「ついに・・・ついに私は最強の力を手に入れたァー!!」
紅魔館門番係からお暇を頂いて以来、紅美鈴は妖怪の山の更に奥で修行をしていたのだ。
以下過去
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「なんだろコレ? 『最強になるための奥義書&修業マニュアル』?」
美鈴は山奥で一冊の本を拾った。
「ふーん。こんなんで最強になれたらねぇ・・・」
--ペラペラペラ
「--!!! こっ・・これは・・・!!」
美鈴は驚愕した。一目見ただけで分かった。こいつぁヤベェ・・・。
そして、厳しい修業を終え、彼女は現在に至る。
以下現在
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「さぁ、紅魔館へ戻りましょう・・。そして・・・」
クフフ、と笑いを堪えきれない様子の美鈴。何を企んでいるのやら・・・
--紅魔館
「ただいま帰りましたよ、っと」
「あら美鈴。別にまだ暇をしててもいいのだけれど、帰ってきたんだったらさっさと門番に就いて頂戴」
メイド長、十六夜咲夜だ。
美鈴は、以前は彼女には頭が上がらなかったが、今は違う。
「はぁ? ハァ? Huh? 何で私がそんなことしなきゃならないんですか?」
「・・・頭でも打ったのかしら・・・」
美鈴の態度に、咲夜は冷静に、呆れた顔をしてナイフを一本額に向かって投げた。
「止まって見えます。」
--パシッ
美鈴が人差し指と中指でナイフを止めた。
咲夜としては少しピシッときた。
「本気を出して欲しいと・・?」
「出したところで・・・フッ・・」
--ピキッ
「『ザ・ワールド』!!」
流石にふてぶてし過ぎる態度に咲夜も我慢の限界を迎えた。
時を止めて美鈴の周りにナイフを、ありったけのナイフを投げつける。
そして時は動き出す・・
「甘いのだよ。この程度。」
--パパパパパパパパパパシパシパシパシパシパシパシパシパシッパシッ
美鈴はまるで千手観音のように全てのナイフを掴んでは落としていく。
そして残り六本になると、右手に三本、左手に三本ナイフを挟んで、咲夜に投げつけた。
ここまで僅か0.5秒。
「なっ!? きゃあぁぁぁぁぁ!!」
一瞬にしてズタボロになる咲夜。
「あらあら、メイド長が悲鳴なんかあげて情けない・・・」
上から見下ろす美鈴。当然口元はニヤリング。
「うぅ・・お嬢様に知らせないと・・・」
地面を這いつくばる咲夜。
「どこへ行こうというのだね?」
美鈴が容赦なく靴で咲夜の背中を踏みつける。
「あぁっ!!」
「せいぜい這いつくばってくださいよォ・・。」
「美鈴・・お願い許して・・・」
「まだまだこれからお楽しみじゃないですかぁ・・。」
--紅魔館に響き渡る悲鳴。美鈴はこの日から紅魔を従える王となったのだ・・
すいません妄想です。私、紅美鈴の妄想でございます。
途中から全部。具体的には --紅魔館 辺りから。
あのあと紅魔館へ戻ったら、修業に熱中するあまりお暇の期限を過ぎておりました。
咲夜さんが私を発見するなり制裁のナイフを三十本ほど投げつけてきました。
おかげで今私の周りは血の海です。意識が朦朧としてきました。
え? 修業の成果で避けられたんじゃないかって?
あんなんで強くなったら幻想郷終了ですよ(笑)
美鈴終了(笑)
明日からまた門番頑張ります・・・