Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

ある宴会の一片

2012/03/26 00:08:04
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「うわあん、なんで私のお肉食べちゃうんだよー 魔理沙のばかー!」
「お、落ち着け萃香、知らなかったんだ。新しいの買ってくるから――」
「あんな高級なお肉人里には売ってないんだよちくしょうー」

 逃げる白黒を追いかけて外に出た鬼は体を巨大化させ、暴れ回る。
 神社の宴会での出来事である。
 もちろん神社での問題は巫女が黙ってはいない。

「ちょっと! 他の場所でやりなさいよ。あ、鳥居が壊れる、萃香! 頼むから小さくなって!」
「くそっこれはマズイぜ…… 逃げるしかない!」
「あ、逃げるのか卑怯者! 肉返せー」

 逃げる白黒、追いかける巨大な鬼。
 ずしんずしんという振動と共に二人は去っていった。
 霊夢はそれを見てため息を漏らす。

「はぁ……全くあいつらはいっつも喧しいんだから」
「あら宴会だもの、いいじゃない。まぁ私はこうやって静かに飲むのも好きですけど」
「でも紫、ここは私のうちなのよ。あいつらが暴れまわって壊されるのは困るわけ」

 紫はおちょこに口をつけ、霊夢に静かに微笑む。
 空を見上げる霊夢の先には、ぽっかりと闇に空いた穴のような月が輝いていた。
 紫はその月に照らせれた霊夢の顔を見て、更に口を綻ばせる。
 
「はーい、お待たせしました。お鍋ですよー」
「お、来た来た! ひゃっほう」
「……こんなに綺麗な月なのに。霊夢はまだまだ風流というのをわかっていないわね」
 
 既に霊夢は藍の作った鍋に向かい、すごい勢いで箸を進めている。
 
「ゆかりーこっちきて鍋食べなさいよ。無くなっちゃうわよ、うーん美味しい」
「……はいはい、今行くわ」

 煌々と輝く月の魅力も、霊夢の笑顔には勝てなかったようだ。
 紫は諦めたように目をつぶり、部屋に戻っていった。

 月は、いつもどおり幻想郷を照らしていた。
鬼の目にも涙
逃がした魚は大きい
泣く子は育つ
女三人寄れば姦しい
三十六計逃げるに如かず
卵に目鼻
花より団子
食指が動く
千古不易

短文なのにこんなにいっぱいの諺が隠れていたよ!
すごいね!

いずれこんな感じの長文を書いてみたいものです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ばかのひ
コメント



1.こーろぎ削除
おお、なるほど!
2.奇声を発する程度の能力削除
全然気付かなかったw
3.名前が無い程度の能力削除
花より団子はわかったけど、それ以外がわからなかった…凄い
4.名前が無い程度の能力削除
ことわざってどういうことかと思ったけどそういうことか
イイネ
5.名前が無い程度の能力削除
なるほど