東方で遊戯王３０　『八雲のダブル・バインド』＜前編＞

注意：前回の続きです。
　　　割と普通にデュエルします。ネタ成分低め。
　　　ルールが分かる方でないときついです。


















文　　「ふんふ～ふふ～ん♪　ふふふふ～ふ～ふふんふ～ふふ～ん♪」

にとり「文さん、何してるんです？　もう今にも試合が始まろうっていうのに」

文　　「ん～？　もう我慢できなくなってねぇ。新聞の原稿メモってるの」

にとり「何も今やらんでもいいでしょうに。ほら、写真撮るんじゃないんですか？」

文　　「やっぱりインスピってのがあるでしょ？　現場でしか書けない文章もあるのよ」

にとり「（インスピって･･････ああ、インスピレーションのことね）」

文　　「（うふふふふ･･････
　　　　○月×日某所にて、丸一日かけて行われた、永遠亭主催第一回デュエルモンスターズ王座決定戦。
　　　　熾烈と困窮を極めた激闘の果て、チャンピョンに君臨するのは、いったいどのデュエリストなのか････････････
　　　　うう～、早く続きが書きたいわぁ）」

永琳　「･･････それでは事前に申し上げていた通り、二戦目以降もコイントスで先攻後攻を決めます」

アリス「あ、ちょっと待って。魔理沙」

魔理沙「何だ？　
　　　　･･････って、あー･･････もしかして、例の話か？　
　　　　決勝前に言っていた･･････」

アリス「そうよ、当然でしょ。早くよこして、あんたのデッキ」

藍　　「？」

魔理沙「ったく、仕方ないな。どうなっても知らないぜ･･････ほれ」

霊夢　「？　何をする気なの？」

アリス「簡単なことよ。わたしのデッキと、魔理沙のデッキを合わせるの。
　　　　こうやってシャッフルして･･････と」

咲夜　「なっ！？」

にとり「エエエエエエエエ（ＡＡ略）」

パチェ「気でも狂ったか･･････」

妹紅　「なんだなんだ。ＡＨＯなの、やっぱり？」

魔理沙「そら見たことか。好き放題言われてるぜ」

アリス「よ、予想済みよ。文句なんかいちいち受け付けてられないわ」

輝夜　「ちょい待ち。あなた、そのデッキでデュエルするつもり？」

アリス「無論よ。審判とはいえ、ひとが使うデッキに口出しはできないはずよ」

輝夜　「８０枚はルール違反なのよ」

アリス「･･････」

アリス「･･････そうなの？」

魔理沙「こっち見んな」

にとり「決勝にまで登りつめる実力がありながら、そんな事も知らないとは･･････どんだけですか」

アリス「わ、悪かったわね。一応、まだ遊戯王暦一週間なのよ。
　　　　ええと･･････４０枚にすりゃいいんでしょ。
　　　　んじゃこれと、これと、この辺ごっそり抜いて、と」

魔理沙「うわああああ見てられん･･････」

鈴仙　「（というか、６０枚でもいいのに･･････）」

幽々子「うっふふふふふ。初心者って、面白いわね」

妖夢　「笑い事じゃないですよ。あれじゃバランスも何もあったもんじゃないです」

早苗　「どうみても編集は適当でしたしね･･････」

レミ　「（でも、あながちそう言いきることはできないかもしれない。
　　　　なぜなら、二人のデッキは、これまで幾度と無くタッグを組み、強敵を打ち破ってきた。
　　　　相性自体は、決して悪いわけじゃない）」

レミ　「（そしてなにより、あれであのデッキは優秀な二つの魂がこめられたことになる･･････。
　　　　その実力は、測りようがないほど未知数･･････。どう転ぶかわかったもんじゃないわ。
　　　　ククク、おもしろい。万一あの微塵の隙も無い狐を倒す可能性があるとしたら、
　　　　もしかしたらあのデッキこそが･･････ってことか）」

藍　　「ふっ、奇策ですか。虚をつけばこのわたしを敗れると？」

アリス「奇策、か。あなたにはそう見えるのね」

藍　　「違うとでも？　奇策でないなら愚策かな」

アリス「終わった時には、あなたは理解しているはずよ。本当の強さが、何かということを」

藍　　「哲学的な論議に興じるつもりはないよ。今は結果が何より肝要とされる状況。
　　　次で敗北を喫すれば幕という事実は、奇策を弄した程度では決して揺らぎはしない。悲しいほどにね」

アリス「･･････聞く耳は持たないわけね。
　　　　いいわ。なら、デュエルで語ってあげる！」

藍　　「ふふふ、それがあなた達の流儀だったな。
　　　　･･････では、紫様。よろしいですか？」

紫　　「うふふふふ、許すわ。使いなさい」

藍　　「仰せのままに････････････
　　　　わたしのデッキはこれだ。これで準備は整った。始めよう」

にとり「！　あいつもデッキを替えた･･････。
　　　　意外と負けず嫌いなのかしら」

文　　「まさか。主の命令に忠実な動物に限って、奇策で対抗しようなんてするはずがないわ。
　　　　さっき示し合わせたところを見ると、初めから違うデッキを使うつもりだったようね。
　　　　うふふ、あ～もう。面白くなりそう～」

萃香　「節操の無い天狗だねぇ。まあ、一杯飲んで落ち着きなよ」

文　　「あら。どうも～」

妖夢　「にしても、まだ未使用のデッキを隠していたとは･･････よく温存してましたね。
　　　　それとも、今までは使うまでもなかったってことでしょうか･･････」

