<日常は少しずつ変わっていく>
「いっけぇゾンビフェアリー達!」
今日は週に一回の宴会の日。人間と妖怪達がお酒をかっ込み、てんやわんや騒げる特別な日である。
そして博麗神社の素敵な賽銭箱の前、境内と呼ばれる場所で少女が叫んだ。
少女の名前はロネーヌド・サン・ローラン。ではなく、火焔猫 燐。
地底に住む、死体大好きな火車さんだ。周りからは、お燐の愛称で呼ばれている。
そんな彼女が今まさに、神社のラスボスの博麗 霊夢に弾幕勝負を仕掛けたのだ。
それも唐突に。昼寝をしている霊夢に対してである。
「さぁ寝ているうちに姉さんを死体にしてしまうのにゃ!」
なんだかお燐のキャラが変わっていた。
ついでに今日は黒ではなく、ピンクのふりふりドレスを着込んでいる。
先ほどアリスにプレゼントされた服らしい。
「あれ? ゾンビフェアリー達どこ~?」
本来ならば呼び出されたゾンビフェアリーが群れをなして、霊夢へと飛び込んでいき、腋や足の裏を総攻撃する予定だった。
弾幕じゃないじゃん。とは誰の言葉か。
ちなみに妖精たちはお酒の臭いで目を回して眠りこけている。
「にゃぅん……ならばここはあたい自身が突撃するしかにゃいね!」
一緒に居た白黒の魔法使いは無謀だと言った。
白黒の魔法使いの後ろに居る人形使いは、お燐の新しいゴス服を作っていた。
元気ハツラツにお燐の応援をしている八咫烏は、さらに成長した胸が服に収まりきらず弾けた胸元を、隠す様子もなくぴょんぴょん跳ねていた
遠くで見ているメイド長はバインバインな八咫烏に対して、此処では明記できない言葉で呪いの言葉を吐き続けていた。
お酒で目を回した橋姫は、後ろからメイド長の胸部を鷲づかみにして抱きついていた。
いたって普通の、いつもの宴会の風景。
ヴァンパイアキスを姉妹でし合う吸血鬼や、女体盛りの器になっている門番の姿。
妖怪の大賢者のピロートークに顔を真っ赤にする、白玉楼の庭師を筆頭にした純情可憐乙女達。
冥界の姫が舞い、ケロちゃん帽子が空を飛び、鬼同士が飲み比べをする。
なんら変わりない、日常の風景。
ただ一つ変化があるとするならば、それは
「姉さんげっと、うにゃーーーー!?」
いつもよりテンションの高い一匹の猫が、寝ぼけた巫女に捕獲されたことか。
そんな春が近い幻想郷の一日。
次の日、霊夢の布団に裸で泣いているお燐の姿があった。
カシャ♪
<ぞんび~>
「じゃじゃ~ん! 新しい妖精げっと!」
「はるー!?」
まだ肌寒さが残る妖怪の山。
雪解け水が木々を潤し、川のせせらぎが眠っている動物たちを起こそうとしている。
そんな冬と春の間の時期に、彼女たちは出会った。
春告妖精のリリー・ホワイトと、地獄のネクロにゃんサー、火焔猫 燐だ。
「いきなり何をするですか~!」
「いやぁ、あたいのゾンビフェアリーの仲間にしようかと」
「はる!? 私まだ死にたくないです~……」
いくら死んでも一回休みになるだけの妖精とはいえ、死ぬのが怖くないはずがない。
リリーは蛇に睨まれた蛙状態になり、ぶるぶると震えている。
はる~……と言いながら今にも泣き出しそうだ。しかし涙で視界が遮られたらその時点で終わりだと、妖精の勘が告げているから必死で絶えている。
「というわけで……いっけぇゾンビフェアリー達!」
「はるー!? やぁぁぁだれかだーすーけーてー!」
妖怪の山に響き渡るいつもと違う春の訪れの声。
しかしそれも川のせせらぎの音に混じり、動物たちを起こす程度の能力しか持ち合わせていなかった。
沢山のゾンビフェアリーに無理やり服を破り脱がされ、乙女の秘密がすべて晒される。
一糸纏わぬ姿になったリリー。その肌は薄く桃色を帯び、綺麗な金色の髪が幼さの中に妖艶さを醸し出していた。
恥ずかしくて胸を隠そうにも、ゾンビフェアリー達に手足を掴まれて大の字に身体を固定される。
「お嬢さん、綺麗な身体をしてるね……」
そう言うとお燐は、爪を立てないようにリリーの首に手をかける。
