Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

今日も進展なし

2010/11/29 13:30:50
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人形を操る。
つまり何かを直接的に使役あるいは支配するという魔法を私、アリス・マーガトロイドは用いている。
その持ち前の操術を、邪法というかそっち方面に魔術を磨いて発展させていけばどうなるかなんて想像は容易である。あんまり想像したくもないし、もちろん今の所その予定はないけど。
しかし、この手法を用いていることを取ってみても我が強いというか、奥底では支配欲が眠っているのかもしれない。実際にのけ者にされるのは嫌いだし、弾幕で喧嘩を売られたらとりあえず屈服させてしまおうと考えてしまう癖があって。そこまでの実力が私にあるのかは横に置いておくが。
それはともかく、だ。
欲しいものが手に入らないと、思い通りにいかないと腹が立ってしょうがない。研究然り、料理然り、
こいつ然り。

「ね~霊夢ぅ、私たち友達よねぇ?」
「あ?」

何を馬鹿な。そう霊夢の瞳は語っていた。アリスちゃんイラッとしちゃうな~。
少女フラッシュバック中。時はさかのぼること数年前。



―――誰があんたみたいな七色魔法莫迦と旧友なのよ


‥‥‥。


―――誰があんたみたいなバカと旧友なのよ


‥‥‥。


―――誰があんたと友達なのよ



プッチン

「プリンおいしいわよ?」
「怒ったわ!もうどうしようもなく有頂天に怒ったわ!」

ちゃぶ台を両手で叩き、私の怒りのボルテージを示してやる。しかし霊夢はもぐもぐ、私が作って持ってきたプリンを食べてばかり。一人幸せそうに食べてるんじゃないわよ、うが~。
こっちは大真面目に傷ついて夜もばっちり熟睡できるくらいなのに、なんだこの巫女は。魔理沙も魔理沙で人を異常人間呼ばわりしてくれたが、いいでしょう、それは許すわ。なんだかんだでこっちの頼み事は聞いてくれるし、異変解決のサポートをするうちに彼女の性格も見えてきた。
しかし博麗霊夢!
あれか、喧嘩売ってるのか?買うわよ、喜んで買うわよ?まぁ既に買ってあるけど勝ってないからね。いまからボコ殴りにして屈服させて、涙目になった霊夢にごめんなさい私たち友達です親友ですって言わせてやるわ。そこまでの実力が私にあるかというよりむしろ返り討ちにあいそうな気がするが、それは横に置いておいて。

「いい加減に、私のモノになりなさい霊夢!」
「誤解を招く表現禁止!」

空になったプリンの器を卓に叩き置き、顔を真っ赤にして怒る霊夢。そんなに友達になるのが嫌か。
本気で悪に目覚めて魔界特産のやばい邪法を施してやろうか。ごくたまにそう思ったりして実行したりなんてお茶目もしたけど、霊夢に通用しないからやるだけ無駄なのよね。ありとあらゆるものから飛ぶ能力。このよくわからないけどなんだかすごい力のせいで、すべてが無効化されるのだ。ああ、腹立つ。

「あのね?今は守矢神社もあるし聖も寺を開いたの。わかる?」
「バカじゃないもの、わかるわよ」

霊夢が何やら言葉を浴びせてくる。
春雪って何年前だっけ?よく覚えてないけど、確実に数年単位で経過してるわよね。

「昔の話をずるずる引きずって噛み付く根腐れ女とだ~れが友達だってぇ?」
「ひどい、ひどいわよ霊夢!過去数年間で3番目くらいに傷付いたわよ今の言葉は。ちなみにベスト1は春雪で安定」
「しゃ~ら~っぷ!やかましいっ、しつこい女めっ」
「それは、お互い様!」

そうだそうだ、こちらのアプローチを何年無視するつもりだ。

「むぐぐ」
「ぬぬぬ」

もうこれ以上ないほどに霊夢をにらみつける。彼女も視線を返して二人が放つ視線はまっすぐ進み、真ん中でぶつかり合って火花が散った。バチバチバチ、しかし飛んだ火花でちゃぶ台に焦げ目がついてきたので、これくらいにしようということで両者引き下がり引き分けと相成った。
だがしかし、私は諦めないわよ。押してダメなら‥‥‥

「霊夢嫌い」
「ほう、それで?」
「大嫌い」
「んで?」
「絶交」
「む」
「帰る」
「あぁそう?」
「聖がね。今度魔界に連れて行ってくれるって」
「す、好きにすればっ!?」