幽々子「（うふふ･･････惜しいけど、違うわね。おそらくあれは、紫のデッキ･･････）」

永琳　「お互い、過不足無いですね？　
　　　　では試合開始の宣言の前に、コイントスを行います。お互い、表か裏を選んでください」

アリス「先、いいわよ」

藍　　「ほう。どういう風の吹き回しかな？」

アリス「勘違いしないで。どっちが先行だろうと、負ける気がしないってだけ。他意なんか無いわ」

藍　　「ふっ、たいした鼻息だ。では、裏」

永琳　「わかりました。では･･････････････････････････････裏ですね」

輝夜　「うむ。決勝戦第二戦は、八雲藍の先行ね。
　　　　では、永琳。改めて宣言を」

永琳　「かしこまりました。では、お二人とも。よろしいですね？」

アリス「ええ。いつでもいいわ」

藍　　「こちらも」

永琳　「承知しました。それでは････････････トーナメント決勝戦二試合目、始め！！」















　　藍【八雲式三幻魔】LP8000

　　　　　　　　　　　　　　　　ＶＳ

　　　　　　　　　　　　　　　　　アリス【アリス・メイ・クライ】LP8000






藍　　「わたしの先行だったな。ドロー」

藍　　「モンスターを一体、裏守備でセット。カードを１枚伏せてターンエンドだ」

アリス「ドローするわ」

アリス「わたしも裏守備でセット、さらに１枚伏せてターンエンド」



藍　　　LP8000:手札４:裏守備１、伏せ１
アリス　LP8000:手札４:裏守備１、伏せ１



早苗　「（･･････さすがにお互い初手は様子見みたい。
　　　　お互いのデッキも気になるはず。となれば、これは予想された展開･･････）」

早苗　「（とはいえ、この緊迫感･･････確かに、先に均衡を崩すのが躊躇われるくらいね。
　　　　うかつに声も出せない･･････）」

藍　　「わたしのターン、ドロー」

藍　　「一枚伏せて、エンドだ」

アリス「･･････ドロー。ターン終了よ」

藍　　「ドロー。エンド･･････」



藍　　　LP8000:手札５:裏守備１、伏せ２
アリス　LP8000:手札５:裏守備１、伏せ１



霊夢　「ちょっとちょっと、どういうこと？
　　　　どっちも、全っ然攻めないじゃない」

咲夜　「まさか、この大舞台でどちらも手札事故かしら」

レミ　「はん、考えにくいわね。
　　　　この土壇場で後手を引くやつが、決勝の舞台に立っているはずがないわ」

パチェ「アリスはあんなデッキなのだし、わたしは事故の可能性は否定しないけど、
　　　　藍の場合は････････････ひょっとしたら、攻めないのがデッキのコンセプトかもしれないわね。
　　　　ロックバーンか、あるいはフィフティ・フィフティかも･･････」

魔理沙「（アリス･･････どうしたんだ。動けないのか？）」

魔理沙「（いや･･････だが、あの自信に満ちた表情は、いささかも心を揺るがしてはいない）」

魔理沙「（信じていいんだな。お前と、わたしのデッキを･･････）」

アリス「ドローするわ。エンドよ」

藍　　「ドロー。一枚伏せてエンドだ」



藍　　　LP8000:手札５:裏守備１、伏せ３
アリス　LP8000:手札６:裏守備１、伏せ１



藍　　「･･････ふふふ。まだ様子を伺うつもりかな。
　　　　いつまでも手をこまねいていると、機を逸するよ。
　　　　そろそろ攻めた方が無難というものでは？」

アリス「そのつもりよ。ドロー！」

アリス「手札から、スピア・ドラゴンを召喚！」


《スピア・ドラゴン/Spear Dragon》 †
効果モンスター
星４/風属性/ドラゴン族/攻1900/守 0
守備表示モンスターを攻撃した時にその守備力を攻撃力が越えていれば、
その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える。
このカードは攻撃した場合、ダメージステップ終了時に守備表示になる。


輝夜　「（動いた･･････！）」

鈴仙　「スピアドラゴン･･････貫通持ちですね」

永琳　「貫通なら、悪い目は出なさそうね」

アリス「バトルよ。スピア・ドラゴンで、裏守備に攻撃！」

藍　　「クリッターだ。破壊される」


《クリッター/Sangan》 †
効果モンスター（制限カード）
星３/闇属性/悪魔族/攻1000/守 600
このカードがフィールド上から墓地に送られた時、
自分のデッキから攻撃力１５００以下のモンスター１体を選択し、
お互いに確認して手札に加える。その後デッキをシャッフルする。


藍　　「誘発効果発動。デッキからスカラベの大群を手札に加えるよ」LP8000→6700

アリス「バトルフェイズ終了時にスピアドラゴンは守備表示になるわ。ターンエンド」



藍　　　LP6700:手札６:伏せ３
アリス　LP8000:手札６:スピアドラゴン、裏守備１、伏せ１



霊夢　「先制してダメージは与えられたけど･･････１０００いくらじゃこの状況にはたいした影響じゃないわね」

咲夜　「あら、霊夢がマシなコメントしてますわ」

霊夢　「するわよ、そりゃ」

レミ　「でも、百点とはいえないわね。今のは結果的に、攻撃するべきじゃなかったわ」

パチェ「クリッターの効果を使われたからね。欲しいカードが手札に入った。
　　　　これで、相手も準備が整ってしまったわ」

藍　　「ドロー。サイクロンを発動」


《サイクロン/Mystical Space Typhoon》 †
速攻魔法（制限カード）
フィールド上の魔法または罠カード１枚を破壊する。


藍　　「その伏せを破壊する」

アリス「･･････竜の逆鱗よ」

藍　　「ならばこの攻撃は通るな。わたしは手札から、スカラベの大群を召喚」


《スカラベの大群/Swarm of Scarabs》 †
効果モンスター
星３/闇属性/昆虫族/攻 500/守1000
このカードは１ターンに１度だけ裏側守備表示にする事ができる。
このカードが反転召喚に成功した時、
相手フィールド上のモンスター１体を破壊する。


