Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

私は貴女に恋してる

2006/12/15 09:42:30
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 貴女に出逢ったそのときから、私は貴女に恋をした。
 貴女の声-
 貴女の姿-
 貴女のすべてが焼き付いて離れない。
 決して実らない恋だと解っている。それでも私は貴女しか見えない。
 今、この場所には私と貴女の二人っきりしかいない。
 この静寂が、この一瞬が永遠に続けばいい。そう思ってしまう私の愚かしさ。
 時を止めるのはメイド長だけで十分。だから私はこの一瞬を記憶する。そうすればこの一瞬は私の中で永遠になる。
 貴女がそわそわし始めた。もうすぐあの人の来る時間。
 貴女はあの人が来たら、私はほとんど見えなくなる。
 寂しい。
 それなのに私は貴女の幸せを願う。だからあの人が来るとうれしい。
 私は自分の気持ちに嘘をついているのに、嘘をついていないという自己矛盾。
 私と貴女どちらが大切と聞かれたら、私は迷うことなく貴女と答える。
 私よりも貴女。
 だから私は貴女に幸せになってほしい。
 私は貴女が幸せなら-

                        本当に?

 え?

                        本当に幸せなのかしら?

 誰?

                           私は貴女。

 私?

                    私は幸せになりたい。

 私は…

                   貴女は、私は、あの人がほしい。

 …

                   あんなやつには渡さない。
               あんなやつが一緒だとあの人は不幸になる。

 違…

あの人を幸せに出来るのは私だけ。

 そんなこと思ってない。

                 嘘つき。

 嘘じゃない!

                         私は今でも考える。
                          あいつを*して、
                          あの人を■して、
                           あのひとを*して、
                           最後に私を*して、
                       それで、おしまい。

 嘘!嘘!嘘!!
 違う!違う!違う!!

                            嘘じゃない。
                             違わない。
                         私はいつも考える。
                           私は幸せになりたい。
                           私が幸せになりたい。
                             そのためならば…
                        どんなことでもしてみせる!

 違う!絶対に違う!
 私は…私は………っ!

                        私は罪深い子。
                 幸せになるためならばすべてを*し尽くせる。

 私…は………

                      私は貴女。貴女は私。
                           貴女の考えは私の考え。
                           貴女の想いは私の想い。
                           貴女の記憶は私の記憶。
                        貴女の気持ちは私の気持ち。
                        貴女は私。私は貴女。

 私は…?
 私の為すべきことは…?
 *し…
「小悪魔。どうかしたの?」
 不意に貴女の声が聞こえた。
 その瞬間、何処からか聞こえていた声も、考えも、想いも、記憶も、気持ちも何処かへと消えた。
「いえ、なんでもありません。ほら、こんなに元気なんですよ」
 言葉を証明するようにぴょんぴょんと飛び跳ねてみせる。
 !
 あっわっっ、本が!!
 あぅあぅ、大失敗です。本を持ったままでした。
「そうかしら?」
 貴女の心配そうな声に本音がこぼれた。
「…パチュリー様、ぎゅってしてください」
「?変な子ね」
 貴女はそう言って、それでも私をやさしく抱きしめてくれた。
 やっぱり私は貴女の幸せを願える。
「魔理沙さん、遅いですね」
「今、来られても困るわ」
「どうしてですか?」
「あなたが元気になるまで離せないし、離さないもの」
 胸の奥がじんとなって、暖かくなって、ドキドキして-
 これって、胸キュン?
 じゃなくて、やっぱり、
 私は貴女に恋してる。



END...









 ところで本棚の影から二人を覗く影が一つ。
「出て行き難い雰囲気だぜ。しかし私のライバルは小悪魔か。なかなかの強敵だぜ」
 その人影は帽子をくしゃりと握り締めた。

 そんな人影を覗く影が別々の本棚に二つ。
「あの子とパチュリーがくっつけば魔理沙は私のもの。うふふふふふ」
 その人影は大事な人形がぎりぎりと音を立てるくらいに握り締め、
「私の親友は黒白なんかには渡さないわ。小悪魔、もう一歩、もう一歩!」
 もう一人は本棚がめきめきいうくらいに掴んでいた。

 そんな五人を入り口付近から眺めつつ、巫女とメイドのうち、巫女が呟いた。
「平和ねえ」


END...?
紙魚ネコの中の小悪魔はいい子。でも時々暴走する子。
そしてパチュリーのためなら全部犠牲に出来る子。
紙魚ネコ
コメント



1.名無し妖怪削除
何この素敵な入れ子構造w
2.名無し妖怪削除
ちょww
小悪魔日記といいこれといい、紙魚さんの小悪魔は本当にいい味だしていますねww
3.名無し妖怪削除
全部が素晴らしい