小説
「後ろで大きな爆発音がした。俺は驚いて振り返った。」
ケータイ小説
「ドカーン! 俺は振り返った。」
ライトノベル
「背後から強烈な爆発音がしたので、俺はまためんどうなことになったなぁ、とかそういや昼飯も食っていないなぁとか色々な思いを巡らせつつも振り返ることにしたのである。」
古明地さとり
背後で突如鳴り響いた内臓に抉り込むような轟音は、私には、暫し原稿用紙から離れよというお告げに聞こえました。一つ欠伸をして、骨の軋む音は先程の爆発音の如く。背後にある出窓のカーテンを開けてみましたが、外は真っ暗で様子は全くわかりません。大方お空がまた暴走でもしたのでしょう。ふと、窓に映って見えた私がとてもしょぼくれておりまして、ぼさぼさの頭を掻きながら、早めに原稿を仕上げてペットと遊んでやろう、などと思ったのでありました。
星熊勇儀
いやあ、あの時はびっくりしたもんだね。そりゃそうさ、鬼だって驚く時は驚くよ。びっくりするような大音量だったんだからな。
そのとき、私は勢い余って酒を一滴零しちまった。
そうなりゃあ、私だって、負けるわけにはいかねえもんな。爆発の中枢へ三歩必殺、大きく踏み込んだのさ。
霧雨魔理沙
私は初めて、恋に落ちる音を聴いた。
ソレは、今までに思っていたような、生易しいものじゃなくて、
爆発、だった。
一瞬にして、今まで生きてきた世界を、
ぜんぶぜんぶひっくりかえして、ぐちゃぐちゃにして、終わらせてしまうような、ビビッドな魔法だった。
こころが真っ白になって、なんにも思いつかなくなる。
私はどろどろになって、溶けてなくなって、なにも、わからなくなる。
藤原妹紅
背後で爆発音がして、すぐ振り返った。別に、その音に驚いたわけではない。なんせ私が起こしたものなのだから。ましてや物珍しさに野次馬として目を凝らしているわけもない。振り返った理由はただ一点のみ。
私の相手は、この程度では死なない。
蓬莱山輝夜
爆発音がした時には、もう遅かった。粉塵だか水素だか、そんなものは私には知る由もないし知ったところで得もない。皮膚が悲鳴を上げて、肉が畏怖の叫びを上げる。けれど止まらない。止まっちゃ困る。反撃開始だ、竹林の夜はまだまだ終わらない。それは相手も、充分わかっていることだろう。
私は、この程度では死なない。
フランドール・スカーレット
背後というか、頭上。
どおおおんって、クレヨンで書き殴ったみたいな、そんな音。
三も数えない内に咲夜が来て、私の手を引っ張ったわ。
「避難しますよ、妹様!」
火に気が付いた時点で咲夜が時を止めて消火活動すれば、すぐにおさまると思ったんだけど。
私はいい子だから、おさない、かけない、しゃべらない。
ハンカチで口元を押さえて、黙って階段を飛び上がっていったの。
パチュリー・ノーレッジ
どうせ魔術書の類だろう、そう思って、前触れも無しに耳を蹂躙した此の轟音に関して、私は何の驚嘆もなく、何の狼狽もなく、欠片ほどの疑念すら抱くことは無く、現在読み進めている魔生物謄本と現在飲み進めているアッサムから顔を上げて振り返るつもりは毛頭としてなかった――あの時振り返っていれば、吸血鬼の友人の物真似ではないが、運命は、変わっていたのだろうか。
レミリア・スカーレット
今年に入って七回目だ。
アリス・マーガトロイド
リア充爆発しろ、とはもはや常套句なのだけれど、私はついに意を決してそれを有言実行せんと、橋姫の率いるごっすんごっすん丑の刻参りツアーに参加することにした。
魔理沙が専ら霊夢といちゃこらいちゃこらと日々を過ごしているのを私は指を咥えて見ているだけ、そんなのには耐えられないのだ。
半狂乱で魔理沙を模った藁人形に釘を打ち付けていると、向こうから微かに魔理沙と霊夢の声が聞こえてきた。二人ともお互いに気が付いてはいないようだったが、双方とも、真剣な面持ちで人形に釘を打ち付けている。
私にそっくりな人形に。
次の瞬間、私は全狂乱で自分の額に釘を打ち付けていた。
稗田阿求
悪夢だと振り返ることすら愚かなのだろう。
背後から爆発音がして、刹那、爆風によって私の脆弱な体は炎に直裁触れていないにも関わらず地面に押し付けられた。
私はただただ弱いだけの人間(*1)だから、起き上がったところで何も好転しなかったであろうことはわかっているのだが。
*1 例外ばかりが目に付くが、基本的に人間は弱いものである。巫女や魔法使いやメイドに慣れて価値観が麻痺してはいけない。
「後ろで大きな爆発音がした。俺は驚いて振り返った。」
ケータイ小説
「ドカーン! 俺は振り返った。」
