いくら幻想郷が外の世界にまみれているといったところで、所詮はその大半が他人から聞きかじったものが大半な訳で。中にはそれは唐突に、日常から忽然と消えてしまったものでもある。
霊夢はある日茶菓子を棚に探して、やたらと色白なクリームの入った煎餅を発見した。
いくつか噛んでみれば出てくるのはやはりクリームであり、しかし中身はチョコやらイチゴやら色んな味がある。ハバネロと書かれた物に至っては、お前これは本当に人の食べる物なのかと言いたくもなったが、これもまた外の味と思えば風情の一言で片づけられる物であるはずもないだろう馬鹿者。
当然である。そこで霊夢は、う○い棒でお口直しを求めた。袋には「太くて光る棒」と書いてあった。
うまい○棒は光ったっけ、と霊夢は思ったが、疑問に思ってばかりでもしょうがないのでひとまず袋を開けてみる事にする。するとどうだろうか、袋から取り出したう○い棒は、う○い棒らしからぬ光を発しだしたではないか。
「こ、これはっ――」
名前に太いなどと入っているから卑猥な物を想像していた霊夢は、そのあまりの神々しさに打ち震え、膝をつき涙を流すばかりであった。
そう、このう○い棒こそが、
「師匠……!」
霊夢に博麗の全てを教えた者だったのである。
云年ぶりに会えたと思えば何という悲劇。このような再会を全く予想していなかった霊夢は、されど冷静さを失うことはなかった。
そう、幾年の年月を経たとはいえ、二人の間にはそれはそれは太い絆があったのである。本人が太いのだから当然であった。
その名をライトマスター・オンバシラという彼女の正体は、かつて博麗の巫女に腋を見せる衣服と言う新たな文化を与え、さらにはドロワーズの着用という常識を幻想郷に定着させた偉大なる幻想郷の母だったのだ。
「師匠……!」
「久しぶりね、霊夢」
しかもこの母、喋る。光る太い棒のくせに喋る。だがそれでこそ崇高な幻想郷の礎たる存在であった。
彼女は微笑み、成長した霊夢に目を細める。自らの、上から20、20、20の抜群のプロポーションを霊夢に見せつけつつ、しかし反応が無い事に内心悲しんだ。
思えば昔から、霊夢はプロポーションに関してだけは否定的で、ひょっとしなくても自分の方がスタイルがいいのではないのかと思っていたが、そんな霊夢を余所にライトマスター・オンバシラは
「今日私は、諏訪大神より拝命しここへ参りました。霊夢、あなたは間食が過ぎるのです、だからそんな胸に凹凸のあるスタイルになるのですよ。しかもまだ成長の余地が残っているなんて、誰かが巨大ロボットを作って暴れることで抗議するかも知れないではないですか」「ロボットって何よ。そんなのはどこかの宇宙人だけで勘弁願いたいわ」
そう言って霊夢は肩を竦めてみせた。
「で、本当のところ、私の体型ってどうなの?」
ごめん、やはり気になる。
「当然ダメね。最近幻想郷に白とか赤とか名物お菓子が来るからって多目に間食を取っていては、今のあなたでは栄養が胸に行ってしまうかも知れない。その栄養をもっとバランス良く全身に巡らせる事で博麗としての力は維持されているの。よもや忘れた訳ではないでしょう? このままでは、そう遠くない内に幻想郷の力のバランスがディバインバストーの一撃で滅んでしまうかもしれない。だからここは、幻想郷のレイジングハートことライトマスター・オンバシラが月に代わってお仕置きをするために諏訪大神の依頼を引き受けたのです。そしてどうやら、ここへ出向いた事は正解だったようですね」
いきなりそんな事を言われても困る。そもそも自分の体が幻想郷と直結しているなんて初耳だ。
だが、それは考えようによっては10歳が突然19歳になって自分が見る影もなくオバサンくさい成長を遂げたときに、幻想郷もまた老成したパワーバランスを見る影もなく崩してしまう事になるのかも知れない。それはとても恐ろしいことだ。
でも霊夢は少し楽しみに思ってしまう。興奮する事によって、体内に分泌されたライトマスター・オンバシラから受け継いだ博麗力が大結界に作用する。
「流石だわ、霊夢。暫く見ないうちに、たわわな博麗力を身に着けたものね。胸に」
結局そこに固執するのであった。
「……そう」
霊夢は覚悟を決めた。私は幻想郷を守り師匠たるライトマスター・オンバシラを越えて新幻想郷の神になる、と。