藍　　「スピアドラゴンに攻撃。撃破だ。そしてメインフェイズ２で、スカラベの起動効果発動。
　　　　このカードを裏守備にする。そしてエンドフェイズ前に、このカードを発動しておくよ」


《平和の使者/Messenger of Peace》 †
永続魔法
お互いに表側表示の攻撃力１５００以上のモンスターは攻撃宣言が行えない。
自分のスタンバイフェイズ毎に１００ライフポイントを払う。
払わなければ、このカードを破壊する。



藍　　　LP6700:手札４:裏守備１、平和、伏せ３
アリス　LP8000:手札６:裏守備１



魔理沙「（藍のデッキは、サイクルリバースメインのパーミッションか？　
　　　　いやらしいデッキだぜ。だがアリスのデッキは、その半身がわたしのデッキでもある。
　　　　わたしのドラゴン族なら、魔法・罠除去は豊富ななず･･････）」

アリス「わたしのターン、ドローよ。軍隊竜を反転召喚」


《軍隊竜(アーミー・ドラゴン)/Troop Dragon》 †
効果モンスター
星２/風属性/ドラゴン族/攻 700/守 800
このカードが戦闘で破壊され墓地に送られた場合、
「軍隊竜」をデッキから１枚選択し自分フィールド上に特殊召喚する。
その後デッキをシャッフルする。


アリス「このカードの攻撃力は１５００未満だから、平和の使者の状況下でも攻撃できる。
　　　　スカラベの守備力には及ばないけど、仕方ないわね。裏守備に攻撃よ」

藍　　「当然、これはスカラベの大群だ」

霊夢　「？　何でアリスは破壊できないとわかってて攻撃をしたの？」

パチェ「テキスト嫁と言いたいところだけど、もう決勝で解説の仕事も終わるし、教えてあげるわ。
　　　　スカラベは裏守備からリバースした時、相手モンスターを破壊する起動効果を持っている。
　　　　つまり放っておけば確実に自分のモンスターはやられることになるの」

霊夢　「ふむ。そういえばそう書いているわね」

咲夜　「･･････。
　　　　次の藍のターン、起動効果を使ってからスカラベを反転召喚することもできるけど、
　　　　それだと低攻撃力の状態をさらすことになる。
　　　　相手からしたら躊躇われるから、軍隊竜は破壊されないかもしれないってことですね」

アリス「１枚伏せて、ターンエンドよ」LP8000→7700

藍　　「ふっ、ぬるいな。現状維持が関の山とは。
　　　　相方が負けたショックで牙ごと持っていかれたか？」

アリス「何ですって？」

藍　　「わたしのターンだ。平和の使者を維持するために、１００ライフを支払う」LP6700→6600

藍　　「そしてスカラベの起動効果発動。裏守備にする。さらにもう一体をセット。ターン終了だ」



藍　　　LP6600:手札４:裏守備２、平和、伏せ３
アリス　LP7700:手札６:軍隊竜、伏せ１



神奈子「（もう一体の裏守備･･････臭いね）」

アリス「ドローするわ」

アリス「再び軍隊竜でそっちの裏守備に攻撃。スカラベは表になる。
　　　　１枚伏せて、ターンエンドよ」LP7700→7400

魔理沙「（さっきと同じ手･･････スカラベを破壊できる手段がないのか･･････）」

魔理沙「（まさか、ひょっとして･･････事故ってるのか？？　
　　　　やっぱり、あんな無茶な構成にしてしまったから･･････）
　　　　おい、アリ･･････」

アリス「心配いらないわ、魔理沙」

魔理沙「？」

アリス「わたしは、絶対に負けないから。負ける気がしないの。あいつには」

藍　　「やれやれ･･････いい加減その自信がどこから生まれるのか、教えてほしいものだな。ドロー」

藍　　「ふふふ、平和を維持し、こちらの裏守備を反転召喚。イナゴの軍勢だよ」LP6600→6500


《イナゴの軍勢(ぐんぜい)/Swarm of Locusts》 †
効果モンスター
星３/闇属性/昆虫族/攻1000/守 500
このカードは１ターンに１度だけ裏側守備表示にする事ができる。
このカードが反転召喚に成功した時、
相手フィールド上の魔法・罠カード１枚を破壊する。


藍　　「誘発効果発動。先に伏せていた方のカードを破壊する」

アリス「アルケミー・サイクルよ」

藍　　「イナゴとスカラベを効果で裏守備に変更。ターンエンドだ」



藍　　　LP6500:手札５:裏守備２、平和、伏せ３
アリス　LP7400:手札６:軍隊竜、伏せ１



早苗　「スカラベに加え、イナゴまで･･････。
　　　　相手は攻撃を封じられるうえに、モンスターを出してもリバースカードを出しても破壊される。
　　　　派手さは無いけど･･････別の怖さがありますね」

妖夢　「確かに。淡々としていて、さっきの魔理沙の試合とは、全く正反対な試合運びになってますね。
　　　　でも、えもいわれぬ緊迫感がある。
　　　　そして徐々に･･････徐々にだけど、確実に形勢は変わりつつある･･････」

