Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

そういう趣味もあるいは

2007/10/30 07:42:48
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「んふぅ・・・今日も世界は平和・・・」
まったりと腕と耳を伸ばし伸ばし背伸びをし、
この永遠亭を見回る。
うん、異常なし。
全く異常がない。
ていうか誰も居ない。不気味。
「もうちょっと人気があってもいいよね・・・」
真冬だったので、てゐを始め他のウサギ達は冬眠中。
今日はぽかぽかと暖かいので私は動けるけれど、
他の子達はこれ位の暖かさでは無理らしい。
「そういえば師匠は何やってるのかしら・・・」
もう三日間。何をやっているのか解らないけれど、
研究室にこもりっぱなしらしい。
食事は部屋の外に置いておいてと事前に言われてたのでそうしていたけれど、
正直心配になる。
「・・・やっぱり見てみよう」
嫌な予感がしたので、足早に研究室に向かった。

「師匠、師匠、はいりますよー」
部屋の前で一応声を掛け、ふすまに手を掛け―――
ビビビビビビビビィッ
「うひゃぁ!?」
せ、静電気っていうレベルじゃないですよ!?
何かこう、ビリってきましたよ!?
がらら―――
痛がっていると全く別の所から師匠が顔を出した。
「あら、五月蝿いと思ったらうどんげじゃない。
こんなところで何してるの?」
「うぅ・・・師匠、なんなんですかこれ」
「ああ、これ?侵入防止用の偽ふすま。トラップよ」
「ちょ・・・いつの間にそんな・・・」
私全然聞いてないですよそんなの?
「だって最近ウサギ達冬眠してるじゃない?
乙女ばかり三人しかいないなんて怖いもの(はぁと」
そんな、乙女っていう歳でもないでしょうに・・・
「あぁっ、今唐突に鍋が食べたくなったわ。兎鍋。何でかしら?」
「い、いえっ、な、なんででしょうねぇ・・・」
怖っ、今本気でそう思ったよこの人っ
「それで何か用?」
「あ、いえ、最近おこもりのようなので、何してらっしゃるのかと」
「ん・・・?ああ、言わなかったかしら?」
「ええ、何も聞いてません」
歳なのかもしれない。言ったと思ってそのまま言い忘れてる。
「はぁっ」
パチンっ
「い、痛っ・・・何するんですか!?」
突然師匠にはたかれる。痛い。泣いちゃいそう。
「いや・・・なんだか急にその顔が腹立たしく・・・
何でもないわ。ごめんなさいどうかしてるのね」
「お疲れなのでは?」
「そうかもしれないわ・・・」
はぁ、と肩を落とす師匠。良く解らないけれど、とりあえず疲れているらしい。
「それで、一体何を?」
「ああ、そうだったわ。そうなのよ。うどんげ、ちょっと入って。
あなたにも見て貰いたいのよ」
「はぁ・・・?」
急に元気になったかと思うと、私の手をぐいぐい引っ張って部屋へ。
私も何なのか解らないけれどとりあえず、と特に抵抗せず入った。

