「よろしいですか、霍青娥」
「はい。何でございましょう、茨華仙さま」
にっこり笑顔が憎らしいくらいに美しい、彼女の名前は霍青娥。
一言で言うと、少女を心より愛する淑女である。
その対面に、難しい表情を浮かべて座るのは茨木華扇。
一言で言うと、目の前の相手に『心の友』扱いされてる人物である。
「今日、あなたをお呼びしたのは他でもありません」
「はい」
「……これは何でしょうか」
ぴらと取り出される紙が一枚。
その紙面には以下のようにある。
『第一回幻想郷少女愛同盟定例会議』。
「ええ、文字通りの意味ですが……」
「そこじゃなくて、ここよ、ここ!」
――の下にある捨て置くことの出来ない一文をばしばし叩きながら華扇は言う。
それを見て、青娥は『ああ』とうなずいた。
「そうですね。
記念すべき第一回の会議の開催――そして、それに伴う最上級のゲストですもの。もっと名前を上に持ってこないと失礼でしたね」
「違うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」
そこには、『ゲスト:名誉淑女『茨木華扇』』の文字があった。
絶叫する華扇。
対する青娥は『どうかなさいましたか?』と不思議顔だ。
「私をこのように怪しい集会に呼ばないでくださいっ! と言うか、勝手に名前出すなっ! 私は一切、首を縦に振った覚えはないっ!」
「いえいえ、そのようなことは。
ちゃんと、事前に了解は取りましたよ?」
「いつよ、いつ!?」
「今から一週間ほど前、人里でお会いしました際に、今回のお話をさせていただきまして。
その際、華扇さまからは『あーもー好きにしてください……』という返答を確かに」
「………………」
「ちなみに、時刻は午後、お昼を少し回ったくらいでした。
場所は人里の一角、甘味処の前だったでしょうか。その際に、華扇さまはお団子と抹茶、それから店員さんからのサービスでおはぎを口にしてらしたかと」
完璧な記憶力を披露する辺り、青娥もさすがは邪仙と名乗ってはいても仙人である。
華扇は沈黙し、その時の記憶を反芻していた。
……うん、確かに言ったかもしれない。
その時の記憶――人里に出向いて、美味しいお団子食べていて幸せ満喫していたところにこやつに遭遇し、『まあ、華扇さま。このようなところでお会いできるとは奇遇ですわね』とやたら親しみ持った口調で話しかけられ、『実はですね、先日、このようにかわいらしい少女がうんたらかんたらどうたらこうたらありおりはべりいまそかり』などと話を振られ、もう付き合ってられるか気分で適当に相槌を打っていたのだが――、
「わたくしの記憶違いでしょうか?」
「……いえ。はい。確かに、それは……はい」
軽はずみな行動の結果が、とてつもない結末に結びつくこともある――華扇はこの時、心底、それを痛感していた。
今度から、最低限、人の話をちゃんと聞いてから返事をしよう――そう、華扇は心に誓ったと言う。
「で、まあ、それはともあれと……したくはないけど、するとして!
私はですね、青娥! あなたと同じ類の人間ではありません!」
「仙人ですものね」
「いやそういう意味じゃなくて!」
ばんっ、とテーブル叩いて、華扇。
青娥は目の前の相手の剣幕も恐れず、『大きな声を出すと、せっかくの美人が台無しですわ』ところころ笑っている。
この辺り、仙人としての胆力の違いが表れている……のかもしれない。
「私は、あなたのように、少女に対して極端な愛情を抱く類のものではありません!」
「なっ……!?」
青娥の背後に『ぴしゃーん!』とかいう擬音と共に、やたら派手に稲光が輝いたように見えた。
青娥はショックだったのか、その顔に驚きの色をたたえ、がたん、と椅子の上で音を立てている。
「……確かに、かわいい子供は好きですよ?
