Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

優しさというもの

2010/06/06 15:07:27
最終更新
サイズ
2.56KB
ページ数
1

分類タグ

「にゃーん」
「ん?」
夕暮れ時の竹林でちょうど買い物帰りだった妹紅は猫の鳴き声に足を止めた。
「捨て猫か・・・」
猫は藁でできた籠に入っていた。
「にゃーん。」
猫は悲しそうに鳴くそれもその筈か・・ここに捨てられているという事は妖怪の餌になるのと同じ事だ。
さすがの猫もそれは分かっているのであろうか・・悲しそうに再び「にゃーん・・」と鳴いた。
「・・・・・」
妹紅の両手には今日の晩御飯の材料、それから何に使うかは分からないが木材などでいっぱいであった。
昔の妹紅なら捨て猫などに構わずにさっさと家に帰ったであろう・・
しかし、今の妹紅は・・

「あらよっと・・」
妹紅は右手に持っていた木材を地面に置いた。そして猫が入っている籠に近づき籠を徐に持つ。
「おいおい、そんなに怖がるなよ。」
猫は身を縮めて丸くなる。
「別にお前を今日の晩御飯のおかずにしてやろうなんて思っちゃいないさ。」
「に、にゃーん・・」
「はははは。」

妹紅はさっきよりも一段と暗くなった竹林の中を進む・・
木材は後でまた持ってくればいい、さすがの妖怪も木材なんかは食べないだろう。

「まいごの まいごの こねこちゃん あなたのおうちは どこですか」
妹紅はずーーーーーっと昔に聞いた事のある歌を歩きながら歌い始めた。
「おうちを きいても わからない なまえを きいても わからない」

「にゃんにゃんにゃんにゃーん にゃんにゃんにゃんにゃーん」

「寄り道してばっかの 子猫ちゃん」
「寺小屋のお姉さん 心配しちゃって 見に来たよ 見に来たよ」
「悪い悪い慧音、ちょっと捨て猫がいてな。」
「それはいいとして・・あれはどうしたんだ?」
「あれって・・?」
「木材だよ。木材」
「あれか、あれならこいつが入ってる籠が持てなくなるからその辺置いてきたよ。」
「あとで取りに行くんだぞ?」
「分かってるって。」
「にゃーん」
「ところで・・そいつはどうするんだ?」
「え?飼うけど。」
「・・・」
「ふ・・・」
「何か可笑しいか?」
「いや・・なんでもないさ・・ふふふ」
「気になるじゃないか!」
「そうか?」 
「そうだよ!教えてくれよ!」
「・・・・本当に優しいな妹紅は。」
「ほえ?」
「・・っさーーて・・夕飯の用意をしようか!ほら妹紅、荷物貸してくれ!」
「あ、ああ」
そういうと慧音は妹紅の手に持っていた今日の晩御飯の材料を持って家の中にさっさと入っていった。
「にゃーん」
「私が優しいね・・」
「にゃーん」
「でも、私は慧音の方がずっと優しいと思うぜ。」
「にゃーん」
「よし!お腹もすいたし・・行くか!」
「にゃーん!」
「あっ・・そうだった・・まだ名前決めてなかったな。」
「うーーーーむ・・・」
「・・・・ご飯を食べながら決めるとするかね。」
「にゃにゃーん」
「ははははは。」
妹紅は籠から猫を出して家の玄関を開けた。
猫はおじゃまします。と言うかのように「にゃーん」と一声鳴いて入っていった・・・




自分が優しくなると周りも優しくなる。でも自分が怒ってると周りも怒る。
感情は空気中を漂っているみたいだ。


続く。
慧音「で、名前はどうする?」
妹紅「モグモグ・・えっとモグモグモグ・・」
慧音「まずは飲み込んでからにしろ。」
妹紅「・・・んーじゃあ・・タマ!」
慧音「うーん・・ありきたりすぎやしないか?」
妹紅「それじゃあ・・くれない!」
慧音「くれない?・・」
妹紅「そう、くれない。」
慧音「ぷっ・・あはははは!!」
妹紅「結構考えたつもりなんだが・・」
慧音「し、失礼・・いや~でもくれないか~・・さすが妹紅だな~」
妹紅「何がだよ?」
慧音「教えなーい。」
くれない「にゃーん」
バスと
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
にゃーん!妹紅は意外と優しさに満ち溢れてると思う!
続きが楽しみです
2.名前が無い程度の能力削除
さりげなく歌に交じって登場する慧音に萌えたw