迷いの森の出口付近、此処に森近霖之助は家を構えている。
「・・・暇だ」
何故こんな辺鄙な所に?
何故こんな所で商売を?
あいつに直接聞いてみる事にした。
「おーい、霖之助客が来たぞ」
「・・・店の物を勝手に取っていくのは、客何て言わない」
「やれやれ、折角私が来てやったのに」
「所で、何の用だい?」
「ズバリ言うとだな、お前なんでこんな所に店を建ててるんだ?」
「・・・まぁ、話しても良いけど長くなるよ」
「うーん・・・まぁ暇だから良いぜ」
「じゃあ話すけど・・・」
その瞬間、魔理沙は椅子を取ってきて座った。
ギィィと低い音を立てて、椅子が魔理沙の体重を支える。
「先ずは君は何で僕が此処に店を構えたか、考えたことが有るかい?」
「有るけど、サッパリ判らなかったぜ」
「其れはね、僕は傍観者でありたいのだよ」
その瞬間、魔理沙が変な顔になる。
そりゃそうだ、此処だけ聞いたら変人扱い確定だろう。
「要するにだ、僕は人に人生を干渉せず、干渉されずに生きて生きたいんだよ」
「何だそりゃ?訳が判らないな」
「詰まる所、僕は人に危害も与えないし、協力もしない」
「その代わり人に危害を与えられない、協力されないの信念を守るため、此処に居を構えたんだよ」
「つまり、人には何もしないのか?」
「ああそうだ、それならあいつに協力したから攻撃される、何て事は無いからね」
「ふーん・・・もしも襲われたときは?」
「襲われたなら逃げるか、武器が有るなら退治するかだよ」
そう言って服の中から、長さ88cm、重量18kgはある拳銃と呼ばれる物を取り出す。
弾は66mmの銀で包んだニトログリセリンに自分の魔力を込めた物。
最早妖怪でも使いこなせるか判らない代物だ。
但し、之を使いこなせれば、大妖怪でも仕留める事が出来るだろう。
そういう物なのだ、之は。
「何だそれ?」
「触るなよ?魔理沙なんかが使うと、腕が吹き飛びかねないからな」
そう言うと、魔理沙は自分じゃ扱えないのを理解したのか、拳銃から手を離す。
黒く塗りつぶされた其れは、ゴトリと物騒な音を立てて机の上に置かれる。
「さて、話はそれだけかな?」
「其れ一回使ってみてくれないか?」
「駄目だ、弾を作るのが面倒からね」
「チェッ・・・ケチ」
そう言う子供染みた言葉を吐くと、魔理沙は色々な物を探しに行った。
・・・之を使うには、バネと呼ばれる物を入れた、特製の手袋が必要になる。
最も之を使うと、自分が反動で少し飛んでしまうのが難点だ。
やはり、日本刀や斬馬刀の方が使いやすいな。
「ふぁーぁ・・・」
今日も今日とて、平和だと思う。
日本刀を持ち歩かないでも、普通に歩ける世界だったら。
もう少し外に出てもいいんだが・・・
「そう言えば、お前って何時も読書してるよな、何の本を読んでるんだ?」
「ん?之だ」
そう言って読んでいる本を渡す、中々良い本だと思うが。
「・・・之何処で手に入れたんだ?」
「まぁ・・・色々な所だよ」
「今度一緒に行っても良いか?」
「別に構わないが、どうかしたのか?」
「いや気になる事があって・・・」
そう言って渡した本を返してもらう。
題名は子猫・子犬写真集だった。
・・・犬が欲しいなぁ。
そう思いつつ、拳銃に手を伸ばし銃のクリーニングを始める。
「何やってるんだ?」
「掃除だよ」
「へぇ・・・」
カタン・・・コトン・・・小さな部品を外し、大きな金具を取る。
そして綿棒で汚れを落とす、実に単調で簡単な作業だが。
抜かりは無い。
「其れ使ったこと有るのか?」
「1回だけね」
「如何だった?」
「・・・撃たれた妖怪は、ほぼ全身が抉れてたね」
「ふーん・・・」
カチ・・・カチ・・・カチ・・・
ゴトン・・・整備完了、後は仕舞うだけだ。
「なぁ、其れ譲ってくれないか?」
「使いようが無いよ、例え其れが鬼だとしても」
「へぇ・・・」
あの時は自分も木に背中をぶつけて、痛かったなぁ・・・
「なぁ、所で・・・撃たれた妖怪って・・・」
「誰だっけ・・・覚えてないや」
――――――――――――――――
「へーちょ」
「大丈夫ですか?お嬢様」
「うん、だいじょうぶだよ、ありがとうさくやー」
ブフッ!
