博麗神社境内。
天気のとても良い日。
巫女の霊夢は境内の掃除をしていた。
「霊夢さぁーん!」
「…煩いのが来た。」
煩いのとご紹介されたのは鴉天狗の
「清く正しい射命丸文ですよ~」
「あんたのどこが清く正しいのよ。」
「え、主に外面とか?」
「………」
よく言うわ、この馬鹿烏め。
と小声でつぶやくと文はブーブーと「私は烏だけれど天狗なんです。」と対抗してきた。
「で、今日は何しに来たのよ。」
「しn」
「ああ、いいわ。結構よ、間に合ってる。」
「…まだ言ってないじゃないですか。」
「予想できることは言わなくていいのよ?」
ああ今日の新聞は結構自信があったのに…ぶつくさ言いながら神社へ向かっていく文。
それに気付いた霊夢が制止する。
「ちょっとちょっと、何勝手に上がろうとしてんの?」
「あや?お茶でも頂こうかと思いまして。」
「お茶って…もぉ勝手ねぇ……」
いつもこいつに振り回されてばっかりだ。と霊夢は頭を抱える。
そこで思いついたように一言添えた。
「そうだ、お賽銭入れてくれるならお茶だしたげないこともないわ。」
「…へ?有料ですかぁ~…?」
「…いやなの?」
「……うーん…帰ろうかしら…」
その一言を聞いた霊夢がシュンとする。
「入れないの…?」
寂しそうな小動物のような目でジッと見られる。
駄目よ文。あれは罠。こうやって道行く妖怪から金銭を巻き上げる巫女なんだから!
と自身に言い聞かせる物の…。
「…はいはい。」
頭で解っていても、あんな可愛らしい表情を見せられては敵わない。
ポケットから財布を取り出しチャリンとお金を投げ入れた。
今日は新聞勧誘してこっちが御金をもらうはずだったのに。まぁ無理だけれど。
「ふふっ、ありがと。さーてお茶入れてあげますかね!」
くるりと回って霊夢が裏手へ回っていく。
「…敵わないなぁ、ほんと。」
うきうきで進んでいく霊夢の後に文がゆっくりとついていった。
「はい、粗茶だけど」
「はーい、ありがとうございます。」
「どういたしまして。」
「お茶菓子とかないんですか。」
「…あんたどんだけうちから巻き上げるつもりよ。」
「いえいえ、巻き上げるつもりなんてありませんよ?ほら、お賽銭も入れてることですしー」
「ああ、もう分かったわよ!たしかお団子があったかしら…」
ぱたぱたと台所へ向かい、すぐに霊夢が戻ってくる。
「あったわ、ほら三色団子。」
「おー、意外にまとも。」
「何よ、まともって。」
「いや、カピカピの団子出されたらどうしようかとおもいまして」
「…さすがに出さないわよ。失礼ね。」
文の横に霊夢が腰をかけ、団子を頬張っている文をじぃーっと観察していた。
視線に気付かないフリをしていた文も途中でしびれを切らせ霊夢のおでこを串で突付いた。
「ぅぁ、何すんのよ」
「見すぎです。こっち見すぎな巫女が悪いです。」
「だからって竹串で突付くことないでしょ?何気に痛いわ。」
「なんなんですか一体もう。」
「何がよ」
「だから何でこっち見てるんですか?食事中をガン見されて気分のいい女子は居ませんよ!」
ふむ、と一瞬霊夢は考える素振りを見せた。
しかしすぐに口を開く。
「文のさぁ…」
「はい?」
「文の顔ってすごい整ってて綺麗だよなぁ。って思って。」
「…はぁ?」
あ、やっぱり訝しげな顔するんだ。予想済みだったけどね。
どうせ『何か企んでるんじゃない?』って返ってくるんだろうけど。
「何か企んでませんか?」
ほらね。
「別に?思ったことを口にしただけよ。」
「…霊夢さんが私の何かを誉めるってなんだかきもちわるいです。」
「何よきもちわるいって。ひどい言い様ね。
何か誤解されてそうだからいうけど、私は文のこと好きよ?目とか本当綺麗。取り替えて欲しいくらいだわ。」
「うっわぁ、そういうこと霊夢さんが言うと眼球くり抜かれそうで怖いです…」
「何よそんなことしないわよ…」
ケタケタと文は笑う。
あからさまにふざけている態度に霊夢は札を取り出してあやのおでこに貼り付けた。
「ちょ、やめて下さいよ!こんなの張らないで下さい!危ないです!
霊夢さんがせっかく誉めてくれた私の整ったおかおに一生傷とか残ったらどうするんですっ」
「………ああ、それもいいわね。妬まなくて楽になりそうだわ」
「ぎょわっ、霊夢さん怖いです~って、ねたましいってどっかの地下妖怪じゃないんですから…」
そこで気付いたように文が聞いた。
「って、霊夢さん自分の顔やなんですか?」
「は?」
「いや、だって私が羨ましいみたいな話をされるんで。」
「そりゃぁ、綺麗になりたいわよ。私だって女なんだから…」
「へぇー…」
とりあえずこれ外してください。と顔をぐいっと霊夢に近づけた。
あまりの至近距離に霊夢はギョっとしたが、文はいたって普通でなんだか一人悔しい思いをする。
その様子を文はしっかりと見てにやっと一瞬笑って見せた。
「まぁ、霊夢さんは十分可愛いと思いますよ?そして魅力的です。
魅力がなかったら、私を含めそこらの妖怪がこんなに神社に足を運ぶことなんてないわ。」
ぺりっっと霊夢が札を外す。
それを見計らったように文がもう一歩前に出るように霊夢に近づく。
「それこそ、食べちゃいたい位にね。」
霊夢の目の前で舌をべろっとだして挑発してやった。
顔面の霊夢は蒼白な顔をしてヒクヒクしている。
「なっ、文!」
「あははっ、お茶ご馳走様でしたぁ~!」
「こら、文!逃げるな!」
「悔しかったら捕まえてみてくださぁ~い!」
幻想卿最速を詠う文の速度は伊達じゃなくて追いつけないのは明白だった。
残された霊夢は一人、顔を赤くしていった。
「…何よ、食べちゃいたい位って…くっそ、今度きたら逆に食べてやるわあの馬鹿烏っ!」
と一人つぶやいたとかなんとか。
一方上空では鴉天狗が一人。
「あー、もう霊夢さん可愛すぎるわぁああぁあ!誘われてる?誘われてるの私?
ああ、もう襲っちゃいたいわよ本当にっ!」
グルグル身悶えしていたとか。
続きを激しく希望!
果たしてどちらか食べられるのか・・・
とっても良かったです!
×霊 ○麗
文章力がないという自覚があるのなら現状よりも良くしようという努力をしましょう
自分の作品に誇りを持って執筆してください
こうなったらお互いを食べあえばいいのに。