ごり押し?いいえ、引いてみた結果です。好きにして良いそうなので、彼女の言葉通りにさせてもらおう。
私は席を立ってお菓子やら本やらの荷物を手早くまとめていく。途端に霊夢が口をパクパクさせ始めるが、狼狽してるみたいだけど霊夢って魚類だったかしら?まぁ釣れたから魚なんだろうね。
さて、そのまま立ち去ろうと縁側まで出た私を見ていよいよ耐えられなくなったのか、霊夢は手を伸ばしてスカートのすそを摘んできた。潤んだ瞳で見上げてくるさまは、飼い主に置いてけぼりにされて「わんわん、僕を散歩に連れて行ってほしいわん」と切なさを醸し出す子犬である。
勝った。
私は勝利を確信して畳み掛ける。

「はい霊夢。『私とアリスは大親友です』、さぁどうぞ」
「押しつけ反対!」

この期に及んでなおも抵抗するか。ていうか涙目で抗議してくるんじゃない、可愛い過ぎて罪悪感が‥‥‥とはいえこちらもそろそろ忍耐の限界。もはや手段は選ばぬ、実力行使だ。
子犬霊夢のふにふにほっぺを両方ともつまんで、左右に引っ張ってやる。

「この口が悪いのね、てい」
「いひゃいいひゃいひゃにふんのほ!」
「さっさとデレなさい、この、この!?」
「あほかっ!そほそもいまはらふきへいへるはへないのほそれふはいはかへこのばか!」
「何言ってるかわからないけどまたバカって言ったわねっ」

ぷにぷによく伸びる頬を遠慮なしに引っ張り続けるうち、霊夢の方も反撃にと私のそれをつまんできた。うっわ、これすごく痛い。
頬を苛めてしばらく持久戦を続けていた私達であったが、あまりの痛さに耐えかねて、両者合意の上で同時に手を放した。霊夢も私も頬が真っ赤である。さっきも似たようなことをやってループしてる気がするが気にしない。
さぁ、こうなるといよいよ決着がつかないわ。
いよいよスペルカードの出番か。霊夢相手じゃ既に敗色濃厚だけど、ここは一発ぎゃふんと言わせねば。意を決してスペカ宣言を行おうとしたその時、

「どうした~、喧嘩か?喧嘩は両成敗だぜ~?」

聞き覚えのある声が届く。霊夢と二人して外を見やれば、家主に断りなく上がりこんだもう一人の友達、霧雨魔理沙がそこにいた。
どうやら善意で仲裁に入ってくれるようだ。両方ともそろそろ引っ込みがつかなくなってきてるからね、やはり持つべきものは巫女じゃなくて友達よね。

「聞いてよ魔理沙。そこの超絶根暗馬鹿人形師が」
「ひどいのよ魔理沙。そこの紅白阿呆チート巫女が」

魔理沙に詰め寄る私達。こいつ、ありもしないことをしゃべって私を貶める気ね。どうやら向こうも私を信用していないようだ。私ならありのまますべてを伝えてあげるのに、あわよくば魔理沙をこっちに引き入れて‥‥‥視線で霊夢とけん制し合う。
動きのない私たち。
業を煮やすどころか何かを悟って諦めたのか、二人に挟まれた黒白の魔女は次にこう口にしたのであった。












「こいつらめんどくせぇ」



 てすと
さて、霊夢は何と言ったでんでしょうね。
幸せをやっている霊夢とアリスを書きたかっただけ。既に仲良しなので進展しようがありません。
レイアリだけとかレイマリだけならともかく、レイアリマリを書くとなるとバランスが難しいですね。
水崎
コメント



1.奇声を発する(ry in レイアリLOVE!削除
読んでる間ずっとにやけっ放しww
2.虎姫削除
仲が良いなーw
3.名前が無い程度の能力削除
そうだよねー、今さら言えるはずないよねーw
4.名前が無い程度の能力削除
レイアリはこれぐらいテンション高いほうが好きw
面白かった
5.名前が無い程度の能力削除
なにこの仲良くケンカしなな二人
すっごい好みだ
6.名前が無い程度の能力削除
意外と解読に時間かかるもんだなこれw
7.名前が無い程度の能力削除
解読難しかったwコメで理解
なるほどなるほど。気持ち分かりますぞ!
8.名前が無い程度の能力削除
>>3氏のコメで解読に成功した。ありがとう……!
もう一度読み返して余計にニヤニヤしてしまったよ2828
9.名前が無い程度の能力削除
「そもそも今更好きって言える訳無いのよそれ位解れこのバカ!」…でOK?

ああ、不器用なレイアリはいいものだ。
10.Yuya削除
友達じゃないのはそういうことね、なるほど