幻想郷嫁自慢】という番組のタイトル。

いやまあ、この幻想郷で雛が一番だっていうのは分かっているけど、他の人とかの嫁はどんなものか気になるじゃない。
そんなことから、私はこの番組を真剣に視聴することにした。


『はい到着しましたよ! 栄えある第一回目の方は、皆さんもお馴染みの博麗神社の巫女である博麗霊夢さんです!』
『突然家に来たと思ったらなんなのよ? 邪魔だから帰ってくれない?』


アポ取ってないのかよ!ジャーナリストとしてどうよ?
思わずキュウリを口から吹き出しそうになるが、寸ででそれを回避することが出来た。
なにやら文と椛が番組の趣旨について話しているが、それをげんなりとした感じで霊夢は聞いていた。
そりゃそうだろうね。いきなり来て突然嫁の自慢をしろとか言われても―――


『別にいいわよ』
『ほ、ホントですか霊夢さん!』
『よかったですね文様!』


今度こそ口からキュウリを吹き出してしまった。テレビ画面がキュウリの欠片だらけになってしまった。
こう言うと怒られるかもしれないけど、博麗霊夢は基本、面倒なことを嫌がる人間だ。だから、突然の文の訪問なんか相手にしないと思っていたから、そこに私は驚いてしまった。
なんでなんでと考えていると、文がもう霊夢に問いかけていた。


『それではさっそく、霊夢さんの嫁は誰ですか?』
『ちょ、ちょっといいかしら』
『なんですか?』
『嫁というか、気になるって程度なのよ』
『気になるって、これはいいんですか文様?』
『う~ん、まあせっかくはなしてくれるんですからこの際、気になるでも好きな人でも良しとしましょう』


いきなりタイトル詐欺みたいになってるけど、これは面白い展開になってきたね。
あの霊夢の好きな妖怪または人間が誰なのかとなれば、幻想郷の住民なら気になることだろう。
私はワクテカしながら、霊夢の口から好きな妖怪または人間の名前が出るのを待った。


『……………レミリアと早苗よ』


口からキュウリを吹き出しながら、座っている椅子から勢いよく落ちてしまった。
だってまさか2人も名前が出てくるとは思わないじゃん!
だけどそんな慌てている私とは違って、文と椛は「あ~やっぱり」なんて言っている。
え?もしかして、当たり前の話だったりするの?


『ほぅほぅ、では自慢話の前にどうして2人が気になるのか教えてくれますか?』
『(あの文様? そういうのは番組の趣旨と関係ないんじゃないですか?)』
『(甘いですね椛。自慢話より霊夢さんがなんであの2人が好きなのかの方が面白そうだからいいんですよ)』
『(さすが文様! 私が思いつかないことを平気で思いつくッ! そこにシビれる! あこがれるゥ!)』


霊夢には聞こえてないみたいだけど、ちゃんと文達の会話は視聴者に聞こえていることを今度教えてあげるか。
でもまあ、私も霊夢があの2人が気になってる理由の方が気になるから賛成だけどね。
なのでまた私はワクテカしながら待つことにした。


『…ほら。私って結構人をあしらったりするじゃない?』
『えぇ。綺麗なほどに』
『そうですね。綺麗なほどに』


あ、2人仲良く霊夢に殴られた。どうやら自分で言うのは構わないが、他人に言われるのは嫌みたいだね。


『それで、あの2人もあしらったりしているのね』
『は、はい(おぉ~痛い痛い)』
『でもね、あの2人はどんなにあしらっても私の所に来て「好き」って言ってくるのよ。正直ね、自分の気持ちにも素直になれない私にここまで積極的に「好き」なんて言ってくれるのってあの2人だけなのよ。だからかしらね、面倒だと思ってもあの2人なら別にいいかな、と思って来たら追い返せないのよ。さっき、気になる程度だって言ったけど、多分私はあの2人が好きなんだと思うわ』


そこまで言った霊夢は、何処にでもいる人間の普通の女の子だった。
なんだか霊夢も一人の人間なんだな、とどこか安心している私がいた。
やっぱり自分の気持ちには素直にならないとね。私は霊夢と違ってちゃんと雛に素直に自分の気持ちを言ってるから大丈夫だね。


『…いや~、まさか霊夢さんがここまで教えてくれるなんて思いませんでした』
『たまには素直になろうと思ったけどやっぱり恥ずかしいわね。だから、さっきの部分カットしといてよ』


霊夢の言葉に「え?」と固まる文。そんな文を心配そうに優しく揺さぶる椛と不思議そうな顔をしている霊夢。
あれ?そういえばこの番組ってたしか…………………文と椛、ちゃんと生きて帰ってこれるかな?
文が固まった理由が分かった私は、ただ文と椛の無事を祈るしか出来なかった。