ですが、それとこれとは話が別です。
あなたの性癖をとやかく言うつもりではありませんが、私にそのような趣味はありません。
申し訳ありませんが、私はあなたに付き合うことは出来ませんし、あなたの思いに共感することも出来ません。
わかったのなら、このチラシを回収してください。何なら私も手伝います」
そもそもどうしてこんなことになったんだろう。
華扇はそれを思いながらも、死ぬほどどうでもいいことを、思いっきり真面目に真剣に、切なる願いを持って青娥に伝えていた。
何せ、この青娥が華扇に対してシンパシー感じているために、あちこちで『わたくしは華仙さまと深く通じることが出来ました』と余計なこと広めまくっているのである。
おかげで華扇は知り合いの巫女から、『あんたも、もう少し仙人っぽいと思ってたけど、違ったのね』と微妙に距離空けられながら言われたことがあった。
「よろしいですか?」
華扇は、ショックを受けているらしい青娥に、あえて声を緩めずに告げる。
こういう時、相手のことを想って感情を収めてしまうのは間違いだ。厳しく力強く。時として、残酷なほど、相手を突き飛ばさなければならないことも、世の中にはあるのである。
それが自分のため――ひいては、相手のためになることもあるのだから。
「……そんな……華扇さま……」
はぁ、とため息をつく華扇。
これで『わたくしを謀っていたなんて!』と青娥を怒らせるのは面倒だな、と思ったのだ。この青娥、かなりたちの悪い少女偏愛主義者だが、仙人は仙人。その実力は、この幻想郷でも指折りであり、間違っても敵に回したくない相手なのだ。
だが、今回は仕方ないだろう。
彼女を敵に回すリスクと、彼女に『同類』と思われているリスク。どちらが大きいかを比較考量した結論なのだから。
「華扇さま……!」
――と、思っていたのだが。
突然、青娥は滂沱の涙をだばーと流しながら、がしぃっ、と華扇の両手を包み込むように握り締める。
そして、言った。
「華扇さま、それだけは……! それだけはっ……!」
「え? あの、ちょっと……」
何か展開がおかしい。
華扇の『仙人レーダー』がいやな予感を告げていた。ちなみにそのレーダーは、頭につけてるおだんごである。
続く一言――それを受けて、華扇は……。
「ようじょ趣味は、たとえ少女愛主義者でも踏み入れてはならぬ領域なのですっ!」
「違うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
相手の手振り解き、ヘッドバットでテーブルたたき割り、だーと血を流しながら絶叫した。
「何でっ!? 何でそうなるの!? 今の言葉の流れの、一体どこにそんな要素があったのよ!? え!? 言ってごらんなさいよ!」
「華扇さま、この世に愛でるべき『少女』は二種類だけです!
『ようじょ』か『少女』! その二つしかないのです! そして、少女を愛さないとならば、『ようじょ』しかないではありませんかっ!」
「あんたの選択肢はどこまで破滅的に壊滅してんのよっ!?」
「確かにわたくしの射程範囲は見た目5~12歳っ!
ですが、わたくしにとっての『ようじょ』とは将来の成長を夢見て愛するべき存在であり、言うなれば庇護の対象!
にも拘わらず『ようじょ』主義者はそれを忘れた鬼畜外道どもなのです! わたくしは、華扇さま! あなたがそのような人だったとは信じたくありませんっ!」
「だから違うって言ってんでしょうが人の話聞けぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
「もしも、華扇さま……。あなたが外道の領域に踏み込むのだとしたら、わたくしは、この命をかけてあなたを止めて差し上げますっ!」
「やかましいわっ!」
仙人ワールドに響き渡る二人の仙人の絶叫。
やはり、華扇は青娥を甘く見ていたのである。
彼女は筋金入りの『少女愛主義者』であることを忘れていたのだ。その射程距離、索敵範囲、もっとぶっちゃけると視野というものを全く失念していたのである。
相手が自分にシンパシー感じてるのだから、相手に自分と同じ常識求めちゃいけない――長い間、仙人やってきた華扇であったが、常識を超越した『淑女』に会ったことがない故の失敗であった。
しかも取り返しのつかない意味での。
「華扇さま、どうか! どうか今一度、お考え直しくださいっ!
