Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

もしも博麗霊夢が亡くなってさぁ

2006/08/24 12:43:10
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霊夢が死んだ。













珍しく神社を訪問した最初の発見者、八意 永琳が発見したときには、すでに畳の上で冷たくなっていた。
すぐに永琳は永遠亭へと彼女を運んだが、もはや永琳の力ですらどうにもならなかった。









この知らせは文々。新聞によって大々的に報道され、すぐに幻想郷中に知れ渡った。

絶句するもの、泣き喚くもの、呆然とするもの、反応はそれぞれだろうが、
彼女がいなくなったことに対するショックは、とても小さいものとは言えなかった。







 数日後の今日、博麗神社にて、最後の別れである彼女の葬儀が執り行われることになった。

幻想郷の名のある人妖のすべてがここに集まり、そして誰もが涙を流していた。










「何してるのよ霊夢 こんな終わり方 ないでしょう?

 覚えてるかしら霊夢 あの日 結界を直させに私のところへ来た事を
 覚えてるかしら霊夢 あの日 「私も一緒に結界の修理してあげるわ」って言ってくれたことを

 親友だけど ごめんなさい 言わせてもらうわ
 あなた アホじゃないの!? なに勝手に死んでるのよ!!

 『紫~、お腹減った~』って言ってきたけど
 空腹を通り越していきなりあの世に行くだなんて
 ほんと こんなのいやよ ほんと 「なんでやねん」よ
 こんなことにツッコミなんかしないわよ したくなかったわよ

 そろそろお別れしなきゃいけないみたいね もうだいぶ長引いてるみたいだし
 ほんとわるいんだけど 先行って天国からでも マヨヒガに来なさいね
 またお茶でも飲みましょう 霊夢
 いや親友 また弾幕ごっこしましょう 今度こそ私は負けないわよ
 いつものことだけど 一生懸命弾幕張るから ガンガン打ち込んできてね

 さあ霊夢 またいつか
 
 わあわあ言ってるわ
 もう時間みたい

 さようなら」



八雲 紫が参列者の波へと帰っていく。




そこへ、欠席の予定だったもう一人の親友、霧雨 魔理沙が乱入してくる。


「霊夢ッ!! 何やってるんだ!! 起きろよ!!」


アリス・マーガトロイドが涙ぐみながら魔理沙をを抑えている。

 場が涙に包まれる。



「・・・ビックリしたわよ、霊夢・・・あなたが、子供を助けたって聞いたときは・・・あなたがねぇ・・・
 でも、・・・でもなぜかしら・・・ちっとも、ほめる気がしないのは・・・」


肩を震わせる紅魔館のメイド長、十六夜 咲夜。


「霊夢・・・ひっ・・・ひぐ・・・え・・・ひ・・・ひぃーーーーん・・・」


半霊剣士、魂魄 妖夢は耐え切れず、既に泣きじゃくっていた。



「私たち三人で主人公でしょ? ゲームにならないじゃない・・・」

平静を取り戻した魔理沙と、その隣で立ち尽くす咲夜。


 

「フフフフフフどうせドッキリなんでしょう、ねぇ霊夢私は騙されないわ
 フフフフフ・・・フフフ・・・フフ・・・」

「行きましょうお嬢様・・・」



紅魔館の主、レミリア・スカーレットが咲夜に連れられ、紫と同じように参列者の波に消える。


その後ろでは、参列したプリズムリバー三姉妹が、 別れの言葉のかわりに演奏を届けている。
それはとても悲しい旋律だったが、不思議と心地よさを感じさせる旋律でもあった。





「私はずっと人をビックリさせるのが好きでね
 困ってくれたらそれでいいと思って、よく道行く人間を神隠しに会わせていたわ
 霊夢も神隠しにあっただけだったらどんなにいいか

 おかしなものよね、私より先に霊夢が居なくなるなんて
 普通に考えてたら歳人は妖怪より先に死ぬものだけど、霊夢は消えない存在のような気がしてたのよ
 霊夢は博麗という入れ物の中、巫女という入れ物の中で存在してるんじゃなかったのよ
 その奥にいる『少女』として存在してたのよ
 霊夢、いつも言っていたけど、弾幕って最高よ
 霊夢!ありがとう!博麗の巫女!ありがとう!」