『あ、あのですね…霊夢さん?』
『どうかした? 顔が真っ青だけど』
『実はですね、ひっじょおおおおおおに申し訳難いんですが、これ生中継なんですよ』
『生? 朝からお酒でも飲みたいの?』
『霊夢さん、胸ぐらを掴みながら聞くことではないと思いますよ?』
『黙りなさああああああああああああい!!!』


あ、完全に死んだなこりゃ、と思っていると突然霊夢が画面から姿を消した。
姿を消したといってもパッと紅魔館のメイド長みたいにその場から居なくなったのではなく、なにか高速なモノにぶつかって飛んでいったのだが。
すぐに画面が霊夢が飛んで行った方を映すと、ピクピクと痙攣している霊夢に覆いかぶさっているパンダと早苗が居た。


『ちょ…レミリアに早苗……どうし…て、ここに?』
『霊夢大好きよーーーー!』
『霊夢さん大好きですーーーー!』


どうやら、さっきの霊夢の告白染みたあの部分をしっかりと視聴して、嬉しさのあまりすっ飛んできた、そんな感じかな。でも不思議に思うんだけど、なんで紅魔館のお嬢様はパンダになってるんだ?


『あのレミリアさん? どうしてパンダになってるんですか?』
『あぁ、ブン屋じゃない。フフフ、さっきの霊夢の告白を聞いて急いで行かなくちゃって思ったんだけど、日傘で急いで飛んだら壊れちゃってね。それで美鈴が「それならこのパンダさんのレインコートなら壊れませんし、カリスマ度も鰻登りですよ」と言って、このパンダさんレインコートをくれたのよ』


溢れ出るカリスマ顔で言うが、目線はどうしてもレインコートのほうにいってしまう。
そしてあの門番さんは、きっとカリスマという言葉の意味を履き違えてると思う。でも、カリスマという意味が門番さんの言う通りなら、雛があのパンダさんレインコートを着たらたしかにカリスマ度は鰻登りだ。


『あああ! 早苗、なに頭を霊夢の胸にぐりぐりしてるのよ!?』
『いいじゃないですか。レミリアさん話してましたし、私霊夢さん大好きですし!』
『それなら私だってぐりぐりするわよ霊夢!』
『痛いし恥ずかしいからやめなさーーーーい!』


霊夢にとっては恥ずかしいのかもしれないけど、傍から見ればただイチャイチャしてるようにしか見えない。そして何故か、他人のイチャイチャを見ていると口から砂糖が出てくる気がする。
よくもまあ、人前でイチャイチャできるもんだよ。


『文様、どうしましょうか?』
『正直他人の話がここまで馬鹿げて――微笑ましいなんてね。ここはもう次の嫁自慢に向かうとしましょうか』
『え? でも霊夢さん嫁自慢の話なんてしてませんでしたよ?』
『よく見てみなさい椛。あのバカップル共の微笑ましい光景を。なんとも羨ましいじゃないですか。つまり! 彼女達はもう行動するだけで嫁自慢をする域に達しているのです!!』
『な、なんだってー!!』
『そういうことです。霊夢さんはもう十分に嫁自慢をしてくれました。なのでこんな甘ったるい桃色空間には用がないので、次に行きますよ次に』
『はい!(あの、文様がそんな不機嫌なのは似合いませんよ。なので、いつでも私に甘えてきてください)』
『(…ありがとね椛)それでは第一回幻想郷嫁自慢はどうでしたでしょうか? 次は、あなたの嫁自慢を聞きに行くかもしれません。それでは!』


そう文が締めくくるとザザーと音を立てながら砂嵐が現れた。
なんだか見てるだけで精神的に疲れたけど、久々に面白い番組を見れたよ。
あなたの嫁自慢をきくかもしれない、か。
いや、雛のことなら喜んで話たいけど、その話をしたせいで雛の魅力に気づいた輩が出てくるかもしれないからね。雛の魅力は私だけが知っていれば十分だからね!

にへへと笑いながら食器を片付けるために台所に向かおうとした私を呼び鈴の音と知っている声が足を止めさせた。


「すいませーん! 射命丸ですけど、にとりさん居ますかー?」
ふと自分はカップリングものしか書いてないと気づきました。

どうも!初めまして!そうでない方はお久しぶりです!
シリアスな話が大の苦手な⑨のぬけがらです。

今回は2回目(?)のシリーズ物にしてみました。
シリーズ物と言っても、1話完結の話にしていくつもりですがね。

そういえば、まだホワイトデーの話考えてもいませんでした。
14日に間に合うように頑張ってみます。

そしてこんな駄文ですが、最後まで読んでくれてありがとうございます。
機会があればまた。それでは。
⑨のぬけがら
http://bakanonukegara.blog92.fc2.com/
コメント



1.こーろぎ削除
レミ霊、レイサナとはなんて俺得!
あと、嫁自慢は自分のところに来ますかー? きたら、めーりんの話をきかせようかねぇ
記者さん達待ってるよー
2.名前が無い程度の能力削除
こんなリア充共なら大歓迎だ
3.奇声を発する程度の能力削除
得した気分