あ、ほら、こちらに布都ちゃんと神子ちゃんと芳香のかわいい写真をご用意いたしました! これで何とか!」
「いらんわそんなもの!」
「そんな!? もっと幼い方が!? それは許されませんよ!」
「だから違うっつってんでしょうが、この阿呆っ!」
「ならば今こそ、仙人としてわたくしが極めてきた秘奥義、話し合いと説得の力を見せる時!
さあ、華扇さま! 今度はわたくしがあなた様をお救いする番です! こちらに!」
「いいわよやったろうじゃない! あんたを完全論破して、ついでにあんたの妙な誤解も全部解いて、私は晴れて真人間に戻るのよっ!
勝負、霍青娥っ!」
「いざ!」
――その『仙人&仙人 朝まで生討論』は三日三晩どころか七日七晩続いた。
熱論! 激論! 超接論! と誰かが表題する二人の戦い。それはまさしく、仙人同士の全てをかけた魂と魂のぶつかり合いであったという。
そして、全てが終わりを告げる、八日目の朝を迎え、勝者が決まった――。
「おい霊夢」
「何よ、魔理沙」
「今、里の方でやってる青娥のロリコン講座だけどさ」
「ええ」
「華扇の奴、体調不良で出席できないってさ」
「あいつにとって、それが幸せなのかもしれないわね」
永遠の解放を手に入れるのは難しい。
それは、生き物にとって、ある種の永遠の命題であるのかもしれない。
ならばこそ、いっときの解放を得て、それに浸るのは悪いことではないだろう。その間に、きっと、華扇なら立ち直るだろう――色んな意味で、最近、彼女との付き合いが深いとある巫女はそんなことを思った。
見上げた空の向こう――青空の彼方に浮かぶ華扇の面影は、泣いていた。
「はい。何でございましょう、茨華仙さま」
にっこり笑顔が憎らしいくらいに美しい、彼女の名前は霍青娥。
一言で言うと、少女を心より愛する淑女である。
その対面に、難しい表情を浮かべて座るのは茨木華扇。
一言で言うと、目の前の相手に『心の友』扱いされてる人物である。
「今日、あなたをお呼びしたのは他でもありません」
「はい」
「……これは何でしょうか」
ぴらと取り出される紙が一枚。
その紙面には以下のようにある。
『第一回幻想郷少女愛同盟定例会議』。
「ええ、文字通りの意味ですが……」
「そこじゃなくて、ここよ、ここ!」
――の下にある捨て置くことの出来ない一文をばしばし叩きながら華扇は言う。
それを見て、青娥は『ああ』とうなずいた。
「そうですね。
記念すべき第一回の会議の開催――そして、それに伴う最上級のゲストですもの。もっと名前を上に持ってこないと失礼でしたね」
「違うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」
そこには、『ゲスト:名誉淑女『茨木華扇』』の文字があった。
絶叫する華扇。
対する青娥は『どうかなさいましたか?』と不思議顔だ。
「私をこのように怪しい集会に呼ばないでくださいっ! と言うか、勝手に名前出すなっ! 私は一切、首を縦に振った覚えはないっ!」
「いえいえ、そのようなことは。
ちゃんと、事前に了解は取りましたよ?」
「いつよ、いつ!?」
「今から一週間ほど前、人里でお会いしました際に、今回のお話をさせていただきまして。
その際、華扇さまからは『あーもー好きにしてください……』という返答を確かに」
「………………」
「ちなみに、時刻は午後、お昼を少し回ったくらいでした。
場所は人里の一角、甘味処の前だったでしょうか。その際に、華扇さまはお団子と抹茶、それから店員さんからのサービスでおはぎを口にしてらしたかと」
完璧な記憶力を披露する辺り、青娥もさすがは邪仙と名乗ってはいても仙人である。
華扇は沈黙し、その時の記憶を反芻していた。
……うん、確かに言ったかもしれない。
その時の記憶――人里に出向いて、美味しいお団子食べていて幸せ満喫していたところにこやつに遭遇し、『まあ、華扇さま。このようなところでお会いできるとは奇遇ですわね』とやたら親しみ持った口調で話しかけられ、『実はですね、先日、このようにかわいらしい少女がうんたらかんたらどうたらこうたらありおりはべりいまそかり』などと話を振られ、もう付き合ってられるか気分で適当に相槌を打っていたのだが――、
「わたくしの記憶違いでしょうか?」
「……いえ。はい。確かに、それは……はい」
軽はずみな行動の結果が、とてつもない結末に結びつくこともある――華扇はこの時、心底、それを痛感していた。
今度から、最低限、人の話をちゃんと聞いてから返事をしよう――そう、華扇は心に誓ったと言う。
「で、まあ、それはともあれと……したくはないけど、するとして!