そのままゆっくりと、下へ手を這わせていく。
肩……胸……腰……下腹部……
そして下腹部の先端に人差し指をあて軽く爪を立てる。
いきなりの初めても刺激にリリーは声を出しそうになった。
――怖い。やめてほしい。でも……
自分でも制御できない感情に戸惑うリリーに、お燐は目を細め、今度は指を一直編に上へと這わせる。
桃色の肌にうっすらと残る爪の跡。
お燐の指が、リリーの顎を持ち上げる。
無理やり合わせられた目線。
怯え捕らえられた者の視線と、笑い獲物を捕らえた者の視線がぶつかり合う。
お燐がゾンビフェアリーからなにかを受け取った。
それは喉を掻っ切るナイフか。
それとも頭を勝ち割る無骨は石か。
お燐の瞳に捉えられたリリーには確かめる術もなく、ただ一筋の涙を流すのが精一杯だった。
そして頭上へと振り上げられたソレは、容赦なくリリーの頭上へと振り下ろされた……
「うんぴったり! さすがアリスお姉さんの作ったゾンビフェアリーの新しいコスチュームだね!」
「は、はる……?」
頭からすっぽりと被せられたワンピース型のドレス。
周りのゾンビフェアリー達と御そろいのドレス。
元春告妖精はよく状況が分かってないらしく、涙がまだ目じりにたまったままだが、まだ生きてるということだけは分かった。
次の日から春告妖精は居なくなった。
かわりに沢山のゾンビフェアリー達が、はる~、はるだよー。ハルデスヨードンドンドン! と幻想郷中を飛び回る姿が見られたとか……
お燐の全妖精ゾンビフェアリー化計画、順調に進行中♪
カシャ♪
<ぞんび~?>
「いっけぇゾンビフェアリー達!」
「よぉしあたいに全部任せろ! パーフェクトフリーズ!!」
周りにいたゾンビフェアリーをも巻き込んで吹き荒れる吹雪の弾幕。
対戦(遊び)相手の釣瓶落としのキスメをかちんこちんに凍らせ、満足げに腕を組むゾンビフェアリーの服をきたチルノ。
次の相手はだれだー! と地底の奥地へと一人飛んでいった。
「ノリが良すぎるってのも考え物かもしれないなぁ」
お燐は携帯一人用炬燵にもぐりこみ、丸くなっていた。
遠くでヤマメにキャプチャーされたチルノの悲鳴が聞こえたような気がしたが、多分気のせいだろう。
「ゾンビフェアリーの数……5百超えたかぁ。ちょっと遊びすぎたかな?」
人型の姿のまま、お燐はさらにまるく包まって小さな寝息を立て始めた。
お燐の全妖精ゾンビフェアリー化計画、順調に進行中?
カシャ♪
――少女は幻想郷を駆け回る→
「う~ん。まさか此処までやるとは驚きですね」
暗い部屋の中。沢山の写真をめくる少女がいた。
右手に持った写真には、ゾンビフェアリーの冬服~アリス作~を着た沢山の妖精たちが写っていた。
左手に持った写真には、ゾンビフェアリーの春服~アリス作~を着た沢山の妖精たちが写っていた。
このままいけば夏服まで出来てしまいそうである。
「ここまでありふれてしまうと、もう記事にはなりませんね」
少女はそう呟くと両手の写真を、マイコレクションアルバム「94-pem-5」にそっと入れた。
閉じたアルバムをドスッ!っと置くと、その衝撃で別のアルバムが落ちて、中が開かれて見えてしまった。
そこには、春服を着たリリーが躓いてこけている写真や、リリーが必死にめくれあがったスカートを押さえてる写真、はてはお風呂で月を見上げている幻想的な写真まで入っている。
「やっぱりリリーちゃんはいつもの服のほうがいいですねぇ」
そっと閉じられたアルバム。
幻想郷の変化がつまったアルバム。
変化しない幻想郷のつまったメモリアル。
ありふれた日常。
妖精のちょっとした気まぐれな衣替え。
夏にはちょこっと露出の多い妖精が増えるのだろうか。
今日は青のワンピースで湖を飛び回る小さな氷の妖精の姿を撮ってみようか。
――黒幕は舞台の表に←
一人の妖精がまくしたてる。
「夏服はもっと背中を大きく開けて!」
