*注意 これは先に杞憂のほうを読んで頂かないと、香霖がただ錯乱しているだけのようになってしまいます。
だってしょうがないじゃないか!
外の世界から流れてくるものは、
触っただけで爆発するかもしれないようなものなんだ。
昔、チューインガムという物が流れてきたことがあった。
僕はそれが、練り物に砂糖を加えたような食べ物だということを知っていたから、
それを確かめることなく、疑いもせず、
不自然に飛び出していた一枚を取ろうとした。
結果、噛み付かれた。
それは人を騙して悔しがらせるという用途の式神が、化けていた物だったのだ。
つまり、外の世界はおかしいのだ!
式神を化けさせてまですることが人を騙して悔しがらせるだぞ!?
そんな世界の物に対して、滑稽なほど慎重になることは、むしろ当然のことなんだ!
「おいっ。香霖!」
だから僕は決して馬鹿みたいなことをやっていたわけではない!
「どうした!おいっ!香霖!」
たとえ先から水が出るだけの物に外の世界を憂いていたとしてもそれは…
「こー!りん!こー!りん!気づけよ!こーりん!」
さっきから騒がしいな。今良いところなんだからもう少し待ってくれ。
あと腕は、振り上げた時に こー だ。それだと りんこー になってしまっている。
しょうがない、あまり暴れられても困る。
まあ、弁解はこれだけでも十分だろう。
「で、何か用かい?魔理沙」
「おお、やっと正気に戻ったか。誰もいないのにぶつぶつ言ってたから心配したぞ」
むぅ、無意識的に声に出していたか。
「そんなに変だったかい?」
「まるで永琳の薬をキメた奴みたいだったぜ」
よくわからないが相当危なそうだということはわかった。気をつけよう。
僕は永琳と聞いた時に上がりそうになった腕を抑えながら、話題を変えることにした。
「ところで今日はどういった用だい?」
その言葉を聞いて、魔理沙は自分の用件を思い出したようだ。
「そうだそうだ。最近 咲夜の奴がさ、私が図書館に本を借りに行くのを阻止するためにフランを投入しだしたんだ。
さすがにフラン相手はきついからな、良い足止めを探しに来たんだ」
酷い仕打ちだといわんばかりに魔理沙は言うが、誰だって止めようとすると思う。
店の物を勝手に持っていく魔理沙が、ちゃんと許可を取って借りているとは思えない。
ついでに返しているかも怪しい。魔理沙の家の中に本なんて置いたら、すぐに見失うだろうから。
口に出して言ったら吹き飛ばされそうなのでそれは心の中にしまっておく。僕は学習しないわけではない。
「どんな物なら足止めになるんだ?ミニ八卦炉以上の物はそうそうないぞ?」
「あいつは珍しいものを見たらそっちに行きそうだからな。外の世界の物なら何でもいい。適当でいいんだ。どうせ壊れるから」
「じゃあそこにある箱から持っていってくれ。役にたちそうにないから捨てるものだ」
言うが早いか、魔理沙は早速箱を漁りはじめる。
「なんだこりゃ?うぉっ。水が出てきた。これはいいな。握り潰されそうだが」
僕が確かめた後とはいえ、無用心に弄る魔理沙。すこし癪だ。
「これは?ガム?なんだこれ?」
密かにひっかからないかと期待していたガムは、魔理沙のときは噛み付かなかった。男女差別だろうか。
「香霖、この竹とんぼみたいなのは何だ?」
「それは空を飛ぶ程度の能力を持っているらしいんだが、どうやっても動かないんだ。デンチという特別な式を入れないといけないらしい」
それからも魔理沙は箱を漁り続けて、結局、箱ごと持っていった。
僕が七難八苦した式神達は、魔理沙には害意をまったく示さなかった。
魔理沙ぐらい豪快なほうがむしろ良いのだろうか?案ずるより産むがやすしということわざもあるらしいし。
瓶にはナトリウムと書かれた紙が貼ってある。
この、液体の中に入った金属の名前らしい。
僕がこの金属がどういうことに使えるのか確かめるためには、瓶から金属を出さなければならない。
また何かあるかもしれない。魔理沙を見習って少し豪快にいってみようか?
僕は桶を用意し、蓋を開けて、異臭を放つ瓶を逆さまにした―――
だってしょうがないじゃないか!
