Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

椛が牙を取り戻すようです

2009/06/10 03:34:00
最終更新
サイズ
6.17KB
ページ数
1

分類タグ

「わう~!」
「わは~♪」

 哨戒天狗達の隠れ場所である滝の裏にて 
 今まさに戦いの場に置いて牙を取り戻さんとする二人が吼えていた 

「我々は!」
「われわれは~♪」 
「戦いの中に!」
「たたかいのなかに♪」
「牙を取り戻す!」
「きばをとりもどすのか~」
 
 ルーミアが椛の言葉を真似する

「わう、という訳で今日はルーミアちゃんに白狼天狗流の戦い方を教えます」
「お~…お姉ちゃんの戦い方なのか~」

 適当な岩場に座りながら
 椛が両腕を組んで真面目な顔で答える
 ルーミアも真剣な表情でそれを見つめる

「わう…まずは相手の戦力を見極めるための『観察』」
「相手の動きを見極めるのか…」 
 戦いにおいて相手の戦力を見極めるのは
 生き残るための基本
「…もっとも、解った所で上からの命令には逆らえないのですけど」
「宮仕えは大変なんだね…」    
 天狗社会は縦社会…上から戦えと言われたら
 自分よりも上の相手とも戦わざる終えないのが現状だが

「次は教えるのは相手の動きを止める為の『威嚇』」
「相手の動きを止める?」
 ルーミアの疑問顔に椛が頷く
「わう、戦わなくて良い相手なら威嚇だけで引いてくれます」
「そうなのか…」

 もっとも、戦わなくて良い相手ならこんな妖怪の山には来ない
 一応、人から恐れられているはずなのだから

「そして最後に相手を攻撃する為の『牙』」
「おお…攻撃」
「…一撃で相手を仕留めるための『白狼』の必殺技です」
「必殺技なのか~」 
 
 その技は妖怪の山の哨戒の戦術にして門外不出
 本来なら、そう簡単に伝えるわけにはいかないのだが

「わう、弟子や家族になら教えても構いませんから」
「私は?」
「わう…ルーミアちゃんは妹ですから」
「えへへっ…」

 その言葉に嬉しそうに椛に抱きつくルーミア
 抱きつかれた椛も、優しくルーミアの頭を撫でる 

「わう…名残惜しいですけど、今は戦術を教えるのが先です」
「むぅ…残念」
 二人ともちょっと残念そうに離れると
 椛が座っていた岩場から立ち上がる
「それでは一から教えますよ」
「あ、待って」
 そんな椛にルーミアが真剣な表情で待ったをかける

「その前にお茶と御菓子食べても良い?」
「わう…早く食べちゃいましょう」

 お茶は冷めると美味しくないし
 暖かいお茶には御菓子が合う
 二人は急いでお茶を飲み御菓子を食べる


「ふぅ…次はモナカにしましょうか?」
「今度は煎餅が良い」
「わう、考えておきます」
「それではまず観察から教えます」
「観察~観察~♪」

 二人とも、お茶を飲み干してから
 改めて立ち上がると
 椛が改めてルーミアに戦術を教える

「良いですか?まず観察とは、相手をジッと見ることから始めます」
「相手を見るの?」
「はい、そうする事によって相手の情報を得る事できます…」
 椛がそう言うと、ルーミアの方をジッと見つめる
「えっと…な、なに?」
 ジッと見られて、ルーミアが照れながらそう言うと

「…(レロッ)」
「ひゃあ!?」
  
 唐突に椛がルーミアの頬を舐めた
 いきなり舐められてルーミアが顔を赤くして慌てる
「わう、頬にさっき食べてた羊羹のカスがついてました」
「そ、そうなのか…」
 何事も無かったかのようにそう告げる椛とは対照的に
 ルーミアは頬を染めて恥ずかしそうにそう呟く
「わふ?どうしました?」
「な、なんでもない!つ、次はなんなの?」
 ルーミアの様子がおかしいと思った椛が声をかけると
 ルーミアが慌てながら、強引に次の戦略を教えるようにする 
 
「わう、次に教えるのは『威嚇』です」
「いかく?」
「わうわう、では手本を見せますね」
 首を傾げるルーミアに対して
 椛がこほんと咳払いをしたうえで手本を見せる 
「がるるるるっ!」
「あわわわっ!?」
 いきなり唸り声を上げられてルーミアが慌てるが
 しばらくしてから、椛が唸り声をあげるのを止める

「…こんな感じで威嚇します」
「こ、怖かった…」
 涙目になっているルーミアの頭をポンポンと撫でながら椛が話を続ける
「わう、威嚇は色んな方法がありますから
 自分に合ったものを考えてくださいね?」
 椛に頭を撫でられながらルーミアは頷いた
 


