いつもの博麗神社。
遊びに来ていた吸血鬼とそれを迎える人間。
紅魔館の主、レミリア・スカーレットの後ろ姿を見て、神社の巫女、博麗霊夢は思った。
彼女の前でぴこぴこと揺れる、蝙蝠みたいな小さな羽。
霊夢はぶっちゃけ触りたかった。
「えい」
ぐいっと弱めの力で羽を引く。
すると、ポンと音を立てて、羽が抜けた。
霊夢はうろたえた。
そんなに力を込めていないはずなのに。
ああ、どうしよう。
抜けてしまった二つの羽を持って、居間の中を右往左往。
頭を抱えて唸り声。
そんな時のことだった。
レミリアが霊夢の肩を叩いた。
振り返ると、大変良い笑顔でサムズアップする吸血鬼。
「大丈夫」
そう言ってくるりと背中を向けるとそこから新しい羽が生えてきた。
霊夢は何となくその羽を抜いた。
羽の先には新たな小さなレミリアがついていた。
わぁ、びっくり。
それを繰り返すこと五時間が経過した。
いつの間にか神社は小さなレミリアでいっぱいになっていた。
そこかしこで騒ぐレミリア。埋まる霊夢。
霊夢を掘り起こして、レミリア(オリジナル)は、霊夢の持っていた一番初めに抜けた羽を指差した。
そしてそれを霊夢の背中に持っていく。
理解した霊夢は背中に羽をくっつけた。
がしょん、と音がして、羽が霊夢の背中に刺さる。
そして飛んだ。
霊夢は神社を飛び出した。
夕焼けに向かって飛んでいった。
それを見送る無数のレミリア。
おっきいレミリア、ちっちゃいレミリアが一様に手を振っていた。
身体から煙を出しながら。
それでもなお、手を振るのだった。
それはまるで、我が子の旅立ちを見送るような、母性に満ち溢れた表情をしていた。
霊夢は幸せだった。
それは初めて自分の能力以外で空を飛べた感動であった。
霊夢は飛び続けた。
山吹色の空に向かって。
いつまでも。
――――いつまでも。
遊びに来ていた吸血鬼とそれを迎える人間。
紅魔館の主、レミリア・スカーレットの後ろ姿を見て、神社の巫女、博麗霊夢は思った。
彼女の前でぴこぴこと揺れる、蝙蝠みたいな小さな羽。
霊夢はぶっちゃけ触りたかった。
「えい」
ぐいっと弱めの力で羽を引く。
すると、ポンと音を立てて、羽が抜けた。
霊夢はうろたえた。
そんなに力を込めていないはずなのに。
ああ、どうしよう。
抜けてしまった二つの羽を持って、居間の中を右往左往。
頭を抱えて唸り声。
そんな時のことだった。
レミリアが霊夢の肩を叩いた。
振り返ると、大変良い笑顔でサムズアップする吸血鬼。
「大丈夫」
そう言ってくるりと背中を向けるとそこから新しい羽が生えてきた。
霊夢は何となくその羽を抜いた。
羽の先には新たな小さなレミリアがついていた。
わぁ、びっくり。
それを繰り返すこと五時間が経過した。
いつの間にか神社は小さなレミリアでいっぱいになっていた。
そこかしこで騒ぐレミリア。埋まる霊夢。
霊夢を掘り起こして、レミリア(オリジナル)は、霊夢の持っていた一番初めに抜けた羽を指差した。
そしてそれを霊夢の背中に持っていく。
理解した霊夢は背中に羽をくっつけた。
がしょん、と音がして、羽が霊夢の背中に刺さる。
そして飛んだ。
霊夢は神社を飛び出した。
夕焼けに向かって飛んでいった。
それを見送る無数のレミリア。
おっきいレミリア、ちっちゃいレミリアが一様に手を振っていた。
身体から煙を出しながら。
それでもなお、手を振るのだった。
それはまるで、我が子の旅立ちを見送るような、母性に満ち溢れた表情をしていた。
霊夢は幸せだった。
それは初めて自分の能力以外で空を飛べた感動であった。
霊夢は飛び続けた。
山吹色の空に向かって。
いつまでも。
――――いつまでも。
とにかくシュール、それ以外コメントのしようがない
人類には早すぎたとでも言うのか…!
おぜうですけどー。
>身体から煙を出しながら。
それでもなお、手を振るのだった。
ここがすごい好き
でも面白かった