「あ、鼻血だー、だいじょうぶさくやー?」
「大丈夫です、お嬢様」
「へんなさくやー」
――――――――――――――――
「其れじゃあな!」
「ん、ああ」
カランカラン・・・
魔理沙が去っていく・・・
あの後、今度何時拾いに行くか相談して。
適当に魔理沙が物を探して帰っていった。
「・・・ふぅ・・・」
今日も特に何も無かった。
之で良い、全てに置いて中立。
全てに置いて傍観者。
何百年も前から決めたこと。
行く末もの結末を見届ける、其れで良い。
其れが僕の望んだ結末だ。
「さて・・・」
今日も今日とて日は巡る。
さて、夕飯でも作ろう。
霖之助が呟く様に言う。
「彼方が一番不幸だ、不幸を手に入れたから」
「その次に彼女が不幸だ、彼の為に考えなければならない」
「その他大勢は不幸ではない、幸運しか知らないのだから」
「決して虚勢ではなく、本性でもない私は何なのだろう」
――――――――――――――――――――
今日判った事が有る。
森近 霖之助は意外と普通の人だった。
「いや・・・寧ろ」
この本は・・・一体・・・
この前、紫に渡されたこれ・・・
あいつは露出狂だとか、変態だとか描いてあったけど・・・
「其れほどでもねーな、うん」
魔理沙は同人誌をゴミ箱に、投げ込んだ。
「はぁ・・・動物欲しいなぁ・・・」
「けど、正面から言うのは恥ずかしいしなぁ・・・」
悩める少女は、意外とかわいいもんですよ、と外から盗撮していた文は言った。
「最近、彼女の意外な一面シリーズ売れるなぁ・・・」
「次は紅魔館にでも行こう、咲×美とか、れみ×咲とか撮れるかも・・・」
「あ、けどリグル総受けとか良いかも・・・」
彼女は輝いていた。
色んな意味で。
「そうだ・・・妖精とか、向日葵傘とかにリグルを襲わせるか、性的な意味で」
彼女はポケットの中の永琳特製性転換薬や、大量のフィルムを見て輝かしい笑みを浮かべた。
実質彼女は輝いていた、文々。裏新聞で。
「うふふふふ・・・いいわね・・・之こそ幻想郷の裏ね・・・」
今度、同人即売会を秘密裏に開くとか。
彼女の同人は、妄想に隠し撮り写真をつけて売ってるんだとか。
「・・・暇だ」
何故こんな辺鄙な所に?
何故こんな所で商売を?
あいつに直接聞いてみる事にした。
「おーい、霖之助客が来たぞ」
「・・・店の物を勝手に取っていくのは、客何て言わない」
「やれやれ、折角私が来てやったのに」
「所で、何の用だい?」
「ズバリ言うとだな、お前なんでこんな所に店を建ててるんだ?」
「・・・まぁ、話しても良いけど長くなるよ」
「うーん・・・まぁ暇だから良いぜ」
「じゃあ話すけど・・・」
その瞬間、魔理沙は椅子を取ってきて座った。
ギィィと低い音を立てて、椅子が魔理沙の体重を支える。
「先ずは君は何で僕が此処に店を構えたか、考えたことが有るかい?」
「有るけど、サッパリ判らなかったぜ」
「其れはね、僕は傍観者でありたいのだよ」
その瞬間、魔理沙が変な顔になる。
そりゃそうだ、此処だけ聞いたら変人扱い確定だろう。
「要するにだ、僕は人に人生を干渉せず、干渉されずに生きて生きたいんだよ」
「何だそりゃ?訳が判らないな」
「詰まる所、僕は人に危害も与えないし、協力もしない」
「その代わり人に危害を与えられない、協力されないの信念を守るため、此処に居を構えたんだよ」
「つまり、人には何もしないのか?」
「ああそうだ、それならあいつに協力したから攻撃される、何て事は無いからね」
「ふーん・・・もしも襲われたときは?」
「襲われたなら逃げるか、武器が有るなら退治するかだよ」
そう言って服の中から、長さ88cm、重量18kgはある拳銃と呼ばれる物を取り出す。
弾は66mmの銀で包んだニトログリセリンに自分の魔力を込めた物。
最早妖怪でも使いこなせるか判らない代物だ。
但し、之を使いこなせれば、大妖怪でも仕留める事が出来るだろう。
そういう物なのだ、之は。
「何だそれ?」
「触るなよ?魔理沙なんかが使うと、腕が吹き飛びかねないからな」
そう言うと、魔理沙は自分じゃ扱えないのを理解したのか、拳銃から手を離す。
黒く塗りつぶされた其れは、ゴトリと物騒な音を立てて机の上に置かれる。