幽々子「うふふ、あるいは、もう変わってしまったのかもしれないわ。
　　　　このまま手をこまねいていては、何もせずとも虫たちに蝕まれていくだけよ」

アリス「わたしのターン･･････」

アリス「ドロー。このままターンエンドよ。手札が７枚だから、１枚を捨てるわ」

藍　　「（ネクロ・ガードナーを捨てたか･･････だが）」

藍　　「何もできないようだな。
　　　　場にカードを出せばアド損になるとはいえ、何もしないのでは話にならない」

藍　　「ドロー。イナゴとスカラベを反転召喚し、軍隊竜と伏せを破壊する」

アリス「･･････チェーン・マテリアルよ」

藍　　「がら空きだね。虫どもでダイレクトアタックだ！」

アリス「ぐっ･･････」LP7400→6900→5900

藍　　「モンスター達を裏守備にして、ターンエンド」



藍　　　LP6400:手札６:裏守備２、平和、伏せ３
アリス　LP5900:手札６:無し



アリス「ドローよ」

アリス「（･･････来たわね、ようやく）
　　　　手札から、儀式魔法、白竜降臨を発動！」


《白竜降臨/White Dragon Ritual》 †
儀式魔法
「白竜の聖騎士」の降臨に必要。フィールドか手札から、
レベルが４以上になるよう生け贄を捧げなければならない。


輝夜　「（･･････儀式魔法！）」

アリス「手札のサイコショッカーをリリースし、白竜の聖騎士を儀式召喚するわ」


《白竜の聖騎士(ナイト・オブ・ホワイトドラゴン)/Paladin of White Dragon》 †
儀式・効果モンスター
星４/光属性/ドラゴン族/攻1900/守1200
「白竜降臨」により降臨。
フィールドか手札から、レベルが４以上になるよう
カードを生け贄に捧げなければならない。
このカードが裏側守備表示のモンスターを攻撃した場合、
ダメージ計算を行わず裏側守備表示のままそのモンスターを破壊する。
また、このカードを生け贄に捧げる事で手札またはデッキから
「青眼の白龍」１体を特殊召喚する事ができる。
（そのターン「青眼の白龍」は攻撃できない。）


妹紅　「白竜か。でも、平和があるから攻撃はできないだろ」

アリス「当然そいつは破壊するわ。手札からスタンピング・クラッシュ発動。
　　　　ついでに５００ダメージよ」


《スタンピング・クラッシュ/Stamping Destruction》 †
通常魔法
自分フィールド上に表側表示のドラゴン族モンスターが
存在する時のみ発動する事ができる。
フィールド上の魔法・罠カード１枚を破壊し、
そのコントローラーに５００ポイントダメージを与える。


藍　　「そいつも手札にあったのか」LP6400→5900

アリス「あったのよ。白竜の聖騎士で裏守備のスカラベに攻撃。ダークハント・セイクリッドスピア！」

藍　　「ふん、永続トラップ発動。アストラルバリア」


《アストラルバリア/Astral Barrier》 †
永続罠
相手モンスターが自分フィールド上モンスターを攻撃する場合、
その攻撃を自分ライフへの直接攻撃にする事ができる。


藍　　「その攻撃は、プレイヤーへの直接攻撃にする」LP5900→4000

魔理沙「（ライフを大幅に削ってまでスカラベを守ったか・・・・・）」

アリス「少し意外だわ。あなたが自分を犠牲にしてまで、モンスターを助けるなんて」

藍　　「変な勘違いをしているようだ。モンスターカードも、式神と同じ。
　　　　そこに主従の関係などありはしない。結果のために、必要だから行ったまでさ」

アリス「･･････なるほどね。なら、もう聞く必要はないわ」

アリス「メインフェイズ２で、白竜の聖騎士の起動効果発動！　
　　　　このカードをリリースし、デッキからブルーアイズ・ホワイトドラゴンを特殊召喚するわ。
　　　　来なさい、ブルーアイズ！！」


《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)/Blue-Eyes White Dragon》 †
通常モンスター
星８/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。
どんな相手でも粉砕する、その破壊力は計り知れない。


霊夢　「アリスが･･････ブルーアイズを！」

アリス「あなたに教えてあげる。本当の信頼というものが、何かということを。
　　　　このカードを使って、証明してみせる！　ターンエンドよ！」



藍　　　LP4000:手札６:裏守備２、アストラルバリア、伏せ２
アリス　LP5900:手札３:ブルーアイズ



永琳　「（意気込んでブルーアイズを出したはいいけど･･････今のは悪手だわ。
　　　　返しのターンで、スカラベにすぐ破壊されてしまう･･････）」

藍　　「信頼だと？　
　　　　ふっ、戯けたことを。あなたはカードと自分の間に、そんなものを求めるというのか」

アリス「そうよ。あなただって･･････同じじゃない。
　　　　見ていればわかるわ。あなたと紫、あなたの紫に対する忠誠心は･･････」

藍　　「ハハッ！　信頼とでも言いたいわけか。
　　　　勝手な解釈だね。あなたは式神というものが何か、まったく理解していない。
　　　　式は主の手足であり、道具だ。感情も、自由も持ち得ない。
　　　　与えられるのは主命と、式だけだ。このカード達と同様にね」

アリス「･･････理解に苦しむわ」

藍　　「それもよかろう。ドロー」

藍　　「イナゴとスカラベを反転召喚。ブルーアイズを破壊する。
　　　　二体でダイレクトアタックだ」

アリス　LP5900→5400→4400

藍　　「他愛ない。カードを１枚伏せて、ターン終了」



藍　　　LP4000:手札６:裏守備２、アストラルバリア、伏せ３
アリス　LP4400:手札３:無し



霊夢　「藍の手札は６枚に対して、アリスは３枚。いつのまにか、こんな差がついていたなんて･･････」

咲夜　「正直、まずいわね。下手したら、このまま決まってしまうってことも･･････」

魔理沙「（そうか･･････アリスはただ勝つだけじゃない、藍を諭してやりたいんだ。
　　　　そのために、わざわざあんなデッキを･･････）」

藍　　「式神というものはわからなくとも、あなたの理念が誤っていることには理解が及んだのではないか？　
　　　　現に、あなたの言う信義の象徴ともいうべきブルーアイズは、いとも簡単に破壊された。
　　　　人と人との仲間意識など、その程度のものでしかない。抱腹だね」