そして全ての人が優しく穏やかな心でハバネロを食せる世界にする。
決意を胸に力強く頷く霊夢を見て、ライトマスター・オンバシラもまたその抜群のプロポーションを見せつけて天高く舞い上がる。霊夢もまた、衣服を全て脱ぎ捨てて同じく空へ舞った。
それは則ち、幻想郷の黎明に他ならなかった。白い雲が見える。青い空を進んでいく。霊夢は清々しい笑顔でライトマスター・オンバシラを見て、彼女もまた笑顔を返した。
今こそ博麗力の全てを賭して幻想郷と一体になる。それこそが博麗に与えられた使命なのだ。
「ちょっと待ったぁっ!」
響く声、霊夢が見た眼下、博麗の境内に――同じく全裸の早苗が屹立しているではないか。
「けんかはやめて! これは全て、諏訪子様の陰謀なのよ! 今あなたが動けば」
早苗の言葉が途切れ、倒れる。
「余計な事をするんじゃないよ、早苗」
その後ろから神奈子が姿を現した。が、彼女もまた全裸だった。
「そんな――」
「どうしたの? ライトマスター・オンバシラ」
「いけない、これでは胸パワーが足りない! 助けて、幻想郷のアフロ○イA!」
ライトマスター・オンバシラの悲痛な叫びが空に木霊した。
「……わかりました。すべて、私とハシちゃんが解決しましょう」
現れたのは、ボンテージスーツに身を包んだ八雲紫であった。
「さぁハシちゃん! 私と力を合わせて、パワー博麗力に!」
「紫――!?」
一瞬呆気にとられたライトマスター・オンバシラだったが、すぐにその目に光を取り戻す。
「分かったわ……紫」
「それでこそよ、ライトマスターオンバシラ。じゃあ、」
紫は、優しい笑みを浮かべる。
「……なまえをよんで」
「……ゆかり」
ライトマスター・オンバシラも、微笑みで返した。二人の力が溢れ出し、一点に集約していく。圧倒的で優しい力が。
そして二人と一本の影が一つに重なった時、幻想郷を光が包み、そしてハバネロは幻想郷に受け入れられた。
結界の外の世界には、ハバネロに代わる最強の唐辛子スナックが発売されていた。ライトマスター・オンバシラは幸せであった。
霊夢はある日茶菓子を棚に探して、やたらと色白なクリームの入った煎餅を発見した。
いくつか噛んでみれば出てくるのはやはりクリームであり、しかし中身はチョコやらイチゴやら色んな味がある。ハバネロと書かれた物に至っては、お前これは本当に人の食べる物なのかと言いたくもなったが、これもまた外の味と思えば風情の一言で片づけられる物であるはずもないだろう馬鹿者。
当然である。そこで霊夢は、う○い棒でお口直しを求めた。袋には「太くて光る棒」と書いてあった。
うまい○棒は光ったっけ、と霊夢は思ったが、疑問に思ってばかりでもしょうがないのでひとまず袋を開けてみる事にする。するとどうだろうか、袋から取り出したう○い棒は、う○い棒らしからぬ光を発しだしたではないか。
「こ、これはっ――」
名前に太いなどと入っているから卑猥な物を想像していた霊夢は、そのあまりの神々しさに打ち震え、膝をつき涙を流すばかりであった。
そう、このう○い棒こそが、
「師匠……!」
霊夢に博麗の全てを教えた者だったのである。
云年ぶりに会えたと思えば何という悲劇。このような再会を全く予想していなかった霊夢は、されど冷静さを失うことはなかった。
そう、幾年の年月を経たとはいえ、二人の間にはそれはそれは太い絆があったのである。本人が太いのだから当然であった。
その名をライトマスター・オンバシラという彼女の正体は、かつて博麗の巫女に腋を見せる衣服と言う新たな文化を与え、さらにはドロワーズの着用という常識を幻想郷に定着させた偉大なる幻想郷の母だったのだ。
「師匠……!」
「久しぶりね、霊夢」
しかもこの母、喋る。光る太い棒のくせに喋る。だがそれでこそ崇高な幻想郷の礎たる存在であった。
彼女は微笑み、成長した霊夢に目を細める。自らの、上から20、20、20の抜群のプロポーションを霊夢に見せつけつつ、しかし反応が無い事に内心悲しんだ。
思えば昔から、霊夢はプロポーションに関してだけは否定的で、ひょっとしなくても自分の方がスタイルがいいのではないのかと思っていたが、そんな霊夢を余所にライトマスター・オンバシラは
