Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

さとりのカウンセラー小屋[増築予定]

2010/05/27 20:32:18
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日差しも無く、雨上がりのじめっとした感じの天気・・




「鬱だ・・・・」
上白沢慧音は一人寺小屋で悩んでいた。
「あぁ・・最近、妹紅に会っていないなぁ・・私が何か嫌な事でもしたかなぁ・・」
「そうだ!ここ最近、誰かに見られてる気がする・・まさか敵?!」
「敵って誰なんだ・・?あぁぁぁぁ・・・・気になる・・・」
「教え子達は私の事をどう思ってるんだろう・・・」
「あぁぁぁぁぁぁ」


「おひさ!慧音!」
「も・・こ・・う?」
「どうしたんだ?何か顔色が悪いぞ?」
「・・今まで何所に行ってたんだ?・・」
「え、え?う、うん、そりゃまぁ・・内緒内緒。」
「内緒?・・・・私に話せないほど大事なのか?・・・」
「い、いや、別にそうじゃないけどさ・・その・・なんというか・・」
「・・・どうしてだ!?何でどいつもこいつも私に隠し事をする?!あぁぁぁぁぁ!!!」
「ちょ、ちょっと?・・けーね?・・ど、どうしたんだよ?・・」
「もういい!どうせ私は周りから見れば変人扱いなのだろう?!なぁ!妹紅?」
「ちょっと!どういう意味かさっぱりだよ!何があったんだ?慧音?!」
「もう私に構うな!」
「待って!慧音!」
「うるさい!!!どけ!」
「うわっ!」

慧音の肩が妹紅の肩にぶつかり、その衝撃で妹紅が左手に持っていた「何かの箱」が落ちる。
      グチャっ・・・
箱の中身は無残にも潰れた。

「・・・・っ!ああ!分かった!もう慧音なんかどうにでもなっちまえ!くそったれ!!!」
そういいつつも妹紅はその箱を取って歩いていった・・






「はぁ・・・」
慧音はどこかをブラブラ歩いていた。
「悪いことをしてしまった・・・もう取り返しがつかない・・・あぁぁ・・」
「感情任せに妹紅にあんなひどい事を言ってしまった・・・もう会わせる顔も無い・・・あぁぁ・・」


「・・・ん?」
慧音が偶然見つけたのは地底の入り口であった。
「そうか・・私はもう表で生きてはいけないのか・・・」
そう言うと慧音は入り口に一歩と足を踏み入れた・・
「ごめんよ・・妹紅・・最後にお前に謝っておきたいなぁ・・でも許してはくれないか・・」
「・・・・・」

「ん?・・なんだこの小屋?・・」
「カ・・カ・・ウンセリング?」

「そこに誰かいるんですか?」
「!!」
扉の向こうから聞こえる声。
「話や悩みなら聞きますが?」
「・・・・・」
そう言うと慧音は迷いもせずにドアを開けた。

「そこに座ってください。」
「あぁ・・・」
「それでは・・今から心の診断をしますが・・いいですか?」
「あぁ・・・」
「(確か・・上白沢慧音だったかしら?寺小屋をしている・・)」
「(それにしてもひどい顔をしてるわね・・・今にも死にそうな顔だわ・・)」
「・・・それでは心を読みますが・・よろしいですか?」
「・・・・・あぁ・・頼む・・」
「で、では・・・・始めます。」


あぁ・・妹紅に悪いことをしてしまってな・・感情任せに怒ってしまった・・
悪いのは全部私なんだ・・近頃、あまり良くない事ばかり起こってな・・・
それでさらに風邪も引いてしまってな・・・まさに泣きっ面に蜂とはこの事なんだろうな・・
そして、偶然にも私の機嫌が悪かった時に妹紅と会ってしまってな・・・それで・・それで・・あぁ・・
もうどうすればいいか分からない・・・あぁ・・・どうしよう・・・どうしよう・・・

「・・・・・・・・・・」
「はぁ・・・・・もうお終いだぁ・・」

「(流石に相手の負の感情を読むのは辛いわね・・吐き気がするわ・・)」
「(でもね・・お燐やお空やこいしが私のために暇にならない事を折角作ってくれたの・・)」
「(それを易々と潰したりするのなら私は妖怪失格よ・・!)」
「(・・・私を舐めるな!!)」


「分かりました・・・」
「・・・?」
「今すぐ、妹紅さんに謝ってくるのがいいでしょう。」
「ふっ・・・・それができるならしてるさ・・」
「・・貴方、意外と臆病なんですね。」
「・・・・それは関係無いだろう?・・」
「まぁ・・正直言ってしまえば、貴方は来るところを間違ってる。つまり場違いなんです。」
「・・・・」
「ほら?話は終わりましたよ。」
「ふん・・流石は地底の妖怪だ・・他人に嫌われる様な事ばかりをするのが趣味らしいな・・」
「そう言う貴方こそ 誰かに酷い事 をしてしまったのでは?」
「・・言ってくれるな・・」
「それ程でもないですね。」
「ふん・・何がカウンセリングだ・・ただの戯言を聞くためだけの妖怪の自己満足部屋か・・」
「・・・・本当にそう思いますか?」
「何がだ?・・」
「私はこれを誰かのために、勿論、自分が楽しむためにとは思っていません。」
「まぁ最初は暇でしょうがないからだったんですけどね・・」
「でも、私は、あの子達が何とか私の暇を埋めてくれる・・それだけで嬉しかったんです。」
「それを馬鹿にするのなら私は怒ります。」
「怒ってどうする?・・」
「いいえ、私は自分に怒ります。」
「はっ・・・もういいさ・・妹紅にはもう構わない・・それでいいだろう?!」

カランカラン・・

「?!」
「そちらにナイフが落ちたでしょう?」
「もし、私が貴方に酷い事をしてしまったのならそれで私のこの第三の目を刺してください。」
「・・・・・意味不明だ・・もう結構だ!」
「あら?またそうやって逃げるんですか?」
ピク
「・・・良いだろう・・メッタ刺しにしてやる!!」
「・・・・・・」
さとりのサードアイがちょこっと出ている穴まで近づく慧音・・

「あああああああああ!!!!!」
ナイフをサードアイに近づける・・そして・・・!!!!