アリス「嘘だわ」

藍　　「何？」

アリス「あなたの今の言葉よ。本当は心の奥底では、本心とは思っていないんでしょう？
　　　　どうして自分の感情を、頑なに否定するの」

藍　　「･･････戯けたことを。いい加減ドローしたらどうだ。
　　　　この場況で、くだを巻いている余裕など無いだろう」

アリス「だったら切り拓いてやるわ！　ドロー！」

アリス「手札から、マンジュ・ゴッドを召喚！」


《マンジュ・ゴッド/Manju of the Ten Thousand Hands》 †
効果モンスター
星４/光属性/天使族/攻1400/守1000
このカードが召喚・反転召喚された時、自分のデッキから
儀式モンスターカードまたは儀式魔法カード１枚を選択して手札に加える事ができる。


アリス「誘発効果発動よ。デッキから２枚目の白竜降臨を手札に加えるわ。
　　　　裏守備のスカラベに攻撃！」

藍　　「･･････っ！」

霊夢　「やった！　スカラベを破壊したわ」

アリス「ターンエンドよ！」



藍　　　LP4000:手札６:裏守備１、アストラルバリア、伏せ３
アリス　LP4400:手札４:マンジュ



輝夜　「永琳。今のターン、藍はアストラルバリアの効果を使用しなかったけれど、あれは･･････」

永琳　「さすがに単に動揺して、使い損じたというわけではないでしょう。
　　　　ライフの心配をし始めたのか、あるいは････････････もう必要無くなったのか」

藍　　「（く･･････デュエル中だというのに、こいつはなぜわたしのことばかり気にかける発言を･･････。
　　　　いったいどういうつもりなのだ）」

藍　　「（黙らせてやる。この手で･･････）
　　　　ドローする。リバースカードオープン、メタル・リフレクト・スライム。
　　　　そしてチェーンして、２枚目のアストラルバリアを発動」


《メタル・リフレクト・スライム/Metal Reflect Slime》 †
永続罠
このカードは発動後モンスターカード（水族・水・星１０・攻0/守3000）となり、
自分のモンスターカードゾーンに守備表示で特殊召喚する。
このカードは攻撃する事ができない。（このカードは罠カードとしても扱う）


にとり「このタイミングでメタリフ･･････？？」

魔理沙「（いや、それよりも、２枚目のアストラルバリアってことは･･････）」

藍　　「あなたがあくまでお喋りに興じたいというならば、それもいいだろう。
　　　　このモンスターの前で、そんな余裕があればの話だけどね」

藍　　「場のメタリフ、アストラル２枚を墓地に送り････････････来るがいい、神炎皇ウリア」


《神炎皇ウリア/Uria, Lord of Searing Flames》 †
効果モンスター
星１０/炎属性/炎族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に表側表示で存在する罠カード３枚を
墓地に送った場合のみ特殊召喚する事ができる。
このカードの攻撃力は自分の墓地の永続罠カード１枚につき
１０００ポイントアップする。
１ターンに１度だけ、相手フィールド上にセットされている
魔法・罠カード１枚を破壊する事ができる。
この効果の発動に対して魔法・罠カードを発動する事はできない。


妖夢　「う、ウリアだって！？」

パチェ「なるほど、ウリアデッキだったのね。あの戦法は」

藍　　「･･････ウリアの攻撃力は墓地の永続罠カード１枚につき1000ポイントアップする。
　　　　よって、攻撃力は3000となる･･････」

藍　　「さらにイナゴを反転召喚。
　　　　バトルフェイズで、ウリアでマンジュに攻撃！　四面楚歌ハイパーブレイズ！！」

アリス「くっ！　マンジュは破壊されるわ･･････」LP4400→2800

藍　　「さらにイナゴでダイレクトアタックだ」

アリス「うっ･･････」LP2800→1800

アリス「（退いてたまるもんですか。この程度で･･････）」

藍　　「（あの目･･････どうあっても譲らぬというのか。だが･･････）」

藍　　「起動効果でイナゴを裏守備表示に。カードを１枚伏せて、ターンエンドだ」



藍　　　LP4000:手札５:ウリア（攻撃力3000）、裏守備１、伏せ２
アリス　LP1800:手札４:無し



早苗　「（ウリアが出てきた以上、もうトラップは効かない･･････。
　　　　なんとかして破壊したいところだけど･･････）」

アリス「わたしのターン、ドロー！」

アリス「手札から、龍の鏡を発動！」


《龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)/Dragon's Mirror》 †
通常魔法
自分のフィールド上または墓地から、
融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、
ドラゴン族の融合モンスター１体を融合デッキから特殊召喚する。
（この特殊召喚は融合召喚扱いとする）