人形遣いに向かってまくしたてる。
「むしろエプロンのみがいいかも」
周りの妖精よりも大きな体の妖精は、目から星を出して一人しゃべっていた。
「スカートを作るなら膝上30cmは必要ですよね! あぁチルノちゃんの常時ドロチラ……はぅぁ」
「(うるさいなぁこの大妖精)」
「アリスさん聞いてますか!?」
「もう妖精の服作るのはやめたわ」
「え!? なんでですどうしてですなぜゆえに!?」
背中のまるっこい羽があまりのおどろきのためか、ギザギザにとんがった。
実は伸縮自在のようだ。
「あのね。五百着以上も作るこっちの身にもなってみなさい」
「いいじゃないですか。友達もいないし引きこもりだし暇で「シャンハーイ」きゃぁぁぁぁぁ!!」
上海人形の口から光りが溢れた。
蓬莱人形が真っ黒にこげた大妖精を心配してほっぺにちゅうをした。
「私なんでこんなことしてるんだろう」
ピクピクと痙攣している大妖精をみたアリスは、いつもの大妖精の服を縫い始める。
上海人形が大妖精のぼろぼろになった服を脱がし、蓬莱人形がストックしてあるいつもの服を着せる。
ちくたくちくたく。
今は夜の10時。良い子は寝る時間。
ちくたくちくたく
後ろで上海人形と蓬莱人形が大妖精の両横で仲良く寝いきを立て始めた。
ちくたくちくたく
小さな光りに照らされた人形遣いは呟く。それはだれに向かってか。
「ばーか」
大妖精の全妖精ゾンビフェアリー化計画改め、チルノに露出の多い服着せたい作戦……完!!
「いっけぇゾンビフェアリー達!」
今日は週に一回の宴会の日。人間と妖怪達がお酒をかっ込み、てんやわんや騒げる特別な日である。
そして博麗神社の素敵な賽銭箱の前、境内と呼ばれる場所で少女が叫んだ。
少女の名前はロネーヌド・サン・ローラン。ではなく、火焔猫 燐。
地底に住む、死体大好きな火車さんだ。周りからは、お燐の愛称で呼ばれている。
そんな彼女が今まさに、神社のラスボスの博麗 霊夢に弾幕勝負を仕掛けたのだ。
それも唐突に。昼寝をしている霊夢に対してである。
「さぁ寝ているうちに姉さんを死体にしてしまうのにゃ!」
なんだかお燐のキャラが変わっていた。
ついでに今日は黒ではなく、ピンクのふりふりドレスを着込んでいる。
先ほどアリスにプレゼントされた服らしい。
「あれ? ゾンビフェアリー達どこ~?」
本来ならば呼び出されたゾンビフェアリーが群れをなして、霊夢へと飛び込んでいき、腋や足の裏を総攻撃する予定だった。
弾幕じゃないじゃん。とは誰の言葉か。
ちなみに妖精たちはお酒の臭いで目を回して眠りこけている。
「にゃぅん……ならばここはあたい自身が突撃するしかにゃいね!」
一緒に居た白黒の魔法使いは無謀だと言った。
白黒の魔法使いの後ろに居る人形使いは、お燐の新しいゴス服を作っていた。
元気ハツラツにお燐の応援をしている八咫烏は、さらに成長した胸が服に収まりきらず弾けた胸元を、隠す様子もなくぴょんぴょん跳ねていた
遠くで見ているメイド長はバインバインな八咫烏に対して、此処では明記できない言葉で呪いの言葉を吐き続けていた。
お酒で目を回した橋姫は、後ろからメイド長の胸部を鷲づかみにして抱きついていた。
いたって普通の、いつもの宴会の風景。
ヴァンパイアキスを姉妹でし合う吸血鬼や、女体盛りの器になっている門番の姿。
妖怪の大賢者のピロートークに顔を真っ赤にする、白玉楼の庭師を筆頭にした純情可憐乙女達。
冥界の姫が舞い、ケロちゃん帽子が空を飛び、鬼同士が飲み比べをする。
なんら変わりない、日常の風景。
ただ一つ変化があるとするならば、それは
「姉さんげっと、うにゃーーーー!?」
いつもよりテンションの高い一匹の猫が、寝ぼけた巫女に捕獲されたことか。
そんな春が近い幻想郷の一日。
次の日、霊夢の布団に裸で泣いているお燐の姿があった。
カシャ♪
<ぞんび~>
「じゃじゃ~ん! 新しい妖精げっと!」
「はるー!?」