ライトノベル
「背後から強烈な爆発音がしたので、俺はまためんどうなことになったなぁ、とかそういや昼飯も食っていないなぁとか色々な思いを巡らせつつも振り返ることにしたのである。」
古明地さとり
背後で突如鳴り響いた内臓に抉り込むような轟音は、私には、暫し原稿用紙から離れよというお告げに聞こえました。一つ欠伸をして、骨の軋む音は先程の爆発音の如く。背後にある出窓のカーテンを開けてみましたが、外は真っ暗で様子は全くわかりません。大方お空がまた暴走でもしたのでしょう。ふと、窓に映って見えた私がとてもしょぼくれておりまして、ぼさぼさの頭を掻きながら、早めに原稿を仕上げてペットと遊んでやろう、などと思ったのでありました。
星熊勇儀
いやあ、あの時はびっくりしたもんだね。そりゃそうさ、鬼だって驚く時は驚くよ。びっくりするような大音量だったんだからな。
そのとき、私は勢い余って酒を一滴零しちまった。
そうなりゃあ、私だって、負けるわけにはいかねえもんな。爆発の中枢へ三歩必殺、大きく踏み込んだのさ。
霧雨魔理沙
私は初めて、恋に落ちる音を聴いた。
ソレは、今までに思っていたような、生易しいものじゃなくて、
爆発、だった。
一瞬にして、今まで生きてきた世界を、
ぜんぶぜんぶひっくりかえして、ぐちゃぐちゃにして、終わらせてしまうような、ビビッドな魔法だった。
こころが真っ白になって、なんにも思いつかなくなる。
私はどろどろになって、溶けてなくなって、なにも、わからなくなる。
藤原妹紅
背後で爆発音がして、すぐ振り返った。別に、その音に驚いたわけではない。なんせ私が起こしたものなのだから。ましてや物珍しさに野次馬として目を凝らしているわけもない。振り返った理由はただ一点のみ。
私の相手は、この程度では死なない。
蓬莱山輝夜
爆発音がした時には、もう遅かった。粉塵だか水素だか、そんなものは私には知る由もないし知ったところで得もない。皮膚が悲鳴を上げて、肉が畏怖の叫びを上げる。けれど止まらない。止まっちゃ困る。反撃開始だ、竹林の夜はまだまだ終わらない。それは相手も、充分わかっていることだろう。
私は、この程度では死なない。
フランドール・スカーレット
背後というか、頭上。
どおおおんって、クレヨンで書き殴ったみたいな、そんな音。
三も数えない内に咲夜が来て、私の手を引っ張ったわ。
「避難しますよ、妹様!」
火に気が付いた時点で咲夜が時を止めて消火活動すれば、すぐにおさまると思ったんだけど。
私はいい子だから、おさない、かけない、しゃべらない。
ハンカチで口元を押さえて、黙って階段を飛び上がっていったの。
パチュリー・ノーレッジ
どうせ魔術書の類だろう、そう思って、前触れも無しに耳を蹂躙した此の轟音に関して、私は何の驚嘆もなく、何の狼狽もなく、欠片ほどの疑念すら抱くことは無く、現在読み進めている魔生物謄本と現在飲み進めているアッサムから顔を上げて振り返るつもりは毛頭としてなかった――あの時振り返っていれば、吸血鬼の友人の物真似ではないが、運命は、変わっていたのだろうか。
レミリア・スカーレット
今年に入って七回目だ。
アリス・マーガトロイド
リア充爆発しろ、とはもはや常套句なのだけれど、私はついに意を決してそれを有言実行せんと、橋姫の率いるごっすんごっすん丑の刻参りツアーに参加することにした。
魔理沙が専ら霊夢といちゃこらいちゃこらと日々を過ごしているのを私は指を咥えて見ているだけ、そんなのには耐えられないのだ。
半狂乱で魔理沙を模った藁人形に釘を打ち付けていると、向こうから微かに魔理沙と霊夢の声が聞こえてきた。二人ともお互いに気が付いてはいないようだったが、双方とも、真剣な面持ちで人形に釘を打ち付けている。
私にそっくりな人形に。
次の瞬間、私は全狂乱で自分の額に釘を打ち付けていた。
稗田阿求
悪夢だと振り返ることすら愚かなのだろう。
背後から爆発音がして、刹那、爆風によって私の脆弱な体は炎に直裁触れていないにも関わらず地面に押し付けられた。
私はただただ弱いだけの人間(*1)だから、起き上がったところで何も好転しなかったであろうことはわかっているのだが。
*1 例外ばかりが目に付くが、基本的に人間は弱いものである。巫女や魔法使いやメイドに慣れて価値観が麻痺してはいけない。
後ろで爆発音がしたであろう。しかし、誰一人その音を聞いた者はいなかった。
音が伝わる前に人々は蒸発してしまったのだから
あの時少しでも気を払っていれば、誰か生き残っていたのかもしれない。