私はですね、青娥! あなたと同じ類の人間ではありません!」
「仙人ですものね」
「いやそういう意味じゃなくて!」
ばんっ、とテーブル叩いて、華扇。
青娥は目の前の相手の剣幕も恐れず、『大きな声を出すと、せっかくの美人が台無しですわ』ところころ笑っている。
この辺り、仙人としての胆力の違いが表れている……のかもしれない。
「私は、あなたのように、少女に対して極端な愛情を抱く類のものではありません!」
「なっ……!?」
青娥の背後に『ぴしゃーん!』とかいう擬音と共に、やたら派手に稲光が輝いたように見えた。
青娥はショックだったのか、その顔に驚きの色をたたえ、がたん、と椅子の上で音を立てている。
「……確かに、かわいい子供は好きですよ?
ですが、それとこれとは話が別です。
あなたの性癖をとやかく言うつもりではありませんが、私にそのような趣味はありません。
申し訳ありませんが、私はあなたに付き合うことは出来ませんし、あなたの思いに共感することも出来ません。
わかったのなら、このチラシを回収してください。何なら私も手伝います」
そもそもどうしてこんなことになったんだろう。
華扇はそれを思いながらも、死ぬほどどうでもいいことを、思いっきり真面目に真剣に、切なる願いを持って青娥に伝えていた。
何せ、この青娥が華扇に対してシンパシー感じているために、あちこちで『わたくしは華仙さまと深く通じることが出来ました』と余計なこと広めまくっているのである。
おかげで華扇は知り合いの巫女から、『あんたも、もう少し仙人っぽいと思ってたけど、違ったのね』と微妙に距離空けられながら言われたことがあった。
「よろしいですか?」
華扇は、ショックを受けているらしい青娥に、あえて声を緩めずに告げる。
こういう時、相手のことを想って感情を収めてしまうのは間違いだ。厳しく力強く。時として、残酷なほど、相手を突き飛ばさなければならないことも、世の中にはあるのである。
それが自分のため――ひいては、相手のためになることもあるのだから。
「……そんな……華扇さま……」
はぁ、とため息をつく華扇。
これで『わたくしを謀っていたなんて!』と青娥を怒らせるのは面倒だな、と思ったのだ。この青娥、かなりたちの悪い少女偏愛主義者だが、仙人は仙人。その実力は、この幻想郷でも指折りであり、間違っても敵に回したくない相手なのだ。
だが、今回は仕方ないだろう。
彼女を敵に回すリスクと、彼女に『同類』と思われているリスク。どちらが大きいかを比較考量した結論なのだから。
「華扇さま……!」
――と、思っていたのだが。
突然、青娥は滂沱の涙をだばーと流しながら、がしぃっ、と華扇の両手を包み込むように握り締める。
そして、言った。
「華扇さま、それだけは……! それだけはっ……!」
「え? あの、ちょっと……」
何か展開がおかしい。
華扇の『仙人レーダー』がいやな予感を告げていた。ちなみにそのレーダーは、頭につけてるおだんごである。
続く一言――それを受けて、華扇は……。
「ようじょ趣味は、たとえ少女愛主義者でも踏み入れてはならぬ領域なのですっ!」
「違うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
相手の手振り解き、ヘッドバットでテーブルたたき割り、だーと血を流しながら絶叫した。
「何でっ!? 何でそうなるの!? 今の言葉の流れの、一体どこにそんな要素があったのよ!? え!? 言ってごらんなさいよ!」
「華扇さま、この世に愛でるべき『少女』は二種類だけです!