「あなたに見て欲しいのは・・・これよっ!!」
じゃあーんっ
「・・・って、何ですか?これ・・・」
師匠が指差したのは、眼鏡男が褌一丁で『や ら な い か ?』と言っている特大ポスター。
師匠、何も自分の趣味をカミングアウトしてくれなくても・・・
「え・・・?あっ」
と、思っていると師匠、急に顔を真っ赤にして手をばたばたしはじめた。
「きゃ、きゃぁぁぁぁぁっ!?
ちがっ、これはちがくてっ、別にそういうんじゃないのよっ?全然違うんだからっ」
いやだから何がですか。
「だからっ、違うのよっ、これは・・・そう、借り物よっ」
「借り物って・・・誰のですか?」
「えっ・・・え、えーっと・・・姫よっ
姫に『こういうのもアリよね?』とか言われて・・・」
「えー・・・」
苦しい言い訳なのはばればれとして、よりによって姫を出すのはどうかと・・・
いや妙にリアリティーあるから冷静に言われてたら信じてたかもですけど。
「それで、これがなんなんですか?」
「だ、だから違うのよっ
ま、まぁいいわ、とりあえずちょっと待ってね・・・
あぁあったっ、これよこれ・・・」
否定してから、何かぶつぶつ言いながら部屋の隅っこをがらがらとする師匠。
何してるんだろう・・・
「よしっ、いいわ。これを見なさいうどんげっ」
と言われ声の方を見てみると・・・
「・・・へ?」
何か・・・私がいますよ?
「あのー、師匠、これは・・・?」
「我が八意ファーム期待の最新作、うどんげ☆2号よっ」
師匠、ファームって牧場です。
「ていうか2号って・・・えぇぇ・・・」
なんていうか、これに対してどう反応して良いのやら。
とりあえず見た目は私なんですが。
「あのー、これって何ができるんですか?ていうかロボット?」
「ロボットよ。何ができるかと言うと、うどんげ程度の能力があるわ」
「なんか程度ってつけられると微妙に馬鹿にされてる気がするんですけど・・・」
「世界の法則だから仕方ないわ」
「はぁ・・・」
法則なら仕方ない。
「それじゃ、とりあえず私が二人になったと思えば良いんですね」
「まぁそうね・・・ただしっ」
「ただし?」
「戦闘能力だけはちょっと心もとなかったから、
八意オリジナルの改造を施してみたわ」
「はぁ・・・」
ろくでもない気がする。ものすごくろくでもない気がする。
「まず手よ。どんな物でも貫く角っ
これでいつでもcaved!!できるわっ」
わーお、手に角なんてなんて斬新。
「そして口からはマスタースパークをっ」
それ時代遅れじゃないですか?
「耳は自動で動き敵の位置を捉え的確にナイフを投げるわ」
もうなんて言っていいのか・・・
「そしてCPUはチルノ程度の能力がっ」
「あの・・・熱く語ってるところ悪いですけど、それかなり劣化してるんじゃ・・・」
流石にこれで私並と言われるとちょっと・・・
「あらそう?まぁいいわ」
良くないです。全然良くないですから。
「ではとりあえず起動テストをするわ。付き合って」
「え・・・付き合うって何を・・・」
うぃーんうぃーん
『うどんげ☆2号、起動開始』
「勿論戦闘訓練よ」
私より強く作られてるのに私が相手なんですかっ!?
「大丈夫よ、普段はロックが掛かってて命まではとらない設定になってるから」
「そ、そうですか・・・ほっ」
と息をついた直後。
ぴこーんぴこーんぴこーん
『エラー発生、エラー発生。殺人ロック解除します』
「ちょっ!?」
「あらあら困ったわ、うどんげを敵として認識させた直後だったのに」
『うどんげ☆一号を目標と認定、攻撃を開始します』
「う、うわぁぁぁぁぁぁんっ!?」
『ますたーすぱーく』
ドドォンッ
「あ、うどんげ、因みにその子機械だから狂気の瞳は効かないわ」
「無理っ、無理ですからっ
瞳効かないのに勝てるわけないですからっ!?」
「えー、じゃあ仕方な―――」
『ますたーすぱーく』
「うわぁっ」
「よーぅ、正々堂々、泥棒にきたぜっ」
ドゥンッ
ぴちゅーん
プスプスプス―――
私がいた所に何故か白くて黒い人が居たような・・・
「ああぁぁぁぁっ、とうとう殺人事件に発展ですかっ!?」
「まぁ、いいじゃない。残り2機くらいあるわよ」
「なんですか2機ってぇ!?」
『お前達の―――なんてなかったことにしてやるー』
caved!!
ZUN!!
「ひぃっ!?私の顔で放送禁止用語言わないでくださいっ」
すんでの所でかわす。
もう研究室ぼろぼろですよ・・・
「うーん、困ったわねー、じゃあもう仕方ないわ。止めましょう」
「へ・・・?」
ピッ
言いながら、小さな機械のボタンを押す師匠。
と、その直後
シューン―――
『強制解除発動。緊急停止し・・・ま・・・』
私目掛けてナイフを投げようとしていた耳は止まり、かくん、とその体が倒れた。
「実はリモコン式なの♪」
「最初から使ってくださいよっ!!」
命が掛かっていただけにつっこまずにはいられない。
「ふぅ、また1から作り直しね」
「もう作らないで下さい・・・」

その頃、輝夜は―――
「やっぱり時代は男魔理沙×香霖よねっ
実は魔理沙は女装趣味の男だったという設定でいきましょうっ
うんっ、今年の冬はそれに決定だわっ」
爆音に気づくことなく熱く引きこもっていたという―――
(終)
はい初めましての方初めまして。
そうじゃないかたはこんばんわ。
小悪亭・斎田というものです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。

そろそろシリアス書きたいと思って書いてたんですが、
なんとなく合間合間にギャグのネタが浮かんでしまって困っています。
折角のネタだしほっとくのも勿体無いのでこうして書いてるわけですが・・・
なんで欲しいと思ったときに限って浮かばないのにこういう時浮かぶんですかね?

※調べたところ、兎は冬眠しなかったようです。
 ご指摘あがとうございました。以後気をつけます。

とりあえず今回は・・・まぁこういうお話です。
ちょっと点が多い事以外はそんな書くようなことも無いです。
もし何かあったらご指摘していただけると助かります。
ではこの辺りで、ではでは。
小悪亭・斎田
http://www.geocities.jp/b3hwexeq/mein0.html
コメント



1.名無し妖怪削除
ウサギって冬眠したっけ?