「さて、話はそれだけかな?」
「其れ一回使ってみてくれないか?」
「駄目だ、弾を作るのが面倒からね」
「チェッ・・・ケチ」
そう言う子供染みた言葉を吐くと、魔理沙は色々な物を探しに行った。
・・・之を使うには、バネと呼ばれる物を入れた、特製の手袋が必要になる。
最も之を使うと、自分が反動で少し飛んでしまうのが難点だ。
やはり、日本刀や斬馬刀の方が使いやすいな。
「ふぁーぁ・・・」
今日も今日とて、平和だと思う。
日本刀を持ち歩かないでも、普通に歩ける世界だったら。
もう少し外に出てもいいんだが・・・
「そう言えば、お前って何時も読書してるよな、何の本を読んでるんだ?」
「ん?之だ」
そう言って読んでいる本を渡す、中々良い本だと思うが。
「・・・之何処で手に入れたんだ?」
「まぁ・・・色々な所だよ」
「今度一緒に行っても良いか?」
「別に構わないが、どうかしたのか?」
「いや気になる事があって・・・」
そう言って渡した本を返してもらう。
題名は子猫・子犬写真集だった。
・・・犬が欲しいなぁ。
そう思いつつ、拳銃に手を伸ばし銃のクリーニングを始める。
「何やってるんだ?」
「掃除だよ」
「へぇ・・・」
カタン・・・コトン・・・小さな部品を外し、大きな金具を取る。
そして綿棒で汚れを落とす、実に単調で簡単な作業だが。
抜かりは無い。
「其れ使ったこと有るのか?」
「1回だけね」
「如何だった?」
「・・・撃たれた妖怪は、ほぼ全身が抉れてたね」
「ふーん・・・」
カチ・・・カチ・・・カチ・・・
ゴトン・・・整備完了、後は仕舞うだけだ。
「なぁ、其れ譲ってくれないか?」
「使いようが無いよ、例え其れが鬼だとしても」
「へぇ・・・」
あの時は自分も木に背中をぶつけて、痛かったなぁ・・・
「なぁ、所で・・・撃たれた妖怪って・・・」
「誰だっけ・・・覚えてないや」
――――――――――――――――
「へーちょ」
「大丈夫ですか?お嬢様」
「うん、だいじょうぶだよ、ありがとうさくやー」
ブフッ!
「あ、鼻血だー、だいじょうぶさくやー?」
「大丈夫です、お嬢様」
「へんなさくやー」
――――――――――――――――
「其れじゃあな!」
「ん、ああ」
カランカラン・・・
魔理沙が去っていく・・・
あの後、今度何時拾いに行くか相談して。
適当に魔理沙が物を探して帰っていった。
「・・・ふぅ・・・」
今日も特に何も無かった。
之で良い、全てに置いて中立。
全てに置いて傍観者。
何百年も前から決めたこと。
行く末もの結末を見届ける、其れで良い。
其れが僕の望んだ結末だ。
「さて・・・」
今日も今日とて日は巡る。
さて、夕飯でも作ろう。
霖之助が呟く様に言う。
「彼方が一番不幸だ、不幸を手に入れたから」
「その次に彼女が不幸だ、彼の為に考えなければならない」
「その他大勢は不幸ではない、幸運しか知らないのだから」
「決して虚勢ではなく、本性でもない私は何なのだろう」
――――――――――――――――――――
今日判った事が有る。
森近 霖之助は意外と普通の人だった。
「いや・・・寧ろ」
この本は・・・一体・・・
この前、紫に渡されたこれ・・・
あいつは露出狂だとか、変態だとか描いてあったけど・・・
「其れほどでもねーな、うん」
魔理沙は同人誌をゴミ箱に、投げ込んだ。
「はぁ・・・動物欲しいなぁ・・・」
「けど、正面から言うのは恥ずかしいしなぁ・・・」
悩める少女は、意外とかわいいもんですよ、と外から盗撮していた文は言った。
「最近、彼女の意外な一面シリーズ売れるなぁ・・・」
「次は紅魔館にでも行こう、咲×美とか、れみ×咲とか撮れるかも・・・」
「あ、けどリグル総受けとか良いかも・・・」
彼女は輝いていた。
色んな意味で。
「そうだ・・・妖精とか、向日葵傘とかにリグルを襲わせるか、性的な意味で」
彼女はポケットの中の永琳特製性転換薬や、大量のフィルムを見て輝かしい笑みを浮かべた。
実質彼女は輝いていた、文々。裏新聞で。
「うふふふふ・・・いいわね・・・之こそ幻想郷の裏ね・・・」
今度、同人即売会を秘密裏に開くとか。
彼女の同人は、妄想に隠し撮り写真をつけて売ってるんだとか。