『ようじょ』か『少女』! その二つしかないのです! そして、少女を愛さないとならば、『ようじょ』しかないではありませんかっ!」
「あんたの選択肢はどこまで破滅的に壊滅してんのよっ!?」
「確かにわたくしの射程範囲は見た目5~12歳っ!
ですが、わたくしにとっての『ようじょ』とは将来の成長を夢見て愛するべき存在であり、言うなれば庇護の対象!
にも拘わらず『ようじょ』主義者はそれを忘れた鬼畜外道どもなのです! わたくしは、華扇さま! あなたがそのような人だったとは信じたくありませんっ!」
「だから違うって言ってんでしょうが人の話聞けぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
「もしも、華扇さま……。あなたが外道の領域に踏み込むのだとしたら、わたくしは、この命をかけてあなたを止めて差し上げますっ!」
「やかましいわっ!」
仙人ワールドに響き渡る二人の仙人の絶叫。
やはり、華扇は青娥を甘く見ていたのである。
彼女は筋金入りの『少女愛主義者』であることを忘れていたのだ。その射程距離、索敵範囲、もっとぶっちゃけると視野というものを全く失念していたのである。
相手が自分にシンパシー感じてるのだから、相手に自分と同じ常識求めちゃいけない――長い間、仙人やってきた華扇であったが、常識を超越した『淑女』に会ったことがない故の失敗であった。
しかも取り返しのつかない意味での。
「華扇さま、どうか! どうか今一度、お考え直しくださいっ!
あ、ほら、こちらに布都ちゃんと神子ちゃんと芳香のかわいい写真をご用意いたしました! これで何とか!」
「いらんわそんなもの!」
「そんな!? もっと幼い方が!? それは許されませんよ!」
「だから違うっつってんでしょうが、この阿呆っ!」
「ならば今こそ、仙人としてわたくしが極めてきた秘奥義、話し合いと説得の力を見せる時!
さあ、華扇さま! 今度はわたくしがあなた様をお救いする番です! こちらに!」
「いいわよやったろうじゃない! あんたを完全論破して、ついでにあんたの妙な誤解も全部解いて、私は晴れて真人間に戻るのよっ!
勝負、霍青娥っ!」
「いざ!」
――その『仙人&仙人 朝まで生討論』は三日三晩どころか七日七晩続いた。
熱論! 激論! 超接論! と誰かが表題する二人の戦い。それはまさしく、仙人同士の全てをかけた魂と魂のぶつかり合いであったという。
そして、全てが終わりを告げる、八日目の朝を迎え、勝者が決まった――。
「おい霊夢」
「何よ、魔理沙」
「今、里の方でやってる青娥のロリコン講座だけどさ」
「ええ」
「華扇の奴、体調不良で出席できないってさ」
「あいつにとって、それが幸せなのかもしれないわね」
永遠の解放を手に入れるのは難しい。
それは、生き物にとって、ある種の永遠の命題であるのかもしれない。
ならばこそ、いっときの解放を得て、それに浸るのは悪いことではないだろう。その間に、きっと、華扇なら立ち直るだろう――色んな意味で、最近、彼女との付き合いが深いとある巫女はそんなことを思った。
見上げた空の向こう――青空の彼方に浮かぶ華扇の面影は、泣いていた。
文字数分お説教してもらおう。
つまり、やっぱり華扇は幼女趣味だったんだよ!
さあ遠慮なく気のすむまでお説教してくださいまし(期待の目)
仕方ないから素直に真性だって認めちゃいなよyou!