外の世界から流れてくるものは、
触っただけで爆発するかもしれないようなものなんだ。
昔、チューインガムという物が流れてきたことがあった。
僕はそれが、練り物に砂糖を加えたような食べ物だということを知っていたから、
それを確かめることなく、疑いもせず、
不自然に飛び出していた一枚を取ろうとした。
結果、噛み付かれた。
それは人を騙して悔しがらせるという用途の式神が、化けていた物だったのだ。
つまり、外の世界はおかしいのだ!
式神を化けさせてまですることが人を騙して悔しがらせるだぞ!?
そんな世界の物に対して、滑稽なほど慎重になることは、むしろ当然のことなんだ!
「おいっ。香霖!」
だから僕は決して馬鹿みたいなことをやっていたわけではない!
「どうした!おいっ!香霖!」
たとえ先から水が出るだけの物に外の世界を憂いていたとしてもそれは…
「こー!りん!こー!りん!気づけよ!こーりん!」
さっきから騒がしいな。今良いところなんだからもう少し待ってくれ。
あと腕は、振り上げた時に こー だ。それだと りんこー になってしまっている。
しょうがない、あまり暴れられても困る。
まあ、弁解はこれだけでも十分だろう。
「で、何か用かい?魔理沙」
「おお、やっと正気に戻ったか。誰もいないのにぶつぶつ言ってたから心配したぞ」
むぅ、無意識的に声に出していたか。
「そんなに変だったかい?」
「まるで永琳の薬をキメた奴みたいだったぜ」
よくわからないが相当危なそうだということはわかった。気をつけよう。
僕は永琳と聞いた時に上がりそうになった腕を抑えながら、話題を変えることにした。
「ところで今日はどういった用だい?」
その言葉を聞いて、魔理沙は自分の用件を思い出したようだ。
「そうだそうだ。最近 咲夜の奴がさ、私が図書館に本を借りに行くのを阻止するためにフランを投入しだしたんだ。
さすがにフラン相手はきついからな、良い足止めを探しに来たんだ」
酷い仕打ちだといわんばかりに魔理沙は言うが、誰だって止めようとすると思う。
店の物を勝手に持っていく魔理沙が、ちゃんと許可を取って借りているとは思えない。
ついでに返しているかも怪しい。魔理沙の家の中に本なんて置いたら、すぐに見失うだろうから。
口に出して言ったら吹き飛ばされそうなのでそれは心の中にしまっておく。僕は学習しないわけではない。
「どんな物なら足止めになるんだ?ミニ八卦炉以上の物はそうそうないぞ?」
「あいつは珍しいものを見たらそっちに行きそうだからな。外の世界の物なら何でもいい。適当でいいんだ。どうせ壊れるから」
「じゃあそこにある箱から持っていってくれ。役にたちそうにないから捨てるものだ」
言うが早いか、魔理沙は早速箱を漁りはじめる。
「なんだこりゃ?うぉっ。水が出てきた。これはいいな。握り潰されそうだが」
僕が確かめた後とはいえ、無用心に弄る魔理沙。すこし癪だ。
「これは?ガム?なんだこれ?」
密かにひっかからないかと期待していたガムは、魔理沙のときは噛み付かなかった。男女差別だろうか。
「香霖、この竹とんぼみたいなのは何だ?」
「それは空を飛ぶ程度の能力を持っているらしいんだが、どうやっても動かないんだ。デンチという特別な式を入れないといけないらしい」
それからも魔理沙は箱を漁り続けて、結局、箱ごと持っていった。
僕が七難八苦した式神達は、魔理沙には害意をまったく示さなかった。
魔理沙ぐらい豪快なほうがむしろ良いのだろうか?案ずるより産むがやすしということわざもあるらしいし。
瓶にはナトリウムと書かれた紙が貼ってある。
この、液体の中に入った金属の名前らしい。
僕がこの金属がどういうことに使えるのか確かめるためには、瓶から金属を出さなければならない。
また何かあるかもしれない。魔理沙を見習って少し豪快にいってみようか?
僕は桶を用意し、蓋を開けて、異臭を放つ瓶を逆さまにした―――
(ナトリウム:危険物乙種三類、禁水性物質。水に反応し、時には爆発さえ起こすもの。
空気中の水分にも反応するため、油などの液体に漬けて空気に触れないように保管する。)
10㎝ぐらいの円柱形をプールに投げ込んだら25㍍の水柱があがるとか・・・
厨房の頃、理科の教師が楽しそうに言ってたなあ。ナトリウム
水爆の起爆剤だっけ?
ともあれ、ガムにかみつかれた経験のある身としては男女差別案を烈しく推奨したし。
桶に水気がない事を祈るばかり。
ちぅいんがむなる物は「装填の儀」を行わねば発動せんからなぁ。