「ご、ごめんなさいパチュリー様! また魔理沙さんに本を奪われてしまいました……」
「……はぁ。またなのね」
「あうぅ……ごめんなさいっ!」
「まあ、いいわ。私でさえてこずる相手をどうこうしろというのも酷な話だし、あなたは普段の本の管理をしっかりやってくれればいいのよ」
「……うっ……」
「どうしたの? 顔を上げなさい」
「あ、あの、ごめんなさいっ! ネズミが……」
「――だから、魔理沙のことはもういいって、」
「いえ、その、そうじゃなくて……」
「え?」
「さっき、あの、本物のネズミが出てきてですね、」
「はぁ」
「それで、その……驚いて飛び退いた拍子に本棚をドミノ倒しにしちゃいました! ごめんなさいっ!」
「……さっきの轟音と地響きはそれだったのね」
「き、聞こえてましたか……」
「ま、本棚はシールドしてあるし、本が無傷ならそれでいいのよ。後でちゃんと戻しておきなさい」
「は、はい。ごめんなさい……」
「でもその前に、ちょっと休んで落ち着いた方がいいわね。ほら、あなたもたまには座ってお茶でも飲んだら?」
「お、恐れ入ります。ではそうさせて――あっ」
「……今度はなによ」
「パ、パチュリー様が召し上がってる、そのクッキー……」
「さっきあなたが持ってきたんでしょ。これがどうかしたの?」
「よく見たらお嬢様用のクッキーでした! ごめんなさいっ!」
ブフュ
「ぁんっ」
「げほげほっ……今日のおやつはどことなく紅いと思ったら――って小悪魔、クッキーの残骸だらけの顔でなにを恍惚の表情を浮かべてるのよ」
「――はっ!? ご、ごめんなさい私ったら……」
「はぁ……で、他にはもう問題ないわよね? 図書館は平和よね? 私生きてていいよね?」
「……あ、そういえば」
「なんなのっ」
「昨日、うっかり居眠りして本にヨダレを垂らしちゃいました! ごめんなさいっ!」
「……なんかもう、どうでもよくなってきたわ。あとはもうない?」
「パチュリー様がうっかり居眠りしてヨダレを垂らした本を、こっそり自室に持ち帰って何度もえーっとその、ごめんなさいっ!」
「……他になにか」
「ラクトガールって乳臭い少女のことかと勘違いしてました! ごめんなさいっ!」
「……次」
「あなたを愛してしまいました! ごめんなさいっ!」
「へ」
「それでは、ごめんなさいっ!」
「えっ何ちょっ放して小ぁ」
むちゅー。
――――――……。
――――――――……。
――――――――――……。
レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ
「――ぷはぁっ! あ、あれっ……?」
「……むきゅ~…………」
「ああっ! パチュリー様の顔色がものすごい勢いで酸欠風味にっ!? ごごご、ごめんなさいっ!」
その後、小悪魔の献身的な心肺蘇生法によりパチュリーは生還した。
酸欠の影響か、気絶直前の記憶はパチュリーの頭から抜け落ちていた。
以来パチュリーは、小悪魔がなにかしら謝罪する度に謎の動悸と息切れを覚えるようになったという。
~おしまい~
小悪魔、恐ろしい娘!
とりあえず一言。ジークこぁ!
どう考えても鼻血ですほんとうn(ry
恋?恋の病っ!?
かくして今日も紅魔館は紅いのでありました。
↓x5ブフュ吹いた(笑)