悪魔だって泣いちゃうの

ジリリリリリリリ……








これは二人の悪魔と








ジリリリリリリリ……








それを取り巻く馬鹿共の






ジリリリリリリリ……






スタイリッシュでクレイジーな弾幕ＳＴＧ









悪魔だって泣いちゃうの









ジリリリリリリリリ



鳴り止まない電話に喝を入れにシャワーを早めに切り上げ、バスタオル１枚で事務所に向かう。

床に転がる椅子に狙いを定め、すくい上げるように蹴りをかます。




ドガッ


カランカラン




まぁ、これは今練習中だから仕方ないよね。仕方ないから空気椅子で我慢するの。


その姿勢のまま片足を上げ、机にやや乱暴に乗せる。




ドゴン




机は真ん中が脚の形に刳り貫かれ、割れはしなかったものの、ひびが入っていた。


……力加減が難しいわ……



仕方ないので普通に手で受話器を取った。





「悪いけどまだ着替え中なの」




放り投げた受話器が天井のプロペラに突き刺さる。今にも落ちてきそうだ。



……これも仕方ないの。


「気の早い奴もいたもんね。」




そういえば受話器を放り投げる直前に液体の噴射音が聴こえたのと、


事務所の入り口の窓に血が付いてるのは関係があるのかしら？




流石にこの格好だと風邪を引きそうなので、いそいそと着替え始める。


と突然客が入ってきた。



よく見ると中国人らしい。


入ってきた途端に鼻血を出しながら出て行った。




そんなに私の半裸が魅力的だったのかな？けど、鼻血を処理してけよ。




着替え終わって、大好物のハバ○ロチキンピザに手を伸ばそうとしたところでまた中国人がやってきた。


「あなたもそのクチ？」


「………。」



シカトこきやがった。どうでもいいが、自分の出した鼻血くらい掃除してくれ。


「バスルームなら裏にあるよ。私が使ったばかりだけど、自由に使っていいよ。」



下を向いたかと思うとまた鼻血出しやがった。しかも今度はビリヤード台の上にだ。

マジで損害賠償請求すんぞ、コラ。


「あなたがフランドール様ですね。なんでも吸血鬼の末裔であるとか。」


なんで私の個人情報知ってるの？だだ漏れ？とりあえずお前、プライバシーの侵害で訴えるわ。


「……どこでそれを？」


「あなたの姉上様から。」



とんでもないことを言い出してきた。これはふざけてはいられない。


私の胸元をエロい目で見てきたので、キッと上目遣いに睨み付けたらまた鼻血出しやがった。



ハバネロチキ○ピザ２切れが汚れた。ぶち殺すぞ中国人。



「招待状を預かっています。受け取って下さい。」



中国人が机に手をかけたら、うっ。と喚いた。


どうも机のひびで指に棘が刺さったみたい。




いい気味だ馬鹿野郎。



涙目で指チュパなんかして、お前はどこのエロゲだと。


しかも突然屈み込んで何してるんかと思ったら、机を下から覗き込んで手をかける位置を確認してた。



それと、いい加減指チュパ止めろと。



むかついていると中国人が机を上にすくい上げた。


このままだとひっくり返っちゃうから、つらいけど仕方ない。






空気椅子の体勢のまま跳んだ。





先に２回転して元のように落ちた机の上に着地した。


一応敵っぽいのでクランベリートラップでも構えておこうかと思ったら、机割れた。




お前これが目的か？



尻餅ついたから凄い痛かったけど、○バネロチキンピザだけは死守した。



中国人は消えていた。周囲にチャイニーズ臭はなかったので安心してハバネロチキン○ザに手をかけた。




ズグ



いきなり空間を割って現れたメイドにナイフで刺された。




しかも猫耳だった。



お前ふざけんな、まだ一口もハバネロチ○ンピザ喰えてねぇっての。私餓死するぞ？



ブスッ、グサ、ズッ


さらに立て続けに現れた数人のメイドに全身をさされた。



しかも全員猫耳だ。ここまでくると正直引くわ。



さらになんかみんなﾊｧﾊｧ言ってるんで、怖くなって目の前の一人を突き飛ばした。


他のメイドたちが驚きこっちを見た。





なんでお前ら鼻血だしてんだよ。床とか赤一色よこれ。



多分文句言っても無駄だと思ったから、飛んでいったメイドが残していった猫耳キャップを回してみた。




ぇ？




なんだよこれ、自前じゃないのかよ。心臓に悪いだろ。


自分なにやってるのか分かんなかったし。これなんてメルヘン？いやいやいや




このままじっとしてても埒が明かないので、テンション上げるためにジュークボックスに向かった。




メイドを引きずりながら歩いていくと、運のいいことにハ○ネロチキンピザが目の前にあった。



一切れを手に取ったところでまたメイドが襲い掛かってきた。


面倒なので、先ほどの猫耳キャップを上に放り投げ、

ちょうど走り込んできたメイドたちの上に、プロペラを落としてやった。






これでようやくハバネロ○キンピザが喰えると思ったらさっきの受話器が私に落ちてきて、私はハバネ○チキンピザを落とした。








しかも受話器がそのまま残りのハバネロチキンピ○の上に落ちて、潰れた。








～～～～～～～～～～～～～～　中略　～～～～～～～～～～～～～～







「……泣いてるの？」




「雨だよ……」

「なるほどね……楽しいパーティーになりそうね！」

突然現れた謎のメイド、紅い館、行方不明の姉。

「あの子は持っていた？」
「はい。大事そうにしていましたよ……あなたのと同じZUN帽を。」

鍵を握るのはZUN帽……。それに秘められた力とは一体…。

「私の名は美」「私の名は鈴」
『私たちを連れて行って。力になるわ。』
「１つ条件があるわ。」
『何でも言ってください。あなたが望むならば。』
「あなたの名前は中国よ。」

新たな力

「臭う、臭うぞ……」
「悪かったわね。今度は香水でもつけてくるわ。」
「これはょぅι゛ょの臭い…！！」

新たな敵

「まぁ、ざっと１年ぶりの再開だもん。まずはキスの１つでもしてあげようかしら。
　……それとも、こっちのキスの方がいい？」

帰ってきた姉

「その魂が言ってるの……お姉さまを止めて、って！！」
「残念だけど私の魂はこう言ってるわ……
　――もっとカリスマを…！」

その目的とは一体……


「楽しすぎて狂っちまいそうだ！！」（注、妹様はこんな乱暴な言葉遣いはしません。


『ＫＭＣ３』２００７年夏登場




(´･ω･`)ねぇよ