参列者の波の中にいた紫は、彼女にこの言葉も送っている。







「それでは、そろそろ送り出しましょう」


亡霊の姫、西行寺 幽々子が前へ出て、追悼を儀式を始めるのだった。
儀式の進行を、参列した少女たちは、ただ見守ることしかできなかった・・・・・























後日。


誰もいなくなった博麗神社に、三つの人影があった。

魔理沙、咲夜、紫。 空っぽの神社に遺品を置いておくのは悪いと、遺品整理にやってきたのだ。



霊夢の遺品の中には、お馴染みの腋の開いた改造巫女服もあれば、
いつ撮ったのか分からないような写真、それに色々な年季の入った品などがあった。

この時ばかりは、整理整頓の苦手な魔理沙も親友のために三人の中でも一番頑張っていたし、
時間停止能力を持つ咲夜も、時間を止めてさっさと片付けるなんて無粋なマネはしなかった。



そんな中。

一人黙々と整理を続けていた紫が、ふと覗いた賽銭箱の底から、一枚の紙切れを見つけた。

賽銭箱の蓋を開け、相変わらず賽銭の入っていないそれから、紙切れを取り出した。



紫は魔理沙と咲夜を呼び、紙切れを開く。
そこには霊夢が書いたのであろう、可愛らしい筆字で文字がしたためられていた。






   霊夢の残した、手紙。






咲夜へ・・・まさにあなたは「瀟洒なメイド長」だったわ。これからもレミリアと仲良くね。

レミリアへ・・・あなたに追い回されたのが、今では少し懐かしいわ。紅魔館の統治、しっかりやりなさいね。

妖夢へ・・・あなたは真面目。生真面目すぎるのよ。でもあなたのそんな真面目さを、幽々子はきっと評価してるはずよ。

幽々子へ・・・もう少し節食したらどうなの? あと、あまり妖夢を困らせないようにね。

鈴仙へ・・・理不尽な上司の命令に負けず、よく頑張ってるみたいね。いつかそれが、報われるかもしれないわよ。

輝夜へ・・・死なないもの同士で殺しあってるみたいだけど、ほどほどにね。てゐ、鈴仙、永琳を大切に。

プリズムリバー姉妹へ・・・私の葬儀に楽器は持ってこないでよね。いつまでも三人仲良くしなさい。

紫へ・・・あなたや魔理沙との弾幕ごっこほど楽しかったものはなかったわ。あまり式をいじめちゃダメよ。

魔理沙へ・・・






「あれ?私のには何も書いてないじゃないか」
「裏に何か書いてあるみたいよ」






    い ま ま で
     本 当 に
   あ り が と う 。






「・・・ッ、霊夢・・・何やってるんだよ・・・・・畜生、畜生・・・・・」



悲痛な魔理沙の咽び泣く声だけが、博麗神社に木霊した。







その時。

ただ呆然と魔理沙を見つめる二人、そして泣き続ける魔理沙を、ひとつの影が覆った。



驚いた三人は、影のある方へと顔を向ける。


そこに立っていたのは、凛とした表情で佇む、霊夢と同じ巫女服を着て、お祓い棒を持った少女。
さらさらとした綺麗な茶色の髪が風に流れ、吸い込まれそうな黒い瞳は、真っ直ぐに三人を見据えている。



三人が唖然としていると、その少女は凛とした表情を崩し、にこりと笑いながら、言った。







「みなさん、はじめまして。私は、十四代目の博麗の巫女です」

はじめまして。初投稿になりますReathと申します。

中にはご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、コピペ改変です。
元ネタを知りたい方は『岡村隆史 ガイドライン』で検索していただくと分かります。
もし霊夢が突然いなくなってしまったら、きっとこんな感じなのだろうと思ってストーリーを作ってみました。


なんだかんだ言って、博麗霊夢はみんなに愛されてるんだろうなぁ。
Reath
コメント



1.思想の狼削除
十四代目が出た以上、時間掛かってもいいですから、これで終わらずに最後まで書き上げて下さい。続きが見たい。
2.洋丹削除
あってほしくないけど、この情景はあってほしい。そう思わされました。
ちなみに博麗神社13代目巫女は霊夢ではない可能性が高いらしいです。むしろ13代目より前の存在。
3.みーや削除
ガイドラインは読んでいましたが魔理沙のシーンで感動しました
4.Reath削除
当作品にコメントいただき、本当にありがとうございます。

>>みーやさん
感動していただけたようで光栄です。
あのシーンは絶対に魔理沙だ!と決め込んでいました。功を成したようでよかったです。

>>洋丹さん
自分の知識内では霊夢は13代目だと誤認していたようでした。ご指摘ありがとうございます。

>>思想の狼さん
続編は時間ができたらちまちまと書いていきたいと思っています。
あまり期待しないでお待ち下さい。
5.時空や空間を翔る程度の能力削除
何時の間に霊夢に子供が!!!って違うか???