「今日私は、諏訪大神より拝命しここへ参りました。霊夢、あなたは間食が過ぎるのです、だからそんな胸に凹凸のあるスタイルになるのですよ。しかもまだ成長の余地が残っているなんて、誰かが巨大ロボットを作って暴れることで抗議するかも知れないではないですか」「ロボットって何よ。そんなのはどこかの宇宙人だけで勘弁願いたいわ」
そう言って霊夢は肩を竦めてみせた。
「で、本当のところ、私の体型ってどうなの?」
ごめん、やはり気になる。
「当然ダメね。最近幻想郷に白とか赤とか名物お菓子が来るからって多目に間食を取っていては、今のあなたでは栄養が胸に行ってしまうかも知れない。その栄養をもっとバランス良く全身に巡らせる事で博麗としての力は維持されているの。よもや忘れた訳ではないでしょう? このままでは、そう遠くない内に幻想郷の力のバランスがディバインバストーの一撃で滅んでしまうかもしれない。だからここは、幻想郷のレイジングハートことライトマスター・オンバシラが月に代わってお仕置きをするために諏訪大神の依頼を引き受けたのです。そしてどうやら、ここへ出向いた事は正解だったようですね」
いきなりそんな事を言われても困る。そもそも自分の体が幻想郷と直結しているなんて初耳だ。
だが、それは考えようによっては10歳が突然19歳になって自分が見る影もなくオバサンくさい成長を遂げたときに、幻想郷もまた老成したパワーバランスを見る影もなく崩してしまう事になるのかも知れない。それはとても恐ろしいことだ。
でも霊夢は少し楽しみに思ってしまう。興奮する事によって、体内に分泌されたライトマスター・オンバシラから受け継いだ博麗力が大結界に作用する。
「流石だわ、霊夢。暫く見ないうちに、たわわな博麗力を身に着けたものね。胸に」
結局そこに固執するのであった。
「……そう」
霊夢は覚悟を決めた。私は幻想郷を守り師匠たるライトマスター・オンバシラを越えて新幻想郷の神になる、と。
そして全ての人が優しく穏やかな心でハバネロを食せる世界にする。
決意を胸に力強く頷く霊夢を見て、ライトマスター・オンバシラもまたその抜群のプロポーションを見せつけて天高く舞い上がる。霊夢もまた、衣服を全て脱ぎ捨てて同じく空へ舞った。
それは則ち、幻想郷の黎明に他ならなかった。白い雲が見える。青い空を進んでいく。霊夢は清々しい笑顔でライトマスター・オンバシラを見て、彼女もまた笑顔を返した。
今こそ博麗力の全てを賭して幻想郷と一体になる。それこそが博麗に与えられた使命なのだ。
「ちょっと待ったぁっ!」
響く声、霊夢が見た眼下、博麗の境内に――同じく全裸の早苗が屹立しているではないか。
「けんかはやめて! これは全て、諏訪子様の陰謀なのよ! 今あなたが動けば」
早苗の言葉が途切れ、倒れる。
「余計な事をするんじゃないよ、早苗」
その後ろから神奈子が姿を現した。が、彼女もまた全裸だった。
「そんな――」
「どうしたの? ライトマスター・オンバシラ」
「いけない、これでは胸パワーが足りない! 助けて、幻想郷のアフロ○イA!」
ライトマスター・オンバシラの悲痛な叫びが空に木霊した。
「……わかりました。すべて、私とハシちゃんが解決しましょう」
現れたのは、ボンテージスーツに身を包んだ八雲紫であった。
「さぁハシちゃん! 私と力を合わせて、パワー博麗力に!」
「紫――!?」
一瞬呆気にとられたライトマスター・オンバシラだったが、すぐにその目に光を取り戻す。
「分かったわ……紫」
「それでこそよ、ライトマスターオンバシラ。じゃあ、」
紫は、優しい笑みを浮かべる。
「……なまえをよんで」
「……ゆかり」
ライトマスター・オンバシラも、微笑みで返した。二人の力が溢れ出し、一点に集約していく。圧倒的で優しい力が。
そして二人と一本の影が一つに重なった時、幻想郷を光が包み、そしてハバネロは幻想郷に受け入れられた。
結界の外の世界には、ハバネロに代わる最強の唐辛子スナックが発売されていた。ライトマスター・オンバシラは幸せであった。
えーと、見たまんまです。orz
3人でぐるぐる回しながら書いていたので、誰がどこを書いたかは正直覚えてません。
一つ解った事は、深夜のマクドナルドには魔物が潜んでいるという事――
つーか太い光る棒どこで売ってるんですかw
つーかハバネロ受け入れるためだけになにやってんのこいつら