まだ肌寒さが残る妖怪の山。
雪解け水が木々を潤し、川のせせらぎが眠っている動物たちを起こそうとしている。
そんな冬と春の間の時期に、彼女たちは出会った。
春告妖精のリリー・ホワイトと、地獄のネクロにゃんサー、火焔猫 燐だ。
「いきなり何をするですか~!」
「いやぁ、あたいのゾンビフェアリーの仲間にしようかと」
「はる!? 私まだ死にたくないです~……」
いくら死んでも一回休みになるだけの妖精とはいえ、死ぬのが怖くないはずがない。
リリーは蛇に睨まれた蛙状態になり、ぶるぶると震えている。
はる~……と言いながら今にも泣き出しそうだ。しかし涙で視界が遮られたらその時点で終わりだと、妖精の勘が告げているから必死で絶えている。
「というわけで……いっけぇゾンビフェアリー達!」
「はるー!? やぁぁぁだれかだーすーけーてー!」
妖怪の山に響き渡るいつもと違う春の訪れの声。
しかしそれも川のせせらぎの音に混じり、動物たちを起こす程度の能力しか持ち合わせていなかった。
沢山のゾンビフェアリーに無理やり服を破り脱がされ、乙女の秘密がすべて晒される。
一糸纏わぬ姿になったリリー。その肌は薄く桃色を帯び、綺麗な金色の髪が幼さの中に妖艶さを醸し出していた。
恥ずかしくて胸を隠そうにも、ゾンビフェアリー達に手足を掴まれて大の字に身体を固定される。
「お嬢さん、綺麗な身体をしてるね……」
そう言うとお燐は、爪を立てないようにリリーの首に手をかける。
そのままゆっくりと、下へ手を這わせていく。
肩……胸……腰……下腹部……
そして下腹部の先端に人差し指をあて軽く爪を立てる。
いきなりの初めても刺激にリリーは声を出しそうになった。
――怖い。やめてほしい。でも……
自分でも制御できない感情に戸惑うリリーに、お燐は目を細め、今度は指を一直編に上へと這わせる。
桃色の肌にうっすらと残る爪の跡。
お燐の指が、リリーの顎を持ち上げる。
無理やり合わせられた目線。
怯え捕らえられた者の視線と、笑い獲物を捕らえた者の視線がぶつかり合う。
お燐がゾンビフェアリーからなにかを受け取った。
それは喉を掻っ切るナイフか。
それとも頭を勝ち割る無骨は石か。
お燐の瞳に捉えられたリリーには確かめる術もなく、ただ一筋の涙を流すのが精一杯だった。
そして頭上へと振り上げられたソレは、容赦なくリリーの頭上へと振り下ろされた……
「うんぴったり! さすがアリスお姉さんの作ったゾンビフェアリーの新しいコスチュームだね!」
「は、はる……?」
頭からすっぽりと被せられたワンピース型のドレス。
周りのゾンビフェアリー達と御そろいのドレス。
元春告妖精はよく状況が分かってないらしく、涙がまだ目じりにたまったままだが、まだ生きてるということだけは分かった。
次の日から春告妖精は居なくなった。
かわりに沢山のゾンビフェアリー達が、はる~、はるだよー。ハルデスヨードンドンドン! と幻想郷中を飛び回る姿が見られたとか……
お燐の全妖精ゾンビフェアリー化計画、順調に進行中♪
カシャ♪
<ぞんび~?>
「いっけぇゾンビフェアリー達!」
「よぉしあたいに全部任せろ! パーフェクトフリーズ!!」
周りにいたゾンビフェアリーをも巻き込んで吹き荒れる吹雪の弾幕。
対戦(遊び)相手の釣瓶落としのキスメをかちんこちんに凍らせ、満足げに腕を組むゾンビフェアリーの服をきたチルノ。
次の相手はだれだー! と地底の奥地へと一人飛んでいった。
「ノリが良すぎるってのも考え物かもしれないなぁ」
お燐は携帯一人用炬燵にもぐりこみ、丸くなっていた。
遠くでヤマメにキャプチャーされたチルノの悲鳴が聞こえたような気がしたが、多分気のせいだろう。
「ゾンビフェアリーの数……5百超えたかぁ。ちょっと遊びすぎたかな?」
人型の姿のまま、お燐はさらにまるく包まって小さな寝息を立て始めた。
お燐の全妖精ゾンビフェアリー化計画、順調に進行中?
