紅魔館、レミリアの寝室。
「おねーさま、おねーさま」
「なあに? フラン」
「おねーさまはどうして熊なの?」
「それが愛だからよ。だから耳をかじらないで頂戴」
はぐはぐ。フランは熊の耳をかじっていた。
「愛ってなあに?」
「躊躇わないことよ」
「食べられないこと?」
「そう、せっかく熊になったというのに」
「にー」
「パチェが食べられないの」
レミリアはそう呟きながら、もやしの髭を取っていた。
熊の手では上手く取れなかった。
「おねーさまは練習が足りないと思うの」
「練習?」
「食べ方の練習。ぎゃおー」
「フランの分もあるわよ、熊」
「わーい」
熊が2匹になった。
「というわけで、おねーさま、はいこれ」
「ジャム?」
「ブルーベリージャム」
「紫ね」
「わかさってなんだー」
「振り向かないことさー」
舐めてみた。酸っぱかった。
「熊が舐めるならハチミツが正しいわ、フラン」
「はちみつ」
「そう、リンゴと蜂蜜」
「バーモントー」
「カレーが食べたいわね」
「こくまろ~」
こくまろ。レミリアの胸が高鳴った。
こくまろ、ああ、なんと素敵な響き。
「まったりとしてそれでいてこくのある」
「おねーさま?」
「行くわよフラン、光の速さで一足お先」
「どこに?」
「パチェのところよ。ぎゃおー」
「ぎゃおー」
熊が2匹走りだす。
「おねーさまおねーさま」
「なあにフラン」
「めーりんに昨日怒られたの。名もない花を踏みつけちゃったから」
「それは光の速さで明日へダッシュするしかないわね」
「それでね、めーりんにごめんなさいしようと思って部屋に行ったの」
「偉いわね」
「そしたらね」
「うん?」
「めーりんがさくやにまたがってたの」
硬直。
「それはプロレスごっこよ、フラン」
「ちがうよ、きっとあれは、おうまのけーこ」
「おうま?」
「レバ剣かついだフランちゃん、くまにまたがりおうまのけーこ」
「ぎゃおー」
「おねーさま……またがっていい?」
「私はパチェにまたがりたいの、もちろん性的な意味で」
「政敵?」
「そう、根回しが大切なのよ。ぎゃおー」
「ぎゃおー」
図書館の前に着いた。
「胸が熱くなるわね、フラン」
「胸のエンジンにー火をつーけろー」
「いいこと、フラン。パチェを食べるのは私よ」
「わたしのぶんは?」
「美鈴を好きにしていいわ」
「わーい」
扉を開け放った。
「ぎゃおー」
「ぎゃおー」
「……が、がおー……」
「ふふ、可愛いわ、こぁ……」
パチュリーが小悪魔にまたがっていた。
図書館が爆発した。
しかしこれだけは言っておかねば
宇宙刑事自重w
↓
パチュリー⇔小悪魔
おいおい、震えてきやがったぜ
ああもう可愛いな
なんか、久しぶりに難しくないかわいさを感じた
レバ剣かついだフランは死神にしか見えないと思う。
百合サイコー