妹紅　「龍の鏡･･････魔理沙のファイブ・ゴッド・ドラゴンか！」

藍　　「させない。マジックジャマーだ」


《マジック・ジャマー/Magic Jammer》 †
カウンター罠
手札を１枚捨てる。
魔法カードの発動を無効にし、それを破壊する。


藍　　「手札のミラフォを捨て、龍の鏡の発動は無効になる」

アリス「いいわ。なら、手札から２枚目の白竜降臨を発動！　
　　　　手札の光龍を生け贄に捧げ、再び白竜の聖騎士を特殊召喚！　裏守備のイナゴに攻撃よ！」

藍　　「イナゴは破壊される」

アリス「メインフェイズ２で、白竜の聖騎士をリリースするわ。
　　　　デッキから２枚目のブルーアイズを特殊召喚！　ターン終了よ」



藍　　　LP4000:手札４:ウリア（攻撃力3000）、裏守備１、伏せ１
アリス　LP1800:手札１:ブルーアイズ



咲夜　「アリスが･･････ブルーアイズを使いこなしてる」

霊夢　「当然よ。誰よりも隣で、魔理沙の事を見続けてきたんだもの･･････」

霊夢　「（本当は･･････そこにいるのはわたしでありたかった。
　　　　でも、わたしじゃ魔理沙のカードを使いこなすことはできないのよね）」

霊夢　「（だとしても、それでもいい。認めるしかないわ。
　　　　あんたの方が、魔理沙のパートナーとして相応しいって。
　　　　彼女を知り、手を取り、未来に導く術を知っているから。だから･･････）」

霊夢　「･･････アリス！」

アリス「っ。霊夢？」

霊夢　「目にもの見せてやって！　そいつを倒して、あんたたちが、二人で優勝するのよ！」

魔理沙「（霊夢･･････）」

魔理沙「ああ、霊夢の言うとおりだ！　わたしのカードまで使わせてやってるんだ。
　　　　そんなやつとっととのして、こっちの気を楽にさせてくれよな！」

アリス「･･････ふふっ、わかったわ。リクエストには答えないとね」

藍　　「（奴らの表情から、憂いの色が消えていく･･････。
　　　　あれが、人間の織り成す感情図。信頼し合う力というわけか）」

藍　　「（やはり、くだらないな。そんなものが、どれほどのものだと･･････）」

藍　　「ドロー。カードを１枚伏せ･･････手札から、スライム増殖炉を発動」


《スライム増殖炉/Jam Breeding Machine》 †
永続魔法
自分のスタンバイフェイズ毎に自分のフィールド上に「スライムモンスタートークン」
（水族・水・星１・攻／守５００）を１体攻撃表示で特殊召喚する。
このカードが表側表示でフィールド上に存在する限り、
自分はモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する事はできない。
（「スライムモンスタートークン」を除く）


パチェ「（スライム増殖炉ですって？　なんでウリアにあんなカードが･･････）」

藍　　「ターンエンドだ」

アリス「わたしのターン、ドローよ！」

アリス「（ウリアの攻撃力はブルーアイズと互角。
　　　　とはいえ、なんらかの方法で永続トラップを墓地に送られれば、攻撃力は跳ね上がる。
　　　　そうなれば、ブルーアイズじゃ対処できなくなる････････････なら）」

アリス「バトルよ！　ブルーアイズ・ホワイトドラゴンで、神炎皇ウリアを攻撃！
　　　　滅びの、首吊り蓬莱人形！！」

藍　　「く･･････」

咲夜　「相打ちだけど･･････ウリアを倒しましたわ！」

アリス「カードを１枚伏せて、ターンエンドよ」



藍　　　LP4000:手札３:伏せ２、増殖炉
アリス　LP1800:手札１:伏せ１



藍　　「わたしのターンのスタンバイフェイズに、スライム増殖炉の効果が発動する。
　　　　フィールド上に、スライムモンスタートークンを攻撃表示で特殊召喚」


　　　　スライムモンスタートークン　　　　攻撃力500


鈴仙　「毎ターントークンを生み出すカードですか･･････鬱陶しいですね」

永琳　「だけど、代わりに自分はモンスターを召喚できないデメリットがある。
　　　　あと必ず攻撃表示で生まれるのもきついわね。その点をうまくカバーできればなんだけど･･････」

藍　　「トークンでダイレクトアタックだ」

アリス　LP1800→1300

藍　　「そして手札から、レベル制限Ｂ地区を発動。ターンエンドだ」


《レベル制限Ｂ地区/Level Limit - Area B》 †
永続魔法（制限カード）
フィールド上に表側表示で存在するレベル４以上のモンスターは
全て守備表示になる。


輝夜　「新たなロックカードか。あれでカバー云々するつもりらしいわね。
　　　　これはまた、膠着しそうかも･･････」

アリス「わたしのターンよ。手札から再びマンジュゴッドを召喚。白竜降臨を手札に加える」

藍　　「だが、マンジュはＢ地区の効果で守備表示になる」

アリス「わかってるわ。カードを１枚伏せてターンエンド」



藍　　　LP4000:手札３:スライムトークン、伏せ２、増殖炉、Ｂ地区
アリス　LP1300:手札１:マンジュ、伏せ２



藍　　「わたしのターン。スタンバイフェイズにトークンを特殊召喚。
　　　　もう一体のトークンを守備表示に変更し、ターンエンドだ」

アリス「ドローするわ。モンスターをセットし、ターンエンド」

藍　　「わたしのターン。トークン生成。トークン一体を守備にしてエンド」

アリス「ドロー･･････エンドするわ」



藍　　　LP4000:手札５:スライムトークン３、伏せ２、増殖炉、Ｂ地区
アリス　LP1300:手札１:マンジュ、裏守備１、伏せ２



にとり「うーん、固まってますね。
　　　　増殖炉のせいで攻撃はできず、Ｂ地区のせいで相手は動けない･･････」

文　　「でも、仕掛けるとしたら藍さんの方でしょうね。
　　　　ひょっとしたら、相手の大嵐待ちって線も･･････」

藍　　「ドローする」

藍　　「（来たか、このカードが。多少は紆余曲折あったが、茶番は終わりだ）」

藍　　「（ふふふ、天狗もなかなかいい線をいく。
　　　　正確には大嵐待ちではなく、奴の手札に大嵐があるかないかを見極めたかったのさ。
　　　　これだけわたしの場にカードがあれば、もし手札にあるなら使わずにはいられまい。
　　　　それで使ってこないないということは･･････奴の手札に大嵐は無いということだ）」