「最後に教えるのが『牙』です」
「…どうするの?」
 ようやく落ち着いたルーミアが手を上げて質問すると
 椛が両手を組んで頷いて答える
「わう、最もシンプルな方法です」
「シンプルなのか~」
 椛の言葉に真剣に聞き入るルーミア
 そんなルーミアを前に、椛が立ち上がる 
「では、言葉よりも実践しますので、ルーミアちゃんも立ってください」
「了解なのだ」
  
 言われた通りにその場から立ち上がり椛の前に立つ
「それでは一度ルーミアちゃんにしますからよく覚えてくださいね」
「が、頑張る!」

 緊張しながらも椛の前に立つルーミア
 そのルーミアに対して椛が『白狼』の『必殺技』を実践する

「わふっ♪(カプッ♪)」
「ひゃあ!?」





     ・・・





「…というわけです、わかりましたか?」
「は~い!」
 実際に技を受けてルーミアは必殺技を会得した

「…と言う訳で…次は実戦なんですけど…」
「実戦なのか…」



(椛~?居ませんか!原稿まだですか?) 
「わふ!?文様がやってきました!」
「お姉ちゃん、原稿は?」
「…わ、わう~(泣)」
「…出来てないのか~…」

 文がこの場にやってくるのは時間の問題だろう 
 そうなれば、椛が掴まるのは確実である
(椛お姉ちゃんは…私が守る!)
 その状況にルーミアが覚悟を決めた

「椛お姉ちゃん!」
「な、なんですか?ルーミアちゃん」
「今から実戦してくる!」 
「わう!?」

 椛が止めるよりも早くルーミアが文の方に向かって行った


「わは~」
「あやや、ルーミアさん?あ、椛何処にいるか知りませんか?」
 
(まずは相手の動きをよく見ること…)
 椛に言われたとおりに、文の動きをジッと観察する

「あ、あの…どうしましたか?」
 ルーミアの様子に文が動きを止めた

(えーと…次に威嚇)
「うぅぅぅぅぅぅ!」
 できるだけ怖がらせるような威嚇のために
 精一杯唸り声をあげる

「あ~…えっと…ル、ルーミアさん?」
(…そして最後に必殺技なのだ!) 
 動きが止まった文に対してルーミアが飛び掛ると  
「(カプッ♪)」
「ひゃあ!?」
 文の羽に噛み付いた…


 
  
 
     ・・・





「勝ったのだ!」
「わう…よく出来ました」
 羽根が涎でべたべたになって気絶している文をよそに
 椛がルーミアの頭を撫でる
「ですが…まだまだ実戦経験を積まないといけません」
「そーなのか」
 椛の戒めにルーミアが真面目に頷く

「わう、今日は此処までです…これからも実戦を積むように」
「はーい!」
 椛が再びその頭をもしゃもしゃと撫でると
 ルーミアが嬉しそうに頷いた
「では、ルーミアちゃんには悪いんですが
 文様が気絶しているうちに作品を仕上げないといけませんから…」
「わかったよ~」
 二人はそう言うと気絶している文を担ぐ

(帰ったらお茶を沸かすのだ…)
(わう、お願いしますね?)
(うぅ…羽根は駄目…弱いの…)
     

 夕暮れの中、三人は椛の部屋に向かって歩き始めた

(カプッ♪)
(わうっ!?何でいきなり噛むんですか!)
(…実戦練習)
(…なら仕方ありませんね…)


 牙を取り戻すお話は今日の所はここでお終いである
 どうも、脇役です…
 いや~椛とルーミアって可愛いですよね
 思わず頭を撫でたくなります
  
 とりあえず、ルーミアの実戦訓練の相手募集中のお知らせ

『観察』(下からの上目使い)
『威嚇』(両手を広げて精一杯の威嚇と可愛らしい唸り声)
『牙』(甘噛み)

 の三つの技を受けてくれる人募集中
 たまに、椛が同じ技を実戦してくれる場合もあるので注意してください

 
脇役
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
ようし。妖怪の山に殴りこみじゃぁぁぁぁ!!!!!

あれ?いやいや、男の天狗じゃなくてさ、ルーミアちゃんか椛ちゃんに…


アーッ!!
2.名前が無い程度の能力削除
ルーミアぁぁぁ、オレだぁぁぁ、サンドバックにしてくれぇぇぇぇ
3.名前が無い程度の能力削除
かわいすぎて吐血した。
とりあえず今から妖怪の山行ってきます。
4.GUNモドキ削除
『観察』でボムを全て使い切り、『威嚇』で残機を失い、『牙』で抱え落ちしましたorz

よろしい、ならばコンティニューだ。
5.名前が無い程度の能力削除
何発でも受けてやろう。諭吉を大量の百円玉に両替してからな。(コンティニュー的な意味で)
6.名前が無い程度の能力削除
るみゃがどんだけ可愛くても、『人を喰う妖怪』って予備知識がある奴なら
たとえ甘噛みでも(カプッ♪)ってやられた瞬間に失神するだろうな~ww