守矢神社。
「神奈子様。諏訪子様と結婚してください」
唐突な早苗の言葉に、神奈子は目を丸くした。
「い、いきなり何だい、早苗」
「神奈子様は誤解を招いていると思うんです」
「何の話だい?」
「神奈子様のお名前です」
「名前?」
「この間人里に行ったら、こう言われたんです。『ああ、山の――八坂神社の』って。うちは守矢神社です! 八坂神社とは別です!」
「いやまあ、そうだけどね……」
神奈子が肩を竦めると、「んー? 何の話ー?」と諏訪子がその場に顔を出す。
「ああ、諏訪子様。いいところに」
「なになに?」
「結婚してください!」
「うええ!?」
のけぞった拍子に帽子がずり落ちかけて、諏訪子は慌てて帽子を押さえて顔を隠す。
神奈子には、その頬が真っ赤になっているのが横から見えた。
「な、何を言い出すのさ早苗ー!? こ、子供じゃないんだからそんな」
「神奈子様と!」
「ってそっちかよ!」
「そっちかよとはなんだい」
神奈子が睨むと、「うぇー」と諏訪子は眉間に皺を寄せる。
「というか何で急にそんな話に?」
「神社の名前が間違われやすいので」
「八坂神社と?」
「諏訪子様と神奈子様が結婚して、洩矢神奈子になれば誤解も少しは減るのではないかと」
神奈子は諏訪子と顔を見合わせる。
「いや、だからって急に言われてもねえ」
「幻想郷では性別に囚われてはいけないのです! 麓では厄神様と河童が種族にも性別にも囚われず結婚してましたし」
「あー、地底でも鬼と橋姫が結婚してたねえ」
「納得するんじゃないよ諏訪子」
やれやれと神奈子は肩を竦める。
「そういえば、早苗が小さい頃に聞かれて困ったっけねー。『かなこさまとすわこさまは、ふーふじゃないの?』って」
「ああ、そんなこともあったねえ。何て答えたんだったか」
「覚えてますよ。2人とも違うことを仰ったので印象的でした」
「ん?」
くすくす笑う早苗に、神奈子は再び諏訪子と顔を見合わせた。
「何て答えたんだい、諏訪子」
「神奈子こそ」
「諏訪子様は――『神奈子はほら、私のヒモなんだよ』って」
オンバシラフルスイング。
「子供に何て言葉を教えてんだい諏訪子! というか誰がヒモだい!」
「痛いなぁもう、似たようなもんじゃん」
「私、その言葉から色んなことを学びました……」
「学ばなくていいんだよそんなことは!」
しんみりと語る早苗に、神奈子は叫ぶ。早苗は聞いちゃいない。
「神奈子の方こそ、何て答えたのさー?」
「いや、覚えてなくてね……」
「神奈子様は、酔っぱらいながらこう『諏訪子は私のコレだからね』と小指を」
「神奈子こそ何教えてんのさ!?」
諏訪子に鉄の輪で殴られた。
「私はまた色々なことを教えられました……」
「知らなくていいから!」
真っ赤になって吠える諏訪子に、早苗は目を細めて微笑んだ。
「ですから、結婚しませんかと」
「いや、だから――」
「日本では法律の壁に阻まれましたけど、幻想郷なら平気ですし!」
「は?」
「あれ、コレって恋人って意味ですよね?」
小指を立てて早苗は首を傾げた。
神奈子と諏訪子は顔を見合わせてしゃっくりした。いや間違ってはいないのだが、だが。
「神奈子様と諏訪子様が、法律という壁に阻まれた禁断の恋人だと知ったあのとき、私は誓ったんです! いつか私がこの奇跡の力でこの恋を成就させなければいけないと――」
「いや私ら神だから法律は関係ないんだがね……」
「そういうわけですから!」
早苗は諏訪子と神奈子の手を握る。
「神奈子様と諏訪子様には、幸せになってほしいんです」
早苗の満面の笑顔に、神奈子と諏訪子は視線を交わして、やれやれとふたり息をついた。
「早苗のそういう気持ちが」
「私たちには一番幸せだよ」
何か間違ってる気はするが、ふたりで早苗の頭を撫でた。
照れ笑いする早苗の笑顔が、神奈子と諏訪子の幸せの証だった。
いろんなものに
なん…だと…
こいさな…、なのか?
さとさな?こいさな?
どっちにしろすごく読んでみたいんで、続編を期待しときますw
オチに持っていかれたぜこの野郎w
その魅力を語ってもらおうか 文章で
こいさな? さとさな?
気になるぞw
俺的にはこいさな希望
だが投げずに全て描きなさい、それが今貴方に積める善行です
いくつか上にスゴい今の心境を表してくれてるコメがあったから特に書きませんが
あなたフリーダムすぎでしょう
結婚しろ