今日は母の日、幻想郷もいつもと雰囲気が違うようです。
母の日詰め合わせ
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「全く、神綺様は幾つになっても子離れできないのだから」
溜息をつくも、どこかうれしそうに、そして手は止まることなく。
魔法の糸で織られた彩やかなカーネーションは、色褪せることなく贈られた者を魅了し続ける。
「とはいえ、毎年同じだと芸がないのかな」
アリスは知らない、魔界には枯れぬカーネーションに埋め尽くされた一室があることを。
=====================================================================================
「母の日ねぇ」
レミリアは気だるそうに呟いた。
「めーりんにでも贈ろっか」
答えるはフラン、最近はちょくちょく館の中に出没したり。
「アレは体育の日で十分でしょ、咲夜は?」
「勤労感謝の日っぽくない? 案外パチュリーとか」
「パチェは目の愛護デーで良いんじゃないかしら?」
結局、相応しい人は居ないで決まりそうになったさ中。
突然フランは手をたたく。
「分かった、私お姉さまにあげる」
目を輝かせる妹。
「それなら、私もフランに何かプレゼントしないとダメかしらね」
微笑む姉。
それは取り戻した麗しき情景。
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「せいがー」
「あら、どうしたの芳香?」
「これー、ははのひー」
手には一輪の花が。
「あら、ありがとう」
その割りに青娥は困った様子で。
「なにかまちがったかー」
「ううん、違うわ。とても嬉しい」
そう言いながら頭を撫でる。
「でも、これが愛の告白だったらと思うのは高望みなのかしら」
その声は誰にも届かず。
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ペットたちも騒がしい。
「と、いうわけでー。何かプレゼントしよう!」
仕切るのは猫と鴉。
「冗談じゃないけど、あたいが集めれるのは死体だけだよ」
「かくゆうごうなら任せて」
しかし頼りにならない。
「こんなに人数居るんだから何か出来るよ」
「たくさんで何かを集める? 探す?」
「こいし様は?」
「そ れ だ」
「それじゃ、みんな行くよ」
「おー」「おー」「おー」
(おー)
灯台下暗し? 楽しければいいのです。
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お寺でも
「今日は母の日だから姐さんに休んでもらうわよ」
「今日は母の日だから特別おいしいカレーを」
「まぁ、お世話になってるし。何か失せ物があったら探してくるよ」
「あ、でしたら私の宝塔を」
「キミはまた無くしたのか」
「では、張り切って悪戯を」
「「「するな」」」
聖をもてなす集団から少し離れて。
「やれやれ、皆元気じゃの」
「お気持ちだけで十分ありがたいのですが」
「受け取ってやることが一番の感謝じゃろ」
「……えぇ、そうですね」
ちょっと涙声。
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「らんさま、いつもありがとうございます」
「おお、母の日か。うれしいよ。こちらこそありがとう」
それは仲良し主従。
「らんさまはゆかりさまにあげないんですか?」
「あの方は私がそういうことをすると『そんな年じゃない』って怒り始めるから」
九尾の狐は苦笑する。
「それに、あの方がもし母親なら、今の子供は私じゃないんだ」
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「ほら、霊夢! 今日は母の日よ」
「あんたには一切関係ないでしょうが!」
境内から突如現れる隙間。現れる影。
突きつけるお札と、避ける影、それはいつもの風景。
「えー、私も霊夢の事育ててあげたじゃない」
「9割がた狐が来てた気がするのは気のせいかしら」
「気のせいよ!」
「じゃかあしい」
本当にいつもの……
「で、本当にないの?」
「……だから、あんたって嫌いなのよ」
いつもは持ってない一包みの花束。
「本当に霊夢は良い子ねー。やっぱり私が育てただけあるわ」
「だから、育ててもらってないっての」
笑いあう二人。
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全ての母に感謝を。
母の日詰め合わせ
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「全く、神綺様は幾つになっても子離れできないのだから」
溜息をつくも、どこかうれしそうに、そして手は止まることなく。
魔法の糸で織られた彩やかなカーネーションは、色褪せることなく贈られた者を魅了し続ける。
「とはいえ、毎年同じだと芸がないのかな」
アリスは知らない、魔界には枯れぬカーネーションに埋め尽くされた一室があることを。
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「母の日ねぇ」
レミリアは気だるそうに呟いた。
「めーりんにでも贈ろっか」
答えるはフラン、最近はちょくちょく館の中に出没したり。
「アレは体育の日で十分でしょ、咲夜は?」
「勤労感謝の日っぽくない? 案外パチュリーとか」
「パチェは目の愛護デーで良いんじゃないかしら?」
結局、相応しい人は居ないで決まりそうになったさ中。
突然フランは手をたたく。
「分かった、私お姉さまにあげる」
目を輝かせる妹。
「それなら、私もフランに何かプレゼントしないとダメかしらね」
微笑む姉。
それは取り戻した麗しき情景。
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「せいがー」
「あら、どうしたの芳香?」
「これー、ははのひー」
手には一輪の花が。
「あら、ありがとう」
その割りに青娥は困った様子で。
「なにかまちがったかー」
「ううん、違うわ。とても嬉しい」
そう言いながら頭を撫でる。
「でも、これが愛の告白だったらと思うのは高望みなのかしら」
その声は誰にも届かず。
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ペットたちも騒がしい。
「と、いうわけでー。何かプレゼントしよう!」
仕切るのは猫と鴉。
「冗談じゃないけど、あたいが集めれるのは死体だけだよ」
「かくゆうごうなら任せて」
しかし頼りにならない。
「こんなに人数居るんだから何か出来るよ」
「たくさんで何かを集める? 探す?」
「こいし様は?」
「そ れ だ」
「それじゃ、みんな行くよ」
「おー」「おー」「おー」
(おー)
灯台下暗し? 楽しければいいのです。
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お寺でも
「今日は母の日だから姐さんに休んでもらうわよ」
「今日は母の日だから特別おいしいカレーを」
「まぁ、お世話になってるし。何か失せ物があったら探してくるよ」
「あ、でしたら私の宝塔を」
「キミはまた無くしたのか」
「では、張り切って悪戯を」
「「「するな」」」
聖をもてなす集団から少し離れて。
「やれやれ、皆元気じゃの」
「お気持ちだけで十分ありがたいのですが」
「受け取ってやることが一番の感謝じゃろ」
「……えぇ、そうですね」
ちょっと涙声。
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「らんさま、いつもありがとうございます」
「おお、母の日か。うれしいよ。こちらこそありがとう」
それは仲良し主従。
「らんさまはゆかりさまにあげないんですか?」
「あの方は私がそういうことをすると『そんな年じゃない』って怒り始めるから」
九尾の狐は苦笑する。
「それに、あの方がもし母親なら、今の子供は私じゃないんだ」
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「ほら、霊夢! 今日は母の日よ」
「あんたには一切関係ないでしょうが!」
境内から突如現れる隙間。現れる影。
突きつけるお札と、避ける影、それはいつもの風景。
「えー、私も霊夢の事育ててあげたじゃない」
「9割がた狐が来てた気がするのは気のせいかしら」
「気のせいよ!」
「じゃかあしい」
本当にいつもの……
「で、本当にないの?」
「……だから、あんたって嫌いなのよ」
いつもは持ってない一包みの花束。
「本当に霊夢は良い子ねー。やっぱり私が育てただけあるわ」
「だから、育ててもらってないっての」
笑いあう二人。
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全ての母に感謝を。
特にあとがきでホロリ
でも、恥ずかしいから何も出来ない。