藍　　「増殖炉の効果でトークンを特殊召喚。そして手札から･･････ハリケーンを発動」


《ハリケーン/Giant Trunade》 †
通常魔法（制限カード）
フィールド上の魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。


早苗　「（スライム増殖炉が場から消えた。これで藍さんの方もモンスターを召喚できる･･････）」

藍　　「もう一度Ｂ地区を発動し、カードを３枚伏せてターンエンドだ」



藍　　　LP4000:手札５:スライムトークン４、伏せ３、Ｂ地区
アリス　LP1300:手札４:マンジュ、裏守備１



アリス「わたしのターン。
　　　　･･････勝負を急いだわね」

藍　　「なんだと？」

アリス「ハリケーンをするなら、そのターンで勝負をつけるべきだった。
　　　　大嵐発動！　Ｂ地区と３枚の伏せを全て破壊する！」


《大嵐/Heavy Storm》 †
通常魔法（制限カード）
フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。


藍　　「（くっ、馬鹿な･･････！　
　　　　大嵐は今ツモではなかった。すでに手札にあったというのか。
　　　　それなのに、使わなかったということは･･････。
　　　　まさか･･････こちらの策を、読んでいたというのか！？）」

幽々子「（隙を窺っていたのね。この娘も、やるようになったものだわ。ふふふ･･････）」

アリス「さらに貪欲な壷を発動！　
　　　　墓地の軍隊竜、タイラントドラゴン、光龍、青眼２体をデッキに戻して、２枚ドローするわ！」


《貪欲(どんよく)な壺/Pot of Avarice》 †
通常魔法（制限カード）
自分の墓地からモンスターカードを５枚選択し、
デッキに加えてシャッフルする。
その後、自分のデッキからカードを２枚ドローする。


アリス「せっかく蓄えていたトークンだけど、一掃させてもらうわ。
　　　　マンジュを攻撃表示に変更し、裏守備を反転召喚。これはドルドラよ。
　　　　ドルドラで攻撃表示のトークンを、マンジュで守備のトークンを攻撃！」


《ドル・ドラ/Twin-Headed Behemoth》 †
効果モンスター
星３/風属性/ドラゴン族/攻1500/守1200
このカードがフィールド上で破壊され墓地に送られた場合、
エンドフェイズにこのカードの攻撃力・守備力はそれぞれ
１０００ポイントになって特殊召喚される。
この効果はデュエル中一度しか使用できない。


藍　　「ぐ･･････」LP4000→3000

アリス「手ごたえあり、ね。カードを１枚伏せてターンエンドよ！」



藍　　　LP3000:手札５:スライムトークン２
アリス　LP1300:手札４:マンジュ、ドルドラ、伏せ１



咲夜　「大嵐一発で、形勢は逆転。さすがは初期制限カードだけはありますね」

パチェ「認めるべきは、使い手の方ね。
　　　　いつから大嵐が手札にあったかは知らないけど、これ以上無い最高のタイミングで使用したのは間違いないわ。
　　　　今のは藍も想像していなかったようだし、精神的なダメージも与えられたはず･･････」

藍　　「（･･････うう、馬鹿な。
　　　　今のアリス・マーガトロイトの実力では、わたしの戦術を看破するに至らぬはずだ。いいや、はずだった。
　　　　彼女の成長度すら、紫様の式の埒内。すなわち、予測の範疇。
　　　　だからこそ、わたしは式の通りに･･････）」

藍　　「（まさか、実力でわたしを上回ったというのか。
　　　　あり得ない。わたしはずっと、紫様の式にしたがって選択肢を選んでいる。
　　　　紫様の式を得ることで、わたしは紫様と同等の能力を得ているというのに･･････
　　　　それを、それを上回るなど････････････）」

紫　　「（藍･･････藍）」

藍　　「（！　紫様･･････）」

紫　　「（心拍が乱れていてよ。何を惑うことがあるの）」

藍　　「（いえ･･････申し訳ありません）」

紫　　「（案ずる必要など無いでしょう？　
　　　　あなたはわたしの式通りに動けばいい。そう、わたしの並べた式の通りにね）」

藍　　「（･･････御意）」

藍　　「（そうだ･･････うろたえる必要などない。
　　　　わたしは式神。いかな道程と結果があろうと、与えられる式にだけ愚直に従っていればいい。
　　　　余計な詮索も、忖度も必要無い。意思も、心すらも無用･･････）」

藍　　「ドローする」

藍　　「モンスターをセットし、カードを３枚伏せてエンド」

永琳　「（この期に及んでまだ３枚も･･････。
　　　　大胆だけど、理には適ってるわね。
　　　　大嵐が無くなったことで、もうトラップを大量破壊されることは無い･･････）」

アリス「わたしのターン、ドロー！」

アリス「バトルフェイズよ。ドルドラとマンジュで、トークン２体に攻撃！」

藍　　「･･････トークンは破壊される」

アリス「モンスターをセットよ。ターン終了！」



藍　　　LP3000:手札２:裏守備、伏せ３
アリス　LP1300:手札４:マンジュ、ドルドラ、裏守備、伏せ１



藍　　「わたしのターン･･････ドローし、カードを１枚伏せる」

輝夜　「（メインフェイズ開始時に先伏せですって？）」

藍　　「今伏せたスライム増殖炉と場のメタルリフレクトスライムを墓地に送り、オオアリクイクイアリを特殊召喚」


《オオアリクイクイアリ/Anteatereatingant》 †
効果モンスター
星５/地属性/昆虫族/攻2000/守 500
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上の魔法・罠カード２枚を
墓地に送った場合のみ特殊召喚する事ができる。
このカードは攻撃するかわりに相手フィールド上の
魔法・罠カード１枚を破壊する事ができる。