「妹紅さんが悲しみますよ・・」

ピタッ・・

「あら?なぜ止めたのですか?」
「・・・・・・・」
「さっき言いましたよね? 妹紅にはもう構わない。 と。」
「しかも貴方は心の中でも 妹紅と私の関係はもう無いんだ。 と」
「それなのになぜ?妹紅を心配するのですか?」
「もう関係は無いんでしょう?どうですか?え?」
「違いますか?上白沢慧音。」

ガクッ・・

崩れる慧音。

「・・・・私は・・・どう・・すればいい・・・?」
「簡単です。それに先ほども言いました。」
「・・・・・・」
「自分で何とか思い出してください。それでは。」
「・・・・・」

カランカラン

慧音はゆっくりとした歩きで出て行った。







「ふぅ・・・正直、体を張らないとあの人は治りそうになかったわね・・・」
「お姉ちゃん!すごくカッコよかったよ!」
「あら・・そうかしら・・って!何時からいたの?!」
「最初っから。」
「そ、そう・・」
「でもさぁ・・さっきの人・・大丈夫なの?」
「・・・・もう大丈夫でしょ・・あとは本人の感情と意志だけよ。」
「ふーん・・あっ!そうだ!お燐とお空がクッキー作ってたの!お姉ちゃんも食べない?!」
「あら、丁度お腹が空いてたの。」
「じゃあ帰ろう!」
「そうね。」






村里・・


「あ・・・」
「あ・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・・」
慧音の横を通り過ぎようとする妹紅・・立ち止まる慧音・・・

「・・・・・」
「・・・・・・」

段々と二人の距離が離れようとする・・

「・・・・・・・」
「・・・・・・・」



「すまない・・・妹紅・・・」

ピタっ・・

妹紅の足が止まる。

「何を謝ってるんだよ?・・」
「許してくれないならそれでいい・・・」
「あの時は感情任せに怒鳴って悪かった・・」
「だから・・何に・・」
「そうだろうな・・こんな平謝りで許してくれないよな・・・でも聞いてくれ・・」
「だから!もう・・」
「ごめんなさい!妹紅!」
頭を下げた拍子に慧音のかぶっている帽子?が落ちた。

「ごめんな・・ごめんな・・・」
「・・・・・慧音・・」


「いいんだよ・・・」
「え?」
「ほら、顔を上げてよ・・」
「・・・・・」

「ほら・・慧音。」
「?・・これは・・・」
「その・・なんだ・・えっと・・そのな・・まぁさっきちょっと衝撃で潰れちゃったんだけどさ・・
 何でも・・妖怪の山奥にさ、結構おいしい河童のケーキ屋があってさ・・
 まぁ・・いろいろ大変だったんだけどな・・そこまで行くのにな・・・
 それでだ・・・えっと・・・」

「・・・」
「えっと・・そ、その・・・・何か・・まぁ・・ありがとうな!いろいろ!!・・」


「え?・・・」


「いや、本当はさ・・前々から何かプレゼントでもしようかなぁ・・って思ってたんだけどな・・」
「それで・・慧音が好きそうな物を見つけようと・・その・・何だ・・ストーカーじみた事をさ・・
 してしまってさ・・何て言うか・・ごめんな?」

「まぁ・・ありがとう って言うだけじゃ何かへんだなぁと思ってね・・へへ」
「慧音にはほんとっ!感謝してるよ!!」


「・・・妹紅!!!!」

妹紅に抱きつく慧音。

「うわ!ちょ・・!慧音?!どうしたんだ!!」


「しばらくこのままでいさせてくれ・・・」





「・・・う、うん・・」



「でもさ・・・その今お昼だしさ・・お腹減ってるだろ?・・」

「あ・・・」

「ほら、このケーキでも食べない?場所は・・ここから近い慧音の家でいい?」
「ああ!何だか凄くやる気とか食欲とかいろいろ湧いてきた!!」

「そうか・・・それなら良かったよ・・・・」
「ところでそのケーキっていったい何味なんだ?」

「え・・・?慧音の大好きな 梅干味ケーキ だよ?」
「いやぁ~~オーダー取るのに結構苦労したよ・・・」




「・・・・・・・・え?・・・・・・」




終わり
「はい!お姉ちゃん!クッキー。」
「・・・・私のサードアイにそっくりなクッキーね・・・」
「そ、そ、そうかなぁ?見間違いでしょ?・・」
「ちなみに・・味は何味なのかしら・・?」
「え・・?サードアイ味だけど・・・」
「・・・なにそれ怖い。」
tesuto
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
何それこわい。
2.奇声を発する程度の能力削除
梅干味のケーキとサードアイ味のクッキー…なにそれこわい。
…でも食べてみたい。