カシャ♪
――少女は幻想郷を駆け回る→
「う~ん。まさか此処までやるとは驚きですね」
暗い部屋の中。沢山の写真をめくる少女がいた。
右手に持った写真には、ゾンビフェアリーの冬服~アリス作~を着た沢山の妖精たちが写っていた。
左手に持った写真には、ゾンビフェアリーの春服~アリス作~を着た沢山の妖精たちが写っていた。
このままいけば夏服まで出来てしまいそうである。
「ここまでありふれてしまうと、もう記事にはなりませんね」
少女はそう呟くと両手の写真を、マイコレクションアルバム「94-pem-5」にそっと入れた。
閉じたアルバムをドスッ!っと置くと、その衝撃で別のアルバムが落ちて、中が開かれて見えてしまった。
そこには、春服を着たリリーが躓いてこけている写真や、リリーが必死にめくれあがったスカートを押さえてる写真、はてはお風呂で月を見上げている幻想的な写真まで入っている。
「やっぱりリリーちゃんはいつもの服のほうがいいですねぇ」
そっと閉じられたアルバム。
幻想郷の変化がつまったアルバム。
変化しない幻想郷のつまったメモリアル。
ありふれた日常。
妖精のちょっとした気まぐれな衣替え。
夏にはちょこっと露出の多い妖精が増えるのだろうか。
今日は青のワンピースで湖を飛び回る小さな氷の妖精の姿を撮ってみようか。
――黒幕は舞台の表に←
一人の妖精がまくしたてる。
「夏服はもっと背中を大きく開けて!」
人形遣いに向かってまくしたてる。
「むしろエプロンのみがいいかも」
周りの妖精よりも大きな体の妖精は、目から星を出して一人しゃべっていた。
「スカートを作るなら膝上30cmは必要ですよね! あぁチルノちゃんの常時ドロチラ……はぅぁ」
「(うるさいなぁこの大妖精)」
「アリスさん聞いてますか!?」
「もう妖精の服作るのはやめたわ」
「え!? なんでですどうしてですなぜゆえに!?」
背中のまるっこい羽があまりのおどろきのためか、ギザギザにとんがった。
実は伸縮自在のようだ。
「あのね。五百着以上も作るこっちの身にもなってみなさい」
「いいじゃないですか。友達もいないし引きこもりだし暇で「シャンハーイ」きゃぁぁぁぁぁ!!」
上海人形の口から光りが溢れた。
蓬莱人形が真っ黒にこげた大妖精を心配してほっぺにちゅうをした。
「私なんでこんなことしてるんだろう」
ピクピクと痙攣している大妖精をみたアリスは、いつもの大妖精の服を縫い始める。
上海人形が大妖精のぼろぼろになった服を脱がし、蓬莱人形がストックしてあるいつもの服を着せる。
ちくたくちくたく。
今は夜の10時。良い子は寝る時間。
ちくたくちくたく
後ろで上海人形と蓬莱人形が大妖精の両横で仲良く寝いきを立て始めた。
ちくたくちくたく
小さな光りに照らされた人形遣いは呟く。それはだれに向かってか。
「ばーか」
大妖精の全妖精ゾンビフェアリー化計画改め、チルノに露出の多い服着せたい作戦……完!!
ゾフィー可愛いよゾフィー。
ピチュンしたら頭にわっかを付けたりあぁもうかわいいなぁ!一匹もらえないかなぁ
>ゾフィー可愛いよゾフィー
おりんりんよりもかわいいよゾフィー
頭なでてもハァハァいいかな?
仕方ないので総括
面白かった
日常は少しずつ変わっていく。感想も常に変わっていくんですね!
人間の心はたしか0.3秒で変わってるとかなんとか偉い人が言ってた!