妹紅　「ウリアの劣化モンスターか。でも効果は十分強力・・・・・」

藍　　「優先権を行使。伏せカードを破壊する」

アリス「（く･･････あいつは破壊しないと）
　　　　チェーンして罠発動！　激流葬！」


《激流葬/Torrential Tribute》 †
通常罠（制限カード）
モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時に発動可能。
フィールド上のモンスターを全て破壊する。


アリス「フィールドのモンスターを全て破壊よ！」

霊夢　「思い切ったわね～。自分の場に３体もモンスターがいたのに」

魔理沙「アリがいるかぎり、トラップは毎ターン破壊されてしまうからな。
　　　　それに奴の場にはきな臭い伏せカードがまだある。確実に倒すなら今しかなかった」

藍　　「ターンエンドだ」

アリス「エンドフェイズに、ドルドラは攻守を下げて復活する。守備表示で特殊召喚よ」



藍　　　LP3000:手札１:伏せ２
アリス　LP1300:手札４:ドルドラ（攻守1000）



アリス「ドローするわ！」

アリス「戦闘よ。ドルドラで、藍にダイレクトアタック！」

藍　　「やらせない。リバースカードオープン、スケープゴートだ」


《スケープ・ゴート/Scapegoat》 †
速攻魔法（制限カード）
このカードを発動する場合、自分は発動ターン内に召喚・反転召喚・特殊召喚できない。
自分フィールド上に「羊トークン」（獣族・地・星１・攻／守０）を
４体守備表示で特殊召喚する。（生け贄召喚のための生け贄にはできない）


藍　　「トークン４体を特殊召喚する」

パチェ「（またトークンですって･･････？）」

アリス「（ここでスケゴか。でも羊トークンは生け贄召喚の生け贄にはできないし、
　　　　ここは攻撃するよりも、トークンを残して相手のフィールドを圧迫させたままにしておいた方がいいわね）」

アリス「（そしてその間に･･････こちらも一撃必殺の手札を揃える！　
　　　　じゃなきゃ、藍の目を覚ますことはできない！）」

アリス「ドルドラで攻撃はしないわ。カードを１枚伏せてターン終了よ」



藍　　　LP3000:手札１:羊トークン４、伏せ１
アリス　LP1300:手札４:ドルドラ（攻守1000）、伏せ１



藍　　「わたしのターンだ」

藍　　「（･･････アリス・マーガトロイト。あなたの性格は折り込み済みだ。
　　　　ここで攻撃してこないことはわかっていた）」

藍　　「リバースカード発動。ＤＮＡ改造手術だ」


《ＤＮＡ改造手術/DNA Surgery》 †
永続罠
発動時に１種類の種族を宣言する。
このカードがフィールド上に存在する限り、
フィールド上の全ての表側表示モンスターは自分が宣言した種族になる。


アリス「！？」

妖夢　「か、改造手術･･････！？」

幽々子「（うふふ、やはり･･････あれは紫のデッキね）」

藍　　「（先程のあれが偶然でないか、見極めてやろう。あなたの真贋を！）」

藍　　「悪魔族を宣言する。そして手札から･･････キングゴブリンを召喚」


《キングゴブリン/Goblin King》 †
効果モンスター
星１/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
自分フィールド上にこのカード以外の悪魔族モンスターが存在する場合、
このカードを攻撃する事はできない。
このカードの攻撃力・守備力は、フィールド上のこのカード以外の
悪魔族モンスターの数×１０００ポイントである。


鈴仙　「キングゴブリン･･････！」

永琳　「なるほど。さっきのスライムトークンもあれのためだったわけね」

藍　　「ＤＮＡ改造手術の効果で、場にいるモンスターは全て悪魔族となっている。
　　　　フィールドの悪魔族は５体。よって攻撃力は５０００となる」

咲夜　「ご、５０００ですって！？　そんなものが直撃したら･･････」

藍　　「バトルフェイズだ。キングゴブリンでドルドラに攻撃！！」

アリス「･･････っ！　
　　　　トラップ発動。聖なるバリア、ミラーフォース！！」


《聖なるバリア－ミラーフォース－/Mirror Force》 †
通常罠（制限カード）
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。
相手フィールド上の攻撃表示モンスターを全て破壊する。


藍　　「（っ！　ミラーフォース･･････！）」

霊夢　「あっっっぶないわねぇ。ミラフォじゃなかったらおっ死んでたじゃないの･･････」

にとり「相変わらず悪運の強いこってすねぇ。運も実力の内とは言いますが」

文　　「つくづくわかってないわねぇ、にとりは。実力の内なのではなく、運こそ最大の実力なの。
　　　　ここまで勝ち上がってきたんだもの、相応に太い運を持ち合わせてくれないと困るわ」

紫　　「（･･････うふふふふ、天狗もたまには真っ当な事を言うのね。
　　　　そうよ。これぐらいじゃ、誰も驚かないわ。
　　　　あなたの潜在能力･･････まだまだ、まだまだ吐き出してもらわないと）」

紫　　「（そのためには････････････藍にももっと踊ってもらわないとねぇ。うふふふふふふふふ）」

藍　　「･･････１枚伏せて、ターンエンドだ」

レミ「チッ、続くのね･･････」


続きます。